COLUMNコラム

アーティスト
Have a Nice Day!(ハバナイ)

【発売前から次回予告!?】Have a Nice Day!(ハバナイ)浅見北斗のロックンロールに迫る

2020.09.23
アーティスト
話題
音楽
インタビュー
9月23日にニューアルバム『Rhapsodies 2020』をリリースしたHave a Nice Day!。荒ぶるパンクでディスコなサウンドと、今の時代を唯一無二の視線で切り取るロマンティックな歌詞でシンガロングを生み出し、幾夜もフロアを一体にしてきた彼ら。しかし、この数ヶ月におけるコロナウイルス禍の影響は大きく、2月27日のリキッドルーム公演を最後に、全国ツアー「NAKED CITY SHOWCASE」はじめ観客を入れてのライブは全て中止になってしまった。
しかし、そんな中でもハバナイは今しか書けない曲を書き続けてきた。5月には4曲の新曲を連続リリース。それも制作風景やデモ楽曲をインスタライブやsoundcloudで公開するなどこれまでにないアプローチも加え、さらに7月には2曲を配信。今回の新譜にはそれら6曲のオリジナル曲に加えて、福富幸宏・ALTZのリミックスが収録。そしてBlu-rayには、政府からの自粛要請により多くのイベントが中止になる中、徹底的な対策を行った上で開催した「TOKYO OLYMPIA!!!」ツアーファイナル公演(2月27日恵比寿リキッドルーム)のライブ映像が収められ、まさにこの数ヶ月の空気が詰まった1枚となった。
Have a Nice Day!のリーダーであり作詞作曲全てを手掛ける浅見北斗に、この数ヶ月のコロナ禍の中での制作について、収録曲についてなどをうかがった。
 
 
分断を食い止めようとすることが、分断を助長してしまうこともあるわけで。
 


──今回のハバナイ新作『Rhapsodies 2020』は、4月から作り始めた曲を中心にまとめたアルバムですよね。
 
浅見 そうすね、過去曲も入ってるんですけど、アルバムとしてまとめようと思って作り出したのが4月で。なんとなく今の感じを曲として作っていこうとすると、1曲でバチッとは作れそうにないし、同じ光景を様々な角度から言わなきゃいけないだろうな、そうなると何曲も作るだろうなとは最初から思ってましたね。
 
──前作『DYSTOPIA ROMANCE 4.0』とはかなり印象が違いますよね。前作が「僕らの時代」「Night Rainbow」「愛こそすべて」などタイトルからしてもポジティブな曲が並んでいたのに比べると、2020年春の重たい空気感をストレートに出したものもあれば、逆に吹っ切るような曲もあり。
 
浅見 『DYSTOPIA ROMANCE 4.0』の時は一年くらいかけてずっと作ってたんですけど、今回のやつはこの数ヶ月の“今”を切り取る感じで。最初に出来たのが「トンネルを抜けると」で、次が「SPRING BREAKS2020」で、どちらもこの状況に対して寄り添うような曲なんだけど、自分の中で「それをそのまま出していくのは違うんじゃないか?」と思ったんですよね。
 
──コロナ禍の気分を出すにしても、ハバナイとしてのアプローチはまた違うんじゃないかと。
 
浅見 曲を作っていくうちに『DYSTOPIA ROMANCE 4.0』の時みたいにリスニング対応してる曲よりは、こういう状況だからこそフィジカルな曲がいいなと思って、2曲目には2分にも満たない「GET UP KIDS!!!」を配信することにしたり、作りながらもひねくれたというか、ねじれていったところもあるんだけど。
 
──コロナ禍の中で曲を作る、というと、それ以前とはまた違うモードにならざるを得なくなったと思いますが。
 
浅見 世間に寄り添う言葉や曲みたいなものは無数に存在していて。ただ、ロックンロールの本来の形は尖ったり突っ張ったりだと思うんで、この瞬間に対して「しゃらくせえ」というか、ちょっと斜に構えたシニカルさみたいなのがあってもいいんじゃないか? もっと尖った瞬間を押さえておいてもいいんじゃないか? と思って、それをある種自分の中のバランスで作ってみたくなったというか。
 
──この時代の中、あらためて自分の中のロックンロールに立ち返ると。
 
浅見 自分がやっていることの根底にはロックンロールがあるんで、それが最終的にはいちばん大事なんじゃないかと。周りを見ていて、もちろん閉塞してしまう理由もわかるし、そこまで人のやってる事にあれこれと……いや、これ他の人のことディスってる?(笑)
 
──いやいや、ディスではないですよ(笑)。様々なアーティストがこの時期発表した曲は、アプローチとしては寄り添う的なものが多かったのは事実ですよね。
 


浅見 分断を食い止めようとすることが、分断を助長してしまうこともあるわけで。寄り添うのとは別のかたちで、自分たちのアイデンティティを形にしたいなという気持ちはありましたね。
 
──吹っ切るロックンロールとしての「GET UP KIDS!!!」や、浅見さんのルーツをサンプリングしたキーワードが散りばめられた「LOCK DOWN」などが出て来るのも、2020年春のハバナイ、浅見北斗だからだと思います。
 
浅見 コロナが拡大しはじめた時期には、「GET UP KIDS!!!」や「LOCK DOWN」みたいな曲は自分の中では作れないな、これは無責任かなって思ってしまっていた。その状況に自分も飲み込まれていたと思うし、考えている時間がとにかく長くて、常に考え方が変化しましたよね。自分自身が変化してたわけじゃないけど、状況が変動し続けて。
 
──一毎日のように正しい情報だけでなく本当か嘘かわからない情報も溢れ続けて、心理的に揺さぶられ続けた人も多かったと思います。
 
浅見 これだけ大きな混沌が起きている時は、自分の意見とすぐ隣にいる人の意見が一致する可能性すら低くなっていくし、離れるほど意見を合わせていくのは難しくなっていく。俺は目の前にいる人と、その次の人とでは違うこと言ってるかもしれない。矛盾してることを言ってるかもしれないけど、目の前にいるやつに対して「ブチ上がってもらいたい」って気持ちは同じなんですよ。
 
──ハバナイのnoteの中にも「歌によって意味が矛盾するのはオレが矛盾してるからじゃなくて世界がそもそも矛盾してるからだ」と書かれてますね。矛盾したことを言ってるかもしれないけど、それを引き受けて伝えてくるのはハバナイの頼もしさだなと思います。
 
浅見 アゲたいって人もいれば落ちたいって人もいるだろうし、そういう意味ではハバナイ的な曲はこっち側が何かを言ってるわけじゃないし、ほぼ何も言ってない風に見える。ただ、今のそいつの心の形によって、詞の形が変化してしまったり、見え方や聞こえ方が変わってしまう。でも一貫して言えることは、「元気になってもらいたい」「とりあえず今は大丈夫だ」ってことを別々の言い方で伝えてるつもりですね。
 
 
カオスの中でも尖ったりする瞬間はあってもいいんじゃないのかい?



──ハバナイはずっとロックンロールでありダンスミュージックとしてライブの現場と常にあり続けたバンドですが、2月のワンマン以降は有観客ライブというのは開催できていません。それがこの時期作った曲に与えた影響はありますか?
 
浅見 曲を作るって行為は、今この瞬間の何かを切り取ったり、目の前の物を自分なりに捉える行為だと思うんですけど、それとライブってのはけっこう切り離されてるんですね。
 
──曲作る時にライブのイメージはそこまでないものなんですね。
 
浅見 曲によって、ですね。ライブを想定してる曲もあるし、いっさい想定していない曲も結構あって。全体的に意識してるのは、ちょっと早くなりすぎないようにしてるくらいかな。
 
──曲のBPM、てことですか。
 
浅見 BPMが早い曲っておれはノリづらいなと思っていて、それくらいしか考えてない。ライブでシンガロングさせるとか見えてはいるんですけど、「こういう曲で人は踊ることはできるのだろうか?」とか「こういうフィジカルな状況を作り出せるのだろうか?」みたいな実験も入れていったりしてますね。
 
──そういう意味でのライブが楽しみな曲もあると。
 
浅見 ただ、ライブ向けなフィジカルな曲も作ってはいるんだけど、実際にはこの状況の中でライブはできない。でも自分たちが連続している動きのなかで作り続けてきたものを、今作る歌の中にも存在させたいという気持ちはありましたね。
 
──今作を聴いてみて、個人的にはこの時期に作ったことで浅見さん自身の色が強くなったのかなという気がしました。
 
浅見 そうすね、自分のエゴや個人の部分がでかくなったところはあるかもしれない。
 
──今回のアルバムに収録された作品は4月から順に発表されてますけど、その前の3月に発表したザ・フォーク・クルセイダーズのカバー「悲しくてやりきれない」も印象的でした。カバーとはいえ、その時期にストレートに入ってくる歌詞で。
 
浅見 「悲しくてやりきれない」とか「トンネルを抜けると」みたいな寄り添ってる曲をこの瞬間作っておいて、「自分もそういう気持ちがあるんだ」ってことはちゃんと表現しておきたかった。そういう上で「LOCK DOWN」とか「GET UP KIDS!!!」みたいな曲をやらないと、勘違いされるんじゃないかな、って。


浅見 ずっとひとつのカオス、混沌状態にあったわけだけど、カオスな社会の中で自分もカオスになっていくのは、それって自分じゃねえなっていうか、どんなに混沌な中でも自分の実体は持っておきたいというのがあって。混沌の中で自分も混沌としていって、人間として壊れていくのは楽な選択肢だと思うんです。でも、それを追いかけたくはないなと。
 
──これだけの混沌の時代だと、理性もブッ壊れてしまいそうな気持ちになることはありますよね。
 
浅見 混沌だけを追っていくのは自分がやりたいことでもなんでもない。これまでアルバムのタイトルにも付けてきた『DYSTOPIA ROMANCE』ってのはディストピアを表現してたわけじゃなくて、「ディストピアの中にもロマンスはあるんだ」って事を言っているので。このカオスの中で正しさってのは持っているんだけど、その中でも尖ったりする瞬間はあってもいいんじゃないのかい? っていうのはある。
 
 
近くにいる人にとっては気持ちを楽にしてくれるヤケクソ感もある
 
 
──では曲について一曲ずつ紹介していただきたいんですけど、まずは1曲目「TOO LONG VACATION」。さっきも話が出ましたけど、4月から今回のアルバムを作るにあたって最初にできた曲がこれだったと。


浅見 もともとハバナイを始めたころに作ったCDRに入ってる曲で、「長過ぎるバカンス」ってタイトルも今に合ってるかなと。この曲はサビの「下世話なハイプ、クリシェのビーチでリズムとソウルの火遊び火遊び」って所に意味は集約されてるというか、パンクとかロックンロールって、ハイプとかクリシェみたいなものを伝統的に否定するものなんですけど、もうそれさえ踊るべき世界に突入してるんじゃないのかい? それを否定するのがパンクやロックンロールでさえないんじゃないかと。
 
──パンクやロックンロール=反抗、みたいな概念は古典ではないかと。
 
浅見 今や真正面からのストレートなディスがもう成立してない気がしていて。ファックバビロンなんて言うけど、バビロンの中に我々ももう含まれているんじゃないのかよ? っていうこと。マトリックスの中にいることを自覚してこそ、はじめて踊れるんじゃないのかい? ってのがあるんですよね。
 
──サビは情報が膨らみきってしまった今現在にもジャストな感じですね。
 
浅見 当時はそんなシリアスな意味を含めてなかったんですけど、今この瞬間歌うとシリアスなメッセージを含んでしまうね。前に歌った緊張感は、より強く感じる形になってるなと。
 
──2曲目は「GET UP KIDS!!!」、2分足らずの疾走感あるナンバーですね。タイトルからしてロックらしいど真ん中なタイトルですが。


浅見 「GET UP KIDS」という言葉を自分自身が一切信じてない(笑)。それは自分が一番感じていて。ただ、その本来の意味をむき出しにするとこうなるんじゃないのかな。
 
──noteの浅見さんの解説だと「信じられるものが何もないという笑ってしまうほどのディストピアにはやっぱりヤケクソなロックンロールが一番似合う」とあります。
 
浅見 なんかヤケクソな感じってあるじゃないですか。テメエの中での世界に対する諦めみたいな自己愛とは別のところにあるようなヤケクソ感みたいなのは、近くにいる人にとっては気持ちを楽にしてくれると思うんです。「こんな状態でそんなこと言ってらんねえよな!」って友達に助けられた瞬間って何回もあるから、そういう気持ちって大事だなって。
 
──優しく寄り添うばかりが人を救うわけじゃない。
 
浅見 今この感じってなかなか言いづらいんだけど、「とりあえず俺は『トンネルを抜けると』と『悲しくてやりきれない』をsoundcloudにあげてるから大丈夫だ! そういう曲もやってるから!」って(笑)。
 
──寄り添うやつもやってるから(笑)。
 
浅見 でも本来はこっちが今やりたかったことではあるね。
 
──続いて「LOCK DOWN」。浅見さんが影響を受けたバンドやアーティスト名が歌詞の中にふんだんに散りばめられた曲です。

浅見 自分の内側から出た言葉ではなかったとしても、自分の知ってるものをただ置いていくだけでも意味を持たせてしまう。その置き方によって意味は作っていけるし、長らく自分で歌詞とか書いていても、内側から発見した言葉ってなかなか存在しない。ゼロから作り上げるというのは難しくて、かならず友達が教えてくれたこととか誰かが言ったことを自分なりに解釈したりしていく中で生まれるものじゃないですか? 友達に「この曲やばい」とか「この映画やばい」とか、ここがすごいって話すだけでわかりあえることがある。そういう曲というか、知っているものを並べていくことで、自分の中に内側であるものを相手に伝えたかった。
 
──ハバナイを聞く上でのプレイリストでもあるし、EXITや近藤真彦まで出て来る幅広さ。
 
浅見 近藤真彦は好きだったわけじゃないけど(笑)、レッチリと近藤真彦が一緒になる曲はないだろうし、EXITとピンク・フロイドも一緒にならないだろう。バッド・ブレインズとかマイナースレッド、ブラックフラッグが好きで、そこからニュー・オーダーやアシッドハウスとかなかなか繋がらない。でも自分の中では同じに見えたりする。
 
──ハバナイの音楽性って一言で言えば「不良のディスコミュージック」だと思うんですが、そのルーツが見えてくるのが面白いです。
 
浅見 そうそう、自分はそういうのを作りたくてやってるんだけど、日本では他にいないのが不思議だし謎い! ニュー・オーダーみたいなものを音としてやってる人はいるんだけど、精神性が違うというか。不良といってもリーゼントとかそういうことじゃなくて、心の持ちようの話で。音楽って追求していけばいくほど、本質を捉えれば捉えるほど一般的な倫理観からズレるはずなんですよ。絶対倫理観とズレることやってるわけだから、そんな事しておいて自分がちゃんとした人間とは思えない。一般的な不良の意味とは違うけど、ちゃんとした人間とはいえないだろうなあって。
 
──そういう美学が曲と詞に見えるのがハバナイの唯一無二さだと思いますね。そして次がインストとしては初のシングルリリースとなった「BRIGHT HORSE」。
 

浅見 実はこれも「TOO LONG VACATION」と同じアルバムに入ってて、不穏な空気の中で不穏な曲が一曲あってもいいかなと。タイトルはインディアンの古い言い伝えに「馬が夜明けの狼煙として朝を連れて来る」ってのがあって、曲を作った時は単純にパーティが朝に向かっていくイメージとしてつけたんだけどね。
 
──夜明けに向かうイメージ、って当時浅見さんに迷いみたいなのはあったんですか?
 
浅見 そのときは暗い感じはなくって、普通にテクノというか打ち込みでダンスミュージック作りたいなって思って作ったんですけどね。結局今の時代に照らし合わせるとこうなるかな、暗い部分も含んで感じ取ってしまうかなというのはありますね。
 

音楽は不要不急?俺たち作りたくて自分勝手に作ってただけじゃん?
 
 
──そして後半2曲は歌詞に出て来る言葉もこの数ヶ月をストレートに思い出させる言葉が多いです。「SPRING BREAKS2020」はこのアルバムの中でも、この数ヶ月の光景とその中の浅見さんの心情を最も具体的に描いた曲ですね。


浅見 もともとこんな曲にするつもりはなくって、最初はもっとしれっとしたすごい軽い曲だったんです。順番で言えば2曲目にはできてて、ラブソング風なんだけど実は今の状況含んでるくらいの曲になりそうだった。
 
──こんなストレートに現状を描く曲ではなかったんですか。
 
浅見 いろいろアレンジ作業とか進んでいく中で、これくらいシリアスな曲があってもいいのかなって。少し重たいムードを引きずった曲を作っても、手前が軽いんで後ろの重たさが緩和されるかな、とも思ったんですよね。
 
──後半のリーディングの中での「もう音楽なんて必要のないものだよ」という一節は、この数ヶ月考えさせられたことでもあります。
 
浅見 「不要不急」って言葉が広まって皆ショックを受けたり傷ついたりもしてたけど、おれは逆で音楽は不要不急なものだってのはわかりきってること、そんなものじゃねえかと。「だって俺たち作りたくて自分勝手に作ってただけじゃん? 人のためにやってたわけじゃないじゃん?」って。ロックンロール的なところに立ち返ると、誰か人のためにやってるってことがちょっとおこがましい……とは言わないけど、人のためじゃなくて自己の内部から何かを描写してたんじゃないのか? って気がしていて。別にいろんな考え方の人がいていいんだけど、「ロックンロールってものはそこがスタート地点なんじゃないのかい?」って思ったのはありますね。
 
──そこからの「世界中にそう告げられたときオレたちの新たな歌は生まれる。ロックンロールとはそういうものだろう」という一文が本当に感動的で。
 
浅見 すべての人たちが見放したもの、どうでもいいと思ったものから生まれる美しさがあるんじゃないのか。ブルーハーツの「ドブネズミのように美しくなりたい。写真には映らない美しさがあるから」みたいな、ある種裏返ったところに自分たちのスタート地点が存在してるんじゃないのかな。
 
──そして最後「トンネルを抜けると」。アルバムのオリジナル曲では最後の収録ですが、作ったのは最初になるんですよね。
 

浅見 まさに今の状況を書いているんだけど、これさえももう3月の時点のノスタルジーかなと思えるくらい……これが自分の中でリアルタイムの曲だとは思えない。ある種フレッシュさすら感じる。あの時期のひとつのドキュメントとして、あの瞬間こう思っていた自分もあったし、皆が思っていた瞬間もあったんじゃないかな。
 
──作った時は暗いトンネルを抜けてほしい願いみたいなものがあったのが、ある程度時間が経って見え方や聞こえ方も変わってくるところはあります。
 
浅見 ほんとこの数ヶ月スピードが早いですね。変化してしまった以上はそれを戻すことはできないので、戻せないこの状況ってのを歌にできてるはずなので。
 
──といった曲が素晴らしいのはもちろん、アルバムとして曲順もぴったりで、それにリミックスがついてくるという。そんなアルバムがついにリリース! というタイミングで、浅見さんはツイッターに「あまりに強力なシングルが完成しそうなのだが、これがヒットしなかったら問題の根は深すぎるのでとりあえずハバナイは辞めて残りの人生は優秀な作詞作曲家として名を馳せてみようと思えるくらい強力な曲が完成しそうなので2020年やり切ったっす」と書かれてましたが……。
 
浅見 もう次のシングルも強力な曲ができたんで! この曲ヒットしなかったらハバナイ諦める、くらいの! 
 
──もうこのアルバムから次のモードに入ってるんですね(笑)。
 
浅見 自分でいうのもなんだけど、これだけありあまる才能を放蕩すること自体にそろそろ飽きてきたので、次がダメならもう作詞作曲だけを考えようって思う! もうハバナイという圧倒的にオリジナルなカタチがあるのに売れないってのは、俺のツラとか性格とかいろんな問題で売れないことになってんだろうし、とりあえず才能の無駄遣いじゃん、それは! 社会貢献してなさすぎる! この曲でバッターボックス立って打てないってことは、バットはいいけどフォームがおかしい。
 
──曲にはもう揺るぎない自信があるわけで。
 
浅見 もう完璧なバットなのよ。普通の人ならホームラン打てるバットを揃えて、ショートゴロ出しまくってるこの感じが、俺は生きてて恥ずかしい……。次回は必ずホームラン打つんで!
 
──アルバムのインタビューで次回予告で締めないでください! 今作も最高ですから!
 
 撮影 長谷英史
 


『Rhapsodies 2020』 2020.9.23 ON SALE
【CD+Blu-ray】AVCD-96576/B 4,800円(TAX IN)




Have a Nice Day! ワンマンライブ決定!
2020年10月2日(金) open 18:30 start 20:00
Shibuya O-EAST
入場限定300人
前売:¥4000 当日:¥4700
(ドリンク代別)
 
 
【Have a Nice Day! オフィシャルHP】
http://habanai.jp/



大坪 ケムタ(オオツボ ケムタ)
WRITTEN BY大坪 ケムタ(オオツボ ケムタ)
アイドル・プロレス・B級グルメから大人方面と一見幅広いようで狭いジャンルを手がけるフリーライター。著作にゆるめるモ!田家大知Pとの共著「ゼロからでも始められるアイドル運営」(コア新書)、「SKE48裏ヒストリーファン公式教本」(白夜書房)など。
もどる