ダンスと祭りの融合! DANCE NATION 2019 大祭り ライヴレポート
全国のJSDA(日本ストリートダンス協会)公認ダンスプログラム「avex dance master」の受講生が集結する、エイベックス最大にして世界最大級のダンス発表会「DANCE NATION 2019 大祭り」が、12/1(日)にアリーナ立川立飛で開催された。
今年で14回目となる今回のテーマは、日本伝統である祭りをイメージした内容になっており、外には山車や出店も立ち並び、提灯などの飾りで気分は縁日。お祭りに来たようなロケーションが広がっていた。
日本全国から昨年を超える約100チーム2,000人の出演者が参加し、アリーナとドームの2会場開催&2部構成の進行でボリューミーだった本イベント。ダンスナンバー、選抜チーム、ダンス舞台はもちろんのこと、昨年初登場した中国のダンサーたちによるナンバー、avex vocal masterによるスペシャルナンバーといったグローバルかつ目新しいパフォーマンスも披露された。
エイベックスだからこそ実現する実力派アーティストによるゲストライブは、“FAKY”と“當山みれい”が圧巻のライヴパフォーマンスを披露。受講生とのコラボステージも夢のステージになっていた。
今年もエンターテインメント感満載だったイベントの模様をお届けしよう!
和太鼓とダンスが生み出すエンターテインメントでダンス祭りの幕開け
会場外で祭りの雰囲気を楽しみ、会場内では今か今かと開演を待つ公演独特のドキドキ感。舞台が暗転するとお囃子が鳴り響く。「わぁー!」という歓声と共に、ステージ上には和太鼓と和の衣装を身に纏ったダンサーが登場した。
プロ和太鼓集団の詩伍座「うたござ」が打ち鳴らす和太鼓と笛の音色、そこに選抜された14名のダンサーが、生音で“YOSHI”の振付を踊るという難易度の高いライヴダンスで迫力のあるステージングを見せる。和の伝統とストリートダンスが融合した豪華なパフォーマンスに会場からは歓声と拍手が送られた。
オープニングの興奮冷めやらぬなか、レベルの高いナンバーが続く。昨年のDANCE NATIONでもそのレベルの高さを見せつけた、東北エリアの次世代アーティストの発掘を目指す、エイベックス・アーティストアカデミー提携校・仙台のダンススタジオ・ROCKFOOTのナンバーだ。冒頭でステージのトップサスを独占してソロダンスをするシーンがあったのだが、このソロパートを獲得するのに、どれだけの競い合いがあったのかと思うと胸に込み上げるものを感じずにはいられない。
同じく昨年初登場し、ハッピーなボーカル&リズムとチームワークを見せたavex vocal masterプログラムのナンバーは、講師の“坂下智子”、“増倉ヨシマサ”、“akari”が作り出す世界観に、自分たちの練習の成果を乗せてハーモニーを奏でる。サイドステップでノリノリな姿が非常に楽しそうで、全国ハモネプリーグでその名を全国に轟かせた“ハイスクール・バンバン”とのコラボも豪華だった。
ラストで歌った“安室奈美恵”の「SWEET 19 BLUES」では、ソロ・ユニゾン・ボイスパーカッションが楽曲の進行につれて重なり合っていき、音楽の力を感じさせる。改めてクワイアの魅力と可能性を再認識するパフォーマンスだった。
DANCE NATIONは、選抜チームやゲストライヴだけではない。全国の「avex dance master」の受講生によるナンバーも重要なコンテンツなのだ。
スタジオやナンバー紹介の映像から始まる恒例の演出は、インストラクターとの絆や習っているスタジオの代表として参加しているという気合いも伝わってきて、見届けてあげたいという気持ちが込み上げてくる。実際、客席に目を向けるとペンライトやうちわを持って応援する観客や、身内関係なくいいムーヴが出たら声援を送るなど、非常に暖かい空間になっていた。
ジャンルはHIPHOPが多いが、今はニュースクールの時代もあってか、スタジオ・コレオグラファー・衣装・音楽でダンスに多様性が出ていたのが印象的。出演者にとってもこんなに大きな会場とステージで踊り、他のスタジオのナンバーを見て刺激をもらうなど、ダンスを楽しむ上でこの上ない絶好の場と時間になっていたことだろう。
名古屋や関西などのALL STARZによるハイクオリティなダンスナンバーも紹介せずにはいられない。KRUMP、GIRLS HIPHOP、JAZZFUNK、グルーヴの強いブラックなHIPHOPなど、ダンスは東京だけで盛り上がっているんじゃないというのを証明しているかのような気迫あるパフォーマンスだった。
1部の中盤戦では、全国の小学校2年生までの小さな受講生から選ばれたスーパーキッズダンスグループのLittle Dream Teamが登場。
“タイガー”の振付を踊る総勢21人のキッズダンサーは、体はまだ小さいけれども、緩急をつけて踊っていたり、ボディーコントロールも上手で、センターに出てくればカマしてくれるなど、立派なダンサーとしてステージングを見せる。流行りを取り入れつつ、基礎を大切にしたいという思いが込められていて、親身に育てられているのだと感じた。
當山みれいとdinoがダンスで魅せる!
ダンスナンバーで会場が盛り上がるなか、ゲストライヴに“當山みれい”が登場。
全米トップのゴスペルチーム”Gospel for Teens”に唯一のアジア人として所属したり、RADIO FISHのスキルマスターやBeat Buddy Boiなど、トップダンサーたちに実力を認められているシンガーソングライターだ。
「Dear My Boo」「大嫌い」とバラードなセットリストで、美声と伸びやかな歌声を会場に染み渡らせる。観客も彼女の歌声と楽曲の良さにうっとりだ。MCでは自身も小学2年生からダンスをやっていたというエピソードと、舞台袖で緊張する出演者に自分を重ねてしまったと話す。そんなみんなに気持ちを届けたいと、このライヴに対する思いを語っていた。
10月30日にリリースされたミニアルバム『PLAYLIST』から「sayonara」を披露し、この日だけのスペシャルパフォーマンスとして、「avex dance master」の受講生から選抜された21名のダンサーたちと「キミの好きなうた」を披露。
“ASUKA”のコレオ系R&B HIPHOPの振付は、楽曲の「気持ちを伝えたい」という世界観をさらに引き出しており、選抜ダンサーのスキルも相まって、歌の魅力をダンスでバックアップしていた。
1部も後半戦。全国からビジュアルとダンスに優れたボーイズで構成された“dino”が登場。
今年で4期生になる期待の新星たち。オープニングのオリジナルPVが流れた時点で会場からは黄色い声援が飛び交う。“YWKI”が振り付けたダンスは、“EXO”の「Electic kiss」を使用するなど、K-POPの要素を取り入れたハイクオリティなもの。衣装もファッショナブル、音ハメも完璧、衣装の脱ぎ方もどこで覚えてきたのだと感心してしまうほどのセクシーさ、実力の高さはもちろんのこと、一つ一つのギミックが洗練されているパフォーマンスだった。
アリーナだけじゃない! 会場外とドームも大盛り上がり
レポートの途中であるが、「DANCE NATION 2019 大祭り」は、アリーナとドームの2会場でダンスコンテンツが展開されていたので、そちらの模様も紹介したい。
ドームでは、スタジオから選抜されたダンスナンバーとチームによるパフォーマンスが披露されていた。会場はオールスタンディングでステージとの距離も近く、MCが各ナンバーとチームの代表者にインタビューするコーナーもあり、先生の印象やスタジオのエピソード、パフォーマンスの出来を聞いたりなど、アットホームなステージに。アリーナが公演だとすれば、ドームはストリートダンスイベントという風に楽しみ方が分けられていたのが印象的だった。
そして、アットホームといえば、会場外のお祭りロケーションも紹介したい。
冒頭で触れた通り、お囃しが流れる中に山車や出店があるので、ムードはお祭り一色。焼きそばが焼ける音とソースの香り、カラフルで大きなレインボーわたあめ、クッパやカレーなどの食べ応えのある食事、そして今年大流行したタピオカミルクティーも販売されていた。
東京オリンピックも間近であるし、こうやって日本の伝統をダンスイベントでも感じられるのは風情があるなと感じたが、さらに温かみを感じたのは、出店を提供したのが、“SATORU”、“YOSHI”、“KAZUMIN”、“エイベックス”というインストラクターと運営企業であることだ。
いつもダンスを教えてくれる先生がこうやっておもてなしをしてくれるのは、生徒たちにとっては嬉しいことであるし、日本全国に展開する大きなダンスプログラムの運営企業が、一つになれるコンテンツを企画実践してくれたことに何よりもアットホームさを感じた。
盛りだくさんの選抜ナンバー! ダンス舞台ではあのダンサーたちが演出に
レポートをアリーナに戻して、1部同様オープニングは、和太鼓とダンサーのスペシャルコラボステージで華々しいスタートを飾る。続けて登場したのは、毎年avex artist academy、avex dance master各校からダンス好きが集まったDANCE NATION DANCERSだ。
“TATSUYA”が振り付ける今年のナンバーは、4歳から大人まで総勢30名で見せる大所帯のパフォーマンス。「ダンスに国境はない」という有名な言葉があるが、「ダンスに年齢差は関係ない」という新しい言葉を体現したダンスに会場からは暖かい声援がステージに送られた。
そして、中国で行われたオーディションで選抜された中国燃少年が登場。
昨年は、“lol-エルオーエル-”の「fire!」を中国語バージョンにしたスペシャルな音源でダンスパフォーマンスを披露していたが、今年は「trigger」の中国語バージョンでダンスを披露。ダンス未経験から経験者まで幅広いスキルレベルのダンサーを要するチームであるが、昨年よりも難しい振付を一生懸命踊る姿に胸を打たれた観客も多かっただろう。
2部でも各スタジオのダンスナンバーが続々と披露されるavex artist academy TOKYOでは、“MASATO & Kooouya”というw-inds.のバックダンサーたちによるダンスナンバーもあり、改めてコレオグラファーたちのラインナップも豪華だと思わせる。倖田來未のバックダンサーのSHOWKOが振付のavex artist academy TOKYO キッズは、アクロバットも取り入れ「日本のキッズダンサーのレベルは高い」という通説のさらに上をいくパフォーマンスを見せていた。
ここまでダンスパフォーマンス主体で進行していたが、2部の中盤戦ではダンス舞台が披露された。
DANCE NATIONのダンス舞台を作ってきた“MITSUSHI”に加えて、演出に“楢木和也(梅棒)”と“Kie(Red Print)”という日本のダンス舞台に新機軸を打ち立てているダンサーが加わり見応えのある舞台に。
一人の少女を軸に、母親代わりのAIロボットと忙しい家族の中で繰り広げられる愛のこもったストーリー。少女の誕生日に家族でお祭りに行くのが恒例だった家族に、家庭内のすれ違いや大型台風直撃という壁が立ちふさがる。お祭りにはいけないと塞ぎ込む少女の願いを叶えるため、AIロボットが命をかけて奮闘するという物語を、ダンス・演劇・音楽を巧みに使って感動のストーリーを作り上げていた。
FAKYとShorty!!が登場! 攻撃力高めのパフォーマンスで魅せる
2部のゲストライヴには、ブラジル公演やカナダ公演で大成功を収めるなど、世界で認められ活躍している5人組ガールズ・ユニオン“FAKY”が登場した。
新衣装で登場した“FAKY”は「Better Without You」「Candy」と立て続けに攻撃力高めのパフォーマンスを披露。「Are you OK?」では、選抜で選ばれた19名のダンサーと一緒に、FAKYスペシャルバックダンサーズとしてダンスコラボを見せる。クラップを煽ってライヴ感を出したり、一緒に”OKポーズ”をとるなど、一体感あるステージングで会場を盛り上げる。
MCでは、共演したバックダンサーたちにエールを送るようにと観客に拍手を促すなど、ダンサーリスペクトを感じる心づかいも印象的だった。
続けざまに「GIRLS GOTTA LIVE」「ANTIDOTE」を連続で披露し、ダンススキルの高さを見せつけた圧巻のライヴパフォーマンスを見せつける。
ライヴのラストは、倖田來未が初めて作詞提供したことで話題を呼んだ「NEW AGE」を初披露。JAZZFUNKが取り入れられたセクシーさ満載のダンスは、まさに倖田來未のイメージもありつつ、彼女たちの魅力も存分に解き放たれたパフォーマンスになっていた。
“FAKY”の圧倒的なライヴの後は、ダンス、スタイル、ビジュアルが洗練されたメンバーによる女子ダンスグループ“Shorty!!”が登場。
大御所コレオグラファーの“MITTAN”が、彼女たちに作ったダンスナンバーのテーマは「ガールズクラッシュ」。これまでは、女性らしさやスタイルの良さを活かしたダンスが多かった“Shorty!!”であるが、今年は今までにない厳つさを打ち出したダンスで勇ましさを見せつける。フロアダンスで女性らしさを見せたり、衣装チェンジ後はセクシーな女性らしいダンスに豹変するなど、見どころ溢れたパフォーマンスで大歓声を浴びていた。
s**t kingzが3年ぶりのダンスナンバー! フィナーレを飾るインストラクター
1部と2部共に終盤戦を飾ったのは、全国10,000名のavex dance master受講生から選抜された“Dream Team”13期生。今年は、“kazuki(s**t kingz)”が、約3年ぶりにダンスナンバーを手がけるということで、大注目のパフォーマンスだ。
オシャレでラグジュアリーな世界観は、振付だけでなく音を取る場所も独特で、これまでのダンスナンバーとは明らかに違うダンスムーヴメントを起こしている。R&Bミュージックの世界観がダンスで命を吹き込まれ、そこに選抜ダンサーたちの高いダンススキルが加わり、プロダンサーとなんら変わらないハイクオリティなステージングに。もちろん会場は大歓声だ。
フィナーレを飾るのは、この日のためにダンスナンバーを手がけたインストラクターたちによる“avex dance master Instructors”のダンスナンバー。
映像にインストラクターの名前が出る度に沸き立つ歓声は、打ち上げ花火のよう。ダンスだけでなく、移動や所作の全てにリズムやグルーヴがあって、これがプロダンサーなのだと思わせるステージングを見せる。
最後は、イベントTシャツを身につけて、全観客に向けて感謝の挨拶を送り、"DANCE NATION 2019 大祭り"は幕を閉じた。
今年は、祭りとダンスをテーマにアットホームさを感じさせた"DANCE NATION"。
全国規模の大きなイベントであるが、ただコンテンツを進行していくのではなく、普段スタジオでダンスレッスンに励むダンサーたちに楽しんでもらいたいと願うイベントづくりに温かみを感じた。
"DANCE NATION 2019 大祭り"の模様は、2020年2月に日本初のダンス専門テレビ局「ダンスチャンネル」で放送されるので、ぜひチェックしてほしい。
【DANCE NATION 2019 大祭り Official site】
https://d-nation.info/
【FAKY Official site】
https://faky.jp/
【當山みれい Official site】
https://touyamamirei.com/
【avex dance master Official site】
https://dancemaster.avex.jp/
【avex artist academy Official site】
https://aaa.avex.jp/
今年で14回目となる今回のテーマは、日本伝統である祭りをイメージした内容になっており、外には山車や出店も立ち並び、提灯などの飾りで気分は縁日。お祭りに来たようなロケーションが広がっていた。
日本全国から昨年を超える約100チーム2,000人の出演者が参加し、アリーナとドームの2会場開催&2部構成の進行でボリューミーだった本イベント。ダンスナンバー、選抜チーム、ダンス舞台はもちろんのこと、昨年初登場した中国のダンサーたちによるナンバー、avex vocal masterによるスペシャルナンバーといったグローバルかつ目新しいパフォーマンスも披露された。
エイベックスだからこそ実現する実力派アーティストによるゲストライブは、“FAKY”と“當山みれい”が圧巻のライヴパフォーマンスを披露。受講生とのコラボステージも夢のステージになっていた。
今年もエンターテインメント感満載だったイベントの模様をお届けしよう!
和太鼓とダンスが生み出すエンターテインメントでダンス祭りの幕開け
会場外で祭りの雰囲気を楽しみ、会場内では今か今かと開演を待つ公演独特のドキドキ感。舞台が暗転するとお囃子が鳴り響く。「わぁー!」という歓声と共に、ステージ上には和太鼓と和の衣装を身に纏ったダンサーが登場した。
プロ和太鼓集団の詩伍座「うたござ」が打ち鳴らす和太鼓と笛の音色、そこに選抜された14名のダンサーが、生音で“YOSHI”の振付を踊るという難易度の高いライヴダンスで迫力のあるステージングを見せる。和の伝統とストリートダンスが融合した豪華なパフォーマンスに会場からは歓声と拍手が送られた。
オープニングの興奮冷めやらぬなか、レベルの高いナンバーが続く。昨年のDANCE NATIONでもそのレベルの高さを見せつけた、東北エリアの次世代アーティストの発掘を目指す、エイベックス・アーティストアカデミー提携校・仙台のダンススタジオ・ROCKFOOTのナンバーだ。冒頭でステージのトップサスを独占してソロダンスをするシーンがあったのだが、このソロパートを獲得するのに、どれだけの競い合いがあったのかと思うと胸に込み上げるものを感じずにはいられない。
同じく昨年初登場し、ハッピーなボーカル&リズムとチームワークを見せたavex vocal masterプログラムのナンバーは、講師の“坂下智子”、“増倉ヨシマサ”、“akari”が作り出す世界観に、自分たちの練習の成果を乗せてハーモニーを奏でる。サイドステップでノリノリな姿が非常に楽しそうで、全国ハモネプリーグでその名を全国に轟かせた“ハイスクール・バンバン”とのコラボも豪華だった。
ラストで歌った“安室奈美恵”の「SWEET 19 BLUES」では、ソロ・ユニゾン・ボイスパーカッションが楽曲の進行につれて重なり合っていき、音楽の力を感じさせる。改めてクワイアの魅力と可能性を再認識するパフォーマンスだった。
DANCE NATIONは、選抜チームやゲストライヴだけではない。全国の「avex dance master」の受講生によるナンバーも重要なコンテンツなのだ。
スタジオやナンバー紹介の映像から始まる恒例の演出は、インストラクターとの絆や習っているスタジオの代表として参加しているという気合いも伝わってきて、見届けてあげたいという気持ちが込み上げてくる。実際、客席に目を向けるとペンライトやうちわを持って応援する観客や、身内関係なくいいムーヴが出たら声援を送るなど、非常に暖かい空間になっていた。
ジャンルはHIPHOPが多いが、今はニュースクールの時代もあってか、スタジオ・コレオグラファー・衣装・音楽でダンスに多様性が出ていたのが印象的。出演者にとってもこんなに大きな会場とステージで踊り、他のスタジオのナンバーを見て刺激をもらうなど、ダンスを楽しむ上でこの上ない絶好の場と時間になっていたことだろう。
名古屋や関西などのALL STARZによるハイクオリティなダンスナンバーも紹介せずにはいられない。KRUMP、GIRLS HIPHOP、JAZZFUNK、グルーヴの強いブラックなHIPHOPなど、ダンスは東京だけで盛り上がっているんじゃないというのを証明しているかのような気迫あるパフォーマンスだった。
1部の中盤戦では、全国の小学校2年生までの小さな受講生から選ばれたスーパーキッズダンスグループのLittle Dream Teamが登場。
“タイガー”の振付を踊る総勢21人のキッズダンサーは、体はまだ小さいけれども、緩急をつけて踊っていたり、ボディーコントロールも上手で、センターに出てくればカマしてくれるなど、立派なダンサーとしてステージングを見せる。流行りを取り入れつつ、基礎を大切にしたいという思いが込められていて、親身に育てられているのだと感じた。
當山みれいとdinoがダンスで魅せる!
ダンスナンバーで会場が盛り上がるなか、ゲストライヴに“當山みれい”が登場。
全米トップのゴスペルチーム”Gospel for Teens”に唯一のアジア人として所属したり、RADIO FISHのスキルマスターやBeat Buddy Boiなど、トップダンサーたちに実力を認められているシンガーソングライターだ。
「Dear My Boo」「大嫌い」とバラードなセットリストで、美声と伸びやかな歌声を会場に染み渡らせる。観客も彼女の歌声と楽曲の良さにうっとりだ。MCでは自身も小学2年生からダンスをやっていたというエピソードと、舞台袖で緊張する出演者に自分を重ねてしまったと話す。そんなみんなに気持ちを届けたいと、このライヴに対する思いを語っていた。
10月30日にリリースされたミニアルバム『PLAYLIST』から「sayonara」を披露し、この日だけのスペシャルパフォーマンスとして、「avex dance master」の受講生から選抜された21名のダンサーたちと「キミの好きなうた」を披露。
“ASUKA”のコレオ系R&B HIPHOPの振付は、楽曲の「気持ちを伝えたい」という世界観をさらに引き出しており、選抜ダンサーのスキルも相まって、歌の魅力をダンスでバックアップしていた。
1部も後半戦。全国からビジュアルとダンスに優れたボーイズで構成された“dino”が登場。
今年で4期生になる期待の新星たち。オープニングのオリジナルPVが流れた時点で会場からは黄色い声援が飛び交う。“YWKI”が振り付けたダンスは、“EXO”の「Electic kiss」を使用するなど、K-POPの要素を取り入れたハイクオリティなもの。衣装もファッショナブル、音ハメも完璧、衣装の脱ぎ方もどこで覚えてきたのだと感心してしまうほどのセクシーさ、実力の高さはもちろんのこと、一つ一つのギミックが洗練されているパフォーマンスだった。
アリーナだけじゃない! 会場外とドームも大盛り上がり
レポートの途中であるが、「DANCE NATION 2019 大祭り」は、アリーナとドームの2会場でダンスコンテンツが展開されていたので、そちらの模様も紹介したい。
ドームでは、スタジオから選抜されたダンスナンバーとチームによるパフォーマンスが披露されていた。会場はオールスタンディングでステージとの距離も近く、MCが各ナンバーとチームの代表者にインタビューするコーナーもあり、先生の印象やスタジオのエピソード、パフォーマンスの出来を聞いたりなど、アットホームなステージに。アリーナが公演だとすれば、ドームはストリートダンスイベントという風に楽しみ方が分けられていたのが印象的だった。
そして、アットホームといえば、会場外のお祭りロケーションも紹介したい。
冒頭で触れた通り、お囃しが流れる中に山車や出店があるので、ムードはお祭り一色。焼きそばが焼ける音とソースの香り、カラフルで大きなレインボーわたあめ、クッパやカレーなどの食べ応えのある食事、そして今年大流行したタピオカミルクティーも販売されていた。
東京オリンピックも間近であるし、こうやって日本の伝統をダンスイベントでも感じられるのは風情があるなと感じたが、さらに温かみを感じたのは、出店を提供したのが、“SATORU”、“YOSHI”、“KAZUMIN”、“エイベックス”というインストラクターと運営企業であることだ。
いつもダンスを教えてくれる先生がこうやっておもてなしをしてくれるのは、生徒たちにとっては嬉しいことであるし、日本全国に展開する大きなダンスプログラムの運営企業が、一つになれるコンテンツを企画実践してくれたことに何よりもアットホームさを感じた。
盛りだくさんの選抜ナンバー! ダンス舞台ではあのダンサーたちが演出に
レポートをアリーナに戻して、1部同様オープニングは、和太鼓とダンサーのスペシャルコラボステージで華々しいスタートを飾る。続けて登場したのは、毎年avex artist academy、avex dance master各校からダンス好きが集まったDANCE NATION DANCERSだ。
“TATSUYA”が振り付ける今年のナンバーは、4歳から大人まで総勢30名で見せる大所帯のパフォーマンス。「ダンスに国境はない」という有名な言葉があるが、「ダンスに年齢差は関係ない」という新しい言葉を体現したダンスに会場からは暖かい声援がステージに送られた。
そして、中国で行われたオーディションで選抜された中国燃少年が登場。
昨年は、“lol-エルオーエル-”の「fire!」を中国語バージョンにしたスペシャルな音源でダンスパフォーマンスを披露していたが、今年は「trigger」の中国語バージョンでダンスを披露。ダンス未経験から経験者まで幅広いスキルレベルのダンサーを要するチームであるが、昨年よりも難しい振付を一生懸命踊る姿に胸を打たれた観客も多かっただろう。
2部でも各スタジオのダンスナンバーが続々と披露されるavex artist academy TOKYOでは、“MASATO & Kooouya”というw-inds.のバックダンサーたちによるダンスナンバーもあり、改めてコレオグラファーたちのラインナップも豪華だと思わせる。倖田來未のバックダンサーのSHOWKOが振付のavex artist academy TOKYO キッズは、アクロバットも取り入れ「日本のキッズダンサーのレベルは高い」という通説のさらに上をいくパフォーマンスを見せていた。
ここまでダンスパフォーマンス主体で進行していたが、2部の中盤戦ではダンス舞台が披露された。
DANCE NATIONのダンス舞台を作ってきた“MITSUSHI”に加えて、演出に“楢木和也(梅棒)”と“Kie(Red Print)”という日本のダンス舞台に新機軸を打ち立てているダンサーが加わり見応えのある舞台に。
一人の少女を軸に、母親代わりのAIロボットと忙しい家族の中で繰り広げられる愛のこもったストーリー。少女の誕生日に家族でお祭りに行くのが恒例だった家族に、家庭内のすれ違いや大型台風直撃という壁が立ちふさがる。お祭りにはいけないと塞ぎ込む少女の願いを叶えるため、AIロボットが命をかけて奮闘するという物語を、ダンス・演劇・音楽を巧みに使って感動のストーリーを作り上げていた。
FAKYとShorty!!が登場! 攻撃力高めのパフォーマンスで魅せる
2部のゲストライヴには、ブラジル公演やカナダ公演で大成功を収めるなど、世界で認められ活躍している5人組ガールズ・ユニオン“FAKY”が登場した。
新衣装で登場した“FAKY”は「Better Without You」「Candy」と立て続けに攻撃力高めのパフォーマンスを披露。「Are you OK?」では、選抜で選ばれた19名のダンサーと一緒に、FAKYスペシャルバックダンサーズとしてダンスコラボを見せる。クラップを煽ってライヴ感を出したり、一緒に”OKポーズ”をとるなど、一体感あるステージングで会場を盛り上げる。
MCでは、共演したバックダンサーたちにエールを送るようにと観客に拍手を促すなど、ダンサーリスペクトを感じる心づかいも印象的だった。
続けざまに「GIRLS GOTTA LIVE」「ANTIDOTE」を連続で披露し、ダンススキルの高さを見せつけた圧巻のライヴパフォーマンスを見せつける。
ライヴのラストは、倖田來未が初めて作詞提供したことで話題を呼んだ「NEW AGE」を初披露。JAZZFUNKが取り入れられたセクシーさ満載のダンスは、まさに倖田來未のイメージもありつつ、彼女たちの魅力も存分に解き放たれたパフォーマンスになっていた。
“FAKY”の圧倒的なライヴの後は、ダンス、スタイル、ビジュアルが洗練されたメンバーによる女子ダンスグループ“Shorty!!”が登場。
大御所コレオグラファーの“MITTAN”が、彼女たちに作ったダンスナンバーのテーマは「ガールズクラッシュ」。これまでは、女性らしさやスタイルの良さを活かしたダンスが多かった“Shorty!!”であるが、今年は今までにない厳つさを打ち出したダンスで勇ましさを見せつける。フロアダンスで女性らしさを見せたり、衣装チェンジ後はセクシーな女性らしいダンスに豹変するなど、見どころ溢れたパフォーマンスで大歓声を浴びていた。
s**t kingzが3年ぶりのダンスナンバー! フィナーレを飾るインストラクター
1部と2部共に終盤戦を飾ったのは、全国10,000名のavex dance master受講生から選抜された“Dream Team”13期生。今年は、“kazuki(s**t kingz)”が、約3年ぶりにダンスナンバーを手がけるということで、大注目のパフォーマンスだ。
オシャレでラグジュアリーな世界観は、振付だけでなく音を取る場所も独特で、これまでのダンスナンバーとは明らかに違うダンスムーヴメントを起こしている。R&Bミュージックの世界観がダンスで命を吹き込まれ、そこに選抜ダンサーたちの高いダンススキルが加わり、プロダンサーとなんら変わらないハイクオリティなステージングに。もちろん会場は大歓声だ。
フィナーレを飾るのは、この日のためにダンスナンバーを手がけたインストラクターたちによる“avex dance master Instructors”のダンスナンバー。
映像にインストラクターの名前が出る度に沸き立つ歓声は、打ち上げ花火のよう。ダンスだけでなく、移動や所作の全てにリズムやグルーヴがあって、これがプロダンサーなのだと思わせるステージングを見せる。
最後は、イベントTシャツを身につけて、全観客に向けて感謝の挨拶を送り、"DANCE NATION 2019 大祭り"は幕を閉じた。
今年は、祭りとダンスをテーマにアットホームさを感じさせた"DANCE NATION"。
全国規模の大きなイベントであるが、ただコンテンツを進行していくのではなく、普段スタジオでダンスレッスンに励むダンサーたちに楽しんでもらいたいと願うイベントづくりに温かみを感じた。
"DANCE NATION 2019 大祭り"の模様は、2020年2月に日本初のダンス専門テレビ局「ダンスチャンネル」で放送されるので、ぜひチェックしてほしい。
【DANCE NATION 2019 大祭り Official site】
https://d-nation.info/
【FAKY Official site】
https://faky.jp/
【當山みれい Official site】
https://touyamamirei.com/
【avex dance master Official site】
https://dancemaster.avex.jp/
【avex artist academy Official site】
https://aaa.avex.jp/
- WRITTEN BYNOZATATSU
- ダンス系の記事を中心に、音楽、アイドル、エンタメ記事などを執筆中。
ウェブサイト、動画などWebコンテンツクリエイターとしても活動中。