【Miyuu】野球観戦最高!今は頭の中が野球でいっぱいです(笑)。
6月26日、6曲入りミニアルバム『MILESTONE』をリリースしたMiyuuさん。30歳を迎え、「Miyuu第2章」の始まりとして「今までの自分とは違うことをやってみたかった」という彼女が、様々な方向性にチャレンジした作品になっています。そんな彼女に収録曲のことはもちろん、6月は毎週出演している“あの番組”のこと、今一番ハマっている“アレ”のことなども含めて、タップリ伺いました!
「Over You」ができたきっかけは、最近どハマりしている“アレ”の影響!
──6月は「朝だ!生です旅サラダ」にまた出演されていましたね。今回はポルトガル編ということでしたが、ロケはいかがでしたか?
Miyuu あの番組も2回目なんですけど、今回はポルトガルに2週間ぐらい行っていて、1ヵ所につき5日間ぐらいかけてポルトガルの中で色々な場所に行ってました。私、ヨーロッパ自体が初めてだったんですよ。前回のロケはハワイに行かせてもらって、その時は気づけば「自然に感謝」みたいな感じだったんですよね。ポルトガルも海に面してるので自然も素晴らしかったんですけど、私が興味を持ったのは歴史に関するところだったんです。
──ほう。
Miyuu 私、今まであんまり歴史をしっかり勉強したことがなかった、今回はそこまで事前情報とかもない状態で行ったんですけど、本当にいたるところに教会があって。自然もすごいけど、人工物のクオリティがすごかったんですよね。ほとんどのものが宗教に絡んでいるので、宗教が人の心の支えになった部分もあれば、政治的なものがあったりっていうのを目の当たりにして、すごい衝撃的でしたね。イエスが十字架にかけられているのに対してみんなが手を合わせたりするのが、日本ではあんまり見ないじゃないですか。もちろん教会とかに行ったらありますけど、日本に住んでいるとなかなか宗教ってそんなに身近に感じられないけど、そういうものが普通のお家にもあったりして、何かその感覚がすごく不思議で、面白かったです。自分と全然違う価値観で生きてる方たちが、世界中にはいっぱいいるんだなっていうのを改めて感じたかな。
──これまでMiyuuさんは海とか自然に囲まれているイメージが強かったですからね。今回はちょっと違ったと。
Miyuu 私にとっては、ありがたい存在って思えるのが自然だったので、今まで人工物にパワーを感じることって少なかったんですけど、ポルトガルに行ったら、人間の作ったものの見えない力みたいなものをすごく感じさせてもらった気がして、また新たな興味を持てました。
──いい経験だったんですね。さて、今回はミニアルバム『MILESTONE』についてお聞きしたいんですが、まずこのタイトルはどういう意味合いなんでしょう?
Miyuu アルバムを作ろうとなった時に、全然今までと違う自分を見せたいなっていうのがあって。今まで8年ぐらいやってきて、自分でギターを弾いて曲を作ることが多かったし、私自身が好んで聴くのはサーフミュージックだったりアコースティックな曲が多かったので、そういう楽曲がどんどん増えていってたんですよね。でも自分が30歳を迎えたというのもあるし、自分でも知らない自分を表現してみたいなという気持ちがあって。「Miyuu第2章」みたいなことを言わせていただいているんですけど、『MILESTONE』というタイトルは一つの節目というか、人生って長く見たらこういうターニングポイント的なものがあると思うんですけど、それをマイルストーンとして、また次に向けての通過点の大きい作品という形の立ち位置にマイルストーンを置きたいなと思って、つけさせていただいてます。
──その「新しい自分」が、一番表れているのが1曲目の「Over You」でしょうか?
Miyuu それで言うと、4曲目までは新しいサウンドを意識してるので、これが一番というのはないかもしれないですね。ただ1曲ずつ、それぞれ違う方向性に新しさが出てるかなという感じになってます。「Over You」については、私、野球観戦がすごく好きになっちゃって(笑)。もうどハマりしてて、結構な頻度で横浜スタジアムに行ってるんですけど、「こんなスタジアムで自分の曲がかかったら、なんて素敵なんだろう」っていうのを思っちゃって。「スタジアムに合う曲って、自分の曲やったら何やろうな」と思ったら、何かあんまりないなと。「そういうイメージで作った曲ってないな」って思って、じゃあ今回、新しい自分として作ってみたくなったんですね。それで、そういう場所に合った曲を作りたいというところから始まり、やっぱりそうすると、球場にいる人たち、選手の人たちの背中を押せるみたいな、ちょっと熱いメッセージだったりとか、応援歌的なものを作りたいなっていうので、ロック調なバンドサウンドみたいな感じにしてみました。今までもバンドサウンドの曲はいくつかあったんですけど、どちらかというと「怒り」だったり「悲しみ」だったり、ちょっと悶々とする感情を表現してた楽曲が多かったんです。今回は新しい試みとして、バンドサウンドで明るいメッセージ、希望に溢れたメッセージみたいなものを意識して作らせてもらいました。
──「バンドサウンドで希望に満ちたメッセージの応援歌」というのは曲からも伝わってきてたんですが、きっかけは本当に野球だったんですね。
Miyuu 本当に野球です! 何ならもう野球のことしか考えてないぐらい、野球でした(笑)。私は今まで曲を作るのも自分の感情ありきでしか作れないって思い込んでたし、今までの曲はもう全部そうなんですよ。だから自分が「苦しい」とか、「しんどい」って思ったことも曲にするし、「大好き」とか「楽しい!」と思ったことも曲にするんですけど、その「楽しい」の部分で、「野球観戦最高!」っていう感情が出た作品です(笑)。
──でも、それを普遍的なメッセージに持っていけるところがさすがです(笑)。
Miyuu そうですね。野球だけじゃなくていろんな人の日常の中でのトライ、いろんな人のチャレンジの背中を押したいなと思って、野球が始まりだったけど、いろんな日常で聴いてもらえたらなとは思ってます。
──お話を聞いてると、本当に野球そのものの歌を作りそうですよね。それはそれで聴いてみたい気もしますけど(笑)。
Miyuu 結果、そういった作品作りになりましたね。なので、MVもスタジアムで撮影させてもらいました。ハマスタではないんですけど、スタジアムで撮影させてもらって。青い場所がいいなって言って(笑)。私の好きなものを詰め込んだ作品になりました。
──なるほど。でも野球観戦も、チームや選手のために本当に喜怒哀楽があるじゃないですか。
Miyuu 私って、今まで何かにハマったり熱中したことってないんですよ。何かの熱烈なファンだとかっていうのが。野球で初めてそうなって、ほぼ毎日試合があるおかげで、「何かに熱中するって、こんなに日常が豊かになるんだ」と思って。一緒に喜んで一緒に悲しんでみたいな、そんなの今まで感じたことがなかったから、野球からはその楽しみを教えてもらいましたね。もう一つ「野球ってすごくいいな」と思ったのが、私は今までシンガーソングライターとして活動してきて、1人でステージに立ったりしてるじゃないですか。もちろん、ステージ以外のところではいろんな人に協力してもらって歌っているけど、バンドを組んだこともないし、部活も途中でやめたりとかしてて、「みんなで一緒に何かをやる」みたいなことにすごい苦手意識があったんですよ。でも野球を見た時に、個々の能力とか個々のやるべきことが集まってチームプレーをしているっていうのが、自分がやったことないから面白いと思って。野球を見てたら学べることがいっぱいあるんじゃないかと思うんですよ。私もきっと、完全に1人での活動なんて、今までもできてないけど、できないと思うし、それこそ規模を大きくしていきたいとかってなると、やっぱりいろんな人の協力が必要だと思うので、そういう組織的なものを勉強するのに、野球って勉強になるなと思って、そういう意味でも野球を見てます。
──本当にハマってますね(笑)。
Miyuu ハイ、本当にハマってます。もう大好きです! 今は頭の中が野球でいっぱいです(笑)。
──この曲については、全然知らなくても全く問題なく楽しめますが、背景にそういう事情ががあると分かったら、ファンの方はもっと楽しめそうですね。
Miyuu そうですね。それこそ野球観戦した際に投稿した動画などからも私の音楽にも興味を持ってくれる方もいたりするので、そうやって私のことを知らなかった人でも、一緒のチームを応援しているからというので応援してもらえたりとかしてるかなっていう実感があります。いろんなものに興味を持つことって、結果的に自分の活動に影響をもたらすんだなっていうのは、すごく感じました。
「Summer in love」のMVでは実妹・白間美瑠と初コラボ!
──2曲目は「Summer in love」ですね。
Miyuu これは完全に、私では絶対に書けないであろうという曲を歌いたくて。この後の3曲目と4曲目を書いてもらったSoma Gendaさんが作ってくれた楽曲で、「ラブリーなラブリーなラブソングにしてほしい」とお願いしたんですね。最初は自分で歌詞を書くのにトライしようと思ったんですけど、ちょっとまだそのラブリーさは自分の中になかったっていう……(笑)。でも「歌いたいな」という気持ちはずっとあったので、今回はちょっとお力をお借りして、一緒に作り上げた作品になってます。音的なことで言うと、アコギとかっていう感じじゃなくて、むしろちょっとK-POPみたいな感じのサウンドになって、そのサウンドに自分の声が乗ったら、それはミスマッチなのか、逆に合うのかっていうのも楽しみながら歌わせてもらいました。ダンスミュージックみたいな楽曲はそんなにやってこなかったし、自分もあんまり聴いてこなかったので、ちょっと不安だったんですよね。だからどんな実験結果になるんだろうって思ってて。でも完成して聴いてみたら意外と、ラブリーな歌詞とかが、自分の声だとそんなコテコテには聞こえないというか、いい意味で重みがないというか(笑)。爽やかに聞けるなっていう印象があったので、「自分ってこういう曲も歌えるんや!」っていう、ちょっと発見がありました。
──実験がいい結果に終わったわけですね。
Miyuu 完成した時に、頭の中で「こういうミュージックビデオ撮りたいな」というイメージが出てきたんですね。歌詞はちょっとラブリーなんですけど、カッコいい部分も実は隠れてるんじゃないかみたいな。人って裏表があるので、ラブリーな歌詞を聞くと、「私は実はちょっとカッコいい部分もあるんだぜ」みたいなのを映像で表現したいなと思って。それでカッコいい女性がクールに歩いている、みたいなシーンが頭の中に浮かんだんです。私から見てカッコいい女性って誰やろ?って思った時に妹が浮かんだんですよ。
──元NMB48、AKB48の白間美瑠さんですね。
Miyuu はい。妹がもともとアイドル活動をしてたので、かわいい部分はよく表に出てるかなと思いつつ、私から見る妹はすごくクールなんですよ。言葉数もそんなに多くないけど、みんなのことをしっかり見ているみたいなところが、自分にはなくてカッコいいなって思っていたので、そういうところを私がディレクションさせてもらって一緒に表現できたら、より一層この楽曲が輝くんじゃないかと思って妹にオファーさせてもらったのが、MVを作るきっかけになりました。
──妹さんとの共同作業はいかがでしたか?
Miyuu 今までこういう感じで、一緒に作品作りをしたことが1回もなかったんですよね。彼女の行ってきた活動を私はすごくリスペクトしていて。各々違う道で頑張っている中で、ただ単純に「姉妹やからとりあえず何か一緒にやろう」とかっていうのは、私はすごくしたくありませんでした。
──あっ、そうなんですね。
Miyuu はい。「妹さんと一緒に何かやればいいじゃん」みたいなことを、スタッフさん含めいろんな方からいっぱい言っていただくんですけど、妹は妹で活動していて、そこにはすごくリスペクトがあったので、自分自身ちゃんと自分の活動だったり自分のアイデンティティっていうのを確立させた状態で、妹に「お願いします」って言いたかったっていうのがあって。自分自身、今まで音楽活動をやっていく中で「旅が好きだ」って言い続けていて、旅のお仕事とかも最近やらせてもらって、「自分の音楽活動はこうである」みたいな一つの芯が自分の中でできてきて、それが自信にもなり、そこで本当に「曲のために」というか、自分が作ったこの作品をより輝かせるために協力してくれませんか、っていうスタンスで今回オファーさせてもらいました。だからこそ、妹が「いいよ」って言ってくれたのがとてもありがたかったですね。妹の今までの活動をリスペクトしつつ、自分の作品に協力してもらうという形ができたことは自分の中ではすごくうれしかったし、それこそ他の家族とかも「一緒にやったらいいのに」とかってずっと言ってきてたので、今回のことはすごい喜んでくれて、よかったなって思います(笑)。
──では、MVの反響も気になりますね。
Miyuu すごく気になりますね。喜んでくださる方も多くて、それこそ妹のファンの方とかからもリアクションをもらえたので、うれしかったですね。私を知らない方に知ってもらえるきっかけにもなるかなと思って、そのきっかけにもなったかなと思います。
──次の「gingerbread」は昨年配信されて、クリスマス前にMVが公開されていましたが、そのMVに付けられたコメントを見ると「『旅サラダ』から来ました」という声がけっこう多かったですよね。
Miyuu 本当にありがたいなと思います。それこそ私も「旅が好き」っていうのはずっと言い続けてたんですけど、旅を仕事にするっていうのが、あんまりよく分かってなかったんですよね。でも『旅サラダ』がきっかけで、旅好きの方にも音楽を聴いてもらったりするようになって、自分の好きなことを一生懸命発信し続けたりとか、口で言うだけでもいいんですけど、そういうのってすごく大事なことだなと思って。「旅が好き」って言い続けてたからこそ旅サラダの仕事とかもさせていただくことになったのかもしれないし、そう思うと、やっぱり何でも好きなことを言葉にすることは大切だなと思いました。
──それで言うと、今一番言いたいのは野球のことですよね。
Miyuu はい(笑)。あんまり言いすぎたらダメですけど。今、大きい目標、やりたいことはいっぱいあるんですけど、その中でも大きい目標が「始球式に出る」っていうことです。
──アーティスト資料にも、「今一番の夢は始球式」と書かれていて、「あれ、以前は違ったよな?」と思って(笑)。
Miyuu 違いましたね(笑)。私って、たぶん死ぬまでにやりたいこと全部はできないっていうぐらいやりたいことが溢れていて、しかもその時々によって変わるんですよ。それはちっちゃいときから熱しやすく冷めやすいっていうのがネガティブポイントでもあり、強みでもあるんですけど。だから、もしかしたらそれよりも大きな夢ができるかもしれないんですけど、今の自分が一番何をしたいかっていうのを一番大事にして生きていきたいので、そう思うと今の自分は始球式だなと(笑)。でも、そのいろんなやりたいことの真ん中には、いつも音楽があるっていうスタンスです。
──野球の話でインタビュー時間が終わってしまいそうなので、話を戻します(笑)。「gingerbread」についてでした。
Miyuu 「gingerbread」は、去年「クリスマスソングを作りたい」というところからスタートしていて。実はクリスマスソング自体は3曲目なんですね。クリスマスといえばラバーズのシーズンなので、やっぱりラブソングを書きたいなと思ってて。年齢も年齢なので、熱く燃える短命な、情熱的な恋というよりは、長くてぬくもりがあって、何か安らぎのあるラブソングみたいなものを……この年になったら、やっぱりそういう穏やかさのある愛とかも必要だなっていうのをすごく感じたので、そういう恋をしている方たちに届けたいなと思って作った曲です。
初のドラマ・タイアップで新鮮な思いをした「magnet」
──「gingerbread」のMVは香港ロケでしたね。
Miyuu やっぱりクリスマスのシーズンに聴いてもらいたいなと思ってたので、MVもクリスマスの街の中で撮りたいなと思ってたんですけど、その時期にリリースするということは、もっと前に撮影しないといけないじゃないですか。日本では11月にクリスマスっぽいとこなんてなかなか見つけられないと思って、ネオンがキラキラしてて、クリスマスじゃなくてもクリスマスっぽいとなったら……「え、香港?」みたいなチョイスで(笑)、もう「来月香港に行こう!」ぐらいの気持ちで作らせていただきました。
──その時の香港はいかがでしたか?
Miyuu 香港はプライベートでも行ったことがあったので、何となく懐かしいなっていう気持ちもありつつ……でも、行ったって言っても10年前なんですよ。だから、いろんな政治的なこともあり、ネオンサインがそんなたくさんではなくなっていたりとかして、「ちょっとキラキラ感が前と違うかも」みたいなところがすごく発見だったというか、改めて「あ、香港変わってる!」みたいなことを感じたりしましたね。でも、やっぱり近い国なので、わりと日本人としても親近感があるというか、一人旅で来ても全然大変じゃない国だなって思って。人も、都会だからそれなりにいい距離感を保ってくれるんですよ。それこそ発展途上の国とかに行くと、もうみんなフレンドリーで、距離感もグイッと来てくれると思うんですけど、香港はシティのほどよい距離感をみんな保ってくれる街だなっていう印象でした。
──4曲目の「magnet」も、昨年配信された曲ですね。
Miyuu この曲あたりから、全然違うジャンルの音楽にもトライしてみたいなって思い出したんですよね。初めてドラマのタイアップ曲になって、それ自体が新しい挑戦だったんですけど、今までのファンの人にもドラマの中で聴いて「こういう曲も歌えるんや!」って思ってもらいたかったし、新しいファンの人たちにもそこから入ってもらって、「実はアコースティックなユルユル楽曲とかもあるんや!」っていうのを知ってほしかったっていうのがあって、新しいサウンドで作ろうという話になって。その時に初めてプロデューサーのSoma Gendaさんにお会いして、一緒に作らせてもらった曲ですね。イントロの「ラララ~、ラララ~」っていうところはライブでみんな一緒に歌えたりとか、そういうパートがあったらいいなみたいなことをちょくちょく話し合いながら作りましたね。
──ドラマのタイアップということで、作る過程も違いましたか?
Miyuu 違いましたね。歌詞をけっこう書き換えた気がします。ドラマの制作と同時進行みたいな、すごく稀な感じだったんですよ。以前、ショートフィルムのタイアップをやらせてもらった時とかは、完全にそのフィルムありきで、それを見て自分が書き下ろすみたいなことが多かったんですけど「magnet」に関してはもともと曲を作っていて、その途中でドラマのお話が来たみたいな感じだったので、ちょっとそのドラマと一緒に作ったみたいな感じになりましたね。ベースのサウンドはもともと決まっているけど、歌詞はちょっとドラマに沿った感じにしようか、みたいな形で作ってたので、すごく稀なタイム感で進んで、それはそれで新鮮でしたね。
──いつもと全く違うだけに。
Miyuu 普段の楽曲は完全に私1人の感情を書くみたいなものですけど、そういう曲の書き方もあれば、そうやって他の方が作った作品、もうメチャメチャ魂がこもってる作品だと思うので、そこに合う魂を込めて作った作品というか。だから魂と魂のがガッチャンコみたいな感じで、そういう作品を作る方がむしろ難しいし、それこそチームプレーというか、私が苦手としていることだったと思うから、それをいくつかトライしていくうちに「すごく面白い!」と思うようになって、今は逆にそうやってタイアップとかで使ってもらう曲を書く方が挑戦的で面白いなって自分の中では感じるようになりましたね。人が一生懸命作ったものに自分の声を乗せられるなんて、とってもありがたいことだと今思うので、これからもどんどんやっていけたらいいなって思ってます。
──5曲目が「Bad Day」。ダニエル・パウターの大ヒット曲のカバーですが……初めて「こういう歌詞だったんだ」というのを知りまして。
Miyuu 私もそうなんです。自分で歌うとなって、ちゃんと歌詞を見たって感じでした。
──そうなんですか。もともと好きというわけではなかったんですか?
Miyuu 「好き」というよりは「知ってた」という感じだったんですけど、私が大学生の時に洋楽カバーをシリーズでやっていこうと思った時に「次はどの曲やろうかな」って自分で調べてた時に改めてしっかり聴いて、「この曲いいな、いつか歌えたらいいな」と思いつつ、歌わずにズルズルときた曲だったんですよ。でも自分が音楽活動をやってて、自分と似た感じの、アコギがメインだったりとかオーガニックなサウンドだったりする曲をよく聴くようになって、自分が「ちょっと活動しんどいな」とか、「何かうまくいかんな」と感じた時とかに、お気に入りに入れていた中で、ふとランダムで「Bad Day」が流れてきたりしたんですね。そこで「やっぱりいい曲だな」とか、「今日はあんまりいい日じゃなかったけど、また明日はいい日になるかな」みたいに思えて。私は、熱すぎるメッセージはちょっと「うっ」ってなってしまったりするので、落ち込んでる時にちょっと背中を押してくれるみたいな、ほどよいパワーがある曲だなと感じて、やっぱりいつか歌いたいと思ってた時にちょうどこのアルバムの制作期間やったというのもあって、選ばせてもらいました。それから、今まで何枚かアルバムを出させてもらってて、ずっと「洋楽カバーを入れたい」って言い続けてたんですよ。それが自分の音楽活動の原点だったので。でもなかなか実現できなかったんですけど、今回やっと、自分のやりたいことがいっぱいある中の一つが達成できたかなっていう感じです。
──これだけ活動してきた中で、改めて今、カバーとして歌ってみて、いかがでしたか?
Miyuu 何か、懐かしい気持ちを思い出せたというか……。シンガーソングライターとしてやらせてもらってるので、純粋に、「これからいつまで音楽を続けていけるのか」とか日々思いながら、それがずーっと頭の中にあり続けながらやってきてるわけじゃないですか。音楽活動の原点になった洋楽カバーの頃って、そんなこと全く思ってなかったし、ただ単に音楽好きやから別に後先考えずに「やろうぜ!」みたいなノリでやってたなっていうのを、あの頃の感情を、歌いながらすごく思い出せたんですよね。だからとてもリラックスしてやれたし、アレンジとかも「私、こういう風にギター弾きたいです」みたいな感じで言えて。普段はすごいプロの方と一緒にやってるし、自分もプロだという認識だから、ちょっと張り詰めた感じはやっぱいい意味でもあるんですよ。だけど、この「Bad Day」に関しては、(「ウェーイ」的なポーズで)「ちょっとそのギター変えようぜ!」みたいな気持ち……あくまでそういう“気持ち”ですよ!(笑)……でやれて。でも制作中は、「こういう気持ちもずっと忘れずにやっていきたいな」って思えましたね。
──その意味でもよかったですね。
Miyuu ホントによかったです。それこそ『MILESTONE』っていうアルバムに入れられてよかったなと思います。
──最後が「246」ですね。
Miyuu この曲はもう2年ぐらい、ずっとライブで弾き語りで歌ってきた曲で、ファンの方からも「いつ音源化するの?」って言っていただいていた曲だし、自分的にも作ろうと思ってできた曲というよりは、車を運転してて、いろんな人が見えるじゃないですか。渋滞に巻き込まれてイライラしてる人もいれば、おばあちゃんがちょっとつまずいて、それを誰かが助けてあげてるシーンだったりとか、いろんな人がいて。246みたいな大きな国道から枝分かれした先でも、またそういうドラマが繰り広げられているんだろうな、みたいな妄想をしながらよく運転してるんですけど、その時に何となく鼻歌を歌ってて、だんだんだんだん歌詞がそこに乗ってきて……っていう形で、完全に車の中で作った曲なんですよ。
──そうなんですか!
Miyuu ギターも持たずに、そういう形でできた曲ってあんまりなかったので。
──むしろハンドルを持って。
Miyuu そうですね、ギターじゃなくてハンドルを持って(笑)。メッチャ渋滞してたから、ボイスメモでちょっとを作れるかもみたいな感じでできたんですね。その時に見た景色だったりを歌わせてもらった曲だから、自分的にもメッチャ思い入れがあって。この曲を『MILESTONE』の最後にしたのは、いろんな新しい挑戦をさせてもらったけれども、やっぱり原点というか、本当に自分が今まで聴いてきた音楽だったりとか表現したいことっていうのを最後にまとめとして聴いてもらおうという気持ちが一つ。それと、「これからのMiyuuっていうのはやっぱりこれが原点なんだよ」っていうのを改めて自分でも再確認できたかなというのが、もう一つの理由ですね。
──ずっと歌っていた曲でも、やっぱり形にできると、それはそれ違うというか。
Miyuu うれしいですね。それこそ正解がない曲やったというか、今も正解はないんですけど、一応音源にすると「これがちゃんとした『246』ですよ」ということになるじゃないですか。ライブだと弾き語りなので、たまに勝手に歌詞を変えたりとか、それこそメロディーもメッチャ勝手に変えて歌ったりとかしてて。たぶん、ファンの人も「どれが正解なんだろう?」みたいな(笑)。どれがちゃんとした「246」なのか分からないまま来てると思うので、ここで自分なりの完全なる「246」、現状の完全なる「246」はこれだよって、ファンの人たち、待ってくれてた人たちに示せたというのはいいかなって思いました。
──でも、ライブで歌うとまた……。
Miyuu 変わります!(笑) アルバム版の「246」はギターから始まるけれども弾き語りじゃなくて、いろんな音が重なったりするので、そういうところを楽しんでほしいし、ライブではまた違う楽しみがあるから、そこは両方楽しんでもらえたらと思ってます。
旅ももっとしたい……来年にはビッグプランも!
──というわけで全曲お話していただいたわけですが、本作を引っ提げての「日本全国フリーライブ ~Miyuu Charming Japan Tour~」を計画されていましたね。
Miyuu ちょっと前までやっていたクラウドファンディングで、目標の350万円を達成したら47都道府県フリーライブツアーをやるということだったんですけど、ギリギリ達成ができなくて。でも、ホンマにたくさんの人に支援してもらったので、本当にありがたいなと思ってて。達成したらという形だったので、47都道府県を回るのは難しいんですけども、でも47都道府県という縛りを設けずに、本当にいろんなところでフリーライブなのか、通常のライブなのかまだ分からないですけど、『MILESTONE』を届けに行こうということは今考えています。どういう形になるかはまだ分からないですけど、違う形でライブしまくりたいなと。
──むしろ縛りがなくなって、いろんな形になる可能性があると。
Miyuu そうですね。今考えてることが一つあって。今弾かせていただいてるギターが「Bromo Guitars」というインドネシアのギターメーカーとコラボしたものなんですね。2年前にできたブランドなんですけど、インドネシアの自然由来の素材を中心としたサスティナブルな製品作りをしていて、まだ日本にはそんなに入ってきてなくて。ここからそのギターももっと日本の方に知ってほしいと思ってるんです。私も街中の楽器店で見つけたのがきっかけだったんですけど、それで「Bromo Guitars」さんには初めてレフティーギター(左利き仕様のギター)を作ってもらったんですね。日本でも、もっとみんなに知ってもらえたらいいねという取り組みで、今年は一緒に「Bromo Guitars」の商品を置いている楽器店さんだったりとかを回って、ちょっとライブさせてもらって、お客さんにも弾いてもらう、みたいなことをできたらいいなと思って、今ちょっと、それを全国でできないかという話を進めているところです。いくつかはもう決まってるので、全国に行くので楽しみにしていただけたらと思います。
──それも楽しみですね。通常は、「これからやりたいことは」という話でまとめることが多いんですが、また始球式という話になりそうで(笑)。
Miyuu 始球式やりたいです!
──では、それ以外では?
Miyuu やっぱり旅のお仕事をもっとさせてもらえるようになりたいですね。「旅と音楽」というテーマをもっと打ち出して活動していきたいなと思いつつ、1年間オーストラリアに住もうと思っていて。
──そうなんですか!
Miyuu はい、今のところ、来年頭に行ければという感じなんですけど。それも新しいトライだし、以前からずっと、期間は短くてもいいから海外に住んでみたいという思いがあって。その中でも何か作品を作って帰ってきたいなという気持ちもあるし、英語ももうちょっとスキルアップしたいなとも思っていて。もちろん旅行もしたいですし。自分が今一番やりたいことに忠実に従って、心にしっかりと耳を傾けて活動していきたいなと思ってます。
──いろいろありますね。
Miyuu やりたいことが多すぎて一貫性がないけど(笑)、心が導く方向にちゃんと進んでいけるように生きていきたいです。あと、音楽はどういう形であれ、死ぬまで音楽は作っていたいなっていうのは、思ってます。
──そこは忘れずに。
Miyuu はい。何か最近、「音楽じゃない活動したい感じが出てる?」みたいなことをよく言われるんですよ(笑)。「違う違う、音楽は死ぬまでやりながら生きて行きたいから」って言ってます。
──そういう風に言いたがる人っていますよね。
Miyuu そうなんですよ。それこそ『旅サラダ』とかも、「音楽と関係ない仕事やん」みたいに言われるんですけど、「いやいや、最後歌うねん! どこにロケに行くにもギター持って行ってるんやで!」って思いながらやってます。これは書いといてください(笑)。
──分かりました(笑)。ありがとうございました!
ミニアルバム『MILESTONE』
2024.06.26 ON SALE
「Over You」【NHK-FM ミュージックライン 6・7月度オープニングテーマ】
朝日放送テレビ『朝だ!生です旅サラダ』
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「Over You」ができたきっかけは、最近どハマりしている“アレ”の影響!
──6月は「朝だ!生です旅サラダ」にまた出演されていましたね。今回はポルトガル編ということでしたが、ロケはいかがでしたか?
Miyuu あの番組も2回目なんですけど、今回はポルトガルに2週間ぐらい行っていて、1ヵ所につき5日間ぐらいかけてポルトガルの中で色々な場所に行ってました。私、ヨーロッパ自体が初めてだったんですよ。前回のロケはハワイに行かせてもらって、その時は気づけば「自然に感謝」みたいな感じだったんですよね。ポルトガルも海に面してるので自然も素晴らしかったんですけど、私が興味を持ったのは歴史に関するところだったんです。
──ほう。
Miyuu 私、今まであんまり歴史をしっかり勉強したことがなかった、今回はそこまで事前情報とかもない状態で行ったんですけど、本当にいたるところに教会があって。自然もすごいけど、人工物のクオリティがすごかったんですよね。ほとんどのものが宗教に絡んでいるので、宗教が人の心の支えになった部分もあれば、政治的なものがあったりっていうのを目の当たりにして、すごい衝撃的でしたね。イエスが十字架にかけられているのに対してみんなが手を合わせたりするのが、日本ではあんまり見ないじゃないですか。もちろん教会とかに行ったらありますけど、日本に住んでいるとなかなか宗教ってそんなに身近に感じられないけど、そういうものが普通のお家にもあったりして、何かその感覚がすごく不思議で、面白かったです。自分と全然違う価値観で生きてる方たちが、世界中にはいっぱいいるんだなっていうのを改めて感じたかな。
──これまでMiyuuさんは海とか自然に囲まれているイメージが強かったですからね。今回はちょっと違ったと。
Miyuu 私にとっては、ありがたい存在って思えるのが自然だったので、今まで人工物にパワーを感じることって少なかったんですけど、ポルトガルに行ったら、人間の作ったものの見えない力みたいなものをすごく感じさせてもらった気がして、また新たな興味を持てました。
──いい経験だったんですね。さて、今回はミニアルバム『MILESTONE』についてお聞きしたいんですが、まずこのタイトルはどういう意味合いなんでしょう?
Miyuu アルバムを作ろうとなった時に、全然今までと違う自分を見せたいなっていうのがあって。今まで8年ぐらいやってきて、自分でギターを弾いて曲を作ることが多かったし、私自身が好んで聴くのはサーフミュージックだったりアコースティックな曲が多かったので、そういう楽曲がどんどん増えていってたんですよね。でも自分が30歳を迎えたというのもあるし、自分でも知らない自分を表現してみたいなという気持ちがあって。「Miyuu第2章」みたいなことを言わせていただいているんですけど、『MILESTONE』というタイトルは一つの節目というか、人生って長く見たらこういうターニングポイント的なものがあると思うんですけど、それをマイルストーンとして、また次に向けての通過点の大きい作品という形の立ち位置にマイルストーンを置きたいなと思って、つけさせていただいてます。
──その「新しい自分」が、一番表れているのが1曲目の「Over You」でしょうか?
Miyuu それで言うと、4曲目までは新しいサウンドを意識してるので、これが一番というのはないかもしれないですね。ただ1曲ずつ、それぞれ違う方向性に新しさが出てるかなという感じになってます。「Over You」については、私、野球観戦がすごく好きになっちゃって(笑)。もうどハマりしてて、結構な頻度で横浜スタジアムに行ってるんですけど、「こんなスタジアムで自分の曲がかかったら、なんて素敵なんだろう」っていうのを思っちゃって。「スタジアムに合う曲って、自分の曲やったら何やろうな」と思ったら、何かあんまりないなと。「そういうイメージで作った曲ってないな」って思って、じゃあ今回、新しい自分として作ってみたくなったんですね。それで、そういう場所に合った曲を作りたいというところから始まり、やっぱりそうすると、球場にいる人たち、選手の人たちの背中を押せるみたいな、ちょっと熱いメッセージだったりとか、応援歌的なものを作りたいなっていうので、ロック調なバンドサウンドみたいな感じにしてみました。今までもバンドサウンドの曲はいくつかあったんですけど、どちらかというと「怒り」だったり「悲しみ」だったり、ちょっと悶々とする感情を表現してた楽曲が多かったんです。今回は新しい試みとして、バンドサウンドで明るいメッセージ、希望に溢れたメッセージみたいなものを意識して作らせてもらいました。
──「バンドサウンドで希望に満ちたメッセージの応援歌」というのは曲からも伝わってきてたんですが、きっかけは本当に野球だったんですね。
Miyuu 本当に野球です! 何ならもう野球のことしか考えてないぐらい、野球でした(笑)。私は今まで曲を作るのも自分の感情ありきでしか作れないって思い込んでたし、今までの曲はもう全部そうなんですよ。だから自分が「苦しい」とか、「しんどい」って思ったことも曲にするし、「大好き」とか「楽しい!」と思ったことも曲にするんですけど、その「楽しい」の部分で、「野球観戦最高!」っていう感情が出た作品です(笑)。
──でも、それを普遍的なメッセージに持っていけるところがさすがです(笑)。
Miyuu そうですね。野球だけじゃなくていろんな人の日常の中でのトライ、いろんな人のチャレンジの背中を押したいなと思って、野球が始まりだったけど、いろんな日常で聴いてもらえたらなとは思ってます。
──お話を聞いてると、本当に野球そのものの歌を作りそうですよね。それはそれで聴いてみたい気もしますけど(笑)。
Miyuu 結果、そういった作品作りになりましたね。なので、MVもスタジアムで撮影させてもらいました。ハマスタではないんですけど、スタジアムで撮影させてもらって。青い場所がいいなって言って(笑)。私の好きなものを詰め込んだ作品になりました。
──なるほど。でも野球観戦も、チームや選手のために本当に喜怒哀楽があるじゃないですか。
Miyuu 私って、今まで何かにハマったり熱中したことってないんですよ。何かの熱烈なファンだとかっていうのが。野球で初めてそうなって、ほぼ毎日試合があるおかげで、「何かに熱中するって、こんなに日常が豊かになるんだ」と思って。一緒に喜んで一緒に悲しんでみたいな、そんなの今まで感じたことがなかったから、野球からはその楽しみを教えてもらいましたね。もう一つ「野球ってすごくいいな」と思ったのが、私は今までシンガーソングライターとして活動してきて、1人でステージに立ったりしてるじゃないですか。もちろん、ステージ以外のところではいろんな人に協力してもらって歌っているけど、バンドを組んだこともないし、部活も途中でやめたりとかしてて、「みんなで一緒に何かをやる」みたいなことにすごい苦手意識があったんですよ。でも野球を見た時に、個々の能力とか個々のやるべきことが集まってチームプレーをしているっていうのが、自分がやったことないから面白いと思って。野球を見てたら学べることがいっぱいあるんじゃないかと思うんですよ。私もきっと、完全に1人での活動なんて、今までもできてないけど、できないと思うし、それこそ規模を大きくしていきたいとかってなると、やっぱりいろんな人の協力が必要だと思うので、そういう組織的なものを勉強するのに、野球って勉強になるなと思って、そういう意味でも野球を見てます。
──本当にハマってますね(笑)。
Miyuu ハイ、本当にハマってます。もう大好きです! 今は頭の中が野球でいっぱいです(笑)。
──この曲については、全然知らなくても全く問題なく楽しめますが、背景にそういう事情ががあると分かったら、ファンの方はもっと楽しめそうですね。
Miyuu そうですね。それこそ野球観戦した際に投稿した動画などからも私の音楽にも興味を持ってくれる方もいたりするので、そうやって私のことを知らなかった人でも、一緒のチームを応援しているからというので応援してもらえたりとかしてるかなっていう実感があります。いろんなものに興味を持つことって、結果的に自分の活動に影響をもたらすんだなっていうのは、すごく感じました。
「Summer in love」のMVでは実妹・白間美瑠と初コラボ!
──2曲目は「Summer in love」ですね。
Miyuu これは完全に、私では絶対に書けないであろうという曲を歌いたくて。この後の3曲目と4曲目を書いてもらったSoma Gendaさんが作ってくれた楽曲で、「ラブリーなラブリーなラブソングにしてほしい」とお願いしたんですね。最初は自分で歌詞を書くのにトライしようと思ったんですけど、ちょっとまだそのラブリーさは自分の中になかったっていう……(笑)。でも「歌いたいな」という気持ちはずっとあったので、今回はちょっとお力をお借りして、一緒に作り上げた作品になってます。音的なことで言うと、アコギとかっていう感じじゃなくて、むしろちょっとK-POPみたいな感じのサウンドになって、そのサウンドに自分の声が乗ったら、それはミスマッチなのか、逆に合うのかっていうのも楽しみながら歌わせてもらいました。ダンスミュージックみたいな楽曲はそんなにやってこなかったし、自分もあんまり聴いてこなかったので、ちょっと不安だったんですよね。だからどんな実験結果になるんだろうって思ってて。でも完成して聴いてみたら意外と、ラブリーな歌詞とかが、自分の声だとそんなコテコテには聞こえないというか、いい意味で重みがないというか(笑)。爽やかに聞けるなっていう印象があったので、「自分ってこういう曲も歌えるんや!」っていう、ちょっと発見がありました。
──実験がいい結果に終わったわけですね。
Miyuu 完成した時に、頭の中で「こういうミュージックビデオ撮りたいな」というイメージが出てきたんですね。歌詞はちょっとラブリーなんですけど、カッコいい部分も実は隠れてるんじゃないかみたいな。人って裏表があるので、ラブリーな歌詞を聞くと、「私は実はちょっとカッコいい部分もあるんだぜ」みたいなのを映像で表現したいなと思って。それでカッコいい女性がクールに歩いている、みたいなシーンが頭の中に浮かんだんです。私から見てカッコいい女性って誰やろ?って思った時に妹が浮かんだんですよ。
──元NMB48、AKB48の白間美瑠さんですね。
Miyuu はい。妹がもともとアイドル活動をしてたので、かわいい部分はよく表に出てるかなと思いつつ、私から見る妹はすごくクールなんですよ。言葉数もそんなに多くないけど、みんなのことをしっかり見ているみたいなところが、自分にはなくてカッコいいなって思っていたので、そういうところを私がディレクションさせてもらって一緒に表現できたら、より一層この楽曲が輝くんじゃないかと思って妹にオファーさせてもらったのが、MVを作るきっかけになりました。
──妹さんとの共同作業はいかがでしたか?
Miyuu 今までこういう感じで、一緒に作品作りをしたことが1回もなかったんですよね。彼女の行ってきた活動を私はすごくリスペクトしていて。各々違う道で頑張っている中で、ただ単純に「姉妹やからとりあえず何か一緒にやろう」とかっていうのは、私はすごくしたくありませんでした。
──あっ、そうなんですね。
Miyuu はい。「妹さんと一緒に何かやればいいじゃん」みたいなことを、スタッフさん含めいろんな方からいっぱい言っていただくんですけど、妹は妹で活動していて、そこにはすごくリスペクトがあったので、自分自身ちゃんと自分の活動だったり自分のアイデンティティっていうのを確立させた状態で、妹に「お願いします」って言いたかったっていうのがあって。自分自身、今まで音楽活動をやっていく中で「旅が好きだ」って言い続けていて、旅のお仕事とかも最近やらせてもらって、「自分の音楽活動はこうである」みたいな一つの芯が自分の中でできてきて、それが自信にもなり、そこで本当に「曲のために」というか、自分が作ったこの作品をより輝かせるために協力してくれませんか、っていうスタンスで今回オファーさせてもらいました。だからこそ、妹が「いいよ」って言ってくれたのがとてもありがたかったですね。妹の今までの活動をリスペクトしつつ、自分の作品に協力してもらうという形ができたことは自分の中ではすごくうれしかったし、それこそ他の家族とかも「一緒にやったらいいのに」とかってずっと言ってきてたので、今回のことはすごい喜んでくれて、よかったなって思います(笑)。
──では、MVの反響も気になりますね。
Miyuu すごく気になりますね。喜んでくださる方も多くて、それこそ妹のファンの方とかからもリアクションをもらえたので、うれしかったですね。私を知らない方に知ってもらえるきっかけにもなるかなと思って、そのきっかけにもなったかなと思います。
──次の「gingerbread」は昨年配信されて、クリスマス前にMVが公開されていましたが、そのMVに付けられたコメントを見ると「『旅サラダ』から来ました」という声がけっこう多かったですよね。
Miyuu 本当にありがたいなと思います。それこそ私も「旅が好き」っていうのはずっと言い続けてたんですけど、旅を仕事にするっていうのが、あんまりよく分かってなかったんですよね。でも『旅サラダ』がきっかけで、旅好きの方にも音楽を聴いてもらったりするようになって、自分の好きなことを一生懸命発信し続けたりとか、口で言うだけでもいいんですけど、そういうのってすごく大事なことだなと思って。「旅が好き」って言い続けてたからこそ旅サラダの仕事とかもさせていただくことになったのかもしれないし、そう思うと、やっぱり何でも好きなことを言葉にすることは大切だなと思いました。
──それで言うと、今一番言いたいのは野球のことですよね。
Miyuu はい(笑)。あんまり言いすぎたらダメですけど。今、大きい目標、やりたいことはいっぱいあるんですけど、その中でも大きい目標が「始球式に出る」っていうことです。
──アーティスト資料にも、「今一番の夢は始球式」と書かれていて、「あれ、以前は違ったよな?」と思って(笑)。
Miyuu 違いましたね(笑)。私って、たぶん死ぬまでにやりたいこと全部はできないっていうぐらいやりたいことが溢れていて、しかもその時々によって変わるんですよ。それはちっちゃいときから熱しやすく冷めやすいっていうのがネガティブポイントでもあり、強みでもあるんですけど。だから、もしかしたらそれよりも大きな夢ができるかもしれないんですけど、今の自分が一番何をしたいかっていうのを一番大事にして生きていきたいので、そう思うと今の自分は始球式だなと(笑)。でも、そのいろんなやりたいことの真ん中には、いつも音楽があるっていうスタンスです。
──野球の話でインタビュー時間が終わってしまいそうなので、話を戻します(笑)。「gingerbread」についてでした。
Miyuu 「gingerbread」は、去年「クリスマスソングを作りたい」というところからスタートしていて。実はクリスマスソング自体は3曲目なんですね。クリスマスといえばラバーズのシーズンなので、やっぱりラブソングを書きたいなと思ってて。年齢も年齢なので、熱く燃える短命な、情熱的な恋というよりは、長くてぬくもりがあって、何か安らぎのあるラブソングみたいなものを……この年になったら、やっぱりそういう穏やかさのある愛とかも必要だなっていうのをすごく感じたので、そういう恋をしている方たちに届けたいなと思って作った曲です。
初のドラマ・タイアップで新鮮な思いをした「magnet」
──「gingerbread」のMVは香港ロケでしたね。
Miyuu やっぱりクリスマスのシーズンに聴いてもらいたいなと思ってたので、MVもクリスマスの街の中で撮りたいなと思ってたんですけど、その時期にリリースするということは、もっと前に撮影しないといけないじゃないですか。日本では11月にクリスマスっぽいとこなんてなかなか見つけられないと思って、ネオンがキラキラしてて、クリスマスじゃなくてもクリスマスっぽいとなったら……「え、香港?」みたいなチョイスで(笑)、もう「来月香港に行こう!」ぐらいの気持ちで作らせていただきました。
──その時の香港はいかがでしたか?
Miyuu 香港はプライベートでも行ったことがあったので、何となく懐かしいなっていう気持ちもありつつ……でも、行ったって言っても10年前なんですよ。だから、いろんな政治的なこともあり、ネオンサインがそんなたくさんではなくなっていたりとかして、「ちょっとキラキラ感が前と違うかも」みたいなところがすごく発見だったというか、改めて「あ、香港変わってる!」みたいなことを感じたりしましたね。でも、やっぱり近い国なので、わりと日本人としても親近感があるというか、一人旅で来ても全然大変じゃない国だなって思って。人も、都会だからそれなりにいい距離感を保ってくれるんですよ。それこそ発展途上の国とかに行くと、もうみんなフレンドリーで、距離感もグイッと来てくれると思うんですけど、香港はシティのほどよい距離感をみんな保ってくれる街だなっていう印象でした。
──4曲目の「magnet」も、昨年配信された曲ですね。
Miyuu この曲あたりから、全然違うジャンルの音楽にもトライしてみたいなって思い出したんですよね。初めてドラマのタイアップ曲になって、それ自体が新しい挑戦だったんですけど、今までのファンの人にもドラマの中で聴いて「こういう曲も歌えるんや!」って思ってもらいたかったし、新しいファンの人たちにもそこから入ってもらって、「実はアコースティックなユルユル楽曲とかもあるんや!」っていうのを知ってほしかったっていうのがあって、新しいサウンドで作ろうという話になって。その時に初めてプロデューサーのSoma Gendaさんにお会いして、一緒に作らせてもらった曲ですね。イントロの「ラララ~、ラララ~」っていうところはライブでみんな一緒に歌えたりとか、そういうパートがあったらいいなみたいなことをちょくちょく話し合いながら作りましたね。
──ドラマのタイアップということで、作る過程も違いましたか?
Miyuu 違いましたね。歌詞をけっこう書き換えた気がします。ドラマの制作と同時進行みたいな、すごく稀な感じだったんですよ。以前、ショートフィルムのタイアップをやらせてもらった時とかは、完全にそのフィルムありきで、それを見て自分が書き下ろすみたいなことが多かったんですけど「magnet」に関してはもともと曲を作っていて、その途中でドラマのお話が来たみたいな感じだったので、ちょっとそのドラマと一緒に作ったみたいな感じになりましたね。ベースのサウンドはもともと決まっているけど、歌詞はちょっとドラマに沿った感じにしようか、みたいな形で作ってたので、すごく稀なタイム感で進んで、それはそれで新鮮でしたね。
──いつもと全く違うだけに。
Miyuu 普段の楽曲は完全に私1人の感情を書くみたいなものですけど、そういう曲の書き方もあれば、そうやって他の方が作った作品、もうメチャメチャ魂がこもってる作品だと思うので、そこに合う魂を込めて作った作品というか。だから魂と魂のがガッチャンコみたいな感じで、そういう作品を作る方がむしろ難しいし、それこそチームプレーというか、私が苦手としていることだったと思うから、それをいくつかトライしていくうちに「すごく面白い!」と思うようになって、今は逆にそうやってタイアップとかで使ってもらう曲を書く方が挑戦的で面白いなって自分の中では感じるようになりましたね。人が一生懸命作ったものに自分の声を乗せられるなんて、とってもありがたいことだと今思うので、これからもどんどんやっていけたらいいなって思ってます。
──5曲目が「Bad Day」。ダニエル・パウターの大ヒット曲のカバーですが……初めて「こういう歌詞だったんだ」というのを知りまして。
Miyuu 私もそうなんです。自分で歌うとなって、ちゃんと歌詞を見たって感じでした。
──そうなんですか。もともと好きというわけではなかったんですか?
Miyuu 「好き」というよりは「知ってた」という感じだったんですけど、私が大学生の時に洋楽カバーをシリーズでやっていこうと思った時に「次はどの曲やろうかな」って自分で調べてた時に改めてしっかり聴いて、「この曲いいな、いつか歌えたらいいな」と思いつつ、歌わずにズルズルときた曲だったんですよ。でも自分が音楽活動をやってて、自分と似た感じの、アコギがメインだったりとかオーガニックなサウンドだったりする曲をよく聴くようになって、自分が「ちょっと活動しんどいな」とか、「何かうまくいかんな」と感じた時とかに、お気に入りに入れていた中で、ふとランダムで「Bad Day」が流れてきたりしたんですね。そこで「やっぱりいい曲だな」とか、「今日はあんまりいい日じゃなかったけど、また明日はいい日になるかな」みたいに思えて。私は、熱すぎるメッセージはちょっと「うっ」ってなってしまったりするので、落ち込んでる時にちょっと背中を押してくれるみたいな、ほどよいパワーがある曲だなと感じて、やっぱりいつか歌いたいと思ってた時にちょうどこのアルバムの制作期間やったというのもあって、選ばせてもらいました。それから、今まで何枚かアルバムを出させてもらってて、ずっと「洋楽カバーを入れたい」って言い続けてたんですよ。それが自分の音楽活動の原点だったので。でもなかなか実現できなかったんですけど、今回やっと、自分のやりたいことがいっぱいある中の一つが達成できたかなっていう感じです。
──これだけ活動してきた中で、改めて今、カバーとして歌ってみて、いかがでしたか?
Miyuu 何か、懐かしい気持ちを思い出せたというか……。シンガーソングライターとしてやらせてもらってるので、純粋に、「これからいつまで音楽を続けていけるのか」とか日々思いながら、それがずーっと頭の中にあり続けながらやってきてるわけじゃないですか。音楽活動の原点になった洋楽カバーの頃って、そんなこと全く思ってなかったし、ただ単に音楽好きやから別に後先考えずに「やろうぜ!」みたいなノリでやってたなっていうのを、あの頃の感情を、歌いながらすごく思い出せたんですよね。だからとてもリラックスしてやれたし、アレンジとかも「私、こういう風にギター弾きたいです」みたいな感じで言えて。普段はすごいプロの方と一緒にやってるし、自分もプロだという認識だから、ちょっと張り詰めた感じはやっぱいい意味でもあるんですよ。だけど、この「Bad Day」に関しては、(「ウェーイ」的なポーズで)「ちょっとそのギター変えようぜ!」みたいな気持ち……あくまでそういう“気持ち”ですよ!(笑)……でやれて。でも制作中は、「こういう気持ちもずっと忘れずにやっていきたいな」って思えましたね。
──その意味でもよかったですね。
Miyuu ホントによかったです。それこそ『MILESTONE』っていうアルバムに入れられてよかったなと思います。
──最後が「246」ですね。
Miyuu この曲はもう2年ぐらい、ずっとライブで弾き語りで歌ってきた曲で、ファンの方からも「いつ音源化するの?」って言っていただいていた曲だし、自分的にも作ろうと思ってできた曲というよりは、車を運転してて、いろんな人が見えるじゃないですか。渋滞に巻き込まれてイライラしてる人もいれば、おばあちゃんがちょっとつまずいて、それを誰かが助けてあげてるシーンだったりとか、いろんな人がいて。246みたいな大きな国道から枝分かれした先でも、またそういうドラマが繰り広げられているんだろうな、みたいな妄想をしながらよく運転してるんですけど、その時に何となく鼻歌を歌ってて、だんだんだんだん歌詞がそこに乗ってきて……っていう形で、完全に車の中で作った曲なんですよ。
──そうなんですか!
Miyuu ギターも持たずに、そういう形でできた曲ってあんまりなかったので。
──むしろハンドルを持って。
Miyuu そうですね、ギターじゃなくてハンドルを持って(笑)。メッチャ渋滞してたから、ボイスメモでちょっとを作れるかもみたいな感じでできたんですね。その時に見た景色だったりを歌わせてもらった曲だから、自分的にもメッチャ思い入れがあって。この曲を『MILESTONE』の最後にしたのは、いろんな新しい挑戦をさせてもらったけれども、やっぱり原点というか、本当に自分が今まで聴いてきた音楽だったりとか表現したいことっていうのを最後にまとめとして聴いてもらおうという気持ちが一つ。それと、「これからのMiyuuっていうのはやっぱりこれが原点なんだよ」っていうのを改めて自分でも再確認できたかなというのが、もう一つの理由ですね。
──ずっと歌っていた曲でも、やっぱり形にできると、それはそれ違うというか。
Miyuu うれしいですね。それこそ正解がない曲やったというか、今も正解はないんですけど、一応音源にすると「これがちゃんとした『246』ですよ」ということになるじゃないですか。ライブだと弾き語りなので、たまに勝手に歌詞を変えたりとか、それこそメロディーもメッチャ勝手に変えて歌ったりとかしてて。たぶん、ファンの人も「どれが正解なんだろう?」みたいな(笑)。どれがちゃんとした「246」なのか分からないまま来てると思うので、ここで自分なりの完全なる「246」、現状の完全なる「246」はこれだよって、ファンの人たち、待ってくれてた人たちに示せたというのはいいかなって思いました。
──でも、ライブで歌うとまた……。
Miyuu 変わります!(笑) アルバム版の「246」はギターから始まるけれども弾き語りじゃなくて、いろんな音が重なったりするので、そういうところを楽しんでほしいし、ライブではまた違う楽しみがあるから、そこは両方楽しんでもらえたらと思ってます。
旅ももっとしたい……来年にはビッグプランも!
──というわけで全曲お話していただいたわけですが、本作を引っ提げての「日本全国フリーライブ ~Miyuu Charming Japan Tour~」を計画されていましたね。
Miyuu ちょっと前までやっていたクラウドファンディングで、目標の350万円を達成したら47都道府県フリーライブツアーをやるということだったんですけど、ギリギリ達成ができなくて。でも、ホンマにたくさんの人に支援してもらったので、本当にありがたいなと思ってて。達成したらという形だったので、47都道府県を回るのは難しいんですけども、でも47都道府県という縛りを設けずに、本当にいろんなところでフリーライブなのか、通常のライブなのかまだ分からないですけど、『MILESTONE』を届けに行こうということは今考えています。どういう形になるかはまだ分からないですけど、違う形でライブしまくりたいなと。
──むしろ縛りがなくなって、いろんな形になる可能性があると。
Miyuu そうですね。今考えてることが一つあって。今弾かせていただいてるギターが「Bromo Guitars」というインドネシアのギターメーカーとコラボしたものなんですね。2年前にできたブランドなんですけど、インドネシアの自然由来の素材を中心としたサスティナブルな製品作りをしていて、まだ日本にはそんなに入ってきてなくて。ここからそのギターももっと日本の方に知ってほしいと思ってるんです。私も街中の楽器店で見つけたのがきっかけだったんですけど、それで「Bromo Guitars」さんには初めてレフティーギター(左利き仕様のギター)を作ってもらったんですね。日本でも、もっとみんなに知ってもらえたらいいねという取り組みで、今年は一緒に「Bromo Guitars」の商品を置いている楽器店さんだったりとかを回って、ちょっとライブさせてもらって、お客さんにも弾いてもらう、みたいなことをできたらいいなと思って、今ちょっと、それを全国でできないかという話を進めているところです。いくつかはもう決まってるので、全国に行くので楽しみにしていただけたらと思います。
──それも楽しみですね。通常は、「これからやりたいことは」という話でまとめることが多いんですが、また始球式という話になりそうで(笑)。
Miyuu 始球式やりたいです!
──では、それ以外では?
Miyuu やっぱり旅のお仕事をもっとさせてもらえるようになりたいですね。「旅と音楽」というテーマをもっと打ち出して活動していきたいなと思いつつ、1年間オーストラリアに住もうと思っていて。
──そうなんですか!
Miyuu はい、今のところ、来年頭に行ければという感じなんですけど。それも新しいトライだし、以前からずっと、期間は短くてもいいから海外に住んでみたいという思いがあって。その中でも何か作品を作って帰ってきたいなという気持ちもあるし、英語ももうちょっとスキルアップしたいなとも思っていて。もちろん旅行もしたいですし。自分が今一番やりたいことに忠実に従って、心にしっかりと耳を傾けて活動していきたいなと思ってます。
──いろいろありますね。
Miyuu やりたいことが多すぎて一貫性がないけど(笑)、心が導く方向にちゃんと進んでいけるように生きていきたいです。あと、音楽はどういう形であれ、死ぬまで音楽は作っていたいなっていうのは、思ってます。
──そこは忘れずに。
Miyuu はい。何か最近、「音楽じゃない活動したい感じが出てる?」みたいなことをよく言われるんですよ(笑)。「違う違う、音楽は死ぬまでやりながら生きて行きたいから」って言ってます。
──そういう風に言いたがる人っていますよね。
Miyuu そうなんですよ。それこそ『旅サラダ』とかも、「音楽と関係ない仕事やん」みたいに言われるんですけど、「いやいや、最後歌うねん! どこにロケに行くにもギター持って行ってるんやで!」って思いながらやってます。これは書いといてください(笑)。
──分かりました(笑)。ありがとうございました!
撮影 長谷英史
ミニアルバム『MILESTONE』
2024.06.26 ON SALE
「Over You」【NHK-FM ミュージックライン 6・7月度オープニングテーマ】
朝日放送テレビ『朝だ!生です旅サラダ』
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【Miyuu Official HP】
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- WRITTEN BY高崎計三
- 1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。