新企画始動! 貴水博之×ats-,清水武仁&渡辺徹 Feat.AXL21座談会 第四回
2018.07.16
仮面ライダー

次世代ユニットX21から選抜されボーカルを務めたAXL21と、ats-、清水武仁、渡辺徹の“スーパークリエイター”3人が手掛ける『仮面ライダービルド』の挿入歌。
その裏側に迫るavex management web(以下 AMG Web)での週刊連載だが、この度、新たな座談会企画がスタート。ゲストに迎えるのは、『仮面ライダーエグゼイド』で、仮面ライダークロノス/檀正宗役を演じ、歌手&俳優としても活躍するaccessの貴水博之!
第4回目は『エグゼイド』編のファイナル。貴水博之が歌う「Believer」を皮切りに、今、各人は『エグゼイド』について、どのような想いを抱いてるのか――。作品への想いをとことんまで語り合ってもらった。
テキスト:トヨタトモヒサ
写真:阿部薫
●劇伴+歌で生まれた「Believer」
――3曲目が『ゲンムVSレーザー』の主題歌「Believer」です。アクション系の2曲に対して、こちらはバラードですね。
貴水:これもまた素晴らしい楽曲だったけど、主題歌ということで、「Wish in the dark」、「JUSTICE」とはまた違う責任感がありましたね。
末永:珠里がめっちゃお気に入りの曲だ!
田中:めちゃくちゃ好き! もう大好き!! 特に最後、激しく盛り上がるんだけど、途中音が止まって優しく終るところが堪らなくカッコいいなって。こんな音楽の表し方があるんだって思いました。
――その箇所は、貴水さんのセルフディレクションで、表情を変えて何回も録られていたそうですね。
田中:そうだったんですか!
貴水:ええ。そこは皆さんにご理解いただき、歌わせてもらいました。
末永:ライダーソングといえば、疾走感がある曲が多い中、「あ、こういう世界もあるんだ」って新しい発見でした。もう、とにかく全部カッコいい!
田中:カッコいいのは当たり前!(笑)。
末永:言葉に応じての声色、語尾への気遣い、ニュアンスの違いと、自分たちにはとてもじゃないけど、手が届かない領域です。
貴水:いやいや、お互い頑張ろうよ!
田中&末永:はい!!
――アレンジは「JUSTICE」に続き、清水さんと渡辺さんが担当されていますね。
清水:何かある?
渡辺:これって『ゲンムVSレーザー』のラストシーンから被るって話しだったんですよね。
清水:ええ。
渡辺:そこがちょっと大変でしたね。
貴水:そうだ。それでイントロをけっこう長く作ったんだよね。
清水:挿入歌を作るために映像がある珍しいパターンでした。
渡辺:雨のシーンで。
清水 :「ここまではBGM的に使い、ここから貴水さんの歌が流れるようにお願いします」というオーダーでした。映像ありきの音楽から繋がり、ヒロの歌になる。そこは他の劇中歌とは違い、ひとつ特徴を形作っていますね。
渡辺:劇伴+歌みたいな。
清水:そう。分けなかったことで、劇中の世界観を上手く引き継いだ曲になった気がします。ちなみに、今この取材で写真を撮ってくださっているカメラマンのべーあんさん(阿部薫さん)は実はドラマーが本業で、「Wish in the dark」、「JUSTICE」、「Believer」でも楽曲に合わせて素晴らしい演奏を披露してくれました。
貴水:大先生ですね!
清水:「Believer」は深夜にレコーディングしたのですが、別の現場から駆けつけてくれたにも関わらず、もう絶好調で。そこも聴きどころじゃないかな。
――「Believer」は、『エグゼイド』では最後の曲になりましたが、いかがでしょうか?
貴水:3曲とも、ほとんど絶望に近い中で、それでももがき、何かを見出したいという共通した世界観がある中、「Believer」は最後にちょっと疑問を投げかけて終わるんですよね。そこは聴き手に色々な意味で受け取ってもらえるのかなと思っています。皆さん、それぞれが置かれている立場や環境に置き換えると、何かしら入ってくるものがあるはずです。僕としては、ひとりでも多くの方に感じてもらえるように気持ちを込めて歌い、皆さんに委ねたつもりなので、気に入ってもらえたら嬉しいですね。
●『エグゼイド』で得たもの
――ここまで『エグゼイド』の話題を取り上げましたが、それぞれ総括していただければと思います。
貴水:檀正宗役を通じて、番組を盛り上げる役目を果たせたつもりですし、悪役ながらも大勢の方に支持していただくなど、僕にとっては、本当にかけがえのない経験でした。今はその経験に感謝しつつ、『エグゼイド』で吸収したものを次の活動で発散していきたいですね。
清水:劇伴を手掛けてみて、様々な擦り合わせを経て、曲をたくさん創らなくちゃいけない大変さはあったけど、ずっと頭の片隅にあった「自分だったらこうするんだ」ってイメージを具現化することができました。我々は普段J-POPの制作が中心だけど、「特撮」、「仮面ライダー」というジャンルも魅力的でしたし、まぁ、「楽しかった」の一言ですよ。
ats-:『エグゼイド』の劇伴を担当して、他のクリエイターから「仮面ライダーの音楽やってる、いいな」って視線を感じることがあるんですよ。そこはちょっと誇らしく思いますね。
渡辺:テレビ&映画を通じて、何かひとつの作品にガッツリ関わってみたいと思っていてので、またとない機会でしたね。特にテレビは、毎週放送される度にこの間作ったばかりの曲が流れるわけですが、その「アップデート感」が新鮮でした。後、笑い話だと、家にオモチャが増えました(笑)。クロノスのフィギュアももちろん予約しました!
ats-:僕もです(一同笑)。
貴水:もう、みんな素晴らしい! 先日、サンプルを見せてもらいましたが、めちゃくちゃカッコいいんですよ(笑)。
ats-:それと僕くらいの世代になると、お母さん世代も周囲にいるわけですが、「ママ会でポッピーの歌を歌って大盛り上がりした」なんて話を聞くと、親子揃って一緒に楽しめる音楽を作ることができて、とても光栄だと思いますね。
清水:何より、こうやってご縁の深い方々と音楽を創らせてもらえたのも貴重な機会でしたね。
貴水:時間が経って、振り返れば振り返るほど、仮面ライダーになれたのはラッキーだったなって。というのも、最近、番組を観てくれたお子さんや視聴者の方が檀正宗役を通じて、accessに興味を持ってくれたり、街中でも、男性から声をかけてもらう機会が増えてきたんです。改めて全国区で浸透している番組なんだなと身に染みて思いますよ。
田中:私たちもX21の握手会で、ファンの方から「『ビルド』の挿入歌を歌っているんですね」と声をかけてもらうことが少なくありません。「仮面ライダー」というコンテンツの大きさや責任はすごく感じます。
貴水:影響力は大きいよね。僕は悪役だったから、ロケ先で、お子さんに「カッコイイ」と言われると、「マネしちゃダメだよ」なんて言ってたけど(笑)。
ats-:ちなみに「絶版だ」は、今はもう言ってないんですか?
貴水:いや、ライブではけっこう言わせてもっていますね。Twitterでもつぶやくと「いいね」がすごくて(笑)。
清水:そうやって「入ってくる言葉」ってありますよね。
貴水:あるよねぇ。
ats-:LINEスタンプの「絶版だ」も使ってますよ(笑)。
貴水:そういう広がり方も出演者としては嬉しいですよね。でも、逆に今、やめどきが分からなくなってる(笑)。
清水:じゃ、どこかで区切りを?
貴水:いやいや、やれる限りやりますよ!
末永:『ビルド』の挿入歌に関わり、楽曲と作品の関係性を気にするようになったので、『エグゼイド』ではどんな風に楽曲が生かされてきたのか、とても興味があったんです。今回、貴水さんやクリエイターの先生方からうかがったように、自分たちも歌手の立場から、『ビルド』を通して、きちんと役目を果たしていればいいなと思います。
――最後の質問です。これまで数々の音楽活動を行ってきた貴水さんですが、『エグゼイド』の音楽チームとの仕事はいかがでしたか?
貴水:皆さん、本当にプロフェッショナルの塊のようなチームでした。特に僕はかなりこん詰めてやるタイプで「いいや」と妥協はできないから、普通だったら、まあ、嫌がられるんですよ(笑)。でも、そこをエイベックスの皆さんは実に懐が広く、僕からの様々な要望を快く受け入れてくれました。3曲とも納得がいくまでやらせてもらえたので、ただもう感謝しかありません。僕としても、末永く大事に歌っていきたいと思いますね。
☆これまでの記事はこちらから
第一回
https://avex-management.jp/news/180602_5538
第二回
https://avex-management.jp/news/180609_5561
第三回
https://avex-management.jp/news/180616_5583
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【貴水博之オフィシャルホームページ】http://www.guanbarl.jp/LINKS/takami/
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【仮面ライダービルド公式HP】http://www.tv-asahi.co.jp/build/
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