【FAKY 2021年第一弾】「The Light」はメンバーに向けた胸が熱くなる応援ソング!?
昨年はコンスタントに楽曲リリースを続け、メディア露出も急増し、大躍進をみせたFAKYが、新曲「The Light」を1月27日に配信リリースした。新しい年の幕開けを晴れやかに飾る、ブライトなジャズファンク調に仕上がった今回の楽曲は、「ダーリン (Prod. GeG)」「liitle more」に続く配信シングル三部作の第三弾。加えて、日本が誇るホラー映画の巨匠・清水崇監督の最新映画「樹海村」のキャンペーンソングにもなっている。ホラー映画とは一見ミスマッチと思えるような、明るくポップな曲をFAKYはどのようにして作りあげたのか。作詞を担当したLil’ Fangが、このインタビューで初めて明かしたメンバーへの思いや、MVの見どころ、さらにソロ活動も活発化してきた5人に今年の目標も語ってもらった。
「The Light」はまた新しいFAKYを見せられる一曲!
──新曲「The Light」は、配信シングル三部作の第三弾であると同時に、映画「樹海村」のキャンペーンソングにもなっています。映画サイドからはどのようなオーダーがあったんですか?
Lil’ Fang 映画の内容に寄せずにFAKYらしいテイストの応援歌を作ってほしいっていうオーダーだったんです。だから、ホラー映画じゃない曲ってなんだ!?っていうところから始まって。だとしたら、間違いなく明るい曲だよねっていうことで、楽曲制作がスタートしました。ですが明るい曲と言ってもいろいろあるし、私たちがやってきたような強さを打ち出すようなダンスミュージックではないだろうと。そんなときに今回のトラックと出会って、これを生音にしたらファンキーな感じもあるし、明るさもあるし、なおかつキャンペーンソングに不可欠なキャッチーさもあるからいいねとなって、この曲に決めました。
──他のメンバーは最初に楽曲を聞いたとき、どう思いましたか?
Hina これがどうホラー映画とどうリンクするのかわからない楽しみがありました。5人体制になってから毎回違うテーマというか、いろいろな曲をやってきましたけど、これも今までになかった曲調だし、また新しいFAKYを見せられるなっていうワクワク感もありました。
Taki 私は、FAKYの曲でいちばんテンションが上がった曲でした。
Lil’ Fang 今までで一番好きって、最初からずっと言ってたよね。
Taki そう。ちょうどその頃、TikTokとかで、いろんな日本の曲を聴いてたから、FAKYでもこういうJ-POPな曲をやるんだ!と思ってテンション上がりました。振付をもらう前から、初めて自分の中で、ここでこういう動きをやりたい!とか考えてたくらい。
Mikako 勝手に踊ってたもんね(笑)。
──歌詞はLil’ Fangさんが書いていますが、今回はかなり苦戦したと聞きました。
Lil’ Fang めちゃくちゃ(笑)だから、これをメンバーがどう受けとめたのか、聞いてみたいです。
──それ、いいですね。Akinaさんから順に歌詞を読んだときの感想をお願いします。
Akina 応援ソングだけど、いいことばかりじゃなくて、たとえば「決められた道を進んでた このままじゃダメなの」っていう歌詞とか、ちゃんとダメなところも書かれているのが好きでした。いいこともダメなことも両方表現しているバランスがいいなって。
Mikako こんなに歌詞に悩むLilを見たことがないっていうくらい、“どうしよう? どんなテーマにしよう?”って悩んでて。どうなるんだろう?と思ってたところにあがってきたんですけど、結果どストレートで来たなと思って。まっすぐな表現の仕方で来たので、これは私、得意だぞと思いました。
──これはアプローチしやすいぞと。
Mikako そのときにLilから言われて心に残ってる言葉があって。今までFAKYで応援ソングというか「大丈夫だよ」みたいな曲は何回か歌ってきたけど、それは全体に向けて大きく言ってた。でも、今回は誰かひとりに向けて歌いたいと。そう言われた数日前に、私の妹が人生についてすごく悩んでたんです。泣き出すくらい“どうしよう?”となってて。それもあったから、私はこれを妹に向けて歌おうと思ったんです。もちろんファンのみなさんに届けたいし、メンバーに向けても歌ってるけど、一番は妹に届けたいなって思ったんです。
──Takiさんは、どう思いましたか?
Taki 曲をもらう直前に、Lilが歌詞について説明してくれたから、全体的なテーマはすぐに理解できました。今回は英語の部分が2フレーズあるから、わかりやすかったし、その英語のフレーズは自分にも刺さる歌詞だなって思いました。
Hina 去年末に、私とLilだけ、大阪をキャンペーンで回ったことがあったんです。1日びっしり動いたから、帰りの新幹線は爆睡だねって話してたのに、新幹線に乗ってからずっとこの曲の歌詞をどうしよう?ってLilが考えていて、結局、一睡もせずに作業していて。そんなに悩んでるLilの姿を初めて見たから、最初に歌詞をもらったときは、まず「ありがとう」っていう気持ちでした。今回の歌詞には人の弱い部分も書かれているんですけど、聞いたら絶対前向きになれるものになっていたから、Lilがかけてくれた時間がそのままみんなのパワーになる気がしてすごく感動しました。
──そもそもどんなテーマで書こうと考えたんですか?
Lil’ Fang 応援ソングにして欲しいというオーダーがあったんです。でも、私は根が暗いので、本当に応援って難しいなと。そもそもまず、明るい曲って何だろ?っていうところから悩みが始まって。
──その悩みをどのように打開していったんですか?
Lil’ Fang 最初は応援ソングだから、みんなに言いたい言葉を歌詞にしようと思ったんです。その“みんなに言いたい言葉”って何だろうと考えたときに、自分が悩んだときに言われたい言葉だなということになり。じゃあ、自分がなんて言われたいんだろう?と考えたら、一番悩んでることって誰かに相談しないなと思ったんです。たぶんこれって私だけじゃなくて、わりとみんなそうなんじゃないかなって。
──だとすると、“言われたい言葉”が見つからない。
Lil’ Fang そうなんですよ。だったら、誰かひとりに絞って、自分のエゴで良いからこの子に言ってあげたい言葉を探そうと。元気づけられるかはさておき、本当にこの子だけを思って言いたい言葉は何だろう?って。その考えに辿り着けたときに、悩んでた私に光が差してきました(笑)。
──配信三部作という視点では、どのように考えていったんですか?
Lil’ Fang 「ダーリン」のテーマは自分との対話。自分の中だけで思ってること。次の「little more」は自分の中の乱反射がテーマで、外に向かっていきたいという葛藤。その次となる今回は、葛藤を乗り越えてみんなにメッセージを伝えたいと思ったんだけど、筆が進まなかった理由がそこにあって。自分の中での乱反射が終わってなくて、まだ消化しきれてないのに、全員に向けて「頑張ろうよ!」とは言えないなって。そう思ったときに、自分の大切な人だけでも、なんとか勇気づけたいっていう気持ちが一番しっくりくるなと思ったんです。
──ということは、今回は外に打ち出すパワーがテーマと言える?
Lil’ Fang 自分の中で戦う気持ちが「little more」でできたから、その覚悟を持って相手を勇気づけてあげたいっていう状況ですね。まだ自分を外には出してない。さらけ出すほどではないというか。
──でも、目の前に光は見えてきたと。
Lil’ Fang 光に向かって引っ張ってあげたい、みたいな気持ちなんです。一緒に光に手を伸ばそう、っていう感じ。
──でも、アクションとしては、前作よりひとつ前進ですね。足を一歩前に出そうとはしてるから。
Lil’ Fang そう。めっちゃ出そうとしてます。「little more」は、踏み出したいけど踏み出さずに終わってるから。
──刻みが細かいですね。三部作で3曲あっても心の変化は極わずか。
Lil’ Fang そう。ダメなんですよ、私。大股で行けないんです。性格がね、小股・根暗だから(笑)。
──作詞をする中でキーワードになった言葉はありますか?
Lil’ Fang 今回、サビだけで5~6パターン書いたんです。サビが本当に出てこなくて。
Akina 何個も作ってたよね。ヤバかったです。このペースで1曲できるの?と思ってた(笑)。
Lil’ Fang そんな中で、ここから先の人生でもたぶん使わないだろうなと思うのは「胸が熱くなる」です。「胸が熱くなる」ってFAKYとして歌うときが来るんだと思いましたもん(笑)。
──自分で書いておきながら(笑)。
Lil’ Fang なんか、でも、FAKYのメンバーって意外とみんな熱い思いがあるんですよ。でも、スッとしていたいっていう面もあって。で、メンバーに相談しながら、それぞれのことを考えてて……。コレ、本当はメンバーに歌ってるんですよ、気持ち的には(……と言いながら、モジモジし始める)
──照れてるんですか?
Lil’ Fang いやぁー、恥ずかしいなと。コレ、メンバーに言ってないから恥ずかしくて(笑)。
──余計聞きたくなります(笑)。
Akina 聞きたーい!(笑)
Lil’ Fang じゃあ、大切な誰かって私の中で誰なんだ?となったときに、今の人生を形成してるのはFAKYだなと思ったんで、ひとりひとりに言いたいこととか、言ってあげたいことって何だろう?って考えて書いていったんですよ。
──じゃあ、このフレーズはこのメンバーのことです、っていうのがあるんですね。
Lil’ Fang ありますけど……。
Akina 気になるー!
Lil’ Fang えー、恥ずかしぃ(笑)。
Mikako えー、聞きたいよぉ(笑)。
Lil’ Fang あとで個別にLINEするから、それでいい?
──それじゃ取材にならないです(笑)。深掘りしないので、誰々に向けたフレーズはここです、みたいに教えてもらえませんか?
Lil’ Fang 恥ずかしいな、コレ。本当にガチで恥ずかしいヤツだ……。
──でも、メンバーも聞きたいだろうし。
Lil’ Fang じゃあ、いきますね。みっちゃん(Mikako)は「同じこと繰り返す毎日は 無くした何かを怖がって」です。
──じゃあ、次。Takiさんは?
Lil’ Fang Takiちゃんは「抱き寄せて今 愛したい夢も過去も」です。
──ハイ。
Lil’ Fang Hinaは「決められた道を進んでた このままじゃダメなの」です。Hinaが言ってるから、語尾を「なの」にしたんです。
Hina ほぉ~ン(笑)。
Akina かわいい。Lilが照れてる(笑)。
Lil’ Fang Akinaは「終わらせて今 つまらないウソの顔も」です。
──じゃあ、自分には?
Lil’ Fang えー、それもですか?
Hina 気になるー。
──自分に向けた言葉はあるのか、ないのか。
Lil’ Fang 「振り返りうつむいてばかりいた どうでもいい事強がって」です(笑)。
──ありがとうございます。けど、そういうふうに考えていった方が、言葉を伝えたい相手の顔がはっきりと浮かぶから書きやすかったということですよね。
Lil’ Fang そうなんです。だから最初は悩んだけど、ヴァースはメンバーに向けて言いたいことだという書き方を見つけてから早かったです。
──でも、だからこそ、そのヴァースをつなぎ合わせるサビが余計難しくなったんじゃないですか? それぞれに向けた気持ちをまとめる言葉は何だろう?っていう。
Lil’ Fang 本当そうなんですよ。それが何だろう?って考えて……。
──そしたら胸が熱くなったと。
Lil’ Fang そう。熱くなっちゃったんです(笑)。
レコーディングでも新たなチャレンジ!
──話を切り替えると、今回の楽曲は明るくて弾んだ歌声が印象的でした。特にMikakoさんの声がキラキラしてるなって。
Mikako えーっ!? そうですか? さっき話したように、今回は目の前に妹がいるとイメージして歌ってて。レコーディングの前日も妹と夜遅くまで話してたし、妹に伝えたいことをストレートに歌おうと思って、自然に歌った声なんです。
──けど、いつもよりテンションが高いというか、声がブライトだなって思いました。
Mikako 正直、家族といるときと、仕事をしてるときは違うから。それに私、根は明るいんです。冷たそうに見られるし、スッとし過ぎじゃない?って言われるけど、たぶんメンバーで一番と言えるぐらい明るいから、それが出たんだと思う。
Lil’ Fang 確かに。私の感覚としては、18歳とか19歳くらいの、出会った頃のMikakoが出てきた感じですね。私と話してるときのMikakoは、このテンション。
Mikako それこそLilは、家族より一緒にいる時間が長いから。Lilと話すときはワーッとなってるし、レコーディングのときはLilも同席してくれてたから、余計そうなんだと思います。
Taki 私は、逆にあまり明るすぎないように気をつけました。明るくすると声が子供っぽくなっちゃうから。12歳の私になっちゃう(笑)。
──Takiさんは、地声がもともと明るいし。
Lil’ Fang そう。逆に今回、苦戦したのはHinaとAkinaだと思います。
──2人は、アンニュイというか、翳りのある歌声の持ち主だから。
Lil’ Fang ブルージーに声を出すのが2人とも得意なんで。
Hina だからすごく勉強になったレコーディングでした。普段話すときも低い声だし、歌うときも喉元を使っちゃうんですけど、今回はもっと頭の方で鳴らして明るい響きにするっていうテクニックを学べたし、自分の中でも「こうやってトライすればいいんだ」っていう発見もありました。
Akina 私もそう。家で練習してるときは、クールな歌い方にしたいと思ってたんです。曲がポップな感じだから。でもブースに入ってから、やっぱりこれは明るく歌わなきゃと思って、どうやったらもっと明るく出せるんだろう?って、Lilと話しながらイチから直したから、私もこの曲は苦戦しました。
──その他、今回のレコーディングで新たに試したことはありますか?
Akina サビは2人ずつのユニゾンになってるんですけど、今回の歌い分けはいつもと違ってて新鮮でした。私とHinaでコンビっていうのは珍しい。
Lil’ Fang サビの歌い分けがちょっとトリッキーになってるんです。1行目は私とMikako、2行目は私とHina、3行目はAkinaとHina、4行目は私とMikako、次はAkinaとHina、最後が私とTakiという組み合わせになってるんです。聞こえが良いパターンを一番に考えたらそうなったんですけど、結果、それが新鮮だったし、面白かったです。
──今回のハモりは、Hinaさんが担当したと聞きました。
Akina そう、Hinaが全部頑張ってくれたんです!
Hina Lilから“やってみない?”って言われて、めっちゃ楽しかったです。もともとハモ録りの作業が好きだったんですけど、これまであまりやったことがなくて。FAKYに入ってから、ここ2~3曲、一部分だけやってたんですけど、今回初めて全部ひとりでやって。この量を今までAkinaとかLilがやってたと思うと、まずは本当にありがとうって思いました。
Lil’ Fang 超早いんですよ、作業が。Hinaは相対音感がめちゃくちゃ良くて、音を外さないんです。
Hina ラクなんですよね、ハモる方が。私の感覚的にはメロディーを普通に歌う方が難しくて。
──それも歌手としてどうかと思いますが(笑)。
Hina そうなんですけど(笑)、Lilがブースで歌ってくれたり、鍵盤を鳴らしてくれれば、音階で覚えちゃうからすごく楽しい作業なんです。
Lil’ Fang ドレミで伝えた方が覚えちゃうんですよ。すごいんです。「3度上を歌って」とか「5度下を歌って」というだけで、たぶん歌えると思う。
──便利なメンバーがいましたね(笑)。
Lil’ Fang Hinaが相対音感の持ち主だっていうことは前からわかってたんですけど、今回お願いした理由は、全体的にすごくブライトな曲なので、明るい声ばかりだと軽くなりすぎちゃうなって。Hinaが入ると、全部の収まりがよくなるというか。前からガツッと抱きしめるんじゃなくて、後ろからスッと抱きしめてくれた感じがあります(笑)
──今回のMVは、どのようなコンセプトで撮ったんですか?
Lil’ Fang 今回は、憧れの自分と現実の自分を表現したくて。私たちの憧れの存在が、私たちが扮してる人形なんです。それを眺めてる私たちは現実にいる普通の子っていう。私たちの中にも憧れの存在はあるし、同時に誰かに憧れられる存在でもありたいっていう。それを視覚的にポップに、かわいく、キャッチーに見せるっていうのが今回のテーマです。
──色味や衣装もレトロだし、小道具としてガラケーや初代iMacなどが出てきたりして90s感がありますね。
Lil’ Fang サウンド感や歌詞の言葉遣いに90s感があるから、そこに合わせて作った感じですね。
──MVの見どころは?
Akina CGで手の上で人形が踊ってるシーンは、ふざけた感じでノリノリで踊ってみてって監督に言われて撮影したんです。メンバー同士で遊んでるいつものFAKYが出ていると思います。
Taki 細かいところだと、部屋の壁に昔の写真とかが貼ってあるので、それも見て欲しいです。あと、人形になってるときは目をパチパチ動かしてないんです。ドライアイをこらえながら、そういう細かいところもやったのでぜひ見て欲しいです。
Lil’ Fang みんなの撮影シーンを見学してたんですけど、面白かったです。人によっては、全然パチパチパチってまばたきしちゃってて(笑)。人形だからピシッと止まってなきゃならないのに、ちょっと揺れてたり。
Akina 意外とめっちゃ難しいんだよ、あれ。
Lil’ Fang まあ、主にそれはAkinaなんですけどね(笑)。
──前作に続き、振付はQuick Styleが担当しています。今回の振付はどうでしたか?
Akina 大変でした。「little more」を超えるモノはないと思っていたら、めちゃくちゃ超えました。今回の振付はグルーヴィーすぎて体が慣れてなくて。見てるぶんにはそれほど難しそうに見えないんだけど、めちゃくちゃ難しい。
──どういうところが難しいんですか?
Taki Quick StyleにとってはFAKYで初めての明るい曲だから、「やったことがない振付を試してみたい」って言われて。ステップは普通なんだけどビートの取り方が違うから、それが難しかったです。ビートが早いし、細かくリズムを取るし、こういうちょっとヌルヌルした動き? 腰だけ動かすとか腕だけ動かすとか。あとFAKYはカノンが苦手なんで(笑)。それが今回もめちゃくちゃあるんです。
──前回もカノンに手こずったと話してましたよね。
Lil’ Fang もうカノン、NGです、ウチら(笑)。
Taki あと、円を作るフォーメーションも初めてやったし。5人がどうやって良い感じに揃って回れるか、いろいろトライしたので、絶対ダンスシーンも見て欲しいです。
2021年、メンバーそれぞれの目標は?
──今回の楽曲でFAKYの2021年が幕を開けました。最後にそれぞれ、今年の目標や挑戦したいことなどを教えてください。
Mikako 去年は大変な時期を過ごして、大切なモノがより明確になったところがあるんです。だから、もっともっと1日1日を大事にして、1日1日、自分のことも大事にしてあげたいと思ってます。
──MikakoさんはAKINAのソロ曲「Gravity」のMVでスタイリングを手掛けるなど、スタイリストとしての動きも活発になってきましたよね。
Mikako スタイリングに関しては、もっと自分の色を出しつつ、ちゃんとその人の幅を広げられるようなスタイリングを今後提案できたらなと思います。今はAkinaやLilのスタイリングをやらせてもらっていて、個々だと自分の中にイメージがわかりやすくあるんですけど、グループとなるとやっぱり難しいところがあるんです。でも、その難しさに挑戦したいから、いつかはFAKYのスタイリングもやってみたいです。
──続いてTakiさん、お願いします。
Taki 私は、英語で言うと、I finally accept that I‘m in japanっていう感じ。2018年にFAKYに入ったときは、日本語ができなかったし、周りの人を覚えるのも大変だったし。でも、今は日本語がもうちょっとできるようになったし、東京も半分くらいわかるようになってきたから。道も覚えたし、電車もわかってきたし(笑)、やっと本当に、自分の心が日本にいるよっていう気持ちになったんです。だから、ここからスタートだなって思ってます。
Lil’ Fang 日本にいる自分を受け入れられたから、ここからやっとアウトプットできるようになったっていうことかな。
Taki そういう感じ。
──Taki さんは2月からABEMA「恋とオオカミには騙されない」への出演が決まりましたが、今、どんな気持ちですか?
Taki 最初に話を聞いたときは「え?」っていう感じでした。冗談かなと思って、本当ですか?って。私で大丈夫かなと思って、FAKYのメンバーと話したら、みんな「大丈夫。応援するよ」って言ってくれて。一番気持ちがわかってるHinaにも、本当はどうだった?って話を聞いて、出ることを決めました。初めて友達つくるんですよ、日本で。
──恋愛というより、友達づくり(笑)。
Taki まずはそこからです。どういうことになるか自分でも楽しみです。
──次は、Hinaさん、お願いします。
Hina プライベートな目標は、日記を毎日書くことです。これまでも定期的に書いてたんですけど、自分的に大きいトピックがあったときしか書いてなくて。そうすると、たとえば悩んでるときにその悩みについて書いていたとしても、それをどうやって克服したかは書いてなかったりしたから、読み返したときにわからなくて。全部を書き留めておくと、後々、絶対自分の役に立つから、くだらなくても毎日書こうと。あとは資格を取りたいなと思ってます。
──何の資格ですか?
Hina 香りモノが好きだから、アロマの調合を自分でできるようになりたいなって。最近カラコンのプロデュースをしたんですけど、誰かのために考えるというか、「こういう人が喜んでくれるかな」とか考えるのが楽しかったから、そういうのをもうちょっとできるように勉強したいなって思います。
──Akinaさんは?
Akina 私は、今年はできるだけポジティブに生きていきたいなって思います。去年は本当に残念で悲しかったから。それを引きずらず、もし悪いことがあったとしても、今日は最高な1日でしたって切り替えていけるようにしたいです。あと、ソロ活動の方も、デモは続けて作ってるし、いろんなコンテンツを出していきたいと思ってます。
──最後にLilさん、お願いします。
Lil’ Fang 今年の目標は、FAKYの活動と繋がりますけど、歌詞とかボーカルディレクションとかライブのセットリストとか演出とか、YouTubeコンテンツとか、いろいろやらせてもらっている中で、もっとメンバーが楽しくできるようにしていきたいです。今でも楽しいと思うんですけど、もっとできそうだなと思ってるから。歌でももっと良いところを出せるはずだし、歌詞でももっとみんなが本当の意味で共鳴して歌えるものがあるはずだから。そこは自分の目標というか課題だなって。それによってFAKYがまた大きくなっていければいいなと思います
──FAKYが、メンバー5人のプレイグラウンドみたいになったらいいなという感じ。
Lil’ Fang すごくそう思います。みんながソロで楽しそうにやってるのを凄いなって母目線で見てるから(笑)。外に出ることを怖がらないようにしようと思った去年だったので、今度は裏からどれだけ支えられるかをもっとやりたいなって。そこでみんながFAKYに帰ってきたときに安心できるような土台をつくりたいなって思います。
「The Light」
2021.1.27 ON SALE
「The Light」ミュージックビデオ
https://youtu.be/sZ7DZZqZnD8
【FAKY 公式 HP】
https://faky.jp/
【FAKY公式YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/c/FAKYjp
【FAKY公式 TikTokアカウント】
https://vt.tiktok.com/ZSPhusaP/
「The Light」はまた新しいFAKYを見せられる一曲!
──新曲「The Light」は、配信シングル三部作の第三弾であると同時に、映画「樹海村」のキャンペーンソングにもなっています。映画サイドからはどのようなオーダーがあったんですか?
Lil’ Fang 映画の内容に寄せずにFAKYらしいテイストの応援歌を作ってほしいっていうオーダーだったんです。だから、ホラー映画じゃない曲ってなんだ!?っていうところから始まって。だとしたら、間違いなく明るい曲だよねっていうことで、楽曲制作がスタートしました。ですが明るい曲と言ってもいろいろあるし、私たちがやってきたような強さを打ち出すようなダンスミュージックではないだろうと。そんなときに今回のトラックと出会って、これを生音にしたらファンキーな感じもあるし、明るさもあるし、なおかつキャンペーンソングに不可欠なキャッチーさもあるからいいねとなって、この曲に決めました。
──他のメンバーは最初に楽曲を聞いたとき、どう思いましたか?
Hina これがどうホラー映画とどうリンクするのかわからない楽しみがありました。5人体制になってから毎回違うテーマというか、いろいろな曲をやってきましたけど、これも今までになかった曲調だし、また新しいFAKYを見せられるなっていうワクワク感もありました。
Taki 私は、FAKYの曲でいちばんテンションが上がった曲でした。
Lil’ Fang 今までで一番好きって、最初からずっと言ってたよね。
Taki そう。ちょうどその頃、TikTokとかで、いろんな日本の曲を聴いてたから、FAKYでもこういうJ-POPな曲をやるんだ!と思ってテンション上がりました。振付をもらう前から、初めて自分の中で、ここでこういう動きをやりたい!とか考えてたくらい。
Mikako 勝手に踊ってたもんね(笑)。
──歌詞はLil’ Fangさんが書いていますが、今回はかなり苦戦したと聞きました。
Lil’ Fang めちゃくちゃ(笑)だから、これをメンバーがどう受けとめたのか、聞いてみたいです。
──それ、いいですね。Akinaさんから順に歌詞を読んだときの感想をお願いします。
Akina 応援ソングだけど、いいことばかりじゃなくて、たとえば「決められた道を進んでた このままじゃダメなの」っていう歌詞とか、ちゃんとダメなところも書かれているのが好きでした。いいこともダメなことも両方表現しているバランスがいいなって。
Mikako こんなに歌詞に悩むLilを見たことがないっていうくらい、“どうしよう? どんなテーマにしよう?”って悩んでて。どうなるんだろう?と思ってたところにあがってきたんですけど、結果どストレートで来たなと思って。まっすぐな表現の仕方で来たので、これは私、得意だぞと思いました。
──これはアプローチしやすいぞと。
Mikako そのときにLilから言われて心に残ってる言葉があって。今までFAKYで応援ソングというか「大丈夫だよ」みたいな曲は何回か歌ってきたけど、それは全体に向けて大きく言ってた。でも、今回は誰かひとりに向けて歌いたいと。そう言われた数日前に、私の妹が人生についてすごく悩んでたんです。泣き出すくらい“どうしよう?”となってて。それもあったから、私はこれを妹に向けて歌おうと思ったんです。もちろんファンのみなさんに届けたいし、メンバーに向けても歌ってるけど、一番は妹に届けたいなって思ったんです。
──Takiさんは、どう思いましたか?
Taki 曲をもらう直前に、Lilが歌詞について説明してくれたから、全体的なテーマはすぐに理解できました。今回は英語の部分が2フレーズあるから、わかりやすかったし、その英語のフレーズは自分にも刺さる歌詞だなって思いました。
Hina 去年末に、私とLilだけ、大阪をキャンペーンで回ったことがあったんです。1日びっしり動いたから、帰りの新幹線は爆睡だねって話してたのに、新幹線に乗ってからずっとこの曲の歌詞をどうしよう?ってLilが考えていて、結局、一睡もせずに作業していて。そんなに悩んでるLilの姿を初めて見たから、最初に歌詞をもらったときは、まず「ありがとう」っていう気持ちでした。今回の歌詞には人の弱い部分も書かれているんですけど、聞いたら絶対前向きになれるものになっていたから、Lilがかけてくれた時間がそのままみんなのパワーになる気がしてすごく感動しました。
──そもそもどんなテーマで書こうと考えたんですか?
Lil’ Fang 応援ソングにして欲しいというオーダーがあったんです。でも、私は根が暗いので、本当に応援って難しいなと。そもそもまず、明るい曲って何だろ?っていうところから悩みが始まって。
──その悩みをどのように打開していったんですか?
Lil’ Fang 最初は応援ソングだから、みんなに言いたい言葉を歌詞にしようと思ったんです。その“みんなに言いたい言葉”って何だろうと考えたときに、自分が悩んだときに言われたい言葉だなということになり。じゃあ、自分がなんて言われたいんだろう?と考えたら、一番悩んでることって誰かに相談しないなと思ったんです。たぶんこれって私だけじゃなくて、わりとみんなそうなんじゃないかなって。
──だとすると、“言われたい言葉”が見つからない。
Lil’ Fang そうなんですよ。だったら、誰かひとりに絞って、自分のエゴで良いからこの子に言ってあげたい言葉を探そうと。元気づけられるかはさておき、本当にこの子だけを思って言いたい言葉は何だろう?って。その考えに辿り着けたときに、悩んでた私に光が差してきました(笑)。
──配信三部作という視点では、どのように考えていったんですか?
Lil’ Fang 「ダーリン」のテーマは自分との対話。自分の中だけで思ってること。次の「little more」は自分の中の乱反射がテーマで、外に向かっていきたいという葛藤。その次となる今回は、葛藤を乗り越えてみんなにメッセージを伝えたいと思ったんだけど、筆が進まなかった理由がそこにあって。自分の中での乱反射が終わってなくて、まだ消化しきれてないのに、全員に向けて「頑張ろうよ!」とは言えないなって。そう思ったときに、自分の大切な人だけでも、なんとか勇気づけたいっていう気持ちが一番しっくりくるなと思ったんです。
──ということは、今回は外に打ち出すパワーがテーマと言える?
Lil’ Fang 自分の中で戦う気持ちが「little more」でできたから、その覚悟を持って相手を勇気づけてあげたいっていう状況ですね。まだ自分を外には出してない。さらけ出すほどではないというか。
──でも、目の前に光は見えてきたと。
Lil’ Fang 光に向かって引っ張ってあげたい、みたいな気持ちなんです。一緒に光に手を伸ばそう、っていう感じ。
──でも、アクションとしては、前作よりひとつ前進ですね。足を一歩前に出そうとはしてるから。
Lil’ Fang そう。めっちゃ出そうとしてます。「little more」は、踏み出したいけど踏み出さずに終わってるから。
──刻みが細かいですね。三部作で3曲あっても心の変化は極わずか。
Lil’ Fang そう。ダメなんですよ、私。大股で行けないんです。性格がね、小股・根暗だから(笑)。
──作詞をする中でキーワードになった言葉はありますか?
Lil’ Fang 今回、サビだけで5~6パターン書いたんです。サビが本当に出てこなくて。
Akina 何個も作ってたよね。ヤバかったです。このペースで1曲できるの?と思ってた(笑)。
Lil’ Fang そんな中で、ここから先の人生でもたぶん使わないだろうなと思うのは「胸が熱くなる」です。「胸が熱くなる」ってFAKYとして歌うときが来るんだと思いましたもん(笑)。
──自分で書いておきながら(笑)。
Lil’ Fang なんか、でも、FAKYのメンバーって意外とみんな熱い思いがあるんですよ。でも、スッとしていたいっていう面もあって。で、メンバーに相談しながら、それぞれのことを考えてて……。コレ、本当はメンバーに歌ってるんですよ、気持ち的には(……と言いながら、モジモジし始める)
──照れてるんですか?
Lil’ Fang いやぁー、恥ずかしいなと。コレ、メンバーに言ってないから恥ずかしくて(笑)。
──余計聞きたくなります(笑)。
Akina 聞きたーい!(笑)
Lil’ Fang じゃあ、大切な誰かって私の中で誰なんだ?となったときに、今の人生を形成してるのはFAKYだなと思ったんで、ひとりひとりに言いたいこととか、言ってあげたいことって何だろう?って考えて書いていったんですよ。
──じゃあ、このフレーズはこのメンバーのことです、っていうのがあるんですね。
Lil’ Fang ありますけど……。
Akina 気になるー!
Lil’ Fang えー、恥ずかしぃ(笑)。
Mikako えー、聞きたいよぉ(笑)。
Lil’ Fang あとで個別にLINEするから、それでいい?
──それじゃ取材にならないです(笑)。深掘りしないので、誰々に向けたフレーズはここです、みたいに教えてもらえませんか?
Lil’ Fang 恥ずかしいな、コレ。本当にガチで恥ずかしいヤツだ……。
──でも、メンバーも聞きたいだろうし。
Lil’ Fang じゃあ、いきますね。みっちゃん(Mikako)は「同じこと繰り返す毎日は 無くした何かを怖がって」です。
──じゃあ、次。Takiさんは?
Lil’ Fang Takiちゃんは「抱き寄せて今 愛したい夢も過去も」です。
──ハイ。
Lil’ Fang Hinaは「決められた道を進んでた このままじゃダメなの」です。Hinaが言ってるから、語尾を「なの」にしたんです。
Hina ほぉ~ン(笑)。
Akina かわいい。Lilが照れてる(笑)。
Lil’ Fang Akinaは「終わらせて今 つまらないウソの顔も」です。
──じゃあ、自分には?
Lil’ Fang えー、それもですか?
Hina 気になるー。
──自分に向けた言葉はあるのか、ないのか。
Lil’ Fang 「振り返りうつむいてばかりいた どうでもいい事強がって」です(笑)。
──ありがとうございます。けど、そういうふうに考えていった方が、言葉を伝えたい相手の顔がはっきりと浮かぶから書きやすかったということですよね。
Lil’ Fang そうなんです。だから最初は悩んだけど、ヴァースはメンバーに向けて言いたいことだという書き方を見つけてから早かったです。
──でも、だからこそ、そのヴァースをつなぎ合わせるサビが余計難しくなったんじゃないですか? それぞれに向けた気持ちをまとめる言葉は何だろう?っていう。
Lil’ Fang 本当そうなんですよ。それが何だろう?って考えて……。
──そしたら胸が熱くなったと。
Lil’ Fang そう。熱くなっちゃったんです(笑)。
レコーディングでも新たなチャレンジ!
──話を切り替えると、今回の楽曲は明るくて弾んだ歌声が印象的でした。特にMikakoさんの声がキラキラしてるなって。
Mikako えーっ!? そうですか? さっき話したように、今回は目の前に妹がいるとイメージして歌ってて。レコーディングの前日も妹と夜遅くまで話してたし、妹に伝えたいことをストレートに歌おうと思って、自然に歌った声なんです。
──けど、いつもよりテンションが高いというか、声がブライトだなって思いました。
Mikako 正直、家族といるときと、仕事をしてるときは違うから。それに私、根は明るいんです。冷たそうに見られるし、スッとし過ぎじゃない?って言われるけど、たぶんメンバーで一番と言えるぐらい明るいから、それが出たんだと思う。
Lil’ Fang 確かに。私の感覚としては、18歳とか19歳くらいの、出会った頃のMikakoが出てきた感じですね。私と話してるときのMikakoは、このテンション。
Mikako それこそLilは、家族より一緒にいる時間が長いから。Lilと話すときはワーッとなってるし、レコーディングのときはLilも同席してくれてたから、余計そうなんだと思います。
Taki 私は、逆にあまり明るすぎないように気をつけました。明るくすると声が子供っぽくなっちゃうから。12歳の私になっちゃう(笑)。
──Takiさんは、地声がもともと明るいし。
Lil’ Fang そう。逆に今回、苦戦したのはHinaとAkinaだと思います。
──2人は、アンニュイというか、翳りのある歌声の持ち主だから。
Lil’ Fang ブルージーに声を出すのが2人とも得意なんで。
Hina だからすごく勉強になったレコーディングでした。普段話すときも低い声だし、歌うときも喉元を使っちゃうんですけど、今回はもっと頭の方で鳴らして明るい響きにするっていうテクニックを学べたし、自分の中でも「こうやってトライすればいいんだ」っていう発見もありました。
Akina 私もそう。家で練習してるときは、クールな歌い方にしたいと思ってたんです。曲がポップな感じだから。でもブースに入ってから、やっぱりこれは明るく歌わなきゃと思って、どうやったらもっと明るく出せるんだろう?って、Lilと話しながらイチから直したから、私もこの曲は苦戦しました。
──その他、今回のレコーディングで新たに試したことはありますか?
Akina サビは2人ずつのユニゾンになってるんですけど、今回の歌い分けはいつもと違ってて新鮮でした。私とHinaでコンビっていうのは珍しい。
Lil’ Fang サビの歌い分けがちょっとトリッキーになってるんです。1行目は私とMikako、2行目は私とHina、3行目はAkinaとHina、4行目は私とMikako、次はAkinaとHina、最後が私とTakiという組み合わせになってるんです。聞こえが良いパターンを一番に考えたらそうなったんですけど、結果、それが新鮮だったし、面白かったです。
──今回のハモりは、Hinaさんが担当したと聞きました。
Akina そう、Hinaが全部頑張ってくれたんです!
Hina Lilから“やってみない?”って言われて、めっちゃ楽しかったです。もともとハモ録りの作業が好きだったんですけど、これまであまりやったことがなくて。FAKYに入ってから、ここ2~3曲、一部分だけやってたんですけど、今回初めて全部ひとりでやって。この量を今までAkinaとかLilがやってたと思うと、まずは本当にありがとうって思いました。
Lil’ Fang 超早いんですよ、作業が。Hinaは相対音感がめちゃくちゃ良くて、音を外さないんです。
Hina ラクなんですよね、ハモる方が。私の感覚的にはメロディーを普通に歌う方が難しくて。
──それも歌手としてどうかと思いますが(笑)。
Hina そうなんですけど(笑)、Lilがブースで歌ってくれたり、鍵盤を鳴らしてくれれば、音階で覚えちゃうからすごく楽しい作業なんです。
Lil’ Fang ドレミで伝えた方が覚えちゃうんですよ。すごいんです。「3度上を歌って」とか「5度下を歌って」というだけで、たぶん歌えると思う。
──便利なメンバーがいましたね(笑)。
Lil’ Fang Hinaが相対音感の持ち主だっていうことは前からわかってたんですけど、今回お願いした理由は、全体的にすごくブライトな曲なので、明るい声ばかりだと軽くなりすぎちゃうなって。Hinaが入ると、全部の収まりがよくなるというか。前からガツッと抱きしめるんじゃなくて、後ろからスッと抱きしめてくれた感じがあります(笑)
──今回のMVは、どのようなコンセプトで撮ったんですか?
Lil’ Fang 今回は、憧れの自分と現実の自分を表現したくて。私たちの憧れの存在が、私たちが扮してる人形なんです。それを眺めてる私たちは現実にいる普通の子っていう。私たちの中にも憧れの存在はあるし、同時に誰かに憧れられる存在でもありたいっていう。それを視覚的にポップに、かわいく、キャッチーに見せるっていうのが今回のテーマです。
──色味や衣装もレトロだし、小道具としてガラケーや初代iMacなどが出てきたりして90s感がありますね。
Lil’ Fang サウンド感や歌詞の言葉遣いに90s感があるから、そこに合わせて作った感じですね。
──MVの見どころは?
Akina CGで手の上で人形が踊ってるシーンは、ふざけた感じでノリノリで踊ってみてって監督に言われて撮影したんです。メンバー同士で遊んでるいつものFAKYが出ていると思います。
Taki 細かいところだと、部屋の壁に昔の写真とかが貼ってあるので、それも見て欲しいです。あと、人形になってるときは目をパチパチ動かしてないんです。ドライアイをこらえながら、そういう細かいところもやったのでぜひ見て欲しいです。
Lil’ Fang みんなの撮影シーンを見学してたんですけど、面白かったです。人によっては、全然パチパチパチってまばたきしちゃってて(笑)。人形だからピシッと止まってなきゃならないのに、ちょっと揺れてたり。
Akina 意外とめっちゃ難しいんだよ、あれ。
Lil’ Fang まあ、主にそれはAkinaなんですけどね(笑)。
──前作に続き、振付はQuick Styleが担当しています。今回の振付はどうでしたか?
Akina 大変でした。「little more」を超えるモノはないと思っていたら、めちゃくちゃ超えました。今回の振付はグルーヴィーすぎて体が慣れてなくて。見てるぶんにはそれほど難しそうに見えないんだけど、めちゃくちゃ難しい。
──どういうところが難しいんですか?
Taki Quick StyleにとってはFAKYで初めての明るい曲だから、「やったことがない振付を試してみたい」って言われて。ステップは普通なんだけどビートの取り方が違うから、それが難しかったです。ビートが早いし、細かくリズムを取るし、こういうちょっとヌルヌルした動き? 腰だけ動かすとか腕だけ動かすとか。あとFAKYはカノンが苦手なんで(笑)。それが今回もめちゃくちゃあるんです。
──前回もカノンに手こずったと話してましたよね。
Lil’ Fang もうカノン、NGです、ウチら(笑)。
Taki あと、円を作るフォーメーションも初めてやったし。5人がどうやって良い感じに揃って回れるか、いろいろトライしたので、絶対ダンスシーンも見て欲しいです。
2021年、メンバーそれぞれの目標は?
──今回の楽曲でFAKYの2021年が幕を開けました。最後にそれぞれ、今年の目標や挑戦したいことなどを教えてください。
Mikako 去年は大変な時期を過ごして、大切なモノがより明確になったところがあるんです。だから、もっともっと1日1日を大事にして、1日1日、自分のことも大事にしてあげたいと思ってます。
──MikakoさんはAKINAのソロ曲「Gravity」のMVでスタイリングを手掛けるなど、スタイリストとしての動きも活発になってきましたよね。
Mikako スタイリングに関しては、もっと自分の色を出しつつ、ちゃんとその人の幅を広げられるようなスタイリングを今後提案できたらなと思います。今はAkinaやLilのスタイリングをやらせてもらっていて、個々だと自分の中にイメージがわかりやすくあるんですけど、グループとなるとやっぱり難しいところがあるんです。でも、その難しさに挑戦したいから、いつかはFAKYのスタイリングもやってみたいです。
──続いてTakiさん、お願いします。
Taki 私は、英語で言うと、I finally accept that I‘m in japanっていう感じ。2018年にFAKYに入ったときは、日本語ができなかったし、周りの人を覚えるのも大変だったし。でも、今は日本語がもうちょっとできるようになったし、東京も半分くらいわかるようになってきたから。道も覚えたし、電車もわかってきたし(笑)、やっと本当に、自分の心が日本にいるよっていう気持ちになったんです。だから、ここからスタートだなって思ってます。
Lil’ Fang 日本にいる自分を受け入れられたから、ここからやっとアウトプットできるようになったっていうことかな。
Taki そういう感じ。
──Taki さんは2月からABEMA「恋とオオカミには騙されない」への出演が決まりましたが、今、どんな気持ちですか?
Taki 最初に話を聞いたときは「え?」っていう感じでした。冗談かなと思って、本当ですか?って。私で大丈夫かなと思って、FAKYのメンバーと話したら、みんな「大丈夫。応援するよ」って言ってくれて。一番気持ちがわかってるHinaにも、本当はどうだった?って話を聞いて、出ることを決めました。初めて友達つくるんですよ、日本で。
──恋愛というより、友達づくり(笑)。
Taki まずはそこからです。どういうことになるか自分でも楽しみです。
──次は、Hinaさん、お願いします。
Hina プライベートな目標は、日記を毎日書くことです。これまでも定期的に書いてたんですけど、自分的に大きいトピックがあったときしか書いてなくて。そうすると、たとえば悩んでるときにその悩みについて書いていたとしても、それをどうやって克服したかは書いてなかったりしたから、読み返したときにわからなくて。全部を書き留めておくと、後々、絶対自分の役に立つから、くだらなくても毎日書こうと。あとは資格を取りたいなと思ってます。
──何の資格ですか?
Hina 香りモノが好きだから、アロマの調合を自分でできるようになりたいなって。最近カラコンのプロデュースをしたんですけど、誰かのために考えるというか、「こういう人が喜んでくれるかな」とか考えるのが楽しかったから、そういうのをもうちょっとできるように勉強したいなって思います。
──Akinaさんは?
Akina 私は、今年はできるだけポジティブに生きていきたいなって思います。去年は本当に残念で悲しかったから。それを引きずらず、もし悪いことがあったとしても、今日は最高な1日でしたって切り替えていけるようにしたいです。あと、ソロ活動の方も、デモは続けて作ってるし、いろんなコンテンツを出していきたいと思ってます。
──最後にLilさん、お願いします。
Lil’ Fang 今年の目標は、FAKYの活動と繋がりますけど、歌詞とかボーカルディレクションとかライブのセットリストとか演出とか、YouTubeコンテンツとか、いろいろやらせてもらっている中で、もっとメンバーが楽しくできるようにしていきたいです。今でも楽しいと思うんですけど、もっとできそうだなと思ってるから。歌でももっと良いところを出せるはずだし、歌詞でももっとみんなが本当の意味で共鳴して歌えるものがあるはずだから。そこは自分の目標というか課題だなって。それによってFAKYがまた大きくなっていければいいなと思います
──FAKYが、メンバー5人のプレイグラウンドみたいになったらいいなという感じ。
Lil’ Fang すごくそう思います。みんながソロで楽しそうにやってるのを凄いなって母目線で見てるから(笑)。外に出ることを怖がらないようにしようと思った去年だったので、今度は裏からどれだけ支えられるかをもっとやりたいなって。そこでみんながFAKYに帰ってきたときに安心できるような土台をつくりたいなって思います。
撮影 長谷英史
「The Light」
2021.1.27 ON SALE
「The Light」ミュージックビデオ
https://youtu.be/sZ7DZZqZnD8
【FAKY 公式 HP】
https://faky.jp/
【FAKY公式YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/c/FAKYjp
【FAKY公式 TikTokアカウント】
https://vt.tiktok.com/ZSPhusaP/
- WRITTEN BY猪又 孝
- 1970年、新潟生まれ。音楽ライターとして国産のR&B/
HIP-HOP/歌モノを中心に執筆。 24時間HIPHOP専門ラジオ局「WREP」に放送作家/ ディレクターとして参加中。 共著に15人の著名ラッパーが歌詞の書き方を語る「 ラップのことば」「同2」(SPACE SHOWER BOOKs)。