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ハラミちゃん、小林幸子ら8組が熱演!千本桜誕生10周年フェスライブレポート!

2021.11.28



初音ミクが歌う人気ボーカロイド楽曲「千本桜」の誕生10周年を祝う音楽フェス「 千本桜10th Anniversary Festival 大胆不敵なハイカラ革命! 」が21日、舞浜アンフィシアター(千葉市)にて開催された。
当日はこの10年間で「千本桜」を歌ってみた、演奏してみた等の二次創作で話題になったアーティスト達が一同に集結。
出演アーティストは+α/ あるふぁきゅん。 、Ayasa、亜沙、ハラミちゃん、うみくん、まらしぃ、風雅なおと、小林幸子の豪華8組。
 
イベントのトップバッターは実力派女性歌い手の+α/ あるふぁきゅん。
オープニング映像の後、ピアノと歌でしっとりとしたバラード調にアレンジされた「千本桜」のサビからステージは幻想的な雰囲気でスタート。そしてお馴染みのイントロでバンドの音が一斉に鳴ると「舞浜アンフィシアター、盛り上がってますか!」と会場を盛り上げた。
その後「拝啓ドッペルゲンガー」「レッド・パージ!!!」「命のユースティティア」と立て続けにボカロカバーを披露。
MCでは「千本桜10周年という事ですが、私は10年前居酒屋でバイトをしながら歌の勉強をしてました。その当時から千本桜は存在し、10年後こんな舞台に立っているのはびっくりする出来事。」と、この10年を振り返った。
 
+α/ あるふぁきゅん。のステージが終わるとイベントMCの百花繚乱、藤田咲が登場。百花繚乱はボカロカルチャーの黎明期よりネット上の番組でMCやコメンテーターを務めシーンを見つめてきた第一人者。そして藤田咲はご存知、初音ミクのキャラクターボイスを務める中の人。この世界に造詣のある2人によるオープニングトークは興味深い内容となった。
 
次に登場したのはコスプレをしての演奏が世界中で話題のバイオリニストAyasa。
1曲目は話題沸騰中のクリエイターKanariaのブレイク作「KING」のカバー。初っ端から演奏しながらステージを駆け回り、ロックバイオリニストという唯一無二の存在感を十分に見せつけた。その後も「少女レイ」「ロストワンの号哭」と人気ボカロ曲のカバーを披露。
MCでは「今日はこれから皆さんは何度千本桜を聴くことになるのでしょうか?」と笑いを誘い、「これまで色々なステージで千本桜を何百回と演奏して来て、私自身何度もこの楽曲に助けられて来ました。」と感謝を表した。
そして最後に手数の多い激しいフレーズで「千本桜」を奏でた。
 
3番手はボカロPであり、和楽器バンドのベーシストも務める亜沙が登場。
普段からバンドの看板曲として何度となくベースを奏でて来た千本桜をこの日は自身がボーカルポジションを取り1曲目に持って来た。
その後「道玄坂ネオンアパート」「黄昏昭和の駅前で」と自身のオリジナル曲を披露。
MCでは「自分もプロとしてデビューして10周年。千本桜にも育てて頂きました。」と感謝を表した。
最後に自身のオリジナル曲「 Just close to you」をギター1本の弾き語りで披露した。
 
そしてグランドピアノと共にステージ下からせり上がりで登場したのは、チャンネル登録者186万を誇る人気YouTuberでポップスピアニストのハラミちゃん。
ピアノ1台のみで千本桜の演奏をスタートさせると、独特の表現力と音の厚みでオーディエンスを圧巻。
続けて同じく初音ミクオリジナル曲で、ボカロシーン創世記珠玉の名曲「初音ミクの消失」を披露。2008年当時大きな話題となった、人間では到底歌いこなせない高速フレーズを右手の超絶技巧で表現しオーディエンスを沸かせた。
MCでは「この2年半のストリートピアノ活動の中で、一番多く弾いて来たのが千本桜。両国の土俵や神社等、色んな場所で弾いて来ました。本当にストリートピアノという文化においては千本桜は無くてはならない存在。」と楽曲の功績を称えた。
続けて自身のオリジナル曲「雨」を披露。最後は「千本桜」と同じく彼女の存在を一躍世間に知らしめたX-JAPANの「紅」のカバーでステージを終えた。
 
後半戦のトップバッターは総動画再生回数1.1億回以上を誇るYouTuberのうみくん。
1曲目は人気YouTuberの “7人兄弟” をバックダンサーに従え、持ち前のハイトーンボイスを生かし原曲のキーで千本桜を歌唱した。
2曲目は自身の歌ってみた動画が300万再生を超えたボカロ曲「ロキ」を披露。パワフルなボーカルとステージアクションで会場の空気をロックフェスのような雰囲気に変えた。
 MCでは「こうしてリアルにライブが出来るのは医療従事者の皆さん、運送業の皆さん、接客業の皆さんとみんなが頑張ったお陰だと思っています。」と、自身久々のリアルイベント参加に感謝を述べた。続けてピアノとアコースティックギターに合わせてボカロの名バラード「心做し」を熱唱。最後は自身の最新オリジナル曲「ダウナーボーイ」で締めた。
 
続いてステージに登場したのは2013年TOYOTAアクアのCMで「千本桜」を演奏したピアニストまらしぃ。
この日はスタートから軽快なリズムが心地良い「Love Piano」、昨年初音ミクとのコラボで飲料のCM用に書き下ろした「青く駆けろ!」とオリジナル楽曲を2曲続けて披露。「最初に自分のお金で買ったのが初音ミクさんのねんどろいどでした。そんなミクさんと千本桜には本当に御恩を感じております。」と感謝を述べ、その後は「プレリュード」「チョコレイトディスコ」「千本桜」と自身がTOYOTAアクアのTVCMで演奏した3曲をメドレーで披露した。
 
そしてトリ前を飾ったのは人気歌声合成ソフトVOCALOIDの日本語・男性版「KAITO」の声を担当する歌手、声優の風雅なおと。
冒頭、KAITOの人気曲「卑怯戦隊うろたんだー」のイントロが流れるとオーディエンスはペンライトの色を一斉に青に変え総立ち状態に。
もう、この曲自体がサプライズといった雰囲気だ。MCでは「千本桜が誕生した9月17日は僕、風雅なおとの誕生日でもあります。」と千本桜との親近感を語った。続けて舞台「音樂劇千本桜」の劇中歌として黒うさが書き下ろしたKAITOオリジナル曲「上弦の月」を披露。最後はこれまた黒うさ作詞作曲によるKAITO珠玉の名曲「カンタレラ」を熱唱しステージを後にした。
 
大トリはやはりこの人、ラスボスこと小林幸子。
ステージ下のせり上がりから神々しい姿が登場し、千本桜のサビをスローテンポで歌い始めると客席は再度総立ちに。
千本桜を歌う時の専用衣装とされている桜が散りばめられた豪華絢爛な衣装はラスボスのトレードマークとも言える。
そしてMCでは「数年前、千本桜を紅白歌合戦で歌わせて頂いた時に演歌ファンの皆さんがこの曲を好きになってくれました。これからも世のため、人のためにこの曲を歌って行きたいと思います。」と新たな決意を語った。次の曲はスタッフからのリクエストでセットリストに組み込んだという1998年公開の映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』のエンディングテーマ「風といっしょに」。懐かしさのあまり涙ぐむオーディエンスも。その後のMCではイベント司会の百花繚乱がステージに登場し、既に出番を終えていた亜沙をステージに呼び込むと小林と亜沙のこれまでの親密な関係性が伺えるトークに花が咲いた。その後サプライズで「吉原ラメント」を2人でコラボ歌唱。亜沙は自身の代表曲を小林とのコラボのために取っておいた格好だ。
そして最後はこれまたイベント側のスタッフに熱望されたという、200万枚以上の売り上げを誇る1979年の大ヒット曲「おもいで酒」を熱唱。歌謡界を代表するスーパースターのパフォーマンスは圧巻の一言。
 
ここで全出演者のパフォーマンスは終了した訳だが、MCの二人が再度全出演者をステージに呼び込むとステージセンターにはグランドピアノもセットされ、何かが始まる空気が漂う。そう、この日8回目となる千本桜を全出演者で披露する運びに。
MC藤田咲の「きっと最後は大団円、千本桜!」のコールと共にAyasaのバイオリンとまらしぃ。、ハラミちゃんの連弾によるイントロが始まった。その後1フレーズずつ歌い手勢が交代で歌唱し、サビではバックで流れる初音ミクの歌声と共に全員での歌唱となった。
こうして各々のアーティストがそれぞれの表現で千本桜を歌い、演奏した3時間半は幕を閉じた。
 
 “きっと最後は大団円” 
 
曲のフレーズにある通り、楽曲誕生から10年後、様々な世情を乗り越えオーディエンスを入れたリアルな公演で千本桜10周年を祝えたことは、この曲を歌い演奏してきた出演者達にとっても、そしてこの曲を愛してきたオーディエンスにとっても最高メモリアルとなった一夜だったことは間違いなさそうだ。
 
 
 
【セットリスト】
●+α/ あるふぁきゅん。
千本桜
拝啓ドッペルゲンガー
レッド・パージ!!!
命のユースティティア
 
●Ayasa
KING
少女レイ
ロストワンの号哭
千本桜
 
●亜沙
千本桜
道玄坂ネオンアパート
黄昏昭和の駅前で
 Just close to you
 
●ハラミちゃん
千本桜
初音ミクの消失


 
●うみくん
千本桜
ロキ
心做し
ダウナーボーイ
 
●まらしぃ。
Love Piano
青く駆けろ!
プレリュード
チョコレイトディスコ
千本桜
 
●風雅なおと
卑怯戦隊うろたんだー
上弦の月
カンタレラ
 
●小林幸子
千本桜
風といっしょに
吉原ラメント
おもいで酒
 
●オールキャスト
千本桜
 
 
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