連続新曲リリース、久々のライブ... I Don't Like Mondays. に聞く"今"のアイドラらしさ、とは?
4月7日に「地上を夢見る魚」、そして28日に「愛言葉」と、この4月に2曲の新曲を配信リリースしたI Don't Like Mondays.。4月には久々の有観客ライブをBillboard Liveで行い、待ちわびていたファンを楽しませてくれました。そんなメンバー4人に、ライブのこと、新曲のこと、そしてこれからについてお聞きしました!
久々の有観客ライブ、やってみての感想は?
──先日、4月9日のBillboard Live TOKYOでのライブ、第1部を拝見させていただきました。久々の有観客でのライブはいかがでしたか?
YU 気持ちよかったですね。やっぱり生は違うなと思いました。
KENJI YUもMCで言ってましたけど、コロナの時期で制作だけをやってる期間も長かったので、「何のために曲作ってるんだろ?」みたいな時期もあったんですけど、ああやって有観客でライブができて、お客さんがいることの大切さとか、やっぱりライブっていいものなんだなということを再認識したというのは、みんな思ったんじゃないかなと思います。
──Billboard Liveという会場自体が、皆さんにすごく合ってるなと思ったんですが、いかがでしたか?
YU 自分たちもすごく思いましたね。
KENJI 当初からすごくやりたい会場ではあったんですよ。ああいうところが似合うバンドになりたいとも思ってたし、そういう意味ではすごくいい場所だなと思いました。
YU 2部制なので、自分の声がちゃんと最後までもつのかとビクビクしながらやってたんですけど、それはセットリストを決める時にある程度調整しながら作ったので、本番は気にすることなくのんびりやらせてもらいました。
──セットリストと言えば、同じ日の1部と2部では結構構成が変わっていましたね。
YU そうですね。続けて見られるお客さんも多いというのを事前に聞いて、それだったら自分たちの気分的にも飽きないようにということで。今までにないぐらい変えたんじゃないかな?
CHOJI そうだね。
YU 新曲2曲も、4月1日のYOKOHAMAと4月9日のTOKYOでは1部で「地上を夢見る魚」、2部で「愛言葉」と分けたんですが、11日は出たばっかりということで、どちらも「地上を夢見る魚」を入れました。
──演奏された中で、「ミレニアルズ ~just I thought~」が印象的だったんです。バンドとしても、これまでになかったタイプの曲ですよね。それが他の曲とセットリストの中で共存するのが面白いと思いました。MCでも内容について説明されていましたし、本編の最後という重要なポジションに置かれていましたよね。
YU あの曲もライブでやるのは初めてでしたね。あの位置でやることで締まると思いましたし、歌詞については僕が全部書かせてもらってるんですけど、僕も真面目な部分とふざけてる部分があったり、陽気な部分と陰な部分もあって、それをバンドを通じていろいろな届け方をしているというだけなんですよね。自分たちも、今まではまさかああいう曲を作ってライブでやるというのは考えてもなかったんですけど、改めてやってみて、自分的にもそんなに違和感はなくて。僕自身もそうだし、バンドもこういうことを歌うこともあっていいんじゃないかなというのを再確認しました。
-I Don't Like Mondays. / ミレニアルズ ~just I thought~
──これはあえてお聞きしますが、社会問題などメッセージ性のある曲については、「ミュージシャンがそういうことを言うのは……」ということを言われがちな風潮があります。そこについてはいかがですか?
YU 全然気にしてないです(笑)。僕はあの曲を通じて明確な答えを出してるわけじゃなくて、「僕はこう思ったよ」と言ってるだけというか。それをどう感じるかはみんな次第で、「こうしなさい」って言われるのは僕自身も嫌いだし、説教臭くならないように気をつけた曲なので、何か言いたければどうぞご勝手にと(笑)。ひとり言ですからね。
──11日までのライブを終えて、SNSだったりの反響は確認されましたか?
YU しました。ファンの皆さんにとっても久々の生音というか、生のライブだったのですごく反響もよくて、やりがいがありましたね。
SHUKI 久々のライブということもあって、結構リハーサルに入ったんですよ。だから僕らの中でも満足できるような完成度の内容を作れたので、3ヵ所しかないのが残念だねっていう話はしてましたね。
──ちなみに、MCで何をしゃべるかというのは、そんなに決めないで臨んでるんですか?
KENJI そうですね、あんまり決めてないです。
YU でも、MCの切れ味はやっぱりライブをいっぱいやってる頃の方がよかったっていうのはあるよね(笑)。
──CHOJIさんはMCで苦労されてましたが(笑)。
CHOJI 苦手なんですよ。ホントはしゃべりたくないんですけど、しゃべらざるを得なくて。
一同 (笑)
YU でも一時、ツアーで回ってた時は「しゃべりたい」ってすごく言ってた時もありました(笑)。
CHOJI そんなこと言ってないよ。
YU 言ってた、言ってた(笑)。
KENJI ああ、あったね(笑)。
CHOJI 僕はギターでしゃべりますから。
今までのアイドラだったら排除していた「魚」というワード
──で、この4月には新曲が2曲配信されました。まずは7日に配信されていた「地上を夢見る魚」についてお聞きしたいと思います。この曲、発想の最初はどういうところからだったんでしょうか。
YU トラックと「ラララ~」ぐらいが入ったデモをぼんやり聴いていて、サビのところの「タターター」というリズムが「魚」に聞こえたんです。「さかーなー」と。でもさすがに「魚」の曲だとメンバーにも却下されるし、僕もそれを書き切るのは難しいなと思って、違う案を考えようと。でも、どんな言葉を当てはめても「魚」に勝てないんですよ(笑)。だから思い切って「魚」をテーマに、自分自身が共感できるものを頑張って書くかということで、「魚」というキーワードから広げていった感じです。
──本当に「魚」から出発してたんですね。
YU そうですね(笑)。昔はキーワードを決めて書いていくっていうのをよくやってたんですけど、最近では珍しくて。今は曲の頭から書いていって、自分でも想定していないサビになったりということが多かったんですけど、久々にサウンドから決めていったという感じですね。
──歌詞が出てきた時、他のメンバーはどう思われましたか?
KENJI ビックリしました(笑)。それが正直なところなんですけど、ワードとしてもパンチはあるし、内容的には勝負してみようかなと思えるものだったので、「やってみよう」となりました。
CHOJI タイトルが小説みたいで、インパクトもあるなとは思いました。去年からYUの作詞のスタイルも変わって、より響く人には響くという形になったので、いいんじゃないかなと思いました。
SHUKI 曲自体もいろいろ変えてきてる段階で、いろんなチャレンジをしたいなと思っていたので、その中でいいんじゃないかと。
──さっきチラッと出ましたが、YUさんの作ってきた歌詞にNGが出るということもあるんですね。
YU ああ、たくさんありますよ(笑)。ちょっと前までは「内容的にはこうしたいけど、アイドラっぽくないな」「俺たちにはあんまり似合わないな」というものは先に排除してたんですよ。でも、それがクリエイティブの面ですごく制約してるというか、幅をすごく狭めてるなと感じて、少しずつ広げていかないと、この先続かないなと感じたんですね。自分的にそれがコンプレックスだったというか。それを壊していったものを、ちょっとずつちょっとずつバンドに投げていって、この「魚」に行き着いた感じですね。
──まさに今までのイメージを覆すワードだったんですね。
YU 今までだったら「僕ららしくないよね」って排除してたと思います。でも段階を踏んできて、去年の頭ぐらいからそういうことにトライしていて、1年ぐらいかけて自分の表現の幅がすごく広がったなあと思ってて。言葉の響きとか意味を変に自分たちで狭めないような曲作りというのができ始めてきたので、のびのびいろんなことが書けて作詞自体が楽しくなりました。
──そういう意味では、「アイドラらしさ」というのは抽象的なので、メンバーによっても細かいところでズレは出てくると思います。それを合わせるのに意識していることはありますか?
YU やり始めの頃は何の歴史もない段階だったので、「僕らはどうあるべきなんだろう」みたいなことを話し合ったり決めたりしなきゃいけなかったんですけど、もう結構な年月をやってきたので、今は僕らから出るものって自然とアイドラらしいものになってるんだなあと思うようになりました。むしろそれ以外のことって、できようがないというか。僕らとしてはすごく突発的なことをやったつもりでも、外から見れば結局「アイドラらしい」ということになってしまうし。それが限界でもあるし、それがあるべき形でもあるのかなとも思うので、僕なんかは逆にあんまり考えないようにしてますね。
──先ほど「曲を変えてきている」という話がありましたが、そこの部分ではいかがですか?
SHUKI たぶん、昔に比べて大きいのは、SNSがあるっていうことなんですよ。お客さんの反応なんかもダイレクトに聞けるじゃないですか。そういう意味では反応を見る実験もしやすいというか。以前は自分たちの中で「こういう反応だろう」というのをある程度固めきって、それを間違えないように作品に落とし込んで出してたんです。でも最近はもっと緩くというか、「自分たちはこうだと思ってたけど、出したら意外とそうじゃなかった」という反応を受けてきた経験を元に、出してみてこうなったら、それをまた次に生かそう、みたいな。100%固めきらないというか、そういうのができるようになりました。
──なるほど。
SHUKI 頑張りすぎないというか、1曲で人生が終わるわけじゃないんで。「もうこの1曲しか出さない」とかなったら、そこまで考えるかもしれないですけど(笑)。1曲単位じゃなくて、やっていく流れの中でバンドをどう見せるというか、そういうのは昔より増えてきたと思います。
──そしてアイドラの場合、曲や演奏だけじゃない部分もコンセプトとして大事なわけですよね。
YU もちろんそうですね。そこが、僕がバンドが好きというところなので。バンドというのはグループなので、1人で作詞作曲してリリースするよりも、より強い世界観みたいなものがクリエイトできるというところをすごく魅力的に感じるんですよね。MVだったりライブだったりも含めて、総合的なものをいつも考えながらやってます。
──弦楽器のお2人は、サウンド面についてはどう考えていますか?
KENJI 基本的には、ルーツとか根底にあるものというのはどこまで行っても変わらないものだと思うんですけど、SHUKIが言ったように時代によって音楽の聴かれ方というのも変わってきてるわけで、その中で、ずっと根本にある変わらないものと、いろんなものを新しく吸収したり、周りの反応を見て変わっていくものというのが、両方あると思いますね。昔だったら「これだけやってれば売れる」みたいなものがあったかもしれないですけど、情報もどんどん回ってきて、音楽の流行りなんかも、より速くコロコロ変わってきてるというのもあるので、それに対応できないバンドは死んでいくのかなというのはすごく思ってて。そこは肩肘張らずに、柔軟に対応していかなきゃなというのは感じてますね。
CHOJI ライブでその曲をやって好きになるかどうかというのは、自分のギタープレイの充実感と比例してたりするんですよ。やっぱりライブでやっていく以上、「自分らしさ」みたいなものを入れたいなというのは常にあって。それに、SHUKIが言ったように「この1曲で終わりじゃない」っていうのも結構感じてるんで、そのへんに折り合いをつけながら、曲が生きるようなフレーズを考えるというのももちろんですし、ライブでやってて楽しいっていう自分の満足感と天秤にかけながらという感じですね。
──先日のライブでも、CHOJIさんが弾きまくる時間が結構あるじゃないですか。
CHOJI 多かったですね、今回は。
一同 (笑)
YU 久しぶりのライブだったしね(笑)。でもCHOJIのギタープレイはアイドラらしさの非常に大きな軸の一つだと思ってて。僕らは「シティポップ」ってジャンル分けされることが多くて、「俺ら、本当にシティポップかな?」っていつも思うんですけど、そういう横並びのバンドの中でCHOJIみたいなギターがいるバンドって僕は知らないんですよ。ということは、それが自分たちらしさでもあって。だからライブでああやって表現しているのも、それの一環なのかなと思います。
CHOJI たまに、「そこまでやらなくていいかな」と思うこともあるんですけどね、まあ、ああなるのは仕方ないです。
KENJI 仕方ないって(笑)。
タランティーノ感溢れるMVと、最新曲「愛言葉」の制作秘話は……
──「地上を夢見る魚」のMVが、また強烈で面白かったですね。
-I Don't Like Mondays. / 地上を夢見る魚
YU ありがとうございます(笑)。しばらく、皮肉感というかアイロニーというものをテーマに曲作りをしていたんです。去年、「Mr.Clever」という曲を出したあたりからですね。まあ、「I Don't Like Mondays.」というバンド名自体もそうですし、「ポップさとアイロニーって、僕らの一つのキーワードだよね」っていうことは結構話し合ってて。それをビジュアル面でも、ジャケットの色合いだったりロゴの形だったりに少しずつ反映できてきて、「地上を夢見る魚」の歌詞も、どっちかというとアイロニックなテイストの歌詞なんですよね。だからMVもその方向にしたいなっていうのを話してて。それですんなり作っていけたという感じですね。
──インスパイアされたものというと?
YU タランティーノ感は出したかったですね。
──やっぱりそうですよね(笑)。
YU あの毒々しさとアイロニックな感じが一つのキーワードとしてありました。今回は新しい監督さんとの作業だったんですよ。今まではMVも自分たちでかなり作ってたんですけど、それにもちょっと限界を感じてて。なので今回はキーワードをどんどん投げていって、監督さんと彼のチームに任せて撮影していくという形でした。かなり割り切ってやったんで、僕らとしては楽でしたね。
KENJI そうだね。結構お任せだったんで。
YU 僕らの稼働量としては、メチャメチャ楽でしたね。
──これからもそうしていこうという感じですか?
KENJI いや、今回はこれでやっていこうというだけで、曲によってはまた変わることもあるでしょうし。
YU 実験的だったよね。
──実際に完成版を見た時はいかがでしたか?
YU 面白かったよね(笑)。
KENJI まあ、自分たちでは考えつかないというか、自分たちがいつも作ってる感じとは全く違うテイストのものができたので、実験するという意味ではよかったのかなとすごく思いました。
──そして本日、「愛言葉」がリリースされました。こちらに関しては?
YU もともとロート製薬さんの「ヘリオホワイト®︎」という日焼け止めのCMタイアップの話ありきで作らせてもらって、原曲自体は2年ぐらい前に作ってたトラックとメロディーなんですよ。その曲が合ってるんじゃないかと教えてもらって、僕らとしては「ああ、そんな曲あったね」ってことで掘り返して、歌詞を乗せたんですけど。
──そういう経緯だったんですね。
YU トラックとしては日焼け止めのCMなので、夏の感じを意識して音作りをして。僕が歌詞を書くにあたっては正直、CMのことは一切意識してなかったんですよ。それはロート製薬さんの前でも言ったんですけど(笑)。それを変に意識してしまうと、僕らのことが好きなファンにとってはつまんなくなるんじゃないかと思って。トラックからインスパイアされたものを書きたいように書いたという感じなんですけど、テーマとしては恋愛で言うと「恋」から「愛」に変わっていく過程というところです。
──漢字三文字のタイトルが意外な感じがしました。漢字三文字って、どうかすると重く感じられる場合もあるかと思うんですが。
KENJI ああ、言われてみれば。
YU 表記の仕方もいろいろ考えたんですよ。2人の何か共通の合い言葉が、「愛」という言葉の意味なのかという、ダブルミーニングで歌詞を作ってるんですね。なので、それがダブルミーニングだよということを、タイトルで一番分かりやすくするにはどうしたらいいかと。結局、「愛言葉」というのが一番、その意味が分かりやすいということで、こうなりました。
とにかく早くライブ、ツアーをやりたい!
──さて、コロナウイルスの影響もまだ続きそうな感じなんですが、このコロナ期間で新しく始めたことは?
YU 僕はこの前のライブでも披露させてもらいましたが、ピアノを始めたのが大きいですね。あと個人的には、家にいる時間が長くなったので、家の機材をよくしようと思ってオーディオを買ったので、レコードデビューしました。今はレコードでジャズをよく聴いてるんですけど、メチャクチャ楽しいですね。
──レコードは再評価されてますよね。やっぱり音が違いますか?
YU 全然違いますね! より深く音楽を楽しめるようになって、より自分の職業を愛せるようになりました。
──いいですね。SHUKIさんは?
SHUKI バンドとしては曲作りのスタイルが変わったというのが大きいですが、個人的には料理をするようになりました。自粛になった当初はお店も全然開いてなくて、家にいる時間も増えたので、それで結構やりました。
──どんな料理を?
SHUKI 何でもですね。ただ、何となく作るのがイヤで、できる限りおいしくしたいというのを毎回思っていて、レシピを調べるのに時間をかけたりして、結果、家に調味料が増えました。
YU この顔で料理ですからね(笑)。
KENJI でもおいしそう。
SHUKI 料理の見た目は全然気にしないんで、見た目はアレですけど。一番よかったのは、水を使わないミネストローネですね。野菜とかの水分で作るヤツで。
YU シェフっぽいよね(笑)。
SHUKI ヒゲだけでしょ(笑)。
──KENJIさんは?
KENJI 何ですかね? 最初の頃は散歩とかしてましたけど……。
CHOJI 自転車に乗ってるよね。
KENJI ああ、自転車ね(笑)。もともとは仕事場に行く程度だったんですけど、最近は遠くに行って、4時間とか乗ったりしてます。1日50~60kmぐらいは走ってますね。
──それはすごい! 健康にもよさそうですね。
KENJI ですね。余計な脂肪とか落ちました。
──CHOJIさんは?
CHOJI 俺はアニメをホントによく見ましたね。「ONE PIECE」は今見てて、「鬼滅の刃」とか「進撃の巨人」とか、「HUNTER×HUNTER」、「幽遊白書」。
YU ジャンプが多いね(笑)。
CHOJI 「ONE PIECE」は今、DVDを借りて見てるところなんですけど、あとゲームもすごくやって。それと、花を買って花瓶に生けるようになりました。枯れたら新しいのを買ってってやってたら、結構増えてきて……
KENJI すごいたくさんあったよね。
CHOJI そう、すごくグッドなガーデンになりました。
一同 (笑)
──コロナ期間に始めて、今も続いてるんですね。
KENJI もともと好きだったよね?
CHOJI そうだね。たまに制作しながら花を見て、「ああ~、よしやろう」って。だいぶ癒やされてますよ。
──それぞれいろいろありますね(笑)。さて、ここからはどうしていきたいですか?
KENJI ライブがどんどんやれるようになってほしいですよね。
YU ツアーもしばらくやれてないので、できるようになったらやりたいですね。行けてない場所もたくさんありますし、曲もたくさん増えたので、それをライブでまた披露したいですし。
KENJI 作った曲をライブでこすっていくことによって、クリエイティブがよくなるというのもかなりあるんですよね。制作だけしてる期間ならではの曲もすごく生まれたとは思うんですけど、ライブができる時期に備えて、よりライブに向いてる曲も作っていきたいなと思いますね。
──今の新曲も、ライブでやってどんどん育てていくというのもあるでしょうしね。
YU 歌もそうですけど、僕らの曲ってライブでやればやるほど楽しくなる系なので。慣れてくれば慣れてくるほど、極め甲斐がある曲がたくさんあるので、楽しいですね。ピアノももっと充実させたいですし。披露できる場所があるので、練習しがいもありますからね。
SHUKI コロナになったおかげというと変ですけど、自分たちのクリエイティブを方向転換するって、なかなか大きいことじゃないですか。そうした方がいいと思ってやったわけですけど、それはまだやり始めたばかりなので、この先どうやっていくかは自分でも楽しみですね。
──この先、ライブの本数が増えていくことと、それは関係してきますか?
SHUKI すると思います。新しい曲をライブでやって感触を得て、それを元にまた新しい曲を作る時に「あの曲はリリースの時はこうだったけど、ライブではこうだったから、その差をこうしよう」という風に工夫を生かせるので、ライブをやるのはやっぱり大きいですね。
──CHOJIさんは。
CHOJI この前、久しぶりにライブをやってみたら、自分のプレイや周りの音を聴くことを自然に楽しめるようになっていたので、ライブができなかった期間というのは自分にとってプラスだったんだなあと感じたんですよね。それでもやっぱりライブをやってる時が一番楽しいので、早くコロナが収まってライブができる環境に戻れたらと、いつも思ってます。
KENJI やっぱり、早くお客さんも声を出せるようになるといいよね。
YU 確かに。
KENJI この前はBillboard Liveだったからまだよかったですけど、ホールライブとかだとお客さんが声を出せないストレスというのももっとあると思うので、早く昔みたいにライブができるようになってほしいですね。
──本当にそうですね。そんな日が早く来ることを願ってます。ありがとうございました!
撮影 長谷英史
2021年4月7日(水) 配信リリース
「地上を夢見る魚」
2021年4月28日(水) 配信リリース
「愛言葉」
【I Don't Like Mondays. Official Site】
https://idlms.com/
【I Don't Like Mondays. YouTube】
https://www.youtube.com/channel/UCPFQ7ao1TbzJUuITXsG0oww
【I Don't Like Mondays. Instagram】
https://www.instagram.com/idlms.official/
【I Don't Like Mondays. Twitter】
https://twitter.com/IDLMs_OFFICIAL
久々の有観客ライブ、やってみての感想は?
──先日、4月9日のBillboard Live TOKYOでのライブ、第1部を拝見させていただきました。久々の有観客でのライブはいかがでしたか?
YU 気持ちよかったですね。やっぱり生は違うなと思いました。
KENJI YUもMCで言ってましたけど、コロナの時期で制作だけをやってる期間も長かったので、「何のために曲作ってるんだろ?」みたいな時期もあったんですけど、ああやって有観客でライブができて、お客さんがいることの大切さとか、やっぱりライブっていいものなんだなということを再認識したというのは、みんな思ったんじゃないかなと思います。
──Billboard Liveという会場自体が、皆さんにすごく合ってるなと思ったんですが、いかがでしたか?
YU 自分たちもすごく思いましたね。
KENJI 当初からすごくやりたい会場ではあったんですよ。ああいうところが似合うバンドになりたいとも思ってたし、そういう意味ではすごくいい場所だなと思いました。
YU 2部制なので、自分の声がちゃんと最後までもつのかとビクビクしながらやってたんですけど、それはセットリストを決める時にある程度調整しながら作ったので、本番は気にすることなくのんびりやらせてもらいました。
──セットリストと言えば、同じ日の1部と2部では結構構成が変わっていましたね。
YU そうですね。続けて見られるお客さんも多いというのを事前に聞いて、それだったら自分たちの気分的にも飽きないようにということで。今までにないぐらい変えたんじゃないかな?
CHOJI そうだね。
YU 新曲2曲も、4月1日のYOKOHAMAと4月9日のTOKYOでは1部で「地上を夢見る魚」、2部で「愛言葉」と分けたんですが、11日は出たばっかりということで、どちらも「地上を夢見る魚」を入れました。
──演奏された中で、「ミレニアルズ ~just I thought~」が印象的だったんです。バンドとしても、これまでになかったタイプの曲ですよね。それが他の曲とセットリストの中で共存するのが面白いと思いました。MCでも内容について説明されていましたし、本編の最後という重要なポジションに置かれていましたよね。
YU あの曲もライブでやるのは初めてでしたね。あの位置でやることで締まると思いましたし、歌詞については僕が全部書かせてもらってるんですけど、僕も真面目な部分とふざけてる部分があったり、陽気な部分と陰な部分もあって、それをバンドを通じていろいろな届け方をしているというだけなんですよね。自分たちも、今まではまさかああいう曲を作ってライブでやるというのは考えてもなかったんですけど、改めてやってみて、自分的にもそんなに違和感はなくて。僕自身もそうだし、バンドもこういうことを歌うこともあっていいんじゃないかなというのを再確認しました。
-I Don't Like Mondays. / ミレニアルズ ~just I thought~
──これはあえてお聞きしますが、社会問題などメッセージ性のある曲については、「ミュージシャンがそういうことを言うのは……」ということを言われがちな風潮があります。そこについてはいかがですか?
YU 全然気にしてないです(笑)。僕はあの曲を通じて明確な答えを出してるわけじゃなくて、「僕はこう思ったよ」と言ってるだけというか。それをどう感じるかはみんな次第で、「こうしなさい」って言われるのは僕自身も嫌いだし、説教臭くならないように気をつけた曲なので、何か言いたければどうぞご勝手にと(笑)。ひとり言ですからね。
──11日までのライブを終えて、SNSだったりの反響は確認されましたか?
YU しました。ファンの皆さんにとっても久々の生音というか、生のライブだったのですごく反響もよくて、やりがいがありましたね。
SHUKI 久々のライブということもあって、結構リハーサルに入ったんですよ。だから僕らの中でも満足できるような完成度の内容を作れたので、3ヵ所しかないのが残念だねっていう話はしてましたね。
──ちなみに、MCで何をしゃべるかというのは、そんなに決めないで臨んでるんですか?
KENJI そうですね、あんまり決めてないです。
YU でも、MCの切れ味はやっぱりライブをいっぱいやってる頃の方がよかったっていうのはあるよね(笑)。
──CHOJIさんはMCで苦労されてましたが(笑)。
CHOJI 苦手なんですよ。ホントはしゃべりたくないんですけど、しゃべらざるを得なくて。
一同 (笑)
YU でも一時、ツアーで回ってた時は「しゃべりたい」ってすごく言ってた時もありました(笑)。
CHOJI そんなこと言ってないよ。
YU 言ってた、言ってた(笑)。
KENJI ああ、あったね(笑)。
CHOJI 僕はギターでしゃべりますから。
今までのアイドラだったら排除していた「魚」というワード
──で、この4月には新曲が2曲配信されました。まずは7日に配信されていた「地上を夢見る魚」についてお聞きしたいと思います。この曲、発想の最初はどういうところからだったんでしょうか。
YU トラックと「ラララ~」ぐらいが入ったデモをぼんやり聴いていて、サビのところの「タターター」というリズムが「魚」に聞こえたんです。「さかーなー」と。でもさすがに「魚」の曲だとメンバーにも却下されるし、僕もそれを書き切るのは難しいなと思って、違う案を考えようと。でも、どんな言葉を当てはめても「魚」に勝てないんですよ(笑)。だから思い切って「魚」をテーマに、自分自身が共感できるものを頑張って書くかということで、「魚」というキーワードから広げていった感じです。
──本当に「魚」から出発してたんですね。
YU そうですね(笑)。昔はキーワードを決めて書いていくっていうのをよくやってたんですけど、最近では珍しくて。今は曲の頭から書いていって、自分でも想定していないサビになったりということが多かったんですけど、久々にサウンドから決めていったという感じですね。
──歌詞が出てきた時、他のメンバーはどう思われましたか?
KENJI ビックリしました(笑)。それが正直なところなんですけど、ワードとしてもパンチはあるし、内容的には勝負してみようかなと思えるものだったので、「やってみよう」となりました。
CHOJI タイトルが小説みたいで、インパクトもあるなとは思いました。去年からYUの作詞のスタイルも変わって、より響く人には響くという形になったので、いいんじゃないかなと思いました。
SHUKI 曲自体もいろいろ変えてきてる段階で、いろんなチャレンジをしたいなと思っていたので、その中でいいんじゃないかと。
──さっきチラッと出ましたが、YUさんの作ってきた歌詞にNGが出るということもあるんですね。
YU ああ、たくさんありますよ(笑)。ちょっと前までは「内容的にはこうしたいけど、アイドラっぽくないな」「俺たちにはあんまり似合わないな」というものは先に排除してたんですよ。でも、それがクリエイティブの面ですごく制約してるというか、幅をすごく狭めてるなと感じて、少しずつ広げていかないと、この先続かないなと感じたんですね。自分的にそれがコンプレックスだったというか。それを壊していったものを、ちょっとずつちょっとずつバンドに投げていって、この「魚」に行き着いた感じですね。
──まさに今までのイメージを覆すワードだったんですね。
YU 今までだったら「僕ららしくないよね」って排除してたと思います。でも段階を踏んできて、去年の頭ぐらいからそういうことにトライしていて、1年ぐらいかけて自分の表現の幅がすごく広がったなあと思ってて。言葉の響きとか意味を変に自分たちで狭めないような曲作りというのができ始めてきたので、のびのびいろんなことが書けて作詞自体が楽しくなりました。
──そういう意味では、「アイドラらしさ」というのは抽象的なので、メンバーによっても細かいところでズレは出てくると思います。それを合わせるのに意識していることはありますか?
YU やり始めの頃は何の歴史もない段階だったので、「僕らはどうあるべきなんだろう」みたいなことを話し合ったり決めたりしなきゃいけなかったんですけど、もう結構な年月をやってきたので、今は僕らから出るものって自然とアイドラらしいものになってるんだなあと思うようになりました。むしろそれ以外のことって、できようがないというか。僕らとしてはすごく突発的なことをやったつもりでも、外から見れば結局「アイドラらしい」ということになってしまうし。それが限界でもあるし、それがあるべき形でもあるのかなとも思うので、僕なんかは逆にあんまり考えないようにしてますね。
──先ほど「曲を変えてきている」という話がありましたが、そこの部分ではいかがですか?
SHUKI たぶん、昔に比べて大きいのは、SNSがあるっていうことなんですよ。お客さんの反応なんかもダイレクトに聞けるじゃないですか。そういう意味では反応を見る実験もしやすいというか。以前は自分たちの中で「こういう反応だろう」というのをある程度固めきって、それを間違えないように作品に落とし込んで出してたんです。でも最近はもっと緩くというか、「自分たちはこうだと思ってたけど、出したら意外とそうじゃなかった」という反応を受けてきた経験を元に、出してみてこうなったら、それをまた次に生かそう、みたいな。100%固めきらないというか、そういうのができるようになりました。
──なるほど。
SHUKI 頑張りすぎないというか、1曲で人生が終わるわけじゃないんで。「もうこの1曲しか出さない」とかなったら、そこまで考えるかもしれないですけど(笑)。1曲単位じゃなくて、やっていく流れの中でバンドをどう見せるというか、そういうのは昔より増えてきたと思います。
──そしてアイドラの場合、曲や演奏だけじゃない部分もコンセプトとして大事なわけですよね。
YU もちろんそうですね。そこが、僕がバンドが好きというところなので。バンドというのはグループなので、1人で作詞作曲してリリースするよりも、より強い世界観みたいなものがクリエイトできるというところをすごく魅力的に感じるんですよね。MVだったりライブだったりも含めて、総合的なものをいつも考えながらやってます。
──弦楽器のお2人は、サウンド面についてはどう考えていますか?
KENJI 基本的には、ルーツとか根底にあるものというのはどこまで行っても変わらないものだと思うんですけど、SHUKIが言ったように時代によって音楽の聴かれ方というのも変わってきてるわけで、その中で、ずっと根本にある変わらないものと、いろんなものを新しく吸収したり、周りの反応を見て変わっていくものというのが、両方あると思いますね。昔だったら「これだけやってれば売れる」みたいなものがあったかもしれないですけど、情報もどんどん回ってきて、音楽の流行りなんかも、より速くコロコロ変わってきてるというのもあるので、それに対応できないバンドは死んでいくのかなというのはすごく思ってて。そこは肩肘張らずに、柔軟に対応していかなきゃなというのは感じてますね。
CHOJI ライブでその曲をやって好きになるかどうかというのは、自分のギタープレイの充実感と比例してたりするんですよ。やっぱりライブでやっていく以上、「自分らしさ」みたいなものを入れたいなというのは常にあって。それに、SHUKIが言ったように「この1曲で終わりじゃない」っていうのも結構感じてるんで、そのへんに折り合いをつけながら、曲が生きるようなフレーズを考えるというのももちろんですし、ライブでやってて楽しいっていう自分の満足感と天秤にかけながらという感じですね。
──先日のライブでも、CHOJIさんが弾きまくる時間が結構あるじゃないですか。
CHOJI 多かったですね、今回は。
一同 (笑)
YU 久しぶりのライブだったしね(笑)。でもCHOJIのギタープレイはアイドラらしさの非常に大きな軸の一つだと思ってて。僕らは「シティポップ」ってジャンル分けされることが多くて、「俺ら、本当にシティポップかな?」っていつも思うんですけど、そういう横並びのバンドの中でCHOJIみたいなギターがいるバンドって僕は知らないんですよ。ということは、それが自分たちらしさでもあって。だからライブでああやって表現しているのも、それの一環なのかなと思います。
CHOJI たまに、「そこまでやらなくていいかな」と思うこともあるんですけどね、まあ、ああなるのは仕方ないです。
KENJI 仕方ないって(笑)。
タランティーノ感溢れるMVと、最新曲「愛言葉」の制作秘話は……
──「地上を夢見る魚」のMVが、また強烈で面白かったですね。
-I Don't Like Mondays. / 地上を夢見る魚
YU ありがとうございます(笑)。しばらく、皮肉感というかアイロニーというものをテーマに曲作りをしていたんです。去年、「Mr.Clever」という曲を出したあたりからですね。まあ、「I Don't Like Mondays.」というバンド名自体もそうですし、「ポップさとアイロニーって、僕らの一つのキーワードだよね」っていうことは結構話し合ってて。それをビジュアル面でも、ジャケットの色合いだったりロゴの形だったりに少しずつ反映できてきて、「地上を夢見る魚」の歌詞も、どっちかというとアイロニックなテイストの歌詞なんですよね。だからMVもその方向にしたいなっていうのを話してて。それですんなり作っていけたという感じですね。
──インスパイアされたものというと?
YU タランティーノ感は出したかったですね。
──やっぱりそうですよね(笑)。
YU あの毒々しさとアイロニックな感じが一つのキーワードとしてありました。今回は新しい監督さんとの作業だったんですよ。今まではMVも自分たちでかなり作ってたんですけど、それにもちょっと限界を感じてて。なので今回はキーワードをどんどん投げていって、監督さんと彼のチームに任せて撮影していくという形でした。かなり割り切ってやったんで、僕らとしては楽でしたね。
KENJI そうだね。結構お任せだったんで。
YU 僕らの稼働量としては、メチャメチャ楽でしたね。
──これからもそうしていこうという感じですか?
KENJI いや、今回はこれでやっていこうというだけで、曲によってはまた変わることもあるでしょうし。
YU 実験的だったよね。
──実際に完成版を見た時はいかがでしたか?
YU 面白かったよね(笑)。
KENJI まあ、自分たちでは考えつかないというか、自分たちがいつも作ってる感じとは全く違うテイストのものができたので、実験するという意味ではよかったのかなとすごく思いました。
──そして本日、「愛言葉」がリリースされました。こちらに関しては?
YU もともとロート製薬さんの「ヘリオホワイト®︎」という日焼け止めのCMタイアップの話ありきで作らせてもらって、原曲自体は2年ぐらい前に作ってたトラックとメロディーなんですよ。その曲が合ってるんじゃないかと教えてもらって、僕らとしては「ああ、そんな曲あったね」ってことで掘り返して、歌詞を乗せたんですけど。
──そういう経緯だったんですね。
YU トラックとしては日焼け止めのCMなので、夏の感じを意識して音作りをして。僕が歌詞を書くにあたっては正直、CMのことは一切意識してなかったんですよ。それはロート製薬さんの前でも言ったんですけど(笑)。それを変に意識してしまうと、僕らのことが好きなファンにとってはつまんなくなるんじゃないかと思って。トラックからインスパイアされたものを書きたいように書いたという感じなんですけど、テーマとしては恋愛で言うと「恋」から「愛」に変わっていく過程というところです。
──漢字三文字のタイトルが意外な感じがしました。漢字三文字って、どうかすると重く感じられる場合もあるかと思うんですが。
KENJI ああ、言われてみれば。
YU 表記の仕方もいろいろ考えたんですよ。2人の何か共通の合い言葉が、「愛」という言葉の意味なのかという、ダブルミーニングで歌詞を作ってるんですね。なので、それがダブルミーニングだよということを、タイトルで一番分かりやすくするにはどうしたらいいかと。結局、「愛言葉」というのが一番、その意味が分かりやすいということで、こうなりました。
とにかく早くライブ、ツアーをやりたい!
──さて、コロナウイルスの影響もまだ続きそうな感じなんですが、このコロナ期間で新しく始めたことは?
YU 僕はこの前のライブでも披露させてもらいましたが、ピアノを始めたのが大きいですね。あと個人的には、家にいる時間が長くなったので、家の機材をよくしようと思ってオーディオを買ったので、レコードデビューしました。今はレコードでジャズをよく聴いてるんですけど、メチャクチャ楽しいですね。
──レコードは再評価されてますよね。やっぱり音が違いますか?
YU 全然違いますね! より深く音楽を楽しめるようになって、より自分の職業を愛せるようになりました。
──いいですね。SHUKIさんは?
SHUKI バンドとしては曲作りのスタイルが変わったというのが大きいですが、個人的には料理をするようになりました。自粛になった当初はお店も全然開いてなくて、家にいる時間も増えたので、それで結構やりました。
──どんな料理を?
SHUKI 何でもですね。ただ、何となく作るのがイヤで、できる限りおいしくしたいというのを毎回思っていて、レシピを調べるのに時間をかけたりして、結果、家に調味料が増えました。
YU この顔で料理ですからね(笑)。
KENJI でもおいしそう。
SHUKI 料理の見た目は全然気にしないんで、見た目はアレですけど。一番よかったのは、水を使わないミネストローネですね。野菜とかの水分で作るヤツで。
YU シェフっぽいよね(笑)。
SHUKI ヒゲだけでしょ(笑)。
──KENJIさんは?
KENJI 何ですかね? 最初の頃は散歩とかしてましたけど……。
CHOJI 自転車に乗ってるよね。
KENJI ああ、自転車ね(笑)。もともとは仕事場に行く程度だったんですけど、最近は遠くに行って、4時間とか乗ったりしてます。1日50~60kmぐらいは走ってますね。
──それはすごい! 健康にもよさそうですね。
KENJI ですね。余計な脂肪とか落ちました。
──CHOJIさんは?
CHOJI 俺はアニメをホントによく見ましたね。「ONE PIECE」は今見てて、「鬼滅の刃」とか「進撃の巨人」とか、「HUNTER×HUNTER」、「幽遊白書」。
YU ジャンプが多いね(笑)。
CHOJI 「ONE PIECE」は今、DVDを借りて見てるところなんですけど、あとゲームもすごくやって。それと、花を買って花瓶に生けるようになりました。枯れたら新しいのを買ってってやってたら、結構増えてきて……
KENJI すごいたくさんあったよね。
CHOJI そう、すごくグッドなガーデンになりました。
一同 (笑)
──コロナ期間に始めて、今も続いてるんですね。
KENJI もともと好きだったよね?
CHOJI そうだね。たまに制作しながら花を見て、「ああ~、よしやろう」って。だいぶ癒やされてますよ。
──それぞれいろいろありますね(笑)。さて、ここからはどうしていきたいですか?
KENJI ライブがどんどんやれるようになってほしいですよね。
YU ツアーもしばらくやれてないので、できるようになったらやりたいですね。行けてない場所もたくさんありますし、曲もたくさん増えたので、それをライブでまた披露したいですし。
KENJI 作った曲をライブでこすっていくことによって、クリエイティブがよくなるというのもかなりあるんですよね。制作だけしてる期間ならではの曲もすごく生まれたとは思うんですけど、ライブができる時期に備えて、よりライブに向いてる曲も作っていきたいなと思いますね。
──今の新曲も、ライブでやってどんどん育てていくというのもあるでしょうしね。
YU 歌もそうですけど、僕らの曲ってライブでやればやるほど楽しくなる系なので。慣れてくれば慣れてくるほど、極め甲斐がある曲がたくさんあるので、楽しいですね。ピアノももっと充実させたいですし。披露できる場所があるので、練習しがいもありますからね。
SHUKI コロナになったおかげというと変ですけど、自分たちのクリエイティブを方向転換するって、なかなか大きいことじゃないですか。そうした方がいいと思ってやったわけですけど、それはまだやり始めたばかりなので、この先どうやっていくかは自分でも楽しみですね。
──この先、ライブの本数が増えていくことと、それは関係してきますか?
SHUKI すると思います。新しい曲をライブでやって感触を得て、それを元にまた新しい曲を作る時に「あの曲はリリースの時はこうだったけど、ライブではこうだったから、その差をこうしよう」という風に工夫を生かせるので、ライブをやるのはやっぱり大きいですね。
──CHOJIさんは。
CHOJI この前、久しぶりにライブをやってみたら、自分のプレイや周りの音を聴くことを自然に楽しめるようになっていたので、ライブができなかった期間というのは自分にとってプラスだったんだなあと感じたんですよね。それでもやっぱりライブをやってる時が一番楽しいので、早くコロナが収まってライブができる環境に戻れたらと、いつも思ってます。
KENJI やっぱり、早くお客さんも声を出せるようになるといいよね。
YU 確かに。
KENJI この前はBillboard Liveだったからまだよかったですけど、ホールライブとかだとお客さんが声を出せないストレスというのももっとあると思うので、早く昔みたいにライブができるようになってほしいですね。
──本当にそうですね。そんな日が早く来ることを願ってます。ありがとうございました!
撮影 長谷英史
2021年4月7日(水) 配信リリース
「地上を夢見る魚」
2021年4月28日(水) 配信リリース
「愛言葉」
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- WRITTEN BY高崎計三
- 1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。