【ビッケブランカ】3年ぶりのニューアルバム「世界標準が体になじんできてる」
3年ぶりとなるニューアルバム『Knightclub』をリリースしたビッケブランカ。この間、ヨーロッパや中東、南北アメリカなど海外での公演やツアーを重ね、その影響が色濃く出たアルバムになったといいます。槇原敬之&絢香との豪華な共演を果たしている「Yomigaeri (with 槇原敬之 & 絢香)」をはじめ、アルバムの全曲についていろいろとお聞きしました!
頭に「K」がついてる? アルバムタイトルの意味とは?
──『FATE』からちょうど3年ぶりのアルバム・リリースになります。途中に5周年記念のベストアルバムなどもありましたが、3年空いたというのは何か理由があったんでしょうか?
ビッケ いや、何もないです。その間はEPを出したりしてたので、そんなにリリースしてないって感じでもないんですよ。ただ、フルアルバムを作るとなるとやっぱり制作に時間をちょっと取らなきゃいけないじゃないですか。でもその時に海外でのツアーとかイベントが多かったから、そっちにしっかり時間を割きたいねとチームで話して、1年もしくは1年ちょいでアルバムっていうこのループを1回止めようかとなって、アルバムからEPに切り替えて、経験をいっぱい積んできたって感じです。
──なるほど。その海外の一つの成果が、『Worldfly』ぐらいでもあったというわけですね。そして今回のアルバム・タイトルが『Knightclub』。「ナイトクラブ」と聞いて単純に「NIGHT CLUB」かと思ったら、頭にKがついて「騎士」の「Knight」になってますよね。これは?
ビッケ そういうニュアンスの言葉が好きなんですよ。「wizard」とか「Devil」とか、そういう言葉をボーン!とつけるのが好きで、今回は何にしようかなと思ったら「Knight!」となって(笑)。「もう、文字を音楽的にしようよ」みたいなことをディレクターと話して、じゃあ「Knightclub」で騎士団にして、リアルの「NIGHT CLUB」とのダブルミーニングにしようか、ああ面白いじゃんということになりました。
──では発端が「Knight」で、そこから「それっぽく」した感じですか。
ビッケ そうですね、順番で言えば「Knight」が最初にあって。「wizard」も「Devil」も人間じゃない存在じゃないですか。そこからすると作品にちょっと人間味が出てきているので、もっと人間の方に寄せたものがいいなと思ってましたね。(携帯を確認して)他にどんなアイデアがあったか、残ってるかなと思ったんですけど、もう残ってないですね。
──そういうアイデアの断片みたいなものは、どんどん思いついて、どんどん忘れていく感じなんですか?
ビッケ ものによりますね。メッチャ覚えてるものもあるし。忘れないものが、たぶん面白いアイデアなんだと思いますし。「Knight」は本当にちょっとした思いつきに近いんですけど、そこから徐々に考えて温めて、そこから変化していったという、いつもの流れですね。
──その『Knightclub』ですが、コンセプトは?
ビッケ 最初は確か「パーティーをコンセプトにして、ナイトクラブでかけるソングリストのようなアルバムにしようかなと思ったんですけど、いろんな海外での経験だったり、日本での経験とか、いろんなものの影響で、作りたいものが日に日に変化したことによって、最初のコンセプトはもう壊れてしまって。
──そういうことなんですね。
ビッケ だけど、コンセプトに縛られて作ったアルバムよりも、絶対に賑やかでカラフルな、鮮やかなアルバムが出来上がったと思います。
──では、そうやって出来上がった10曲について、それぞれお聞きしたいと思います。まず1曲目は「Yomigaeri (with 槇原敬之 & 絢香)」。槇原敬之さんと絢香さんとの共演という、このメンバーになったのはどういう経緯だったんですか?
ビッケ どちらも、もともと親交があって。槇原さんは本当にいつも仲良くしてくださって、絢香もライブに出てくださって。彼女は同い年なんですよ。以前に自主ライブで対バンしたこともあって。何となく2人と「一緒に曲をやれたらいいですね」なんて話をしてたんですけど、アルバムを作る上で「Yomigaeri」という曲ができ始めた時に、パワフルな曲だなと思ってるうちに、何か浮かんだんですよ、槇原さんが歌ってる2番が。ウワーッと歌い切った僕と槇原さんがいて、上からパーッと降りてくる絢香のイメージが見えて。こんなのやってもらえたら最高だよなと思って、ダメ元ですけど思い切って聞いてみようと思ったんです。どうしても、その2人の声がもう頭から離れなかったから。だから連絡して、ほぼできてる状態のデモテープを送って、正直に言いました。「どうしてもここの2番は、もう槇原さんが歌っているイメージしかできないんです。不躾なんですけど、一緒にコラボしてもらえませんか」って。そしたら翌日には快諾してくださって、本当に光栄なことで、僕みたいなものの曲に「もちろん、嬉しいよ」なんて言ってくださったんですよ。「ありがとうございます!」って気持ちで、よりアレンジにも拍車がかかったし、思い入れも強くなったし。
──いいですね。
ビッケ で、もともと絢香とも、「何か一緒に歌いたいね」という話をしていて、槇原さんが決まった段階でこちらにもお願いしたら参加してくれるということで、まさかの3人で歌うことになりました。これはすごいことだなと思います。
──しかし「ダメ元で」とおっしゃいましたが、今の話の流れを聞くと、断る人はいなそうじゃないですか?(笑)
ビッケ いやいや、とはいえいろんな事情とかもあるだろうし、僕は性格的に無理にお願いすることはできなくて。やっぱり責任を持って誘いたいですし、お願いするにしても真摯に、しっかり準備をして、曲をしっかり作った上でないとできないですから。「こんな曲作ろうと思うんで、一緒にやってもらえませんか?」みたいな感じでボーン!と投げるっていうのは、性格上できないんですよ。「この曲のここをどうしても歌ってほしい」という状態にできるまでは我慢しましたし、「僕は自信を持って、この曲が素晴らしい曲だと自分で思えるんです」ということも伝えて。「ここは槇原さんじゃないと」「ここは絢香じゃないと」って正直に伝えたら快諾してくれたので、本当にうれしかったですよ。そんな、断れないというようなことはないですから、みんな。
──では、もしその2人が揃わなかった場合は、この曲を仕上げることはなかったということですか?
ビッケ いや、僕1人で歌ってたと思います。誘った時にはもう出来上がっていたので。ただお二人が加わったことで、僕が頭の中で思い描いてたドリームチームというか、「ヒューッ! すっげー!」と思うようなものを、お二人が完成させてくれたなとは思います。
──そこからは、実際の制作はスムーズに?
ビッケ スムーズでしたね。2人ともできあがった状態のボーカルを送ってくださって、本当に何も触らず、彼らのニュアンスを残したまま作りきりました。
各曲に色濃く出た海外ツアーの影響とは?
──2曲目が「Snake」。4曲目の「Bitter (Days To Glitter Ways)」とともに、昨年10月のEP『Worldfly』に収録されていた曲ですね。比較的リリース時期が近いEPから、2曲だけ入れたというのは?
ビッケ スタッフとしては、「Snake」も「Bitter」も、EPの曲は全部入れたくなかったみたいです。もう盤としてリリースしてましたからね。でも僕としては、『Worldfly』はあくまでミニアルバムなので、フルアルバムを聴いてもらう時に、聴いてほしい曲はやっぱり入れたかったんですよ。じゃあ、せっかくなら別バージョンみたいにすればということで、この2曲を選びました。本当は「Sad In Saudi Arabia」とか、あのEPの曲は全曲入れたいぐらいだったんですけど、それだとさすがに新鮮味もないですし、みんなアルバムを楽しみにしてるから新しいものをいっぱい入れたいのでそこは絞って、新しい曲をたくさん書いたという感じですね。
──どちらも序盤に入ってますよね。
ビッケ そこは流れですね。EPとして、アルバムからアルバムの間にリリースした曲の中で、序盤の5~6曲を飾れるポテンシャルがあるので、そこに放り込んだと。
──逆に言うと、それだけ『Worldfly』が充実していたということですね。
ビッケ そう思います、本当に。実際にこの曲たちは、海外のライブでも特別盛り上がりまくった曲なので、そういう意味ではねぎらいの意味も込めて、ちゃんとアルバムにも入れたかったという感じですね。
──3曲目の「High Love」ですが、「2人の世界」について歌われていますね。
ビッケ テーマとしてはそういうことですね。歌の中で、ずっと「High」、“ハイ”って歌ってるんですよ。「燃え上がって灰 一生一度の High」とか。「Ca Va?」の時もそうで、あの曲は「かも」でメッチャ韻を踏んでるんですね。今回は「はい」でひたすら踏むという。
──ああ、はいはい。
ビッケ そう、それそれ。
──しまった(笑)。
ビッケ そういうことなんですよ。気分いいじゃないですか、上へ上へって感じで。歌もすごく上まで上っていきましたし、何か気分のいい曲になったなと思うんですね。
──確かに、音程もすごくハイですよね
ビッケ そうですね、はい。
──(笑)。でももともとハイトーンもありますし、限界というほどではないですか?
ビッケ いや、ほぼ限界に近いです。ファルセットで、僕の中でもかなり最高音を出してますね。どうせならここまでハイに行こうかなという感じになりました。
──4曲目が先ほど出た「Bitter (Days To Glitter Ways)」。EPの時とはバージョンが変わっていますが。
ビッケ 楽曲がもともとしっかりできてたので、本当にちょっとしたアイデアでその曲の奥行きを出すみたいな。続きじゃないですけど、「バージョン2.0」ぐらいのニュアンスが出ればいいかなという感じでした。
──5曲目が「Daddy (Dying in NY)」。ここから2曲が英詞で、この曲はわりとダウナーな印象です。
ビッケ けっこうサウンドがカッコよくて、シンセの音が出来上がった時は「いいね、このドロップ!」みたいな感じで、けっこう音楽的な点で作っていきました。詞に関しては、海外公演を経験したことで、やっぱり全部英語の詞だとみんなで歌えるっていうことも知ってるので。やっぱりどれだけ日本語の歌を聴いてくれていても、一歩海を出たら、全部英語っていうのが当たり前のことになっているじゃないですか。それでみんなが歌えている、そういうことが起きているので、そっちがいいなっていうことプラス、ニューヨーク公演で燃え尽きた自分。そしてその前のヨーロッパでのイベントでは、イタリアで「ダディ」「ダディ」ってファンにすごく言われて、「何を言ってるんだろう?」と思ってたんすけど、後で調べたら「私、今夜はOKよ」っていうことらしくて。「メッチャ誘われてたんか!」と印象に残っていたこととかですかね。
──そうでしたか(笑)。
ビッケ 僕、MCでも言ってるんですよ。「すごい誘われてたんだよ!」って。僕は誘われてるのも知らずに、「ダディ」って言うから、「Yes, I'm your daddy!」、「僕がダディだよ!」みたいなワケの分かんない返しをしたりしていました。(笑)そんなイタリアでは色男とされた男が、ニューヨークで北米ツアーをし、燃え尽きる、ニューヨークで死す、という。だから本当に、北米ツアーの思い出なんですよ。
──そう聞くと面白いですね(笑)。6曲目は「Never Run」。こちらは5月に配信されていたシングルで、ここに来てビート感のある曲が出てきましたが。
ビッケ これは北米ツアーから帰ってきてすぐに作った曲なので、一番色濃く北米の印象が残ってるかなと思いますね。
──これまでの海外ツアーでは、2月は北米、そして7月頃は中南米に行かれていましたが、受ける影響というのはそれぞれ大きく違いますよね。
ビッケ 全然違いますよね、やっぱり。北米で一番感じたのは、「クールさ」かな。でもそれは、先に北米に行ったからなのかもしれないけど、北米はクールにカッコよくて、南米はホットにカッコいいんですよ。この感じは……寒色のカッコよさと暖色のカッコよさみたいな。それを本当にそのまま曲に落とし込みたくて、この「Never Run」なんかはもう暖色なんて一切見えなくて、聴いてても冷たい色がカッコよく輝いてる感じにしました。
──では、中南米の影響はこれから?
ビッケ そうです。次の曲とかもう、モロですよ。まだ作ってないけど、分かってるもん。絶対、影響出るから。「●●●●●●●●!」(サンバ風の歌を即興で歌うも、文字にできず)って感じになりますよ。
──それもすごく楽しみです(笑)。しかし、中南米ってお客さんが本当に熱狂的ですよね。
ビッケ すごいですよ、ずっと叫んでるんで。「もう黙って」って言ってますから。しゃべりたいからちょっと黙っててくれる?って、いっつも南米では言ってました。「Lucky Ending」っていう、三拍子でメチャクチャ穏やかなバラードの曲でも、ずっと歌ってて。でもメチャクチャうれしいんですよ。イントロを弾いただけで「フゥワーーーーッ!!!」みたいな歓声が上がりますからね。あの熱狂は本当に最高ですよ。
──それはすごい。
ビッケ この「Never Run」も、南米でもやったんですけど、やっぱり全部英語なので、それも全編歌えるんですよ。中南米はブラジルがポルトガル語で他の国はスペイン語だから、みんな日本語も分かんないし英語も分かんない。ただ、日本語は歌えないけど、英語は歌えるんですよね。英語ってやっぱり偉大だなと思います。
恒例!? ビッケブランカの「今」のマイブームとは?
──7曲目が「白夜」。ドラマ『科捜研の女 season24』の主題歌ですね。
ビッケ これはドラマサイドといろいろすり合わせて、バラードがいいとかサウンドをこうしようとかというのを決めて、ドラマのメッセージをちゃんと汲み取って歌詞を考えて、こうなったという感じですね。制作陣の方々がオーダーをハッキリ出してくれたので僕はすごく素直に書けたし、ドラマの世界観にも入れたし、こちらが言いたいこともすごく伝わったし、本当に寄り添って作れました。僕に頼んでよかったと思ってもらえるような曲はできたなと思いますね。
──もうタイアップ曲もたくさんありますが、テレビの視聴者として自分の曲が流れるのを見る感覚って、昔と今では違いますか?
ビッケ いや、いつになっても同じですね。「ヒューーーッ!」となる最高の気分ですね。うれしくて、慣れないもんですね、どれだけやっても。「ホーーーッ!」ってなりますよ。
──先ほどから、文字にしづらい表現が多いんですが(笑)。で、8曲目がピアノによるインストの「White ≠ Colorless」(ホワイト・ノットイコール・カラーレス)。
ビッケ インストが真っ白なキャンバスだとして、そこに歌が乗って色がつくんだとしたら、別にキャンパスだけでも、それは無色ではないという意味です。
──9曲目は「またね」。ちょっとJ-POPっぽい印象もありますね。
ビッケ そうですかね、僕はけっこう、往年のoasisみたいな気持ちで作ってるんですけどね。起伏があんまりなく、ただ穏やかに聴けて、何となく胸が熱くなってくるみたいなのが、サウンド感としてのテーマでした。
──そして10曲目が、「ヒプノシスマイク」に提供した楽曲のセルフカバー「Old Rivals [A Self-Cover of “Rivals!"]」。先に確認なんですが、アルバムとしては9曲目で終わりという感じなんでしょうか?
ビッケ 僕の中では、このアルバムは9曲目で終わってます。これはボーナストラックみたいな気持ちですね。たぶん、みんなそれは感じると思いますね。明らかに「またね」で終わって、セルフカバーはボーナスで入ってるという感じで。
──そういう10曲なんですが、アルバム全体を通して見ても、海外経験の影響ってやっぱり大きいですよね。
ビッケ 大きいです。『Worldfly』を作ってた頃は、「海外でライブしたんだイエーイ! 見てよ、その成果聞いてよ!」みたいな感じでしたけど、もうこんな感じで2年くらいやってきて、それが板に付いてきてるというか、それがちょっと普通になってきてますよね。「海外行くぞワクワク!」っていうのがいい意味でもうなくなってきていて、「あそこに行ったらこういう風にやろう」みたいな感じで、ちょっと冷静に、ちゃんと立ち回れるようになってますね。もちろん楽しみにしてますけど、それはでも日本でのライブを楽しみにするように、海外のライブも楽しみにしてる状態というか。
──なるほど。
ビッケ 「おかしなこと」じゃなくなってきてるんですね、世界中を回ることが。世界標準の音楽を作ることとか、世界の人の前でライブをすることが、いい意味で体になじんできてるので、たぶんそれはこのアルバムにも出てるんだろうなと思います。でも、ここまで来ると無意識ですね。『Worldfly』は意識的にそこにフォーカスしたけど、もうあの作品も自分の中にも馴染んでるので、それが出てると思います。
──『Worldfly』の時点では、「イタリアの曲」「サウジの曲」みたいな感じでしたけど、それがもう全体になってると。
ビッケ そうです。もう、個別の国で分けられなくなっちゃってるというか。もう「地球」とかそういう感じですかね。「エリア」ぐらいはまだあるかもしれないすけど、そういう感じになってきてますね。かといって、個別の曲がなくなるわけじゃなくて、「Dying in NY」とかもあるし。例えば「津軽海峡冬景色」って津軽の歌じゃないですか。そういう感じですよね、だから。行ったところでたまたま印象に残ったものが日本かもしれない、メキシコかもしれない、スペインかもしれないっていう感じで。だからそういう風に自然体で海外でのライブやツアーができてるので。
──その中で、その土地に紐付いたトピックみたいなものがあれば、それはやるかもしれないし……と。
ビッケ そういう形で生きてくるかもしれないし、それはただ1人の個人として僕が経験したことで、場所はそこまで重要ではないっていう感じですよね。それが馴染んだ上で出てきているので、もうこのアルバムは『Worldfly』も内包してるということだと思います。
──そう考えると、近年で段階的にいろいろ積み重ねたものが一体化して、滑らかになっている感じというか。
ビッケ そうですね、シェイプ的な話だと、そういう感じかもしれない。
──さて、9月末からは6ヵ所のホールツアー「VK Blanka HALL TOUR 2024 - Knightclub -」が始まります。まさにこのアルバムを引っ提げてという感じですね。
ビッケ アルバムの曲をどういう感じで披露しようかというのを作っているところですけど、きっとまた、ちょっと変わったライブにはなるだろうなと思います。
──では、今年の後半は……。
ビッケ アルバムのプロモーションとツアーという感じになるんじゃないですか。次に新しいことというのは、まず今年やり切って、来年という話になると思いますね。それに僕は今、日本のツアーからつなげて、そのままワールドツアーを回りたいなって言ってるんですけどね。
──ツアー、病みつきですね(笑)。
ビッケ 海外やっぱり楽しいんですよ。海外でのライブにまたすぐ行きたいぐらいです。
──では……最後に何をお聞きするか、もうお分かりですよね?
ビッケ 分かる! 今ハマってるものですよね?
──はい(笑)。前回、『Worldfly』の時のインタビューでは何だったか覚えてますか?
ビッケ 寿司……はけっこう前か。家具を買うとか言ってない?
──違いますね(笑)。「自作PC」なんですよ。ただ、「もうメドが立ってるから、このブームもすぐ終わるはず」という話でした。
ビッケ そうか、それが去年か……。今ハマってるのは、エスプレッソマシーンですよ、それこそ。リバイバルしてるんです。
──確かに、以前にも伺ったことがあります。
ビッケ ずっと眠ってたんすけど、最近またフル稼働中です。僕の好きなコーヒー屋さんの営業時間が短くなったことにより、家で作る必要が出てきたことで、また再度、来てます。
──そういう事情でしたか(笑)。ありがとうございました!
『Knightclub』
2024.09.04 ON SALE
VK Blanka Hall Tour 2024 - Knightclub -
★愛知公演
[日程]2024年9月27日(金)
[会場] Niterra 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
★北海道公演
[日程]2024年10月12日(土)
[会場] 札幌共済ホール
★大阪公演
[日程]2024年10月16日(水)
[会場] オリックス劇場
★東京公演
[日程]2024年10月31日(木)
[会場] TOKYO DOME CITY HALL
★宮城公演
[日程]2024年11月23日(土)
[会場] トークネットホール仙台 大ホール
★福岡公演
[日程]2024年12月8日(日)
[会場] 福岡国際会議場メインホール
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頭に「K」がついてる? アルバムタイトルの意味とは?
──『FATE』からちょうど3年ぶりのアルバム・リリースになります。途中に5周年記念のベストアルバムなどもありましたが、3年空いたというのは何か理由があったんでしょうか?
ビッケ いや、何もないです。その間はEPを出したりしてたので、そんなにリリースしてないって感じでもないんですよ。ただ、フルアルバムを作るとなるとやっぱり制作に時間をちょっと取らなきゃいけないじゃないですか。でもその時に海外でのツアーとかイベントが多かったから、そっちにしっかり時間を割きたいねとチームで話して、1年もしくは1年ちょいでアルバムっていうこのループを1回止めようかとなって、アルバムからEPに切り替えて、経験をいっぱい積んできたって感じです。
──なるほど。その海外の一つの成果が、『Worldfly』ぐらいでもあったというわけですね。そして今回のアルバム・タイトルが『Knightclub』。「ナイトクラブ」と聞いて単純に「NIGHT CLUB」かと思ったら、頭にKがついて「騎士」の「Knight」になってますよね。これは?
ビッケ そういうニュアンスの言葉が好きなんですよ。「wizard」とか「Devil」とか、そういう言葉をボーン!とつけるのが好きで、今回は何にしようかなと思ったら「Knight!」となって(笑)。「もう、文字を音楽的にしようよ」みたいなことをディレクターと話して、じゃあ「Knightclub」で騎士団にして、リアルの「NIGHT CLUB」とのダブルミーニングにしようか、ああ面白いじゃんということになりました。
──では発端が「Knight」で、そこから「それっぽく」した感じですか。
ビッケ そうですね、順番で言えば「Knight」が最初にあって。「wizard」も「Devil」も人間じゃない存在じゃないですか。そこからすると作品にちょっと人間味が出てきているので、もっと人間の方に寄せたものがいいなと思ってましたね。(携帯を確認して)他にどんなアイデアがあったか、残ってるかなと思ったんですけど、もう残ってないですね。
──そういうアイデアの断片みたいなものは、どんどん思いついて、どんどん忘れていく感じなんですか?
ビッケ ものによりますね。メッチャ覚えてるものもあるし。忘れないものが、たぶん面白いアイデアなんだと思いますし。「Knight」は本当にちょっとした思いつきに近いんですけど、そこから徐々に考えて温めて、そこから変化していったという、いつもの流れですね。
──その『Knightclub』ですが、コンセプトは?
ビッケ 最初は確か「パーティーをコンセプトにして、ナイトクラブでかけるソングリストのようなアルバムにしようかなと思ったんですけど、いろんな海外での経験だったり、日本での経験とか、いろんなものの影響で、作りたいものが日に日に変化したことによって、最初のコンセプトはもう壊れてしまって。
──そういうことなんですね。
ビッケ だけど、コンセプトに縛られて作ったアルバムよりも、絶対に賑やかでカラフルな、鮮やかなアルバムが出来上がったと思います。
──では、そうやって出来上がった10曲について、それぞれお聞きしたいと思います。まず1曲目は「Yomigaeri (with 槇原敬之 & 絢香)」。槇原敬之さんと絢香さんとの共演という、このメンバーになったのはどういう経緯だったんですか?
ビッケ どちらも、もともと親交があって。槇原さんは本当にいつも仲良くしてくださって、絢香もライブに出てくださって。彼女は同い年なんですよ。以前に自主ライブで対バンしたこともあって。何となく2人と「一緒に曲をやれたらいいですね」なんて話をしてたんですけど、アルバムを作る上で「Yomigaeri」という曲ができ始めた時に、パワフルな曲だなと思ってるうちに、何か浮かんだんですよ、槇原さんが歌ってる2番が。ウワーッと歌い切った僕と槇原さんがいて、上からパーッと降りてくる絢香のイメージが見えて。こんなのやってもらえたら最高だよなと思って、ダメ元ですけど思い切って聞いてみようと思ったんです。どうしても、その2人の声がもう頭から離れなかったから。だから連絡して、ほぼできてる状態のデモテープを送って、正直に言いました。「どうしてもここの2番は、もう槇原さんが歌っているイメージしかできないんです。不躾なんですけど、一緒にコラボしてもらえませんか」って。そしたら翌日には快諾してくださって、本当に光栄なことで、僕みたいなものの曲に「もちろん、嬉しいよ」なんて言ってくださったんですよ。「ありがとうございます!」って気持ちで、よりアレンジにも拍車がかかったし、思い入れも強くなったし。
──いいですね。
ビッケ で、もともと絢香とも、「何か一緒に歌いたいね」という話をしていて、槇原さんが決まった段階でこちらにもお願いしたら参加してくれるということで、まさかの3人で歌うことになりました。これはすごいことだなと思います。
──しかし「ダメ元で」とおっしゃいましたが、今の話の流れを聞くと、断る人はいなそうじゃないですか?(笑)
ビッケ いやいや、とはいえいろんな事情とかもあるだろうし、僕は性格的に無理にお願いすることはできなくて。やっぱり責任を持って誘いたいですし、お願いするにしても真摯に、しっかり準備をして、曲をしっかり作った上でないとできないですから。「こんな曲作ろうと思うんで、一緒にやってもらえませんか?」みたいな感じでボーン!と投げるっていうのは、性格上できないんですよ。「この曲のここをどうしても歌ってほしい」という状態にできるまでは我慢しましたし、「僕は自信を持って、この曲が素晴らしい曲だと自分で思えるんです」ということも伝えて。「ここは槇原さんじゃないと」「ここは絢香じゃないと」って正直に伝えたら快諾してくれたので、本当にうれしかったですよ。そんな、断れないというようなことはないですから、みんな。
──では、もしその2人が揃わなかった場合は、この曲を仕上げることはなかったということですか?
ビッケ いや、僕1人で歌ってたと思います。誘った時にはもう出来上がっていたので。ただお二人が加わったことで、僕が頭の中で思い描いてたドリームチームというか、「ヒューッ! すっげー!」と思うようなものを、お二人が完成させてくれたなとは思います。
──そこからは、実際の制作はスムーズに?
ビッケ スムーズでしたね。2人ともできあがった状態のボーカルを送ってくださって、本当に何も触らず、彼らのニュアンスを残したまま作りきりました。
各曲に色濃く出た海外ツアーの影響とは?
──2曲目が「Snake」。4曲目の「Bitter (Days To Glitter Ways)」とともに、昨年10月のEP『Worldfly』に収録されていた曲ですね。比較的リリース時期が近いEPから、2曲だけ入れたというのは?
ビッケ スタッフとしては、「Snake」も「Bitter」も、EPの曲は全部入れたくなかったみたいです。もう盤としてリリースしてましたからね。でも僕としては、『Worldfly』はあくまでミニアルバムなので、フルアルバムを聴いてもらう時に、聴いてほしい曲はやっぱり入れたかったんですよ。じゃあ、せっかくなら別バージョンみたいにすればということで、この2曲を選びました。本当は「Sad In Saudi Arabia」とか、あのEPの曲は全曲入れたいぐらいだったんですけど、それだとさすがに新鮮味もないですし、みんなアルバムを楽しみにしてるから新しいものをいっぱい入れたいのでそこは絞って、新しい曲をたくさん書いたという感じですね。
──どちらも序盤に入ってますよね。
ビッケ そこは流れですね。EPとして、アルバムからアルバムの間にリリースした曲の中で、序盤の5~6曲を飾れるポテンシャルがあるので、そこに放り込んだと。
──逆に言うと、それだけ『Worldfly』が充実していたということですね。
ビッケ そう思います、本当に。実際にこの曲たちは、海外のライブでも特別盛り上がりまくった曲なので、そういう意味ではねぎらいの意味も込めて、ちゃんとアルバムにも入れたかったという感じですね。
──3曲目の「High Love」ですが、「2人の世界」について歌われていますね。
ビッケ テーマとしてはそういうことですね。歌の中で、ずっと「High」、“ハイ”って歌ってるんですよ。「燃え上がって灰 一生一度の High」とか。「Ca Va?」の時もそうで、あの曲は「かも」でメッチャ韻を踏んでるんですね。今回は「はい」でひたすら踏むという。
──ああ、はいはい。
ビッケ そう、それそれ。
──しまった(笑)。
ビッケ そういうことなんですよ。気分いいじゃないですか、上へ上へって感じで。歌もすごく上まで上っていきましたし、何か気分のいい曲になったなと思うんですね。
──確かに、音程もすごくハイですよね
ビッケ そうですね、はい。
──(笑)。でももともとハイトーンもありますし、限界というほどではないですか?
ビッケ いや、ほぼ限界に近いです。ファルセットで、僕の中でもかなり最高音を出してますね。どうせならここまでハイに行こうかなという感じになりました。
──4曲目が先ほど出た「Bitter (Days To Glitter Ways)」。EPの時とはバージョンが変わっていますが。
ビッケ 楽曲がもともとしっかりできてたので、本当にちょっとしたアイデアでその曲の奥行きを出すみたいな。続きじゃないですけど、「バージョン2.0」ぐらいのニュアンスが出ればいいかなという感じでした。
──5曲目が「Daddy (Dying in NY)」。ここから2曲が英詞で、この曲はわりとダウナーな印象です。
ビッケ けっこうサウンドがカッコよくて、シンセの音が出来上がった時は「いいね、このドロップ!」みたいな感じで、けっこう音楽的な点で作っていきました。詞に関しては、海外公演を経験したことで、やっぱり全部英語の詞だとみんなで歌えるっていうことも知ってるので。やっぱりどれだけ日本語の歌を聴いてくれていても、一歩海を出たら、全部英語っていうのが当たり前のことになっているじゃないですか。それでみんなが歌えている、そういうことが起きているので、そっちがいいなっていうことプラス、ニューヨーク公演で燃え尽きた自分。そしてその前のヨーロッパでのイベントでは、イタリアで「ダディ」「ダディ」ってファンにすごく言われて、「何を言ってるんだろう?」と思ってたんすけど、後で調べたら「私、今夜はOKよ」っていうことらしくて。「メッチャ誘われてたんか!」と印象に残っていたこととかですかね。
──そうでしたか(笑)。
ビッケ 僕、MCでも言ってるんですよ。「すごい誘われてたんだよ!」って。僕は誘われてるのも知らずに、「ダディ」って言うから、「Yes, I'm your daddy!」、「僕がダディだよ!」みたいなワケの分かんない返しをしたりしていました。(笑)そんなイタリアでは色男とされた男が、ニューヨークで北米ツアーをし、燃え尽きる、ニューヨークで死す、という。だから本当に、北米ツアーの思い出なんですよ。
──そう聞くと面白いですね(笑)。6曲目は「Never Run」。こちらは5月に配信されていたシングルで、ここに来てビート感のある曲が出てきましたが。
ビッケ これは北米ツアーから帰ってきてすぐに作った曲なので、一番色濃く北米の印象が残ってるかなと思いますね。
──これまでの海外ツアーでは、2月は北米、そして7月頃は中南米に行かれていましたが、受ける影響というのはそれぞれ大きく違いますよね。
ビッケ 全然違いますよね、やっぱり。北米で一番感じたのは、「クールさ」かな。でもそれは、先に北米に行ったからなのかもしれないけど、北米はクールにカッコよくて、南米はホットにカッコいいんですよ。この感じは……寒色のカッコよさと暖色のカッコよさみたいな。それを本当にそのまま曲に落とし込みたくて、この「Never Run」なんかはもう暖色なんて一切見えなくて、聴いてても冷たい色がカッコよく輝いてる感じにしました。
──では、中南米の影響はこれから?
ビッケ そうです。次の曲とかもう、モロですよ。まだ作ってないけど、分かってるもん。絶対、影響出るから。「●●●●●●●●!」(サンバ風の歌を即興で歌うも、文字にできず)って感じになりますよ。
──それもすごく楽しみです(笑)。しかし、中南米ってお客さんが本当に熱狂的ですよね。
ビッケ すごいですよ、ずっと叫んでるんで。「もう黙って」って言ってますから。しゃべりたいからちょっと黙っててくれる?って、いっつも南米では言ってました。「Lucky Ending」っていう、三拍子でメチャクチャ穏やかなバラードの曲でも、ずっと歌ってて。でもメチャクチャうれしいんですよ。イントロを弾いただけで「フゥワーーーーッ!!!」みたいな歓声が上がりますからね。あの熱狂は本当に最高ですよ。
──それはすごい。
ビッケ この「Never Run」も、南米でもやったんですけど、やっぱり全部英語なので、それも全編歌えるんですよ。中南米はブラジルがポルトガル語で他の国はスペイン語だから、みんな日本語も分かんないし英語も分かんない。ただ、日本語は歌えないけど、英語は歌えるんですよね。英語ってやっぱり偉大だなと思います。
恒例!? ビッケブランカの「今」のマイブームとは?
──7曲目が「白夜」。ドラマ『科捜研の女 season24』の主題歌ですね。
ビッケ これはドラマサイドといろいろすり合わせて、バラードがいいとかサウンドをこうしようとかというのを決めて、ドラマのメッセージをちゃんと汲み取って歌詞を考えて、こうなったという感じですね。制作陣の方々がオーダーをハッキリ出してくれたので僕はすごく素直に書けたし、ドラマの世界観にも入れたし、こちらが言いたいこともすごく伝わったし、本当に寄り添って作れました。僕に頼んでよかったと思ってもらえるような曲はできたなと思いますね。
──もうタイアップ曲もたくさんありますが、テレビの視聴者として自分の曲が流れるのを見る感覚って、昔と今では違いますか?
ビッケ いや、いつになっても同じですね。「ヒューーーッ!」となる最高の気分ですね。うれしくて、慣れないもんですね、どれだけやっても。「ホーーーッ!」ってなりますよ。
──先ほどから、文字にしづらい表現が多いんですが(笑)。で、8曲目がピアノによるインストの「White ≠ Colorless」(ホワイト・ノットイコール・カラーレス)。
ビッケ インストが真っ白なキャンバスだとして、そこに歌が乗って色がつくんだとしたら、別にキャンパスだけでも、それは無色ではないという意味です。
──9曲目は「またね」。ちょっとJ-POPっぽい印象もありますね。
ビッケ そうですかね、僕はけっこう、往年のoasisみたいな気持ちで作ってるんですけどね。起伏があんまりなく、ただ穏やかに聴けて、何となく胸が熱くなってくるみたいなのが、サウンド感としてのテーマでした。
──そして10曲目が、「ヒプノシスマイク」に提供した楽曲のセルフカバー「Old Rivals [A Self-Cover of “Rivals!"]」。先に確認なんですが、アルバムとしては9曲目で終わりという感じなんでしょうか?
ビッケ 僕の中では、このアルバムは9曲目で終わってます。これはボーナストラックみたいな気持ちですね。たぶん、みんなそれは感じると思いますね。明らかに「またね」で終わって、セルフカバーはボーナスで入ってるという感じで。
──そういう10曲なんですが、アルバム全体を通して見ても、海外経験の影響ってやっぱり大きいですよね。
ビッケ 大きいです。『Worldfly』を作ってた頃は、「海外でライブしたんだイエーイ! 見てよ、その成果聞いてよ!」みたいな感じでしたけど、もうこんな感じで2年くらいやってきて、それが板に付いてきてるというか、それがちょっと普通になってきてますよね。「海外行くぞワクワク!」っていうのがいい意味でもうなくなってきていて、「あそこに行ったらこういう風にやろう」みたいな感じで、ちょっと冷静に、ちゃんと立ち回れるようになってますね。もちろん楽しみにしてますけど、それはでも日本でのライブを楽しみにするように、海外のライブも楽しみにしてる状態というか。
──なるほど。
ビッケ 「おかしなこと」じゃなくなってきてるんですね、世界中を回ることが。世界標準の音楽を作ることとか、世界の人の前でライブをすることが、いい意味で体になじんできてるので、たぶんそれはこのアルバムにも出てるんだろうなと思います。でも、ここまで来ると無意識ですね。『Worldfly』は意識的にそこにフォーカスしたけど、もうあの作品も自分の中にも馴染んでるので、それが出てると思います。
──『Worldfly』の時点では、「イタリアの曲」「サウジの曲」みたいな感じでしたけど、それがもう全体になってると。
ビッケ そうです。もう、個別の国で分けられなくなっちゃってるというか。もう「地球」とかそういう感じですかね。「エリア」ぐらいはまだあるかもしれないすけど、そういう感じになってきてますね。かといって、個別の曲がなくなるわけじゃなくて、「Dying in NY」とかもあるし。例えば「津軽海峡冬景色」って津軽の歌じゃないですか。そういう感じですよね、だから。行ったところでたまたま印象に残ったものが日本かもしれない、メキシコかもしれない、スペインかもしれないっていう感じで。だからそういう風に自然体で海外でのライブやツアーができてるので。
──その中で、その土地に紐付いたトピックみたいなものがあれば、それはやるかもしれないし……と。
ビッケ そういう形で生きてくるかもしれないし、それはただ1人の個人として僕が経験したことで、場所はそこまで重要ではないっていう感じですよね。それが馴染んだ上で出てきているので、もうこのアルバムは『Worldfly』も内包してるということだと思います。
──そう考えると、近年で段階的にいろいろ積み重ねたものが一体化して、滑らかになっている感じというか。
ビッケ そうですね、シェイプ的な話だと、そういう感じかもしれない。
──さて、9月末からは6ヵ所のホールツアー「VK Blanka HALL TOUR 2024 - Knightclub -」が始まります。まさにこのアルバムを引っ提げてという感じですね。
ビッケ アルバムの曲をどういう感じで披露しようかというのを作っているところですけど、きっとまた、ちょっと変わったライブにはなるだろうなと思います。
──では、今年の後半は……。
ビッケ アルバムのプロモーションとツアーという感じになるんじゃないですか。次に新しいことというのは、まず今年やり切って、来年という話になると思いますね。それに僕は今、日本のツアーからつなげて、そのままワールドツアーを回りたいなって言ってるんですけどね。
──ツアー、病みつきですね(笑)。
ビッケ 海外やっぱり楽しいんですよ。海外でのライブにまたすぐ行きたいぐらいです。
──では……最後に何をお聞きするか、もうお分かりですよね?
ビッケ 分かる! 今ハマってるものですよね?
──はい(笑)。前回、『Worldfly』の時のインタビューでは何だったか覚えてますか?
ビッケ 寿司……はけっこう前か。家具を買うとか言ってない?
──違いますね(笑)。「自作PC」なんですよ。ただ、「もうメドが立ってるから、このブームもすぐ終わるはず」という話でした。
ビッケ そうか、それが去年か……。今ハマってるのは、エスプレッソマシーンですよ、それこそ。リバイバルしてるんです。
──確かに、以前にも伺ったことがあります。
ビッケ ずっと眠ってたんすけど、最近またフル稼働中です。僕の好きなコーヒー屋さんの営業時間が短くなったことにより、家で作る必要が出てきたことで、また再度、来てます。
──そういう事情でしたか(笑)。ありがとうございました!
撮影 長谷英史
『Knightclub』
2024.09.04 ON SALE
VK Blanka Hall Tour 2024 - Knightclub -
★愛知公演
[日程]2024年9月27日(金)
[会場] Niterra 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
★北海道公演
[日程]2024年10月12日(土)
[会場] 札幌共済ホール
★大阪公演
[日程]2024年10月16日(水)
[会場] オリックス劇場
★東京公演
[日程]2024年10月31日(木)
[会場] TOKYO DOME CITY HALL
★宮城公演
[日程]2024年11月23日(土)
[会場] トークネットホール仙台 大ホール
★福岡公演
[日程]2024年12月8日(日)
[会場] 福岡国際会議場メインホール
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- WRITTEN BY高崎計三
- 1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。