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SWANKY DANK

SWANKY DANK 活動休止の真相と心情 そして今後のライブについて語る【8ヵ月連続 第五弾!】

2019.09.10
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音楽
インタビュー
SWANKY DANKの8ヵ月連続自主企画LIVE「ROAD TO PLAYGROUND」を記念しての、8ヵ月連続インタビュー第5弾! 今回は9月21日に神戸「太陽と虎」で行われるリクエスト・ライブの前ということで、神戸牛を囲みながらメンバー3人にお話を……と思ったら! 何と本日、バンドの活動休止が発表! 飲み食いしながらではありますが、活動休止に至った経緯、現時点でのメンバーそれぞれの心中もお聞きしました!


まずは去りゆく夏を振り返りながら……カンパーイ!(笑)



──ハイ、今回も飲みながら食べながらお話を伺うということで、よろしくお願いします!
 
YUICHI 3人で「avex portal」さんに取材してもらうのって、最初の回以来だっけ?
 
KOJI いや、……もしかして初めてじゃね?
 
──そうなんですよ! この8ヵ月連続企画では、最初に対バンのメンバーを含めた座談会をやって、その後に単独インタビューをお一人ずつさせていただいたので、「メンバー3人のみ」というのは実は5回目にして初めてになるんですよ。
 
KOJI ああ、そうだ! 確かに!

──個人的にも珍しい経験なんですが(笑)。あ、飲み物が来ましたね。ということで……
 
YUICHI じゃあ、カンパーイ!
 
全員 うーい!
 
──早い(笑)。ではお肉を待ちながら始めさせていただきますが……9月に入って、夏が終わろうとしてますね。
 
KO-TA そうですね! だいぶ涼しくなってきましたよね。
 
──というわけで、まずは「この夏の思い出」を伺いたいんですが。
 
YUICHI 何だろう……八食?
 
KOJI ああ、そうだね。
 
──7月末に青森・八戸で開催された「八食 SUMMER FREE LIVE 2019」ですね。
 
YUICHI 毎年出させてもらってるんですけど、大好きなイベントに今年も声をかけてもらえて、うれしかったですね。
 
KOJI 屋根がついた屋外ステージなんですけど、けっこう熱がこもって、ライブが終わった後に熱中症みたいになっちゃって。チョー具合悪くなったんですよ。
 
YUICHI イヤな思い出になってるじゃん(笑)。今年は違いましたけど、夕暮れ時のステージの時は八食センター(2003年からフリーライブを主催している、八戸市の郊外型食品市場。約60店舗が軒を並べる)の向こう側に日が落ちていって、すごくいい感じなんですよ。開放感があって。
 
──お客さんがいる向こうに夕日が落ちていく光景って、ステージからしか見られないわけで、演奏者ならではの贅沢ですよね。
 
KOJI ホントにそうですね。
 
YUICHI そういう景色が見られるところが、いい思い出になるライブですね。
 
──プライベートではどうでした?
 
KOJI プライベートでは……1回、海に行ったぐらいですね。あとは、今年はそんなには……。
 
──ちなみにどこの海に?
 
KOJI 片瀬江ノ島ですね。やっぱりタトゥーが大丈夫なところじゃないとアレなんで(笑)。
 
YUICHI 夏らしいことか……。(KO-TAに)ある?
 
KO-TA 俺は川でバーベキューをやりました。秋川渓谷に行ったんですけど、僕は漬けたスペアリブとかいろいろ仕込んで行って。
 
YUICHI KO-TAと行ったら楽しそうだよね(笑)。参加者に評判よさそう。俺はないなあ……。ディズ〇ーシーに1回行ったぐらいで。
 
──いいじゃないですか。
 
YUICHI でも、夏じゃなくても行けるっしょ?(笑)
 
KO-TA 海賊が水をぶっかけるイベントやってるでしょ?




YUICHI やってた。でもそれを尻目に、乗り物に乗ってたから(笑)。毎年行ってるんですけど、去年は抽選に当たって前の方に行けたんで、水浸しになれたんですよ。今年は当たらなかったんで、じゃあ乗り物に行こうと。「ソアリン」っていう新しいアトラクションがあるんですけど、アレはすごいですよ! メチャクチャ感動しました。
 
──7月末に始まったばかりの新アトラクションですよね。
 
YUICHI ただ怖すぎて、キ●タマの裏がギュン!ってなりました(笑)。
 
KO-TA キ●タマって言うな!(笑)



バンド側も新鮮だった、新代田FEVER「リクエスト・ライブ」


──次の話題に行くのにちょうどいいタイミングになりました(笑)。この夏と言えば、8月9日には新代田FEVERでのライブがありましたよね。いかがでしたか?



KOJI 初のリクエストライブでいつもと違う雰囲気だったし、自分たちとしてもすっごい久しぶりにやる曲ばっかりだったので、単純にメチャメチャ楽しかったですね。
 
──おお~。
 
KOJI ライブでは初めてやる曲も多かったから、「どうなるんだろう」と思ってたんですよ。でもすんごいよかったです。
 
──これだけライブを重ねていると、ある程度鉄板というか、「これなら大丈夫」という流れがあると思います。あえてそれと違うことをやったわけですよね。
 
YUICHI でもそれがリクエストならではで、面白かったよね。1st(2009年リリース「SWANKY DANK」)で俺だけが歌ってた曲(「Truth」)とか、何年ぶりにやるんだよ!?っていうのもあったし。
 
KOJI KO-TAのギターもだよね。
 
KO-TA 初めて弾く曲が2曲あったからね。
 
YUICHI ある意味、お客さんが決めたセットリストですよね。そこがまた面白かったですよ。それに投げ銭も加わりましたからね。MCでも話したんですけど、これをやろうと思ったきっかけは、俺たちは今まで自分たちのライブの価値は自分たちで決めてきたし、これからもそうでありたいと思ってるんだけど、「お客さんが楽しんだ価値」っていうのは、俺たちはなかなか知ることができないじゃないですか。例えばチケット代が2000円だとして、それに満足したのかどうか。彼ら、彼女らが「楽しんだ価値」を知ることができたのは、本当によかったですね。
 
──なるほど。(と、話を聞いている一方、料理が何点か運ばれてくる)
 
YUICHI 結局、100円しか入れなかった人もいれば、ちょっとビックリする額を入れてくれた人もいるんですよ。お客さんにとっても「楽しんだ価値」を自分たちで決められるライブもなかなかないと思うし、セットリストも決められる。俺もそういうライブを見てみたいなと思うし、どういう評価をしてくれるのかを知れたのはすごくよかったですね。
 
──ですよね。……という、すごくマジメな話をされている一方で、KO-TAさんは黙々とサラダを取り分け始めているという……(笑)。
 


KO-TA やっちゃいがちなんですよね(笑)。
 
KOJI すごいありがたいよね(笑)。
 
KO-TA (他の同席者の分も取り分けながら)俺にとっても、「お客さんはこういう曲が好きなんだ」っていう再発見があったんですよ。自分たちで「お客さんはこれが好きだろう」って思ってる曲と、お客さんの「これが聴きたい」っていう曲にはちょっとした隔たりもあって、そのギャップが面白かったです。自分たちも新しく曲を練習し直して、練習もライブも今までとまた違った感じで新鮮な気持ちになれたんですよ。だから、実は俺たちが一番楽しかったんじゃないかなって。
 
──ライブ会場で思ったんですが、どの曲をやっても「そこにいる誰かがすごく聴きたかった曲」ということになるので、次の曲のタイトルを言った時の反応もいつもと違う感じでしたよね。
 
KOJI あれは新鮮でしたよね! こっちとしてもすごくうれしかったですよ。YUICHIがメインで歌う「Truth」も意外と盛り上がるんだなと思ったし(笑)。
 
YUICHI 昔の曲を改めて聴いて練習して、自分たちの音楽的な成長にも気づけたしね。
 
KOJI ああ、それは分かるね。その当時の自分たちに「若いな!」とも思ったし。1stなんて特にそう思うし、「THE LOVE WAS GONE...」(2012年リリースのミニアルバム)なんてやり過ぎ感あるし(笑)。あの頃は、自分たちがただ好きなようにやってましたね。
 
YUICHI 当時の曲を改めて聴くと、「今ならこうしたい」とは思うんですよ。それを録り直してリアレンジするんだったら、「ここはこうしよう」とも思うでしょうけど、今回のリクエストライブについてはほぼ原曲のままやりました。
 
──お客さんの中には、原曲の形でずっと残ってるわけですからね。
 
YUICHI 「Time is Gone」(「THE LOVE WAS GONE...」収録)は特に「ああしたい、こうしたい」と思う曲なんですよ。1stのあと、動き出したきっかけの曲でもあったので。だから「こんな感じにリアレンジしたいな」って思ったりもするんですけど、ただライブでそれをやるかって言ったら、また違うんで。
 
KOJI 自分たち発信でその曲をやるんだったら、変えていったりもしたかもしれないですけど、今回はリクエストライブだったので、“そのまま”をお届けしました。



YUICHI また古い曲を聴いたり練習したりしてると、それを作ってた頃を思い出すんですよ。「Letter」(「SWANKY DANK」収録)って曲は特に思い出して。ちょうどレコーディング中にタバコをやめたんで、代わりに口に入れてたアメがすぐなくなってたとか、両足で貧乏揺すりしながら歌詞を書いてたとか、10kgぐらい太ったな……とか(笑)。
 
──一番に出てきた思い出がそれですか(笑)。
 
KOJI SHUNちゃんが入ったタイミングのアルバムとか、KO-TAが入ったタイミングのアルバムとか、かと思ったら兄弟2人だけでドラムがサポートでっていう時期の曲とか、全部の時期の曲をやったので、そういうのも思い出しましたね。「これ作った時はSHUNちゃんもいなかった、2人だけでやってたなあ」とか、「ここでSHUNちゃんが入ってこういう曲になった」「ここでKO-TAが入ってこういうアレンジになった」っていう感じで思い出して。時期、時期でメンバーが変わっていったので。
 
──先ほど、投げ銭の話も出ていましたが、結果を見るのはドキドキものだったのでは?
 
YUICHI 俺はドキドキはしなかったですね。いくら集まったかっていう結果が全てなんじゃなくて、自分たちが発信して、来てくれた人は自分が楽しんだ価値をそのまま入れてくれればいいから、ゼロ円でもよかったんですよ。その場に来てくれて、あの時間を共有してくれたっていうだけで、俺はよかったと思ってるし。でもやっぱり、来てくれた人たちはみんなあったかくて、楽しんだ分をちゃんと入れてくれてたんですよ。「こういう人たちがいて、バンドが続けていけるのかな」って思いましたね。
 
KO-TA やってよかったよね。
 
KOJI ただ、いつもこれをやるわけにもいかないな、とも思いました(笑)。一発ガーン!ってやるからいいってところもあるし、お客さんとしても新鮮な払い方なので、イベントとしてはいいかなと。


神戸のライブハウス「太陽と虎」は……狂乱の打ち上げが名物!?



──このリクエストライブは次の神戸、その次の名古屋でも行われるわけですが、当然セットリストは変わるんですよね。
 
YUICHI 変わります。神戸は神戸、名古屋は名古屋で集計を取ったので。
 
KOJI 正直、大変ではあるんですけど、サポートのドラマーのWANI君はもっと大変なんで、俺たちは「大変」って言えないですね(笑)。東京でやった時もそうでしたけど、面白いセットリストなので、来る側も楽しめるんだろうなと。ま、大変ですけどね……サポート・ドラマーが(笑)。
 
KO-TA また東京、神戸、名古屋で、集計結果が全然違いましたからね。「こんなに違うんだ」っていうぐらい。
 
KOJI 東京が一番マニアックだったんだっけ?
 
KO-TA マニアックさでは名古屋かな? 神戸はわりと“王道”でまとまった感じですね、俺らから見ると。神戸のセットリストは、この前のFEVERでのものからは半分近く変わることになるかもしれません。
 
──それは神戸のお客さんも楽しみですね。
 
KOJI 神戸ではこれまで、数え切れないぐらいライブしてますしね。それこそ毎回、今度もやる「太陽と虎」というライブハウスで。
 
YUICHI 神戸といえば打ち上げだよね!



KOJI 神戸は打ち上げがすごいんですよ! とにかくスタッフさんたちも個性的なハコで、例えば事前にセットリストを書くシートがあるんですけど、そこに「ガヤ」っていう項目があって。それを選ぶと、ライブ中にスタッフさんたちが話してくるんですよ!
 
YUICHI 本当にガヤを入れてくるという(笑)。
 
KOJI パンツを背負ってみたりとか。
 
KO-TA 「グレコローマン・スタイル」って言って(笑)。
 
YUICHI 俺が他バンドのベースに自分の……飲ませ……(さすがに詳細は自粛)
 
KOJI その場にいるとそういう雰囲気になって、「じゃあ俺、飲みます!」ってなるんですよ! アレは日本一だよね!
 
YUICHI それだけじゃなくて、「COMING KOBE」とかチャリティーイベントに力を入れたりもしていて、熱いんですよ。人の心に寄り添った活動をしているというか、人の心を傷つけないで笑いに変えていくライブハウスですね。社長の松原裕さんという方が今年亡くなってしまったんですけど、自分が病気になっても人のためにと動いてたり、「心配すんなよ」っていう意味で自分の病気をネタにして周りを笑わせてて。ホントに、素敵な人が集まるライブハウスですね。自分の……(自粛)だけじゃなくて。
 
KOJI それはオマエだけだろ!(笑)
 
──神戸のお客さんのノリはどうですか?
 
KOJI いいですよ! 関西の他のところよりもいいと思うぐらいですね。俺たちもよく行ってたっていうのもあるけど、親しみやすいというか。
 
YUICHI 今回の企画で関東圏以外の地方に行くのは、神戸と名古屋だけなんですけど、神戸に関してはそのライブハウスが好きだからなんですよね。俺の絵を飾ってもらってもいるし。
 

神戸牛登場! 全国「うまいもの」歴を振り返る!



店員 お待たせしました~!
 
──おお! お肉が来ました!
 
店員 上からザブトン、上カルビ、クリーミーランプになっております。上に行くに従ってサシが多くなっておりますので、下から焼いていただくのがオススメです。
 
一同 おお~、スゲー!

KO-TA お肉の階段ですよ!
 
──見事に肉でテンションが上がってますね(笑)。じゃあ肉を囲んで記念撮影もしときますか。
 


KOJI うわ、うめぇ~!
 
YUICHI 俺、あんまり焼かない方がいいんですよ。こっちの赤いのがいいな(笑)。
 
KOJI 俺はしっかり焼いたのがいい(笑)。
 
──お楽しみのところすみません(笑)。ツアーで全国いろんなところを回ると思いますが、やっぱりその土地のうまいものとかは食べますよね?
 
KO-TA ああ、食べますね。ネットでいろいろ調べたり、地元のバンドのメンバーに教えてもらったりして。
 
KOJI 俺たちはそれに便乗するっていう(笑)。
 
──今日は神戸のライブ前ということで神戸牛なんですが、現地で神戸牛は?
 
KO-TA さすがにお高いんで、食べないですねえ。ツアーではB級グルメをひたすら追い求めてます。神戸は名店が多いんですよ。みんな行くのはカルビ焼肉丼の「十番」とか、あと僕は「とんかつ七兵衛」っていう店がすごく好きで。
 
YUICHI 七兵衛、行ったねえ! うまかった!
 
──全国回った中で、「一番はコレ!」っていうものってありますか?



KO-TA 僕は小倉の「ふじしま」っていう天ぷら屋さんですね。そこのみそ汁がうまいんですよ!
 
KOJI 俺は……どこ行ったっけ? 覚えてねぇなあ(笑)。
 
──酒があればいいと(笑)。
 
YUICHI 「定番の店」はありますけどね。ここに行ったらコレを食う、みたいな。
 
KOJI えっ、どこどこ?
 
YUICHI 例えば福岡だと絶対「ShinShin」でラーメン食うとか。神戸だとさっきの「十番」とか。
 
KOJI 「十番」は絶対上位に来るよね!
 
KO-TA あとは岡山の「山冨士」っていうラーメン屋さんとか、帯広の「インデアンカレー」がすごく好きで。
 
KOJI 俺、そこ行った?
 
──KO-TAさんに調べてもらうだけじゃなくて、記憶も頼ってるんですか(笑)。
 
KOJI KO-TAがまた、記憶力がすげえいいんですよ! もうホントにバンドに欠かせない存在です(笑)。
 
YUICHI 欠かすと、何にもなくなっちゃうよね(笑)。
 

突然の発表……「活動休止」の真相とは?


──さて、ひとしきり食べていただいたところで大事な話題なんですが……。まさに今日、活動休止が発表されたということで。というか、ビックリどころじゃないんですが! その話が持ち上がったのはいつ頃のことだったんですか?
 
KO-TA 4月末から5月頭ぐらい……だったかな?
 
YUICHI それぐらいかな。
 
──ということは、この8ヵ月連続イベント企画はすでに決定していたわけで、活動休止に向けた「最後の花道」として企画されたというわけではない?



KOJI そうですね。俺の頭には、そういう意図がちょっとだけあったんですけど。活動休止は、俺から2人に提案というか……「こうしたい」と話したんですよ。1年前にSHUNちゃんが抜けたタイミングがあって、その時に「アレッ!?」という違和感というか、「このまま続けていいのかな」とかいろいろ迷っちゃったんですね。それは誰にも言ってなかったんですけど、3人で話してるうちに「やっぱ立ち上がらなきゃいけねぇな」と思い直して。「よし、やってみよう」と思って、やっていってた最中だったんですけど、やっぱり自分の中で引っかかるものがあったんです。葛藤というか何というか……このまま行くと、ステージの上で何かウソついちゃうような気がして。それで8ヵ月連続企画も決まったっていうタイミングがあって、普通なら「その後は何やるの?」って話になるじゃないですか。それで早い方がいいなって思って、2人に「こういう風に考えてるんだよね」って話したら、2人も俺の気持ちを尊重してくれて。
 
YUICHI 一回、SWANKY DANKの音楽を止めることによって、またフツフツとやりたいことが見えてくるかなと思うんですよね。ずっと、「こういうことがやりたい!」「ああいうことがやりたい!」ってやってきた中で、「ここから先、どうしたらいいんだろう?」っていうのは、3人とも思ってたとは思うんです。「8ヵ月連続やった後に、何が残るんだろう?」っていうのは。確かにビジョンとしては見えてなかった状態だったところにKOJIからの提案があって、じゃあライブ活動やレコーディングというものをSWANKY DANKとしては一度お休みしてみて、そこでどう感じるんだろうと。俺はそれを知りたかったから、KOJIの話があった時に、前向きな気持ちで受け入れることができました。自分がやりたいこと、自分の中でフツフツとたぎるものをもう一回取り戻したいっていう気持ちも、自分の中にはあったので。
 
──なるほど。



YUICHI 俺たちみたいなバンドって、常に止めずにやり続けていくっていうのが「美学」みたいなところがあるんですよ。でもそんなところで自分たちを消耗してしまうよりは、一度立ち止まって自分たちを見つめ直すという作業は絶対必要だなと思って。どうなるかは分からないですけど、みんなそれぞれ音楽活動をするなり、バンド活動をするなりして、また集まった時には「SWANKYでやりたい」っていうことが出てくるはずだ、っていう思いがあったので、KOJIに言われた時に「ああ、絶対そっちの方がいいな」って思ったんです。やめるわけじゃないし、周りも含めて一度、客観的に自分たちを見てみた方がいいなというか。だからネガティブじゃなくて、ポジティブな決定です。ネガティブな要素は何もなくて、メリットしかないんで。解散だったらネガティブだけど、「休止」だから、またやりたくなるまでやらないでいいじゃん、やりたくなったらやればいいじゃん、と。



KO-TA SHUNちゃんがいなくなって3人で何とかバンドを続けていこうってなった中で、やっぱり3人ともどこかで無理したというか、「どうにかしなきゃ」っていうところがあったと思うんですよね。正直、俺も「8ヵ月終わった後、何があるのかな?」っていうのもあったので、KOJIから言われた時は「そうだよね」という感じで。KOJIがちょっと悩んでるというのも感じてたし。たぶん、このまま続けていったらより消耗しちゃうので、一度フラットに戻して、またやりたいタイミングで戻れば、もっといいものができるんじゃない?と。ホントに、重々しい感じではなくて「じゃあ一回休もっか」っていう感じでした。でも応援してくれてた人たちにはホントに悪いとは思ってるんですけど。
 
──少し話が戻りますが、KOJIさんの中では、この8ヵ月連続企画が持ち上がった時には「これで一区切りにできる」という思いもあったと。
 
KOJI 俺の中だけでですけど、ちょっとそれはありましたね。会場選びもそうだし、初めてリクエストをやるということも含めて、いい形でいったん締めくくれるかなって、一人で心の奥底では思ってたかもしれません。だからこそ、いいタイミングで2人にも言えたんだと思いますし。
 
──切り出した時、他の2人の反応についてどう思いました?
 
KOJI やっぱ、言ってよかったなと思いました。言えないまま溜め込んで、それこそ消耗していって……例えば8ヵ月終わって、「次どうするよ?」ってタイミングで言うよりは、全然よかったと思います。
 
──そうなると、活動休止を決めてからの活動は、また違うものがありますよね。
 
YUICHI そうですね。このタイミングでのリクエストライブは、エモいものがありましたね。
 
──僕自身がそうだったんですが、このタイミングで「活動休止」と聞くと、「ああ、そのための花道としての企画だったのね」と思って、勝手に合点がいっちゃうんですよ。対バンやってリクエストやって、ゆかりの地を巡って、最後はクアトロでワンマンって、バッチリじゃん、と。
 
YUICHI 最初は本当に、そういうわけじゃなかったんだよね(笑)。今やりたいことをやってみようっていう。
 
──でも、やりたいことをやり始めたタイミングだったからこそ、区切りをつけられたという感じ?
 
KOJI 俺はそうです。
 
──ただ、ちょうど折り返しの時点で活動休止が発表されて、ファンにとってはそれこそこれからのライブを見る気持ちも大きく変わってくると思います。
 
YUICHI そうですよね。デカい打ち上げ花火じゃないけど……線香花火だけど、でっかいぞ、みたいな(笑)。ドカーン!って打ち上がったけど、シュルルル~、ポトンって落ちていくみたいな。
 
──いやいや(笑)。
 
YUICHI でも、儚いからいいよね。一本一本のライブが「その時」しかないっていうのを、より深く実感できるから。「今日は今日しかない」って、言葉では言ってたけど、本当に「今日は今日しかない」んだなって。残り4本のライブ、これしかないから。それは自分たちにとっても同じで、どれだけ自分たちの伝えたいことを凝縮できたか、自分たちがやりたかったライブを後悔ないようにやろうっていう覚悟は、今までの比じゃないなっていう。


12月のクアトロまで4本、一本一本を今まで以上に大切に!


──改めて、12月のクアトロまでの期間、どう過ごしていきますか?
 
YUICHI SWANKY DANKとして大切に過ごしていくという以外、ないですよね。解散ではないにしろ、もう当分はないので。12年間、止まらずに来た、いろんなことがあったけど止まらずに来たけど、今回一度立ち止まるわけだから。その意味では本当に今までの楽曲っていうのも、大切に、楽しんで演奏して、心残りがないステージを一つ一つやっていく。それ以外ないですね。
 
KOJI 地方にもまだ行けるんで、待っててくれてた人たちにも感謝を伝えられるようなイベントを、あと4本やれるので。
 
YUICHI それを、リクエストも交えてやれるので、「ありがとう」っていう感謝の気持ちがより深まると思うし。
 
KOJI ライブハウスにも、「ありがとうございました」っていう感謝の気持ちを伝えられるっていうのがいいですね。
 
KO-TA でも、あんまり考えすぎてしまっても……という感じなので、なるべく今までと変わらないような気持ちでやりたいなとは思いますね。活動休止が決まったからどうということではなくて、あくまで今まで一本一本のライブをやってきたことの積み重ねでやっていければいいのかなと。今までと同じく、よりいいライブ、よりいいステージを続けて行ければいいのかなと思ってます。
 
──今回の活動休止がポジティブなもの、前に向かってのものだということはよく分かりました。ただファンとしては、「いつかまた見られるよね」という気持ちが強いと思います。
 
KOJI 俺たちの勝手な都合なので、「待っててくれ」とは言えないですけど、また俺たちがやりたくなった時に、聴きたければ聴いてほしいなとは思いますね。もし次に俺らが何かを発信する時が来たら、きっとすごいものが生まれて、それを発信できると思うので。
 
YUICHI 新しいSWANKY DANKが見つかってやり始める時が来たら、もっとデカい塊になってると思うんで。それぞれの選んだ道で、それぞれに何かを見つけてくるでしょうからね。人生ってそうじゃないですか。生きていく中で、何かを一つ一つ吸収していって、どんどん変わっていくっていう。それがSWANKY DANKの今後に生かせるのか分からないですけど、それぞれが自分たちの人生をしっかりと歩んでいって、また集まった時には、もっと深みが増してるんだろうなあって思います。
 
──では最後に、この活動休止と、そして神戸への意気込みも含めて、ファンの方にメッセージをお願いします。



KOJI 12年間走ってきて、いったん休むという決断をしたのは俺たちの勝手ではあります。「裏切られた」と思うファンの人もいるかもしれないけど、俺も悩んで決めたことなので、俺のわがままとして聞いてもらえればなと。本当にあと4本のライブの中で、自分が伝えられることはできる限り伝えていきたいと思っているので、ぜひライブにも来てほしいし、一緒に最後までついてきてくれたらなと思います。



YUICHI 神戸はリクエスト・ライブということで、神戸のみんなが決めてくれたセットリストを、一緒に楽しみたいなというのが一番大きいですかね。活動休止に関しては、「今後に期待!」とは言えないけど、やりたくなった時にはやるから悲しい気持ちにはなってほしくなくて。リクエスト・ライブでも、君たちが決めてくれたセットリストを、俺たちは楽しんでやるから、一緒に楽しんでほしいし。これまでも一本一本大切にしてきたけど、ここからの4本は、人間だからまた違った気持ちも乗っかるだろうし。「バンドはライブできるのが当たり前じゃないんだよ」っていうのも伝えていきたいし。俺たちが発信してもそれを受け取ってくれる人がいなかったら、コミュニケーションも成立しないわけだから。それでやめていっちゃうバンドもいっぱいいるしね。そういう意味でも神戸を一緒に楽しんでくれたらいいなと思います。



KO-TA 今回、活動休止という形になって、お客さんとか応援してくれてた人たちには悲しいとか残念な気持ちではあると思うんですけど、あくまでSWANKY DANKをより前向きにしたいための休止です。そこを分かってもらえたら、俺たちの勝手ではあるけどうれしいので、いつ帰ってくるとかどんな風にやるとかは決まってないですけど、よりよくなって帰ってくるので、残りのライブも遊びに来てくれればと思います。
 
店員 お待たせしました! こちら肉鍋でございます!



──何というタイミング!(笑) では大事なメッセージも十分にいただきましたので、ここからは飲み食いに専念していただいて(笑)。
 
一同 ありがとうございます!
 
YUICHI あ、ウーロンハイおかわり……濃いめで!(笑)

 
撮影 長谷 英史
 
 
2019.9.21(土)
REQUEST LIVE IN KOBE

 
会場:神戸 太陽と虎(ONE MAN)
開場/開演 18:00 / 18:30
チケット代 ¥3,300
 
INFO:太陽と虎
https://taitora.com/
 
 
2019/11/6 ON SALE
『Life is Full of Choices-Greatest Songs-』

CTCR-14975/B
¥3,000(税抜)
 
 
【SWANKY DANK OFFICIAL WEBSITE】
https://www.swankydank.net/
【SWANKY DANK Twitter】
https://twitter.com/SDANKofficial
 
 
 

炭火焼肉にくなべ屋 びいどろ 初台店
〒151-0053, 東京都渋谷区代々木4丁目-37-12
営業時間 17 時00 分~0 時00 分 定休日 年始
電話: 03‐6276‐2939
https://biidoro.jp/
 
 
高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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