【kolme 祝7周年】良い7年間を歩んでこれて、10年目のビジョンが出来てきた!
2021年12月30日に活動7周年を迎え、「kolme 7th Anniversary Party~ナナナ7周年~」(代々木LIVE STUDIO LODGE)を開催、そして配信シングル「Upgrade me」をリリースした3人組ガールズユニットkolme。
さらに1月26日には初のミニアルバム『Hajimete No Mini Album』も発売決定。これまで3人で時に流麗、時にパワフルなダンス&ボーカルで魅了してきた3人が、この2年の環境の変化と向き合って作り上げた、まさに「Upgrade」な1枚。そんな楽曲はもちろん、ジャケットイラストはMIMORI、DVDに収録されたOFF SHOT映像はKOUMIが手掛けるなどkolmeのクリエイティブさがより前に出たミニアルバムになりました。
「ダサいタイトルだな、でも……」ってギャップを感じてもらえれば(笑)
──今回のミニアルバム、まずタイトル見て「どうしたkolme?」と思ったんですよね。
RUUNA ですよね(笑)。これまではアルバムタイトルの決まりとして『Do you know kolme?』『Hello kolme』とかグループの名前を入れてきたんですけど、「ミニアルバムはどうしよう?」って話になったんです。
KOUMI 「今回はkolmeつける? どうしようか」って。
RUUNA これまでのアルバムのタイトル遊びとは変えて、シンプルでもいいのかなって話になって、2案出たんです。『Hajimete No Mini Album』か……。
MIMORI 『kolme FIRST MINI ALBUM』か。
──ほぼ意味は同じですね(笑)。日本語か英語かで。
RUUNA それで多数決取ったら、スタッフさんも含めて『Hajimete No Mini Album』が多くて。
KOUMI みもちゃんだけ『FIRST MINI ALBUM』だったんですよ。
MIMORI 6対1くらいで圧倒的に負けました!(笑)
RUUNA 自分たちで言うのもなんですけど、ダサいタイトルだと思っていて(笑)。でも、こういうタイトルで興味持って聞いてもらえたらいいなって。「ダサいタイトルだな、でも聞いてみたらかっこよかった」ってギャップを感じてもらえれば。いい意味で格好つけるのをやめてみた感じです。
KOUMI 一見格好いいと思ったら日本語だった、みたいな(笑)。
RUUNA あと迷ったのは「HAJIMETE」を「HAZIMETE」にするかどうかでしたね(笑)。
──前のアルバム『Do you know kolme?』が2019年11月で約2年ぶりのアルバムになるわけですが、それと比べるとこの2年の空気感が出てるミニアルバムですね。ダンスミュージックのイメージが強かったkolmeが、コロナ期間に何を思って作り上げてきたかが出ているというか。
KOUMI 去年や今年のはじめ、みんなが落ち込んでた時期があって、その時期はみんな元気にさせるくらいのポップな曲ばかり出してたんですけど、今少し落ち着いてきてしっとりした曲も出せるようになって。そういう空気が出てるかもしれないですね。
RUUNA 今回収録された『See you feat. fox capture plan』はわたしたちが憧れていたバンドfox capture planと一緒に作らせていただいたんですけど、こういう状況にならないと作れなかった楽曲だと感じていて。一昨年が活動がままならなかったのに比べると、今年はツアーもやらせていただいて、皆さんの前で歌える喜びをはじめとして今まで当たり前にあった環境がどれだけ自分たちにとって大切かというのを感じましたし、「自分たちが存在するのはこの場所しかない」というのを強く思ったんです。曲は定期的に配信リリースしてたんですけど、みなさんにステージを見ていただくことで完成するんだなって。そういう「自分たちが音楽やっている意味」をあらためて感じるきっかけになった曲になりました。そういった意味でも「皆さんとは私たちは会えない距離があってもこのミニアルバムを通してつながってるんだよ」って感じてほしいです
ダンスがないことでこれまでになく歌だけに集中して挑んだ作品に
──今回のミニアルバムはアコースティックバージョンが2曲あるのもありますけど、ダンスミュージックが軸にあったこれまでのアルバムに比べると全体的にリラックスして聴ける感があります。
MIMORI そうですね。自分たちもこの2年で音楽を聴く環境がほんとに変わって、おうちでまったりしてる時に聴くことが増えたんですね。だから何回も聞いた人には楽しみを与えるじゃないですけど、何回も聴いて気づくこともあるけど、普通に聴いても格好いい、ということを意識して作りました。
RUUNA これまでアルバム制作となると「今回はこういうテーマにしよう」と意気込んで作る事が多かったんです。でも今回は「こういうのをやってみたい」「今まで出来なかったジャンルをやってみよう」みたいな感じで、自然と出てきたものをまとめてみたところもありますね。
──この2年のコロナ禍の影響で、kolmeの3人にクリエイティブな面で変化とかありますか? オンラインイベントが当たり前になったりすることで物の考え方や作り方の変化があったりするのかなと。
MIMORI 今まで曲作る時には「ライブでほしい曲」「踊ってこういう曲あったら格好いいなって思う曲」だったのが、最近は「配信でどう聴いてもらえるか」を意識するようになりましたね。
──作曲・トラックメイク担当のMIMORIさんは曲の作り方とか変わりました?
MIMORI これまではダンスの比重も大きく作ってたのが、自分たちの歌をどう聴かせるか、自分たちの声質を生かしたメロディーを重視するように変わってきましたね。
KOUMI いままでは書いた歌詞を音にハメるにしろ、音をいちばん重視してたんですけど、最近はみんな音楽をイヤフォンで通勤時間に聞いたりするようになってきてますし、今まで以上にどういう歌詞がみんなの心に響くのか、覚えやすいのか今まで以上に考えた作品になったかなと思います。
──詞の言葉選びや乗せ方も格好よくなってますもんね。
RUUNA あと今年アコースティックでツアーも回らせていただいたんですけど、アコースティックだと「踊らない」ので、それが自分たちにとって手持ち無沙汰だったりしたんです(笑)。ずっとダンスとセットで歌詞を覚えてきたので、歌うだけだと歌詞を忘れちゃうんですよ。
──今まで何回も歌ってきた曲なのに!
RUUNA 「この振りの時にこの歌詞を歌う」とか一緒にインプットしてるので、ダンスがないと「なんだっけ、ここの歌詞?」ってなっちゃうんですよ。これまではダンスと歌がセットだったから、こんなに歌だけに集中して挑むというのが今までなかったんですね。なので、これまでとは違った意味で頭を使うリハで、自分たちの歌や歌詞に初めてガッツリ向き合った気がしました。
──ただのバージョン違いではないと。
RUUNA それに今回ファーストアルバムで歌ってた楽曲をアコースティックバージョンにすることで、あらためて自分たちの歌詞をしっかり聞き直したんですね。あらためて思ったのが、よく18歳であの歌詞書いてたなって(笑)。生き急いでたじゃないですけど、ずいぶん大人っぽく見せたかった、背伸びしてたんだなって思いますね。今の自分たちの立場になって感じる部分があったりして、当時書いた歌詞が今自然に似合うようになったんだなって思います。
MIMORI 昔に比べて歌い方が一切変わってるんですよ。アコースティック音源作るってなって、昔の曲そのままだと今の声質に合わないねってかなり手を入れました。歌い方も変わったし声質も変わったけど、そのことで自分たちがやりたかった音楽が染みてくるというか、似合うようになってきた。それは嬉しい変化だなって思いますね。
──KOUMIさんはあらためて昔の曲を聞いてどう感じました?
KOUMI そうですね……デビュー当時からラブソングを書く大胆さは変わってないなと思いました(笑)。
RUUNA KOUMIちゃん英語歌詞が多いんで、ラブソングもダイレクトに伝わるというよりはやんわりなんですけどね。でもレコーディング前に英詞でも直訳したものを送ってくれるんですよ。でもそれ見たら「18歳でこんなこと書いちゃう?」ってヒヤヒヤしてましたね。
KOUMI 英語だから書ける大胆さってありますね。日本語だと書けないけど、それをうまく利用して大胆なこと言ってます。それは変わってないです、いい意味で(笑)。
「かわいい!」から芯の強さが見える女性へとUpgrade!
──さて一曲ずつ曲について紹介してほしいんですが、まずは「Upgrade me」。先程話に出た英語歌詞から始まるんですが、訳してみると「私は普通の女の子にはなりたくないんです。こんなことになってしまってごめんね。これは私の人生を生きるための物語。わたしはただ自分がなれる全てになりたいんです」と日本語にするとたしかに強い!(笑) 訳はこれで合ってます?
KOUMI だいたい合ってます(笑)。あらためて日本語で言われると恥ずかしいですね! これは元々みもちゃんの歌詞を、うまく英語で伝わるように咀嚼して翻訳した歌詞なんですけど。
MIMORI これは作った時期が尖ってましたね(笑)。kolmeが12月30日で結成7周年を迎えて、やっぱり今までは「可愛い女の子」っていうんですかね、「守られるようなかわいい女の子らしさ」を自分の中でも持ってきてたんですけど、私がこれからなっていきたいのは芯の強い女性で。そういう思いもあってこの曲が出来上がっていったところはあります。
──7周年当日発表というのあって前向きな楽曲です。
MIMORI 歌詞の意味としてはタイトル通りアップグレード、常に自分たちを更新し続けることで人生を楽しみたい、って気持ちを書いていて。人生を楽しむためには自分自信を好きにならなくてはならないし、好きになるには自分の理想へとどんどんアップグレードしていくこと、変化していくことが大切だなって言葉を歌詞にまとめてます。
──何かそういうテーマで書きたいと思った出来事とかあったんですか?
MIMORI 年齢もありますね。25歳って20歳と30歳の間でそこそこな節目だったんで、自分の中の分岐点として「かわいい!」みたいな感じで過ごしてきたものを、これからは芯の強さが見える女性としていきたいなって変化ですかね。
RUUNA みなさんにとって応援歌になるような楽曲に仕上がったと思っていて、「芯の強い女性」っていうのはこれまでのkolmeの曲でもちょっとずつ見えてきてたと思うんですけど、今こういう楽曲として出来上がったのは「これが自分たちが歩んできた道筋なんだな」って思います。デモ音源を最初にMIMORIから聴かせてもらった時に「MIMORI変わったんだな」って思ったんですね。「かわいいだけじゃない」ってMIMORIがいちばん気持ちが強いんじゃないかな。
──近いところにいるRUUNAさんから見てもそう思える。
RUUNA 3人の中で一番かわいい雰囲気を持ってるのがMIMORIってのもあるんですけど、その反動で作る楽曲も格好いいっていうかダーク寄りな曲が多かったんですね。それが今回こういう形で出てきたってのがわたし自身驚いたポイントで、kolmeとしても新しいアプローチだし、これがアルバムの表題曲がいいなと思いましたね。この曲を聴いてみて、みなさんが自分自身を愛せる人生を歩んでほしいです。モチベーションが落ちてたり、気持ちが落ちてる時にも自分を愛せる自分でいてほしいし、そんな落ち込んじゃう自分も愛してほしいし、それをダメだって奮い立たせる自分も愛してほしい。ほんとにそういう楽曲に仕上がったんじゃないかと思います。
──続いて2曲目は「Playback」。もともとこれは去年(2020年)6周年に向けて作っていた曲なんですよね。
MIMORI この時は本当に周りも沈んでいる時だったので、よりポップで明るい曲を作って音楽として楽しませようと思って作ったんですけど、そう考えた時に「自分たちの人生を音楽にかけれるのって本当に素晴らしいことだな」って思えたんです。音楽を通して皆さんとも会えて、自分の人生がミュージカルのように進んでいくのってなかなか出来ないし、ありがたいことだなってのを感じて。そうした感謝の気持ちから出てきた曲ですね。
──このコロナ禍でファンやリスナーとの関係性を考え直すみたいなことはありました?
MIMORI 今までライブ活動をメインにしてきたので、ライブを一切出来なくなったって意味では本当に変わりましたね。伝える場所がなくなってしまったので「自分たちをどう伝えればいいんだろう?」と難しい思いをしてきました。
RUUNA 伝わってるか目に見えて感じづらいのが、自分たちにとってはストレスというか不安ではありましたね。曲を配信リリースしたり発信はしてたんですけど、皆から返ってくるのがSNSとか文字でしかコミュニケーションがとれないってのがあって「これでいいのかな」「自分たちがやりたいことがみんなに伝わってるのかな」と不安な状態になることもありました。ただその分、メンバーと「どうしたら自分たちの気持ちがダイレクトに繋がるのかな」と伝え方を考えるきっかけになりましたね。
──振り付けも手掛けるKOUMIさんからすると、曲は配信リリースとか出来ますけど、ダンスはステージがないと、というとところもありますよね。
KOUMI 声が出せなくなってしまったし、マスクもあって有観客のライブでも皆の表情見ても楽しんでるのがわかりにくくなってしまって、皆とどうライブを作っていくか、どういう振り付けが身体をのせて踊りやすいのか悩みましたね。「Playback」はひさびさに振り付けつけた曲だったのですごい考えました。ライブでそういう部分も伝わってほしい曲です。
この数年で変わった3人の声質をMIMORIが徹底研究
──続いて「In my dream」「Precious」と過去の楽曲のアコースティックバージョンが2曲。タイトルを見るとアコースティックギターやピアノ・カホンといった生楽器でやるんだと思ったら……。
MIMORI 意外と電子音とか入ってるっていう(笑)。
──そうなんですよ。アコースティックの楽器を取り入れたトラックとして作り上げつつ、声も録り直してるんですよね。
MIMORI 「kolmeのアコースティックってこうだぞ」っていう意味も込めてます。アコースティックってのが企画としてあがったのが今年の夏かな? チャレンジしてみようって話になって、どういう風にしてみようか考えたんですけど、普通アコースティックバージョンってテンポを下げてピアノだけとかあるじゃないですか? でもあえてテンポは下げないで、自分たちの声をいちばん意識してそこに合わせた音で作ろうと考えたんです。
──さっきも7年活動してきて声の変化は感じるとおっしゃってましたね。
MIMORI 昔は3人の声ってもっと近かったんですけど、この数年で声質も変わって、その3つの声をどう活かそうかめちゃくちゃ考えました。あらためてメロディラインや歌い分け、それに3人がハモったらどう綺麗になるかってのを、いろんなハモリラインを研究したんです。今までは曲が出来ると、それぞれ自分なりの解釈で歌を仕上げてたんですけど、今回は「ここはこう伝えたいからこう歌ってほしい」って2人に直で伝えました。
RUUNA めっちゃ細かいんですよ! この2曲はレコーデイングはすんなり終わったんですけど、そこにたどり着くまでのリハがすごい細かくって……メモが細かい!
KOUMI もうボイトレの先生並み(笑)。
RUUNA うちはKOUMIは器用なタイプなんでさらっとやれるんですけど、ここ(RUUNAとMIMORI)は頑固同士なんで(笑)。お互い「こうしたい、こう歌いたい」って細かいことの希望や要求が強いんです。「ここの『ら』の最後の『あ』は息を抜いてほしい」とか、そういう事が書かれたメモが細かすぎて(笑)。MIMORIなりにこう聴かせたい、盛り上がって欲しいってニュアンスへの指導が強かったです。
MIMORI 今までもったいないなと思ってたんです。レコーディングまでに練習してはいくんですけど、やっぱりライブで歌いこんでからの方が歌に味が出て来るので、せっかくアコースティックで録り直すんならそれぞれの個性を生かして、もっと誇張して伝えないとレコーディングしてパッケージにした時伝わりにくいんですよ。より聴かせたい所を伝えるにはRUUNAさんはこうした方がいい!ってこの数ヶ月分析しましたね。
RUUNA 「MIMORIってこんなに細かいタイプだったっけな?」って思いました(笑)。
MIMORI O型なんで普段は大雑把なんですけど、アコースティックに関してはオケの音からハモリやピッチまで細かくなりましたね。今のわたしたちkolmeの歌声を感じてもらえる音源になったと思います。
──だからリミックスとも違うし、原曲を再構築・リビルドといった方が近いのかもしれないですね。
MIMORI そうかもしれないです。アコースティック作る時にはみんながお酒を飲みながら気持ちよく聴けるってのを意識してたんですけど、3人の今の声にあうようにリアレンジしていって、より大人の雰囲気というかロマンチックさが増したんじゃないかな。
みなさんとの約束、繋がりを感じる曲になりました
──次はシティポップ要素もある曲「Time goes by」。
MIMORI もともと「Playback」と同じ頃に作っていた曲で、6周年に際して歌っていきたい曲を作ってたんですけど、その時は「しっとりしていて今出す曲じゃないね」って思って圧倒的ボツだったんですよ(笑)。それでちょっと眠らせておこうよ、って事になったんですけど、こういう感じの曲結構好きだし、これまでにないシティポップを意識した曲だったので、今回ミニアルバムに入ることになりました。
──シティポップ感ありつつkolmeらしいサウンドに仕上がってます。
MIMORI その頃、海外で日本のレトロなシティポップが流行ってるってのを聞いてて、自分もシティ・ポップのメロディライン意識して作ってみようと思ったんですよね。レトロでいったらうちのRUUNAのがめちゃめちゃ合うんで。ライブで昭和曲のカバーやるくらい声質がピッタリなんです。でも、ただのシティポップじゃつまらないから、聴いてて面白くなるようにいろんな癖を入れてみました。
KOUMI 「Time goes by」はわたしが歌詞書いたんですけど、バラードだったりメロウな曲をここ数年ずっとやりたかったけどなかなかやる機会なかったので、今回ここで書けて嬉しかったですね。最初は日本語メインで英語少なめくらいのイメージだったのが、英語入れたほうがメロディが活かせるなと思って結局英語が多くなってしまったんですけど、どこか冬っぽいというか今にピッタリ来る感じの曲が作れた達成感あります。
MIMORI あとこれもレコーディングの時に歌い方をしっかり決めて作った曲で、いつもならいちばんナチュラルなKOUMIか、メインボーカルのRUUNAが先頭でいくんですけど、今回はわたしがいちばん最初で。自分が歌い出しっていつ以来だろう(笑)。
RUUNA Rumbさんのアレンジでボーカルのセレクトが面白い楽曲になってて、3人の声が楽しめる楽曲になってます。
MIMORI 普通のポップスにはしたくないと思って、じっくり聴いたらいろんなところで音が移動してたり遊びを入れてるので、ステレオで聴いてほしいです。
──そしてミニアルバムを締めるのはfox capture planとのコラボレーション曲「See you feat. fox capture plan」。
MIMORI この曲はコロナになってこの歌詞が出てきたんですよね。ファンにも友達にも会えない時期に、いままで気軽に言ってた「また明日ね」って言葉がすごく重く感じたんですよ。作ってたのもコロナ初期だったんで、本当に明日が来なくなる、会えなくなる人がいるかもしれない。この言葉って本当に大事な言葉だったんだな、って思って書きました。
RUUNA fox capture planさんとはその前から取材でご一緒したりして「いつか曲作りたいね」ってのがあったんですけど、この曲作る時に快く引き受けていただいたので、自分たちの憧れの方とのコラボも出来て嬉しい曲になりましたね。
──作ったころと今で歌ってみて違う感覚とかありますか?
RUUNA 今年のツアーでも歌わせてもらってるんですけど、みんなとの空気を引き締める楽曲になったなと思っていて。振り付けは普段ミュージカルとかやられてる方にお願いしたんですけど、いつものkolmeはダンスを見せる要素が強かったのが、今回は歌詞を伝えるためのダンスという側面が多いかもしれないです。特に最後の「Have a good time.」って歌詞のところで手を振る振りを入れていて、ツアーでやっていくと皆さんも振り返してくださるんですよね。言葉は変わせないですけど、そうやって皆同じ気持ちで心で「またね」を言ってるのを感じるんですね。
──そういう意味でもライブで皆の前でやって完成なところはある。
RUUNA ツアーやっててもみんなに元気でいてほしいってのがありますし、みんなにとってもこういう世の中なので気持ちが沈むことも多かったり、難しい気持ちを抱えてると思うんですけど、「この場所にくればいつでもわたしたちがいるよ」っていう思いはレコーディングの時よりもライブやることで強くなりましたね。みなさんとの約束、繋がりを感じる曲になりました。
KOUMI 作った時は本当にオンラインでしか会えなかったので、ネットをあまりやらない人とか本当に元気なのかな? って心配もあったんですけど、徐々にライブできるようになってパフォーマンス出来ることのありがたみというのを毎回感じられるようになりました。これからも歌っていくのが楽しみな曲だし、毎回歌っていくたびに気づかされるんだろうなあって思いますね。
10周年が見えてきたkolmeを楽しみながら人生の一部として歩んでいきたい
──さて今回の取材は2021年末なんですが、ミニアルバム発売から始まる2022年の抱負で3人締めてもらえますか?
MIMORI 今ミックス、アレンジミックスにもチャレンジしていて、今までアレンジャーさんにマスタリングやミックスをお願いしてたんですけど、ある程度自分でも出来るように勉強中なんです。ライブミックスとかマスタリングまでいかなくても、ある程度自分でミックス出来るようになって、それが自分の音としてみなさんに聞いてもらいたいと思ってます。来年は音にこだわってよりいい曲を作ります!
KOUMI kolmeとしての活動もそうなんですけど動画編集の腕が徐々に上がってきてて、これまではファンクラブサイトくらいしかあげてなかったのを、今回DVDにも収録されたり、もっと広く見てもらえるように頑張っていきたいと思います。
RUUNA 今度7周年を迎えるというので思うことがあって……。先日fox capture planのライブを見に行かせていただいたんですけど、それが10周年のツアーっておっしゃってたんですね。その「10周年」って響きを聞いて「kolme始めた当初は1年先のこともわからないし、自分たちで曲作って毎日を生きるのに必死って感じだったけど、今回7周年を迎える中で10年目のビジョンっていうのが最近出来てきたな」って思ったんですね。10年目にはこういう形でライブしてたいなとか、そういうのを見えるようになったのが不思議な気もするんですけど。
──18歳からスタートして、今も変わらず3人で音楽活動を続けていること自体が素晴らしいですよ。
RUUNA 最初にcallmeとしてスタートした当初は夢に向かってガムシャラに食らいつくみたいなのが自分の中にあったんですけど、今はコロナ禍という状況もありますし、何より音楽を3人で出来る場所っていうのが自分にとってすごく大事だなって感じていて、自分たちとしてもこの居場所を楽しみながら人生を歩んでいきたいなと思うようになりました。そんな場所を皆さんにも楽しんでほしいなって10代の時とは考えが変わってきました。
──3人にとってもファンにとっても、ここに来ればいつでも楽しめる場というのは最高ですよね。
RUUNA 常に変わらず自分の中でkolmeという存在は自分の人生の道の中に必ずある、と感じ続けているのは良い7年間を歩んでこれている証拠だなあと思いますね。
──10年が見えてきたことで自分の人生とその中のkolmeの存在を強く感じるようになった、と。
RUUNA それと2022年の抱負ということで言えば、今年はアコースティックに挑戦したので、来年は生楽器でアコースティックに挑戦したいなというのがあります。ずっと自分たちの楽曲をRumbさんにアレンジしていただいてて、ライブで自分たちが踊ってのRumbさんとの共演はこれまでもあったんですけど、アコースティックの共演はまだなくって。今回を気に芽生えた歌への意識を継続させつつ、皆さんに新しいkolmeを年齢にとらわれず見せていければいいなと思ってます。
──生楽器でのkolme楽しみですね。ダンスミュージックももともと打ち込みだったのが生楽器にシフトするアーティストも多いですし。
RUUNA たとえば今ピアノ一本でやったらまた違うkolmeの楽曲を楽しんでもらえると思うんです。そこを通過してまた打ち込みとダンスでやると意識も変わってくるだろうし、そう思うと本当に音楽に終わりはないですね! 7年やってきてこんなに新鮮に感じることがあるんだと思うと、毎年自分の中でチャレンジしていくことが本当に楽しいです!
ミニアルバム『Hajimete No Mini Album』
2022.1.26 ON SALE
【kolme オフィシャルサイト】
https://avex.jp/kolme/
【kolme TikTok】
https://www.tiktok.com/@kolme.official?lang=ja
【kolme Instagram】
https://www.instagram.com/kolme_official
【kolme Twitter】
https://twitter.com/kolmeofficial
【kolme Facebook】
https://www.facebook.com/callme.official
さらに1月26日には初のミニアルバム『Hajimete No Mini Album』も発売決定。これまで3人で時に流麗、時にパワフルなダンス&ボーカルで魅了してきた3人が、この2年の環境の変化と向き合って作り上げた、まさに「Upgrade」な1枚。そんな楽曲はもちろん、ジャケットイラストはMIMORI、DVDに収録されたOFF SHOT映像はKOUMIが手掛けるなどkolmeのクリエイティブさがより前に出たミニアルバムになりました。
「ダサいタイトルだな、でも……」ってギャップを感じてもらえれば(笑)
──今回のミニアルバム、まずタイトル見て「どうしたkolme?」と思ったんですよね。
RUUNA ですよね(笑)。これまではアルバムタイトルの決まりとして『Do you know kolme?』『Hello kolme』とかグループの名前を入れてきたんですけど、「ミニアルバムはどうしよう?」って話になったんです。
KOUMI 「今回はkolmeつける? どうしようか」って。
RUUNA これまでのアルバムのタイトル遊びとは変えて、シンプルでもいいのかなって話になって、2案出たんです。『Hajimete No Mini Album』か……。
MIMORI 『kolme FIRST MINI ALBUM』か。
──ほぼ意味は同じですね(笑)。日本語か英語かで。
RUUNA それで多数決取ったら、スタッフさんも含めて『Hajimete No Mini Album』が多くて。
KOUMI みもちゃんだけ『FIRST MINI ALBUM』だったんですよ。
MIMORI 6対1くらいで圧倒的に負けました!(笑)
RUUNA 自分たちで言うのもなんですけど、ダサいタイトルだと思っていて(笑)。でも、こういうタイトルで興味持って聞いてもらえたらいいなって。「ダサいタイトルだな、でも聞いてみたらかっこよかった」ってギャップを感じてもらえれば。いい意味で格好つけるのをやめてみた感じです。
KOUMI 一見格好いいと思ったら日本語だった、みたいな(笑)。
RUUNA あと迷ったのは「HAJIMETE」を「HAZIMETE」にするかどうかでしたね(笑)。
──前のアルバム『Do you know kolme?』が2019年11月で約2年ぶりのアルバムになるわけですが、それと比べるとこの2年の空気感が出てるミニアルバムですね。ダンスミュージックのイメージが強かったkolmeが、コロナ期間に何を思って作り上げてきたかが出ているというか。
KOUMI 去年や今年のはじめ、みんなが落ち込んでた時期があって、その時期はみんな元気にさせるくらいのポップな曲ばかり出してたんですけど、今少し落ち着いてきてしっとりした曲も出せるようになって。そういう空気が出てるかもしれないですね。
RUUNA 今回収録された『See you feat. fox capture plan』はわたしたちが憧れていたバンドfox capture planと一緒に作らせていただいたんですけど、こういう状況にならないと作れなかった楽曲だと感じていて。一昨年が活動がままならなかったのに比べると、今年はツアーもやらせていただいて、皆さんの前で歌える喜びをはじめとして今まで当たり前にあった環境がどれだけ自分たちにとって大切かというのを感じましたし、「自分たちが存在するのはこの場所しかない」というのを強く思ったんです。曲は定期的に配信リリースしてたんですけど、みなさんにステージを見ていただくことで完成するんだなって。そういう「自分たちが音楽やっている意味」をあらためて感じるきっかけになった曲になりました。そういった意味でも「皆さんとは私たちは会えない距離があってもこのミニアルバムを通してつながってるんだよ」って感じてほしいです
ダンスがないことでこれまでになく歌だけに集中して挑んだ作品に
──今回のミニアルバムはアコースティックバージョンが2曲あるのもありますけど、ダンスミュージックが軸にあったこれまでのアルバムに比べると全体的にリラックスして聴ける感があります。
MIMORI そうですね。自分たちもこの2年で音楽を聴く環境がほんとに変わって、おうちでまったりしてる時に聴くことが増えたんですね。だから何回も聞いた人には楽しみを与えるじゃないですけど、何回も聴いて気づくこともあるけど、普通に聴いても格好いい、ということを意識して作りました。
RUUNA これまでアルバム制作となると「今回はこういうテーマにしよう」と意気込んで作る事が多かったんです。でも今回は「こういうのをやってみたい」「今まで出来なかったジャンルをやってみよう」みたいな感じで、自然と出てきたものをまとめてみたところもありますね。
──この2年のコロナ禍の影響で、kolmeの3人にクリエイティブな面で変化とかありますか? オンラインイベントが当たり前になったりすることで物の考え方や作り方の変化があったりするのかなと。
MIMORI 今まで曲作る時には「ライブでほしい曲」「踊ってこういう曲あったら格好いいなって思う曲」だったのが、最近は「配信でどう聴いてもらえるか」を意識するようになりましたね。
──作曲・トラックメイク担当のMIMORIさんは曲の作り方とか変わりました?
MIMORI これまではダンスの比重も大きく作ってたのが、自分たちの歌をどう聴かせるか、自分たちの声質を生かしたメロディーを重視するように変わってきましたね。
KOUMI いままでは書いた歌詞を音にハメるにしろ、音をいちばん重視してたんですけど、最近はみんな音楽をイヤフォンで通勤時間に聞いたりするようになってきてますし、今まで以上にどういう歌詞がみんなの心に響くのか、覚えやすいのか今まで以上に考えた作品になったかなと思います。
──詞の言葉選びや乗せ方も格好よくなってますもんね。
RUUNA あと今年アコースティックでツアーも回らせていただいたんですけど、アコースティックだと「踊らない」ので、それが自分たちにとって手持ち無沙汰だったりしたんです(笑)。ずっとダンスとセットで歌詞を覚えてきたので、歌うだけだと歌詞を忘れちゃうんですよ。
──今まで何回も歌ってきた曲なのに!
RUUNA 「この振りの時にこの歌詞を歌う」とか一緒にインプットしてるので、ダンスがないと「なんだっけ、ここの歌詞?」ってなっちゃうんですよ。これまではダンスと歌がセットだったから、こんなに歌だけに集中して挑むというのが今までなかったんですね。なので、これまでとは違った意味で頭を使うリハで、自分たちの歌や歌詞に初めてガッツリ向き合った気がしました。
──ただのバージョン違いではないと。
RUUNA それに今回ファーストアルバムで歌ってた楽曲をアコースティックバージョンにすることで、あらためて自分たちの歌詞をしっかり聞き直したんですね。あらためて思ったのが、よく18歳であの歌詞書いてたなって(笑)。生き急いでたじゃないですけど、ずいぶん大人っぽく見せたかった、背伸びしてたんだなって思いますね。今の自分たちの立場になって感じる部分があったりして、当時書いた歌詞が今自然に似合うようになったんだなって思います。
MIMORI 昔に比べて歌い方が一切変わってるんですよ。アコースティック音源作るってなって、昔の曲そのままだと今の声質に合わないねってかなり手を入れました。歌い方も変わったし声質も変わったけど、そのことで自分たちがやりたかった音楽が染みてくるというか、似合うようになってきた。それは嬉しい変化だなって思いますね。
──KOUMIさんはあらためて昔の曲を聞いてどう感じました?
KOUMI そうですね……デビュー当時からラブソングを書く大胆さは変わってないなと思いました(笑)。
RUUNA KOUMIちゃん英語歌詞が多いんで、ラブソングもダイレクトに伝わるというよりはやんわりなんですけどね。でもレコーディング前に英詞でも直訳したものを送ってくれるんですよ。でもそれ見たら「18歳でこんなこと書いちゃう?」ってヒヤヒヤしてましたね。
KOUMI 英語だから書ける大胆さってありますね。日本語だと書けないけど、それをうまく利用して大胆なこと言ってます。それは変わってないです、いい意味で(笑)。
「かわいい!」から芯の強さが見える女性へとUpgrade!
──さて一曲ずつ曲について紹介してほしいんですが、まずは「Upgrade me」。先程話に出た英語歌詞から始まるんですが、訳してみると「私は普通の女の子にはなりたくないんです。こんなことになってしまってごめんね。これは私の人生を生きるための物語。わたしはただ自分がなれる全てになりたいんです」と日本語にするとたしかに強い!(笑) 訳はこれで合ってます?
KOUMI だいたい合ってます(笑)。あらためて日本語で言われると恥ずかしいですね! これは元々みもちゃんの歌詞を、うまく英語で伝わるように咀嚼して翻訳した歌詞なんですけど。
MIMORI これは作った時期が尖ってましたね(笑)。kolmeが12月30日で結成7周年を迎えて、やっぱり今までは「可愛い女の子」っていうんですかね、「守られるようなかわいい女の子らしさ」を自分の中でも持ってきてたんですけど、私がこれからなっていきたいのは芯の強い女性で。そういう思いもあってこの曲が出来上がっていったところはあります。
──7周年当日発表というのあって前向きな楽曲です。
MIMORI 歌詞の意味としてはタイトル通りアップグレード、常に自分たちを更新し続けることで人生を楽しみたい、って気持ちを書いていて。人生を楽しむためには自分自信を好きにならなくてはならないし、好きになるには自分の理想へとどんどんアップグレードしていくこと、変化していくことが大切だなって言葉を歌詞にまとめてます。
──何かそういうテーマで書きたいと思った出来事とかあったんですか?
MIMORI 年齢もありますね。25歳って20歳と30歳の間でそこそこな節目だったんで、自分の中の分岐点として「かわいい!」みたいな感じで過ごしてきたものを、これからは芯の強さが見える女性としていきたいなって変化ですかね。
RUUNA みなさんにとって応援歌になるような楽曲に仕上がったと思っていて、「芯の強い女性」っていうのはこれまでのkolmeの曲でもちょっとずつ見えてきてたと思うんですけど、今こういう楽曲として出来上がったのは「これが自分たちが歩んできた道筋なんだな」って思います。デモ音源を最初にMIMORIから聴かせてもらった時に「MIMORI変わったんだな」って思ったんですね。「かわいいだけじゃない」ってMIMORIがいちばん気持ちが強いんじゃないかな。
──近いところにいるRUUNAさんから見てもそう思える。
RUUNA 3人の中で一番かわいい雰囲気を持ってるのがMIMORIってのもあるんですけど、その反動で作る楽曲も格好いいっていうかダーク寄りな曲が多かったんですね。それが今回こういう形で出てきたってのがわたし自身驚いたポイントで、kolmeとしても新しいアプローチだし、これがアルバムの表題曲がいいなと思いましたね。この曲を聴いてみて、みなさんが自分自身を愛せる人生を歩んでほしいです。モチベーションが落ちてたり、気持ちが落ちてる時にも自分を愛せる自分でいてほしいし、そんな落ち込んじゃう自分も愛してほしいし、それをダメだって奮い立たせる自分も愛してほしい。ほんとにそういう楽曲に仕上がったんじゃないかと思います。
──続いて2曲目は「Playback」。もともとこれは去年(2020年)6周年に向けて作っていた曲なんですよね。
MIMORI この時は本当に周りも沈んでいる時だったので、よりポップで明るい曲を作って音楽として楽しませようと思って作ったんですけど、そう考えた時に「自分たちの人生を音楽にかけれるのって本当に素晴らしいことだな」って思えたんです。音楽を通して皆さんとも会えて、自分の人生がミュージカルのように進んでいくのってなかなか出来ないし、ありがたいことだなってのを感じて。そうした感謝の気持ちから出てきた曲ですね。
──このコロナ禍でファンやリスナーとの関係性を考え直すみたいなことはありました?
MIMORI 今までライブ活動をメインにしてきたので、ライブを一切出来なくなったって意味では本当に変わりましたね。伝える場所がなくなってしまったので「自分たちをどう伝えればいいんだろう?」と難しい思いをしてきました。
RUUNA 伝わってるか目に見えて感じづらいのが、自分たちにとってはストレスというか不安ではありましたね。曲を配信リリースしたり発信はしてたんですけど、皆から返ってくるのがSNSとか文字でしかコミュニケーションがとれないってのがあって「これでいいのかな」「自分たちがやりたいことがみんなに伝わってるのかな」と不安な状態になることもありました。ただその分、メンバーと「どうしたら自分たちの気持ちがダイレクトに繋がるのかな」と伝え方を考えるきっかけになりましたね。
──振り付けも手掛けるKOUMIさんからすると、曲は配信リリースとか出来ますけど、ダンスはステージがないと、というとところもありますよね。
KOUMI 声が出せなくなってしまったし、マスクもあって有観客のライブでも皆の表情見ても楽しんでるのがわかりにくくなってしまって、皆とどうライブを作っていくか、どういう振り付けが身体をのせて踊りやすいのか悩みましたね。「Playback」はひさびさに振り付けつけた曲だったのですごい考えました。ライブでそういう部分も伝わってほしい曲です。
この数年で変わった3人の声質をMIMORIが徹底研究
──続いて「In my dream」「Precious」と過去の楽曲のアコースティックバージョンが2曲。タイトルを見るとアコースティックギターやピアノ・カホンといった生楽器でやるんだと思ったら……。
MIMORI 意外と電子音とか入ってるっていう(笑)。
──そうなんですよ。アコースティックの楽器を取り入れたトラックとして作り上げつつ、声も録り直してるんですよね。
MIMORI 「kolmeのアコースティックってこうだぞ」っていう意味も込めてます。アコースティックってのが企画としてあがったのが今年の夏かな? チャレンジしてみようって話になって、どういう風にしてみようか考えたんですけど、普通アコースティックバージョンってテンポを下げてピアノだけとかあるじゃないですか? でもあえてテンポは下げないで、自分たちの声をいちばん意識してそこに合わせた音で作ろうと考えたんです。
──さっきも7年活動してきて声の変化は感じるとおっしゃってましたね。
MIMORI 昔は3人の声ってもっと近かったんですけど、この数年で声質も変わって、その3つの声をどう活かそうかめちゃくちゃ考えました。あらためてメロディラインや歌い分け、それに3人がハモったらどう綺麗になるかってのを、いろんなハモリラインを研究したんです。今までは曲が出来ると、それぞれ自分なりの解釈で歌を仕上げてたんですけど、今回は「ここはこう伝えたいからこう歌ってほしい」って2人に直で伝えました。
RUUNA めっちゃ細かいんですよ! この2曲はレコーデイングはすんなり終わったんですけど、そこにたどり着くまでのリハがすごい細かくって……メモが細かい!
KOUMI もうボイトレの先生並み(笑)。
RUUNA うちはKOUMIは器用なタイプなんでさらっとやれるんですけど、ここ(RUUNAとMIMORI)は頑固同士なんで(笑)。お互い「こうしたい、こう歌いたい」って細かいことの希望や要求が強いんです。「ここの『ら』の最後の『あ』は息を抜いてほしい」とか、そういう事が書かれたメモが細かすぎて(笑)。MIMORIなりにこう聴かせたい、盛り上がって欲しいってニュアンスへの指導が強かったです。
MIMORI 今までもったいないなと思ってたんです。レコーディングまでに練習してはいくんですけど、やっぱりライブで歌いこんでからの方が歌に味が出て来るので、せっかくアコースティックで録り直すんならそれぞれの個性を生かして、もっと誇張して伝えないとレコーディングしてパッケージにした時伝わりにくいんですよ。より聴かせたい所を伝えるにはRUUNAさんはこうした方がいい!ってこの数ヶ月分析しましたね。
RUUNA 「MIMORIってこんなに細かいタイプだったっけな?」って思いました(笑)。
MIMORI O型なんで普段は大雑把なんですけど、アコースティックに関してはオケの音からハモリやピッチまで細かくなりましたね。今のわたしたちkolmeの歌声を感じてもらえる音源になったと思います。
──だからリミックスとも違うし、原曲を再構築・リビルドといった方が近いのかもしれないですね。
MIMORI そうかもしれないです。アコースティック作る時にはみんながお酒を飲みながら気持ちよく聴けるってのを意識してたんですけど、3人の今の声にあうようにリアレンジしていって、より大人の雰囲気というかロマンチックさが増したんじゃないかな。
みなさんとの約束、繋がりを感じる曲になりました
──次はシティポップ要素もある曲「Time goes by」。
MIMORI もともと「Playback」と同じ頃に作っていた曲で、6周年に際して歌っていきたい曲を作ってたんですけど、その時は「しっとりしていて今出す曲じゃないね」って思って圧倒的ボツだったんですよ(笑)。それでちょっと眠らせておこうよ、って事になったんですけど、こういう感じの曲結構好きだし、これまでにないシティポップを意識した曲だったので、今回ミニアルバムに入ることになりました。
──シティポップ感ありつつkolmeらしいサウンドに仕上がってます。
MIMORI その頃、海外で日本のレトロなシティポップが流行ってるってのを聞いてて、自分もシティ・ポップのメロディライン意識して作ってみようと思ったんですよね。レトロでいったらうちのRUUNAのがめちゃめちゃ合うんで。ライブで昭和曲のカバーやるくらい声質がピッタリなんです。でも、ただのシティポップじゃつまらないから、聴いてて面白くなるようにいろんな癖を入れてみました。
KOUMI 「Time goes by」はわたしが歌詞書いたんですけど、バラードだったりメロウな曲をここ数年ずっとやりたかったけどなかなかやる機会なかったので、今回ここで書けて嬉しかったですね。最初は日本語メインで英語少なめくらいのイメージだったのが、英語入れたほうがメロディが活かせるなと思って結局英語が多くなってしまったんですけど、どこか冬っぽいというか今にピッタリ来る感じの曲が作れた達成感あります。
MIMORI あとこれもレコーディングの時に歌い方をしっかり決めて作った曲で、いつもならいちばんナチュラルなKOUMIか、メインボーカルのRUUNAが先頭でいくんですけど、今回はわたしがいちばん最初で。自分が歌い出しっていつ以来だろう(笑)。
RUUNA Rumbさんのアレンジでボーカルのセレクトが面白い楽曲になってて、3人の声が楽しめる楽曲になってます。
MIMORI 普通のポップスにはしたくないと思って、じっくり聴いたらいろんなところで音が移動してたり遊びを入れてるので、ステレオで聴いてほしいです。
──そしてミニアルバムを締めるのはfox capture planとのコラボレーション曲「See you feat. fox capture plan」。
MIMORI この曲はコロナになってこの歌詞が出てきたんですよね。ファンにも友達にも会えない時期に、いままで気軽に言ってた「また明日ね」って言葉がすごく重く感じたんですよ。作ってたのもコロナ初期だったんで、本当に明日が来なくなる、会えなくなる人がいるかもしれない。この言葉って本当に大事な言葉だったんだな、って思って書きました。
RUUNA fox capture planさんとはその前から取材でご一緒したりして「いつか曲作りたいね」ってのがあったんですけど、この曲作る時に快く引き受けていただいたので、自分たちの憧れの方とのコラボも出来て嬉しい曲になりましたね。
──作ったころと今で歌ってみて違う感覚とかありますか?
RUUNA 今年のツアーでも歌わせてもらってるんですけど、みんなとの空気を引き締める楽曲になったなと思っていて。振り付けは普段ミュージカルとかやられてる方にお願いしたんですけど、いつものkolmeはダンスを見せる要素が強かったのが、今回は歌詞を伝えるためのダンスという側面が多いかもしれないです。特に最後の「Have a good time.」って歌詞のところで手を振る振りを入れていて、ツアーでやっていくと皆さんも振り返してくださるんですよね。言葉は変わせないですけど、そうやって皆同じ気持ちで心で「またね」を言ってるのを感じるんですね。
──そういう意味でもライブで皆の前でやって完成なところはある。
RUUNA ツアーやっててもみんなに元気でいてほしいってのがありますし、みんなにとってもこういう世の中なので気持ちが沈むことも多かったり、難しい気持ちを抱えてると思うんですけど、「この場所にくればいつでもわたしたちがいるよ」っていう思いはレコーディングの時よりもライブやることで強くなりましたね。みなさんとの約束、繋がりを感じる曲になりました。
KOUMI 作った時は本当にオンラインでしか会えなかったので、ネットをあまりやらない人とか本当に元気なのかな? って心配もあったんですけど、徐々にライブできるようになってパフォーマンス出来ることのありがたみというのを毎回感じられるようになりました。これからも歌っていくのが楽しみな曲だし、毎回歌っていくたびに気づかされるんだろうなあって思いますね。
10周年が見えてきたkolmeを楽しみながら人生の一部として歩んでいきたい
──さて今回の取材は2021年末なんですが、ミニアルバム発売から始まる2022年の抱負で3人締めてもらえますか?
MIMORI 今ミックス、アレンジミックスにもチャレンジしていて、今までアレンジャーさんにマスタリングやミックスをお願いしてたんですけど、ある程度自分でも出来るように勉強中なんです。ライブミックスとかマスタリングまでいかなくても、ある程度自分でミックス出来るようになって、それが自分の音としてみなさんに聞いてもらいたいと思ってます。来年は音にこだわってよりいい曲を作ります!
KOUMI kolmeとしての活動もそうなんですけど動画編集の腕が徐々に上がってきてて、これまではファンクラブサイトくらいしかあげてなかったのを、今回DVDにも収録されたり、もっと広く見てもらえるように頑張っていきたいと思います。
RUUNA 今度7周年を迎えるというので思うことがあって……。先日fox capture planのライブを見に行かせていただいたんですけど、それが10周年のツアーっておっしゃってたんですね。その「10周年」って響きを聞いて「kolme始めた当初は1年先のこともわからないし、自分たちで曲作って毎日を生きるのに必死って感じだったけど、今回7周年を迎える中で10年目のビジョンっていうのが最近出来てきたな」って思ったんですね。10年目にはこういう形でライブしてたいなとか、そういうのを見えるようになったのが不思議な気もするんですけど。
──18歳からスタートして、今も変わらず3人で音楽活動を続けていること自体が素晴らしいですよ。
RUUNA 最初にcallmeとしてスタートした当初は夢に向かってガムシャラに食らいつくみたいなのが自分の中にあったんですけど、今はコロナ禍という状況もありますし、何より音楽を3人で出来る場所っていうのが自分にとってすごく大事だなって感じていて、自分たちとしてもこの居場所を楽しみながら人生を歩んでいきたいなと思うようになりました。そんな場所を皆さんにも楽しんでほしいなって10代の時とは考えが変わってきました。
──3人にとってもファンにとっても、ここに来ればいつでも楽しめる場というのは最高ですよね。
RUUNA 常に変わらず自分の中でkolmeという存在は自分の人生の道の中に必ずある、と感じ続けているのは良い7年間を歩んでこれている証拠だなあと思いますね。
──10年が見えてきたことで自分の人生とその中のkolmeの存在を強く感じるようになった、と。
RUUNA それと2022年の抱負ということで言えば、今年はアコースティックに挑戦したので、来年は生楽器でアコースティックに挑戦したいなというのがあります。ずっと自分たちの楽曲をRumbさんにアレンジしていただいてて、ライブで自分たちが踊ってのRumbさんとの共演はこれまでもあったんですけど、アコースティックの共演はまだなくって。今回を気に芽生えた歌への意識を継続させつつ、皆さんに新しいkolmeを年齢にとらわれず見せていければいいなと思ってます。
──生楽器でのkolme楽しみですね。ダンスミュージックももともと打ち込みだったのが生楽器にシフトするアーティストも多いですし。
RUUNA たとえば今ピアノ一本でやったらまた違うkolmeの楽曲を楽しんでもらえると思うんです。そこを通過してまた打ち込みとダンスでやると意識も変わってくるだろうし、そう思うと本当に音楽に終わりはないですね! 7年やってきてこんなに新鮮に感じることがあるんだと思うと、毎年自分の中でチャレンジしていくことが本当に楽しいです!
ミニアルバム『Hajimete No Mini Album』
2022.1.26 ON SALE
【kolme オフィシャルサイト】
https://avex.jp/kolme/
【kolme TikTok】
https://www.tiktok.com/@kolme.official?lang=ja
【kolme Instagram】
https://www.instagram.com/kolme_official
【kolme Twitter】
https://twitter.com/kolmeofficial
【kolme Facebook】
https://www.facebook.com/callme.official
- WRITTEN BY大坪 ケムタ(オオツボ ケムタ)
- アイドル・プロレス・B級グルメから大人方面と一見幅広いようで狭いジャンルを手がけるフリーライター。著作にゆるめるモ!田家大知Pとの共著「ゼロからでも始められるアイドル運営」(コア新書)、「SKE48裏ヒストリーファン公式教本」(白夜書房)など。