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LIVE EMPOWER CHILDREN 2023

【TRF、相川七瀬、Da-iCE、超とき宣 etc.出演】LIVE EMPOWER CHILDREN 2023レポート!

2023.02.17
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2月15日、NHKホールで小児がん治療支援チャリティーライヴ『LIVE EMPOWER CHILDREN 2023 supported by 第一生命保険』が開催されました。4回目の今年は、第1回以来3年ぶりの有観客開催となり、満員の観客の前でさまざまなアーティストがパフォーマンスしました。その模様をさっそくレポート!


ピコ太郎は今年もサンリオキャラとコラボ。今年のゲストは……?

小児がんと闘う子どもたちやそのご家族を音楽の力で元気づけたいという想いから、毎年国際小児がんデーの2月15日に開催されている、『LIVE EMPOWER CHILDREN 2023 supported by 第一生命保険』。2020年に第1回が開催されましたが、ちょうどその直後からコロナ禍の波が押し寄せ、2021年の第2回、2022年の第3回は無観客・配信のみの開催に。いろいろと規制が緩和されている今年は、3年ぶりに有観客での開催となりました。
 
ただ、会場に来られない方や遠方の方のために、生配信も続行。ABEMA、dTV®では無料配信が行われ、LINE LIVE、YouTube、Tik Tok、Z-aNの4プラットフォームでは投げ銭システムを使って支援することも可能に。

18時の開演を前に、会場のNHKホールには満員の観客が集結。そんな中、オープニングアクトとして3組が登場しました。まず、2021年から出演している日本工学院専門学校の学生がダンスパフォーマンスを展開。次はシンガーソングライターのちゃるけんが「世界が変わらなくても」を披露。この曲はイベントに先立って開催されていた「応援歌キャンペーン」の最優秀作品賞を受賞した曲でした。3組目はMA’LILが「hate me」を歌唱しました。



今年の出演アーティストは13組。トップバッターはMONKEY MAJIK。イベントにとっての幕開けとなった「Around The World」は、「一歩踏み出せば世界は変わる」という内容で開催主旨にもピッタリ。続く「空はまるで」との2曲で、爽やかながらもスケール感を感じさせるMONKEY MAJIKならではの世界を味あわせてくれました。

ここでイベントMCが登場。キャイ~ンの天野ひろゆきさんは第1回からMCを務めていて、第2回からのニッポン放送アナウンサー・熊谷実帆さんとのコンビはもうおなじみの印象。今年もいろんなネタを挟んだトークで盛り上げてくれます。
 


2組目はピコ太郎。1曲目の「PPAP」から独特のステージアクションで観客にアピール。誰もが知っているド定番曲が終わると、「知ってる曲はここまでです」と、何とマネージャーも聴いたことがないという新曲を2曲プレイすると宣言。1曲目「買いたい物が買えない」は、世の中の理不尽を歌ったものだそうで、鶏肉と豚肉が入り乱れる歌詞はやっぱりシュール。続く「Mathematics」はタイトル通り算数(?)の歌で、こちらも場内を謎空間に誘っていました。最後は昨年に続いてサンリオキャラクターとコラボ。今年はぐでたまが登場! 「だりー」とステージにやってきたぐでたまは見るからに手が短く、「PPAP ぐでたまといっしょ」ではあの動作ができるのか心配されましたが、しっかり頑張ってやっている姿は微笑ましさ満点でした。



3組目はTRF featuring LECコドモダンサーズによるDance Act Stage。昨年はトリを務めたTRFが、今年は小児がんを克服した5歳から18歳までの25人の子どもたちによる「LECコドモダンサーズ」とのスペシャルステージを披露しました。ダンス未経験のメンバーも多い中、動画を使って2週間練習を行い、リハーサルができたのは1日のみ。TRFの「FUNKY M」を元気よく踊る姿は、とてもそんな状況とは思えないほど。場内からは大きな拍手が巻き起こっていました。
 


4組目は9人組のGirls²。平均年齢18歳という彼女たちは、昨年末にリリースされた最新曲「UNCOOL」など3曲を披露。キュートだったりカッコよかったりといろいろな面を見せるダンスと歌で、その実力をしっかりとアピール。
 


続いて登場したのはMay'n。この日は4人の男性ダンサーを従えてのステージングで、「You」「未来ノート」の2曲を熱唱。伸びやかな高音で魅了し、病気と闘う子どもたちに対しては「どんな時も1人じゃないってことを忘れないでください」とメッセージを送りました。
 
コロナ禍の中で子どもたちが適切な治療を受けられる環境作りなどの研究を行っている国立成育医療研究センターからのビデオメッセージを挟み、次のアーティストのセッテイングでギターの音が聞こえてくると、一部観客からは思わず歓声が。



6組目のNovelbrightが現れると、客席ではたくさんのペンライトが振られました。その中で「愛とか恋とか」「Walking with you」の大ヒット2曲を熱く演奏しました。「ホントにいろんなことを乗り越えてきた君たちはすごい!」と闘病中の子どもたちに送ったメッセージも熱く、場内の体感温度を一気に上げていました。
 
MCの天野さん、熊谷さんは幕間のトークで、アーティストについての小ネタもたびたび披露。Novelbrightについては、ボーカルの竹中雄大さんに聞いた「歌がうまくなるためにやっていること」。この回答が「二度寝」と「キュウリを食べる」だそうで、これを真似したらあの力強い声が出るようになるかも!?
 
 
大ヒット曲連発で盛り上がりまくった後半戦!
 

 

7組目は、第1回から続けて出演しているmoumoon。1曲目の「にじ」は毎年このステージで歌われている楽曲で、脳腫瘍のために視力を奪われながら500曲以上を作曲し、16歳の若さでこの世を去った加藤旭さんの作品をベースにしたもの。ボーカルのYUKAさんは加藤旭さんとこの曲について丁寧に説明した上で歌い、虹の七色を表現したライトアップで楽曲の世界を再現。2曲目は「君の隣、太陽の下で」とともに、その澄んだ歌声には大きな拍手が寄せられました。
 


後半戦に入っての8組目は、超ときめき♡宣伝部がDJ KOOさんとのスペシャルコラボで登場。TikTokで大ブレイクした「すきっ」と「STAR」の2曲で、観客は男女問わずキュンキュンさせられました。ステージ後方のDJブースで盛り上げたDJ KOOさんは、とき宣恒例のメンバー紹介でも「超ときめき♡ギラギラのDJ KOOです!」とノリノリでした。このように一夜限りのコラボが見られるのもこのイベントの特徴ですが、この組み合わせはまた見たい!と思ったファンも多いのでは?
 


超ときめき♡宣伝部の退場後もDJ KOOさんは残り、次のBUDDiiSを呼び込みます。10人がステージに現れると、客席のあちこちで立ち上がる人が。残念ながらまだ声出し解禁とはならなかった今回ですが、立ち上がるのは自由。立ってペンライトを振る人の数が、彼らへの期待を物語っていました。「The One」「HOT CHEESE」「SM:)LE(スマイル)」の3曲でしたが、「The One」のラスト、「SHOOT」のセリフの部分では悲鳴が起こり、「HOT CHEESE」の後半ではTRFのSAMもダンスに加わるなど、見どころもたくさんでした。
 


その盛り上がりを受け継ぐように登場したのがDa-iCE。こちらも立ち上がる観客が多数だったのですが、1曲目の「CITRUS」を歌い終わると、花村想太さんが「Da-iCE初めて見るよーって方は立ってもらっていいですかね」と言ったもので、若干混乱が。もちろんこれはネタですが、彼はさらに「よかったら『CITRUS』もう1回歌いましょうか? 歌ったら僕らの時間終わっちゃうんですけどね」と畳みかけます。2曲目の「スターマイン」でもスタート部分でボケまくって何度かやり直すなど、実力だけでなく楽しい側面もたっぷり見せてくれたのでした。
 
この幕間のMCでは、前述の「応援歌キャンペーン」受賞者の紹介とメッセージも。最優秀作品賞のちゃるけん、優秀作品賞のすとろべりぃ、立川翼、Colorerの計4組のメッセージが読み上げられました。すとろべりぃのボーカルYUUさんは卵巣がん、Colorerさんは小児白血病経験者ということで、病気を克服した体験から闘病中の子どもたちを応援するというつながりの輪も感じられました。



いよいよライブも終盤。11組目は力強いギターの音に乗って相川七瀬さんの登場です。「Sweet Emotion」を歌い終わると、「ノリのいい曲ばかりを用意してきました。次は、相川七瀬と言えばこの曲かなという曲を」と話し、「夢見る少女じゃいられない」へ。J-POP史に残るヒット曲の連続というだけでなく、ヒット当時から全く変わらないのでは?と思わせる歌声は圧巻。「夢見る少女じゃいられない」の後半にはTRFのSAMさん、CHIHARUさん、ETSUさんも登場してスペシャルコラボ。90年代にプレイバックしたような光景が繰り広げられていました。
 


激しく盛り上がった場内の空気は、次のゴスペラーズでムーディーに一変。こんなダイナミックさもこのイベントならではですね。イベント直前で酒井雄二さんが新型コロナウィルス濃厚接触者となって出演できなくなり、急きょ4人でステージに立った彼らでしたが、「ミモザ」「永遠に」の2曲で、そんなアクシデントも感じさせない歌唱を披露。ゴスペラーズにしか出せない空気が会場を包み込み、観客も聴き入っていました。
 
幕間では小児がん支援団体の紹介とメッセージも。多数の支援団体の中から、小児がん治療を開発する全国組織「JCCG(日本小児がん研究グループ)」、小児がんの子どもたちが安心して笑顔で生活できる社会の創造に向けて活動する「認定NPO法人 ゴールドリボン・ネットワーク」、科学的根拠に基づくがん情報を広く発信する「NPO法人キャンサーネットジャパン」の3組の活動と、イベントに寄せられたメッセージが紹介されました。
 
またMCでは天野さんがたびたびABEMA中継の視聴者数に触れていたんですが、これはどんどん上がっていくのが驚きでした。イベント前半で「27000人」と紹介されていたのが、終盤のこの時点では78000人にまで! この数字には場内からも大きな拍手が起きていました。
 


トリとして出演したのは大黒摩季さん。「日本全国、熱くなれ!」との言葉から「熱くなれ」~「あなただけ見つめてる」~「夏が来る」と、彼女のキャリアを彩る大ヒット曲3曲がメドレーで繰り広げられました。母親も「すごいがん祭り」だったという大黒さんは病気と闘う子どもたちに向けて、「みんなに迷惑かけてることなんて一つもない。チームならフォワード。元気のない日は今日のアーティストたちの曲を聴いてゴールを決めて」と、力強いエール。そこから人々の生活へのエールを歌にした「ら・ら・ら」へ。サビではまだ声が出せない分、観客と一緒に大きく腕を振ると、場内は一体感でいっぱいに。この曲の持つ爽やかな後味とともに、全13組のパフォーマンスは幕を閉じたのでした。
 
関根麻里さん、木村拓哉さん……のモノマネをしたホリさんのビデオメッセージが流された後、エンディングでは今年も全出演者が再登場。ここで歌われたのは、昨年に引き続きイベントのテーマソング「My Hero~奇跡の唄~」でした。作曲・坂本龍一、作詞・つんくという超豪華制作陣によって形作られたこの曲は、テーマソングになったのが昨年からとは思えないほどピッタリとフィット。つんく♂さんからのビデオメッセージに続き、イベント記念Tシャツに着替えた出演者たちがリレーで歌う様は、まさに日本版「ウィー・アー・ザ・ワールド」のよう。イベントは今年も感動のエンディングを迎えました。


 
「見逃した!」「行けなかった!」という方もご安心ください。2月21日まではアーカイブ視聴が可能です。もちろん会場で見たという方もアーカイブでもう一度振り返って、さらに来年の開催に期待をつないでおいていただければ。来年は声出しもできますように……という願いを込めて、またお会いしましょう!


【LIVE EMPOWER CHILDREN 視聴ページ】
YouTube:https://youtu.be/g0Noe8q-Mu8
LINE LIVE:https://live.line.me/channels/73/broadcast/22386445
Za-N:https://www.zan-live.com/live/detail/10264

詳細は以下のページからご確認いただけます。
https://empower-children.jp/lec/event/#online


【LIVE EMPOWER CHILDREN公式サイト】
https://empower-children.jp/lec/

【AVEX&HIROTSU BIO EMPOWER LLC.】
http://avex-hirotsubio.jp/

【一般社団法人Empower Children】
http://empower-children.jp/

 
高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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