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Natumi.

【Natumi.】「自信を持つ」というのが自分の中の課題

2024.01.12
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音楽
インタビュー
1月10日に4曲目となるシングル「クルワセ」を配信リリースしたシンガーのNatumi.さん。この曲はテレビ東京系ドラマチューズ!『夫を社会的に抹殺する5つの方法 Season2』の主題歌として書き下ろされたもので、1月9日よりオンエアされています。彼女自身、大きなチャレンジになったというこの楽曲についてお聞きしました!


ドラマ主人公が内に秘めたドロッとした復讐心を表現した「クルワセ」




──今回の新曲「クルワセ」は1月9日に始まったドラマ『夫を社会的に抹殺する5つの方法 Season2』の主題歌ということですが、もう楽曲と歌詞がもう出来上がった状態で接したという感じですか?
 
Natumi. 最初はデモが来て、そこから歌詞が若干変わった感じでした。レコーディングの前にはドラマの脚本もいただいて、内容も分かった上でレコーディングに臨みました。
 
──脚本を読んでどう思いましたか?
 
Natumi. 2023年のはじめ頃に「Season1」が放送されたんですけど、そこでは悪者が全員憎めないなっていう感じで終わったイメージだったんですね。でも今回はちゃんと悪い人がいるというか(笑)、「Season1」よりもっとサスペンスに寄った内容だなと思いました。脚本を読んでて、「どうなるんだろう?」ってすごく続きが気になって(笑)。主人公がもうかなりズブズブと復讐に燃えるイメージだなと思いました。
 
──普段、そういうタイプのドラマとか映画は見る方ですか?
 
Natumi. ときどき見ますね。「Season1」はYouTubeのショート動画で回ってきたのがきっかけで、今回のお話をいただく前に拝見してました。
 
──楽曲の方に関しては、どういう印象でしたか?
 
Natumi. 楽曲自体は全体的にR&Bっぽい感じのリズムでちょっとおしゃれな感じですけど、ドラマの内容に合わせて主人公のちょっとドロッとした感じ、復讐に燃えるところがすごく出てる楽曲だなと思いました。
 
──Natumi.さんの歌い上げるスタイルが、楽曲にマッチしているように感じました。

 

Natumi. 本当ですか? そう感じていただけたらすごくうれしいです。私自身、R&Bはあまり歌ってきてなかったので、私の中ではけっこう抑えてたんですよ。歌い上げるところももちろんあるんですけど、イメージとしては6~7割ぐらいで歌ってた感じです。
 
──サビの部分もですか?
 
Natumi. そうですね。サビも含めて、全体的にちょっと抑えるイメージで歌ってました。というのも、レコーディングに入る前に、一度がっつり歌ったタイプのものを自分で録って、ちょっと試してみたんですね。でもドラマの脚本を拝見させていただいたときに、ちょっとイメージとズレがある感じがしたんです。何でだろうなと思ったときに、主人公が復讐心を隠しながら夫に関わっていくという部分もあるので、本心はドロッとしているんだけど表面には出してない、みたいな部分を表現したくて、それで抑えるようにしました。
 
──ディレクションもあったんですか?
 
Natumi. そうですね。最初はリズムに合わせてタイトに歌うのがちょっと苦手で、どうしても流れてしまうという部分と、シンプルになりすぎる傾向があるので、もうちょっとしゃくりとかを入れた方がというディレクションをいただきました。最初のキーチェックの段階で聴いていただいて、本番のRecに向けての間でしたね。私自身、楽曲的に苦手だなというイメージもあったので、ディレクションをお願いして、詰めていきました。本番では雰囲気みたいなものを重視して歌いました。
 
──歌詞に関して、共感できる部分や印象に残る部分というと?

Natumi. 個人的には印象的な出だしの部分と、サビの歌詞が主人公に寄せたというか、復讐心を抱えている部分がドロッと出ていて、そこが好きですね。
 
──シングルとしては、「pARTs」でのデビューから「ラストノート」「Knock」に続いて4曲目になります。この間、ご自分の進歩や成長という点での手応えはいかがですか?
 


Natumi. 「ラストノート」も自分にとってはけっこうチャレンジだったんですけど、デビューから「Knock」までは自分の高音を生かして、歌唱力を強調する歌い方をしてきました。今回の「クルワセ」はそれとは全く違った新しいNatumi.というところで、本当にチャレンジするという部分がすごく大きくて。それをちゃんと自分として表現できたっていうのが成長かなと思います。

──そのチャレンジする部分というのは、先ほど言われたようなビート感だったりというところですか。
 
Natumi. そうですね。特にビート感っていう部分と、わりと淡々とした楽曲なので、そこをどうやって飽きないように聴いてもらえるかっていう部分、表現的な部分でどう引き込めるかなというところでチャレンジだったかなと思います。
 
──そういう意味では、今までの楽曲とは臨む姿勢がだいぶ違った?
 
Natumi. そうですね。本心ではちょっとビビっているというか(笑)、「大丈夫かな私、頑張れ!」みたいな感じで、自分を鼓舞する形で挑戦してました。出来上がったものを聞いて満足する部分もありますし、「pARTs」の時と同じような不安感がある部分もあります。
 
──それは、リリースして世に出るにあたっての不安感ということですか?
 
Natumi. はい。自分では自信がある一方で、チャレンジした部分がどうかな?と不安になる部分もあるっていう感じですね。最近は、「自信を持つ」というのがちょっと自分の中の課題でもあるので。
 
──そうなんですか?
 
Natumi. はい。自信を持つ一方で、ちょっと不安に思うことがすごく多いので。でも毎回、プレッシャーも感じますし、その中でどう成長していけてるかというチャレンジでもあるので、ワクワクもしながら、毎回新鮮な気持ちですね。まだ全然デビューした時と同じ感じで、すごく緊張します(笑)。

──ただ活動を重ねて、「私はこれなんです」みたいなところも出てきてはいるんじゃないですか?
 
Natumi. そうですね。私の中での、楽曲としての完成イメージみたいなものはある程度、統一感があるのかなと思っているので、徐々にそういうものが出せていけてるのかなと、徐々に思っています。
 
 
私が一番「クルワセ」られているものは……?
 
 
──さて、この曲は「クルワセ」というタイトルですが、Natumi.さんが「どうしてもクルワセられてしまう」ものというと?
 


Natumi. 食べ物ですかね(笑)。食べるのがすごく好きで、クルワセられることが多々あります(笑)。
 
──「食べるのが好き」という話は、過去のインタビューでも出てきましたよね(笑)。なので、食べ物かアニメかどちらかかなと思っていました。
 
Natumi. 迷いました(笑)。アニメ、ゲームか食べ物かでメチャメチャ迷ったんですけど、食べ物の方が、ちょっとクルワセられてるかなと思って(笑)。日によって、食べたいものの気分が変わるんですけど、それによって特にクルワセられてるんじゃないかなと(笑)。例えば、自炊で作り置きしたとしても、気分じゃないなと思って食べなかったりすることもあって、そういうのでクルワセられてるなと思いますね。
 
──それは(笑)。最近、一番クルワセられた食べ物は?
 
Natumi. 一番直近だと、冷蔵庫の中にトマトスープがあったのに春雨スープが食べたくなって、あやうくトマトスープがもったいないことになってしまうところだったんですよ。結局はもったいないと思って食べ切ったんですけど(笑)。
 
──それはよかったです(笑)。ただ、メチャメチャ迷ったというぐらいだから、アニメやゲームにも……。
 
Natumi. 相変わらずクルワセられてますね(笑)。直近のお気に入りは、アニメだと『薬屋のひとりごと』と『呪術廻戦』……王道ですけど。ゲームは、ちょっと前は『モンスターハンターNow』をやっていたんですけど、最近また『ウマ娘』をダウンロードして、ちょっとポチポチしちゃってます(笑)。
 
──「avex portal」にご登場いただくのは約1年ぶりになります。2023年はご自分にとってはいかがでしたか?
 
Natumi. 自分自身、もうちょっと曲を出してみたかった部分はあったんですけど、「ラストノート」「クルワセ」というけっこう大きいチャレンジをNatumi.としてできたかなという部分が大きいかなと思っていて。あとは地元でラジオをやったりだとか、ラジオの生出演イベントが私の中で印象に残っていて、そういう活動ができてすごくうれしかったです。
 
──2022年の年末、2023年をどうしたいと言っていたか、覚えてますか?
 
Natumi. ……覚えてないです(笑)。「自分らしく」……は何か違う気がするし……。
 
──「慎重に一歩一歩」でした。
 
Natumi. ああ、そうでした、そうでした!(笑)。今それを聞いて思い出したのは、自分のイメージしていた「一歩一歩」というところまでは行けてないかなというところはあるんですけど、一歩、前進できてるかなとは思ってますね。それこそチャレンジできてる部分、保守的にならずにちゃんと進めているところと、あとはずっと「自分らしさ」みたいな部分が課題で。歌に関してもちょっとずつ、自分の歌いたい歌みたいなところがちょっとずつ固まってきてはいるかなという部分で、それが表現できたというところでは、進めてるかな?とは思うんですけど。まあでも、自分としては「一歩」がちょっと小さすぎたかなっていうところはありますね。
 
──それを踏まえて2024年は?
 


Natumi. 自分自身、見てもらう努力がちょっと足りなかったなという部分で、それこそ大きな「一歩」にするためにも、もっと積極的に自分から発信して、いろんな人の視界に入るというか、見てもらうというのが目標ですね。
 
──そのためにこんなことをしてみたいということはありますか?
 
Natumi. もっとライブの機会があるといいかなと思いますね。自分としては小さいライブでもいいので。2023年は思ったよりも、ライブという形で皆さんに歌を届けることができなかったので。あとはSNSや配信ライブを増やすことで、たくさんの人に歌が届けられるように活動していきたいなと思ってます。まずは「クルワセ」が、たくさんの方に届くといいなと思ってます。

──ドラマや配信を通じて、この曲はいろんな人の耳に入ると思います。最後にメッセージをお願いできますか?
 
Natumi. この曲は本当に主人公の気持ちに沿った楽曲で、主人公も、その周りの人たちも狂っていくという部分が表現できている曲だと思うので、ぜひ、ドラマと楽曲を楽しんでもらえればうれしいです。

 
撮影 長谷英史



「クルワセ」
テレビ東京系ドラマチューズ!「夫を社会的に抹殺する5つの方法 Season2」主題歌
2024.1.10 デジタルリリース





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高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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