【楽しく認知症に備える】TRF考案のリバイバルダンスとは!?
6月26日(土)、神奈川・パシフィコ横浜で行われた「第10回日本認知症予防学会学術集会」の市民公開講座「科学的に正しい認知症予防への理解と実践に向けて」に、TRFのSAM、ETSU、CHIHARUの3名が特別講師として出演しました。これは、認知症など高齢期の病気に備えるためのシニア向け運動プログラム『リバイバルダンス』のワークショップのため。『リバイバルダンス』とは? そして当日はどんなことが行われたのか? その模様をレポートします!
『リバイバルダンス』の振り付けで会場が一体に!
認知症に備えるためにできることを啓発するのが目的のこのイベント。「学会」の催しなのでタイトルは難しそうですが、最初に行われた日本認知症予防学会・理事長で、鳥取大学教授の浦上克哉先生による基調講演では認知症の現状と予防についての考えがわかりやすく示され、続いてはTVでおなじみのフリーアナウンサー・徳光和夫さんが登場。「認知症予防大使」でもある徳光さんの特別講演は、認知症の症状が出てきたという奥様とのエピソードなども交えつつ、随所で場内が笑いに包まれる楽しいものでした。
そしていよいよ、TRFの3名が登場しての『リバイバルダンス』ワークショップが開始。『リバイバルダンス』とは、SAMさん、ETSUさん、CHIHARUさんの3名自身が考案したダンスプログラムで、認知症など高齢期の病気に備えるためのもの。高齢者にも馴染み深い昭和・平成のヒット曲に合わせて踊ることで、脳神経を活性化させ、体も思い出も再生=「リバイバル」するためのダンスです。
2021年秋頃にDVDもリリースされる予定の『リバイバルダンス』は、「運動編」と「脳活性編」の2つにわかれています。「運動編」は「お祭りマンボ」(美空ひばり)、「プレイバック part 2」(山口百恵)、「ギャランドゥ」(西城秀樹)、そしてTRFの「survival dAnce ~no no cry more~」の4曲を4分半にまとめたメドレー。「脳活性編」の方は、「太陽にほえろのテーマ」、「自動車ショー歌」(小林旭)、「せんせい」(森昌子)、「川の流れのように」(美空ひばり)、「年下の男の子」(キャンディーズ)、三百六十五歩のマーチ」(水前寺清子)の6曲からなるメドレーとなっています。どの曲も昭和世代なら必ず知っているような大ヒット曲ばかりですね。
アップテンポの楽曲が並ぶ「運動編」と、バラードやスローテンポの楽曲からなる「脳活性編」を併用することによって、楽しみながら適度な全身運動ができて、脳の活性化にもつながるプログラムとなっているのです。
広い会場には、事前抽選により約100名の聴講者がソーシャル・ディスタンスを取って着席(同時にライブ配信も実施)。ステージに登場した3名は、まず聴講者とともに準備運動。SAMさんの説明に従って、みんなイスに座ったままで体をほぐします。途中、微妙に動きの順番を入れ替えるなどもあって、SAMは「脳トレの要素が入ってますからね」と説明。ただその後、SAMさん自身が順番を間違えてしまい、場内の笑いを誘う場面も(笑)。
体がほぐれたところで、全員が立ち上がって実際の振り付けをやってみることに。ここからは「市民代表」として、特別講演を終えた徳光さんも参加しました。今回は美空ひばりさんの「お祭りマンボ」のワンコーラス分の振り付け指導が行われました。
この振り付けは高齢者にも手軽にできるようにと考えられており、またイスに座ったままでもできるように工夫されているので、普段TRFの面々が披露しているような激しいダンスに比べると、もちろんかなりシンプルなものになっています。ただワンコーラスとなると手順も多くなるので、徳光氏は額に汗を浮かべながら「覚えるのが大変ですね」と正直な感想を漏らしていました。SAMさんは「こうやって振りを覚えることも脳の活性化につながります。失敗しても全然構いませんから、どんどん失敗しながらやってください」と励まして進行していきます。
振り付けの説明を終えたところで、いよいよ曲に合わせて実演! 今やったばかりで全員が覚えたてで、しかも「お祭りマンボ」はけっこうアップテンポ。どうなるかと思われましたが、皆さんなかなかうまく踊っていて、数回繰り返す頃には会場に一体感も生まれてきました。徳光さんも「これいいですね!」と絶賛! その後は、またSAMさんの号令で整理運動を行って、ワークショップは終了。馴染みのメロディーで適度に体を動かしたことで、聴講者の皆さんは皆、満足げな笑みでした。
「楽しんで継続することが何より大事!」
パフォーマンスの後、TRFの3名と浦上教授、徳光さんによるトークも行われました。SAMさんは終えたばかりのワークショップについての感想を「リバイバルダンスのワークショップを自分たちが開催するのは初めてでしたが、皆さんが楽しくやられているところを見られて、すごくよかったです」とコメント。徳光さんからは「日本で音楽とダンスが一つになったのはTRFのおかげですよ。そんな彼らが高齢者に目を向けたのは大きいですよね」と評価すると、SAMさんは「世界でも日本が最初に高齢化時代に入るので、日本がどういう取り組みをするかは世界的にも重要ですから」と応えていました。
CHIHARUさんは自分たちのパフォーマンスへの高齢者の方々の反応について問われると、「皆さん楽しんでくれて、ハイタッチしたりしている姿を見るのは楽しいです」と返答。ETSUさんからは「ダンスの振り付けを少しずつでも覚えて、できるようになってくれると、楽しめるはず」と、『リバイバルダンス』の効能について語っていました。
トーク中には、浦上教授がSAMさんが認知症やその対策について的確な知識をもって発言していることに驚く場面もありました。SAMさんは「『リバイバルダンス』を作るきっかけになった『ダレデモダンス』を作った時に、医者をやっているいとことタッグを組んで、たくさん勉強しましたから」と返答。さらに「楽しく年齢を重ねていくことが大事で、年を取ったからといって何もしなくなるのが一番良くないことです。いくつになっても体を動かしたり、学んでいくことができる環境を作ることが大事だと思います。また今回のように、みんなで一緒にやることでもっと効果が出ます。これから、地方自治体や企業でもこうしたワークショップをどんどん広げていきたいですね」と、今後の展望を語りました。
最後に3人は、この日のまとめとしてそれぞれ、このようにコメントしました。
「小さい頃からダンスをやってきて、そのダンスが認知症に備える活動につながるということで、『ダンスをやってきてよかったな』って思えました。一人でも多くの人たちに体験してもらって、その振りを覚えて頭を使うということも脳神経の活性化につながるし、何より楽しむこと、間違えても踊れなくても、『楽しかった』と感じることがすごく大事だと思うんですね。筋力をつけていくということも大事ですし、一緒に健康寿命を長くしていくお手伝いができることをうれしく思っていますので、(『リバイバルダンス』を)宣伝してください(笑)。認知症が少なくなったという結果が出ることが一番の喜びなので、多くの人たちに体験してもらいたいと思っているので、よろしくお願いします」(CHIHARU)
「私自身、一度病気をして筋力がかなり落ちてしまったことがあったのですが、ダンスをすることで筋力を戻せたという経験を実際にしています。この『リバイバルダンス』では楽しくそれができるということがありますので、一人でも多くの方が楽しさと、一つ一つのダンスができていく喜びを感じて、認知症の数が減っていくということに繋がっていくと嬉しいです。一人でも多くの人に体験してもらいたいと思ってます。」(ETSU)
「このように昔懐かしい曲をメドレーで踊るというのは、たぶん初めてだと思うので、楽しくできると思います。継続できるということはすごく大事ですので、『これをやらなきゃいけない』という気持ちではなくて、『やりたい』と思うのがすごく大事なんですね。それこそ『リバイバルダンス』じゃなくても、ご自分で楽しめるもの、アートでもいいし、詩を書くでもいいし、頭を使ったり体を使ったりするものを何か見つけて、それを日常生活の中で必ずやるというのが、健康寿命が伸びたり、認知症に備えることができたりということに繋がると思うので、皆さん、人生100年時代ですからね。100歳まで自分の周りのことが自分でできるように、楽しんでいきましょう」(SAM)
短い時間ながら、聴講者にとっては貴重かつ楽しい体験となったこの日のイベントでした。『リバイバルダンス』に関心を持った方、自分や身近の方の認知症対策に日頃から関心を寄せている方は、まずはリンク(https://revival-life.jp/dance/)を参照してみてください。
【『リバイバルダンス』 オフィシャルサイト】
https://revival-life.jp/dance/
【『リバイバル ライフ』プロジェクトオフィシャルサイト】
https://revival-life.jp/
『リバイバルダンス』の振り付けで会場が一体に!
認知症に備えるためにできることを啓発するのが目的のこのイベント。「学会」の催しなのでタイトルは難しそうですが、最初に行われた日本認知症予防学会・理事長で、鳥取大学教授の浦上克哉先生による基調講演では認知症の現状と予防についての考えがわかりやすく示され、続いてはTVでおなじみのフリーアナウンサー・徳光和夫さんが登場。「認知症予防大使」でもある徳光さんの特別講演は、認知症の症状が出てきたという奥様とのエピソードなども交えつつ、随所で場内が笑いに包まれる楽しいものでした。
そしていよいよ、TRFの3名が登場しての『リバイバルダンス』ワークショップが開始。『リバイバルダンス』とは、SAMさん、ETSUさん、CHIHARUさんの3名自身が考案したダンスプログラムで、認知症など高齢期の病気に備えるためのもの。高齢者にも馴染み深い昭和・平成のヒット曲に合わせて踊ることで、脳神経を活性化させ、体も思い出も再生=「リバイバル」するためのダンスです。
2021年秋頃にDVDもリリースされる予定の『リバイバルダンス』は、「運動編」と「脳活性編」の2つにわかれています。「運動編」は「お祭りマンボ」(美空ひばり)、「プレイバック part 2」(山口百恵)、「ギャランドゥ」(西城秀樹)、そしてTRFの「survival dAnce ~no no cry more~」の4曲を4分半にまとめたメドレー。「脳活性編」の方は、「太陽にほえろのテーマ」、「自動車ショー歌」(小林旭)、「せんせい」(森昌子)、「川の流れのように」(美空ひばり)、「年下の男の子」(キャンディーズ)、三百六十五歩のマーチ」(水前寺清子)の6曲からなるメドレーとなっています。どの曲も昭和世代なら必ず知っているような大ヒット曲ばかりですね。
アップテンポの楽曲が並ぶ「運動編」と、バラードやスローテンポの楽曲からなる「脳活性編」を併用することによって、楽しみながら適度な全身運動ができて、脳の活性化にもつながるプログラムとなっているのです。
広い会場には、事前抽選により約100名の聴講者がソーシャル・ディスタンスを取って着席(同時にライブ配信も実施)。ステージに登場した3名は、まず聴講者とともに準備運動。SAMさんの説明に従って、みんなイスに座ったままで体をほぐします。途中、微妙に動きの順番を入れ替えるなどもあって、SAMは「脳トレの要素が入ってますからね」と説明。ただその後、SAMさん自身が順番を間違えてしまい、場内の笑いを誘う場面も(笑)。
体がほぐれたところで、全員が立ち上がって実際の振り付けをやってみることに。ここからは「市民代表」として、特別講演を終えた徳光さんも参加しました。今回は美空ひばりさんの「お祭りマンボ」のワンコーラス分の振り付け指導が行われました。
この振り付けは高齢者にも手軽にできるようにと考えられており、またイスに座ったままでもできるように工夫されているので、普段TRFの面々が披露しているような激しいダンスに比べると、もちろんかなりシンプルなものになっています。ただワンコーラスとなると手順も多くなるので、徳光氏は額に汗を浮かべながら「覚えるのが大変ですね」と正直な感想を漏らしていました。SAMさんは「こうやって振りを覚えることも脳の活性化につながります。失敗しても全然構いませんから、どんどん失敗しながらやってください」と励まして進行していきます。
振り付けの説明を終えたところで、いよいよ曲に合わせて実演! 今やったばかりで全員が覚えたてで、しかも「お祭りマンボ」はけっこうアップテンポ。どうなるかと思われましたが、皆さんなかなかうまく踊っていて、数回繰り返す頃には会場に一体感も生まれてきました。徳光さんも「これいいですね!」と絶賛! その後は、またSAMさんの号令で整理運動を行って、ワークショップは終了。馴染みのメロディーで適度に体を動かしたことで、聴講者の皆さんは皆、満足げな笑みでした。
「楽しんで継続することが何より大事!」
パフォーマンスの後、TRFの3名と浦上教授、徳光さんによるトークも行われました。SAMさんは終えたばかりのワークショップについての感想を「リバイバルダンスのワークショップを自分たちが開催するのは初めてでしたが、皆さんが楽しくやられているところを見られて、すごくよかったです」とコメント。徳光さんからは「日本で音楽とダンスが一つになったのはTRFのおかげですよ。そんな彼らが高齢者に目を向けたのは大きいですよね」と評価すると、SAMさんは「世界でも日本が最初に高齢化時代に入るので、日本がどういう取り組みをするかは世界的にも重要ですから」と応えていました。
CHIHARUさんは自分たちのパフォーマンスへの高齢者の方々の反応について問われると、「皆さん楽しんでくれて、ハイタッチしたりしている姿を見るのは楽しいです」と返答。ETSUさんからは「ダンスの振り付けを少しずつでも覚えて、できるようになってくれると、楽しめるはず」と、『リバイバルダンス』の効能について語っていました。
トーク中には、浦上教授がSAMさんが認知症やその対策について的確な知識をもって発言していることに驚く場面もありました。SAMさんは「『リバイバルダンス』を作るきっかけになった『ダレデモダンス』を作った時に、医者をやっているいとことタッグを組んで、たくさん勉強しましたから」と返答。さらに「楽しく年齢を重ねていくことが大事で、年を取ったからといって何もしなくなるのが一番良くないことです。いくつになっても体を動かしたり、学んでいくことができる環境を作ることが大事だと思います。また今回のように、みんなで一緒にやることでもっと効果が出ます。これから、地方自治体や企業でもこうしたワークショップをどんどん広げていきたいですね」と、今後の展望を語りました。
最後に3人は、この日のまとめとしてそれぞれ、このようにコメントしました。
「小さい頃からダンスをやってきて、そのダンスが認知症に備える活動につながるということで、『ダンスをやってきてよかったな』って思えました。一人でも多くの人たちに体験してもらって、その振りを覚えて頭を使うということも脳神経の活性化につながるし、何より楽しむこと、間違えても踊れなくても、『楽しかった』と感じることがすごく大事だと思うんですね。筋力をつけていくということも大事ですし、一緒に健康寿命を長くしていくお手伝いができることをうれしく思っていますので、(『リバイバルダンス』を)宣伝してください(笑)。認知症が少なくなったという結果が出ることが一番の喜びなので、多くの人たちに体験してもらいたいと思っているので、よろしくお願いします」(CHIHARU)
「私自身、一度病気をして筋力がかなり落ちてしまったことがあったのですが、ダンスをすることで筋力を戻せたという経験を実際にしています。この『リバイバルダンス』では楽しくそれができるということがありますので、一人でも多くの方が楽しさと、一つ一つのダンスができていく喜びを感じて、認知症の数が減っていくということに繋がっていくと嬉しいです。一人でも多くの人に体験してもらいたいと思ってます。」(ETSU)
「このように昔懐かしい曲をメドレーで踊るというのは、たぶん初めてだと思うので、楽しくできると思います。継続できるということはすごく大事ですので、『これをやらなきゃいけない』という気持ちではなくて、『やりたい』と思うのがすごく大事なんですね。それこそ『リバイバルダンス』じゃなくても、ご自分で楽しめるもの、アートでもいいし、詩を書くでもいいし、頭を使ったり体を使ったりするものを何か見つけて、それを日常生活の中で必ずやるというのが、健康寿命が伸びたり、認知症に備えることができたりということに繋がると思うので、皆さん、人生100年時代ですからね。100歳まで自分の周りのことが自分でできるように、楽しんでいきましょう」(SAM)
短い時間ながら、聴講者にとっては貴重かつ楽しい体験となったこの日のイベントでした。『リバイバルダンス』に関心を持った方、自分や身近の方の認知症対策に日頃から関心を寄せている方は、まずはリンク(https://revival-life.jp/dance/)を参照してみてください。
【『リバイバルダンス』 オフィシャルサイト】
https://revival-life.jp/dance/
【『リバイバル ライフ』プロジェクトオフィシャルサイト】
https://revival-life.jp/
- WRITTEN BY高崎計三
- 1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。