ソロアーティスト・デビューから約2年。 初のフル・アルバム『ENTER』で高野洸(たかのあきら)が見せたかった世界とは?
歌手としては2019年1月にシングル「LOVE STORY」でソロデビュー。俳優としてはミュージカル『刀剣乱舞』の膝丸役をはじめ、舞台『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stageの山田一郎役など、演技だけでなく歌やダンス、ラップのスキルが要求されるステージをこなしてきた高野洸が、念願叶って初のフル・アルバムをリリース。これまで発表してきた4枚のシングルから1曲もずつ収録され、ソロアーティスト活動の集大成とも言えるアルバム『ENTER』に込めた想いについて語っていただきました。
自分自身で選んだ、集大成の楽曲たち!
──これまで4枚のシングルをリリースされている高野さんですが、このたび満を持してフル・アルバム『ENTER』をリリースします。今のお気持ちは?
高野 「いつかはアルバムを出したい!」という思いはずっとあったので、それがやっと叶ったという気持ちと、1年前ぐらいからアルバムの曲決めが始まっていて、結構時間をかけて作ってきたので、それがようやく届けられるという達成感の両方を感じてます。1stシングルを出した時はまだこれから先のビジョンが明確になってなかったんですけど、2ndシングルぐらいからこれから先の目標としてアルバムとライブツアーというのをずっと掲げていて、そこに向けてがんばってきたので、うれしいです。
──シングルからも1曲ずつ収録されていますが、アルバムとして一つの作品になったことで感じたこと、新たに気づいた曲の魅力などはありますか?
高野 アルバム全曲を通して似たような曲調のものはなくて、ジャンルも曲調もバラエティ豊かになってると思います。アルバムを最初から通して聴いた時、1曲目の「Can't Keep it Cool」から「TOO GOOD」に行く流れが好きです。「TOO GOOD」は踊れるナンバーでありながら少し洋楽っぽさもあって、バスドラが効いた重低音の曲だし、その次の「Untouchable love」はここでアコギが入ってくるのか、というエロさみたいなのが感じられると思うし、4曲目の「In the shade」も特徴的な曲ですよね。そういう流れがあるので、1曲目から順番通りに聴いても素敵だなと思います。曲に関してはいろんな楽曲がある中で僕自身が選んで、活動してきた思い入れがあるので、今までの集大成としても面白い並びになっているんじゃないかなと思いますね。
──今おっしゃったように、本当にいろんな曲が詰まったアルバムになっていますよね。
高野 「It's my bad」も入れたかったなと思うし、「Our Happiness」も好きだと言ってくれる人が多い曲ですし、個人的には「You've Broken My Heart」もすごく好きだったので、アルバムに入れられなかったのは残念ですね。でも曲が増えて、どの曲をアルバムに入れるか悩むという状況そのものが贅沢だなというか、昔の自分からすると想像できなかったことだなと思います。
──1年前からアルバムの曲決めを始めたとおっしゃっていましたが、どの曲を入れる、入れないはどうやってセレクトしたんですか?
高野 「Can't Keep it Cool」はデビュー曲で、MVもひと足先に公開していて、僕の活動の原点、スタートというイメージ。一番、広がりが大きかった曲だと思うので、間違いなくアルバムに入れなきゃいけない曲だし、僕の代表曲という意味もあってアルバムの1曲目を飾ってもらいました。シングルからは他に「Untouchable love」と「TOO GOOD」を選んでるんですけど、「TOO GOOD」は面白い楽曲というか、攻めた曲なんですよね。「「WARNING」はダンスビデオの再生回数も多いし、好きだと言ってくれる方が多い曲だと思うんですけど、今回新たに歌った「BURNING UP」がジャンル的に「WARNING」と同じだったので、「Untouchable love」を選びました。Can't Keep it Cool」から「TOO GOOD」、「Untouchable love」の流れは、アルバムが完成した今、あらためて聴いてもやっぱりこの並びでよかったなと思います。
──このアルバムで初披露となる曲も多数収録されています。その中から高野さんが特におすすめしたい曲は何ですか?
高野 「New Direction」と「モノクロページ」ですね。2曲ともミュージックビデオ(MV)を作ったので、そちらもぜひ観ていただきたいです。実はアルバムを作る段階でデモ曲を200曲ぐらい集めていただいて、その中からアルバム用の曲を選んだんですけど、「New Direction」を初めて聴いた日の夜はイントロがずっと脳内リピートしてて、僕はこの曲のメロディー本当に好きなんだなと思いましたし、ぜひやりたいと思ってやらせてもらいました。いつでも聴きたくなるような爽快感があって、テンションを上げてくれる曲だと思うので、いろんな人に聴いてほしいです。
「モノクロページ」は僕が作詞した曲なんですけど、実は4thシングルで作詞した「In the shade」と「Shining warm」より先に誕生したのがこの「モノクロページ」なんです。「モノクロページ」は「In the shade」と「Shining warm」の完結編というか、「モノクロページ」を軸にして作ったストーリー性のある3曲で、僕が考えに考えて作った曲です。なので、いい曲になってるんじゃないかなと思います。1番と2番で女性と男性目線が変わるんですけど、今まで隣にいた人が急にいなくなって、今までの思い出がモノクロになってしまう。そしてやっぱり自分にはあの人が必要なんだと気づかされ、自分の悪かったところも気づくという、別れた話だけじゃなくて前向きなメッセージも込められています。
「In the shade」と「Shining warm」、「モノクロページ」で3部作になったのは、最初にこの3曲を作詞しようということになった時、ストーリー性があったほうが僕らしさを出しやすいかなと思ったからなんですね。今までのシングルもそういう作り方をしてきたので、今回もそんなふうに繋がるストーリーがあっても面白いかなと思って、3曲まとめてストーリーを考えることにしました。物語を作って人物像を描いた後に作詞したほうが、自分の恋愛観や人生だけに頼るよりも歌詞を作りやすいかなと思ったというのもあります。一応、ストーリーの設定とか時系列の出来事とかも書きつつ、作詞したんですよ。誰かの人生を歌うことによって、より多くの人が共感しやすくなるかなというのも考えてました。
周りを励ましたいタイプ? それとも励まされたい?
──YouTubeでは先行公開された「New Direction」のMVは公開から2週間ですでに4万回試聴されています。
高野 「New Direction」は曲自体が爽やかで、メロディーラインも強調されているので、逆にただの明るい曲になってしまうのは避けたかったんです。なので、うつむいている状態でい続けてはだめだよ、自分を信じて前を見て、新しい道に進んでいこうというポジティブな意味を込めた曲にしたくて、僕がテーマを決めさせてもらいました。MVに関しても、どこで踊るかって結構重要だと思うんですけど、僕のイメージでは荒れたところで踊ってるイメージがあったので、そういう場所で撮りたいですと伝えて。監督さんからはそれプラス、合成で爽やかさを足していきましょうということで、幻想的な世界観を作ってくれました。屋外での撮影だったのですごくいい色が出ましたし、衣装も明るい紫を基調としたグラデーションでかわいくて、明るい気持ちにさせてくれますよね。
──「New Direction」のMV撮影中、何かエピソードはありますか?
高野 コンテナがあるのを見てわかるとおり、撮影は埠頭でやったんですけど、実は撮影中、その埠頭に船が入ってきちゃったんですよ。ダンスシーンを撮っていたら急にむこうから大きな船が現れて、でも制作スタッフさんは「ここはちゃんと許可を取っているから大丈夫です」と言っているし…。なのに結局、その場所に船が停泊してしまったので、違う場所に移動したんですよ。すごく大きな船だったので近づいてくるのはちょっと怖かったですね(苦笑)。「New Direction」は大きく動く振り付けも多くて、指をさす振り付けもあって、全体的にポップだと思います。でもただポップっていうだけじゃなくて、気持ちいい振り付けをしていただいたので、すごく踊りやすい曲ですね。
──ポップで爽やかなだけじゃなく、意味を込めた曲にしたいという話がありましたが、高野さんとしてはこの曲をどんな風に受け止めて欲しいですか?
高野 悩み抱えたり、立ち止まりそうなことって人生でたくさんあると思うんですけど、そういう時に聴いてほしいですね。次に進もうとしている道が、どこに行っても不幸ってわけでは絶対にないと思うので。新しい方向に向けてダイレクトしてもらって、突き進んだ方がいいと思いますし、一回リフレッシュしないと悩みも解決しないと思うので、こういう曲をいっぱい取り入れてもらって、新しい道に進んでもらえたらうれしいと思います。
──前向きですごく明るさをもらえる曲だと思いました。高野さんご自身の性格的にはみんなを励ますタイプですか? 励まされたいタイプですか?
高野 基本的には励ましてあげたいですし、励ましてもらいたい時もあります。でも正直、ちっちゃい時から心配されることはあんまり好きではなかったので、励まされる機会は今まであんまりなかったですね。そもそも励ましの定義がいまいちよくわかってないんですけど、もし僕を励ましてくれるなら、ただ隣にいてもらえるだけでうれしいです。話を聞いてほしいわけでもない気がするので…。たぶんもともと誰かに助けを求めるタイプではないのかも。強いのか弱いのかわからないですけど(苦笑)。誰かにぶつけた方が早く解決できることもあると思うんですけど、それにまだ慣れてないというか、逆に弱いというか。悩みを相談することもないですし…。僕が相談したことで相手にとっても得るものがあるのであれば言いますけど、嫌な気持ちにさせても悪いなと思うし…。ちっちゃい相談とかはしますけど、悩んでるのを悟られること自体、あんまり好きではないですね。だから相談できない弱さはあると思います。周りの人が落ち込んでたらとりあえず話を聞いてあげたいし、頼られるのはうれしいけど、僕が頼るのは相手がどう思うんだろうって、つい考えちゃうんですよね。
(マネージャー)洸は人に心配かけさせるのが嫌なんだと思いますよ。人の愚痴も言わないし、人に心配かけないように気を遣うし。それを自ら語る性格でもないし。だけど大事な人が苦しんでいる時は迷わず真っ先に助けに行くタイプですね。なので、どちらかというと励ますタイプなのかと思います。
──周りのスタッフが全員、今の言葉に大きくうなずいてますね(笑)。「New Direction」と「モノクロページ」の2曲はアルバムリリースに先駆けて先行配信されましたが、反響は届いてますか?
高野 この前、舞台『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stageの現場で共演した仲間に感想をもらったり、MV見たよと言ってもらったりしました。「New Direction」は爽やかでよかったよ、とか。「モノクロページ」は曲調が大好きと言ってくれた人がいましたね。
アルバムタイトル『ENTER』に込められた思いとは……。
──今回のアルバムはラップが目立つ曲がいくつかありますよね。どの曲もラップがすごく自然でが、舞台でラップをした経験が影響していると思いますか?
高野 ありますね。もともとヒップポップのダンススクールに通ってる時から海外のラップを聴いていましたし、そういう乗り方が根本的に好きだったんですけど、舞台を通じてそこにさらに深く踏み込む機会がやってきた、という感じです。舞台『ヒプノシスマイク』では自分がラッパーとして役を演じるわけなんですけど、自分がやってるラップだけじゃなくて、他の人がやってるラップも舞台中、ずっと耳に入ってくるので、そういうカルチャーを体に染み込ませることができたっていうのが大きかったなと思います。もともとラップが好きなんでしょうね。うまいなとは思わないし、そこまでテクニカルな部分はわからないけど、韻を探すのは好きですし、このリズムではこうやった方が気持ちいいよなっていうのが自分の中にある程度あるので、好きなんだろうなとは思いました。
──初回限定盤アルバム(映像付き)にはDVD/Blu-rayが同梱します。こちらにではMVやダンスビデオなどの映像で高野さんを堪能できるということですが、あらためてこの映像を観て思い出したことはありますか?
高野 「Can't Keep it Cool」はMVを見るのが辛くなるぐらいキツかった思い出がありますね。ずっと踊ってたので(苦笑)。画角を変えてもう一回、画角を変えてもう一回っていうのを何度も繰り返して、延々フルで踊り続けたので。あそこの光景を思い出すと、あの時の苦労が蘇ってきますね。「Can't Keep it Cool」だけじゃなく、1stシングルは3曲すべてMVを撮ることになって、しかも全部ダンスビデオみたいな感じだったので、その撮影の連続はしんどかったですねえ…。「Untouchable love」のMVはすごく好きで、2つのセットで撮ってるから背景もコロコロ変わるし、衣装も変わるんですけど、チョコレートみたいで可愛いんですよ、赤と白で(笑)。曲と合ってるなと思いますし、ラップの時の照明のコントラストがすごくいいんですよね。
「モノクロページ」もいいですね。自分が踊ってないMVっていうのは僕としては結構、挑戦的だったんですけど、1番と2番で女性目線から男性目線に変わるっていうのをうまく伝えるために、MVも女性が踊ったあと男性が踊るというふうにしたらどうだろうという案が出て、そうしました。僕はストーリーテラーというか、語り手のような感じで歌っています。でも、歩いている道は2人がよくショッピングしていた街町だったり、2人の思い出の場所なんですよ。MVの見方はそれぞれだと思いますけど、あの曲は自分のダンスで表現しないという、ある意味チャレンジングなMVですね。
「BURNING UPLOVE」は夜、野外での撮影だったんですけど、でっかいコンテナがあったり、ちょっとストリートっぽい雰囲気に仕上がっていて、炎にまさに曲の熱さが出てる気がして、いい感じでしたね。衣装も半袖ですし。この人の心は熱く燃えているんだろうな、ということが伝わればうれしいです。「New Direction」はダンスビデオもあるので、ぜひ一緒に踊ってみてもらいたいですね。サビの最後のところ、「思いのまま進めNew Direction」っていう「Direction」からフリ2つ、1回手を上と下に掲げてもらって、その後右手を下げて、左を下ろして右手で左から新たな扉を開いて新しい世界に入るような振り付けがあるんですけど、ここは真似しやすいかも。でもライブツアーではペンライトを振ってもらえれば大丈夫です!
──今回のアルバムの中で歌詞、歌唱、タイトル、MVすべて含めて一番気に入ってる曲はどれですか?
高野 やっぱり「New Direction」ですね。僕が今やれること、勇気づけられることを詰め込んだ曲だと思います。舞台で共演している仲間からも、この曲は僕っぽいと言われました。周りが僕をどう思ってるかって実はあんまりよくわかってないんですけど(笑)、この曲は歌詞に全部共感できるし、ずっと自分が大事にしていたこと、ポリシーが表現されてると思います。たとえば「どうしたって時間は巻き戻せないんだから」というフレーズも、一度きりの人生だからこそ楽しんでいこうよって思うし、「自分自身を信じてよ」という歌詞も自分が大事にしている言葉だし、そういう前向きなところは自分っぽいのかも、と思いますね。
──アルバムのタイトル『ENTER』はどんな意味を込めてつけたんですか?
高野 僕にとって初めてのアルバムなので、第一歩という意味の言葉をたくさん探したりした中で、「ENTER」という言葉に行き着きました。すごくしっくりきましたね。「ENTER」という5文字の並びがすごくキレイだし、印象にも残りやすいし。入力した文字を確定する「ENTER」と同じように、これまで僕が培ってきたものや出してきた曲を全部入力して、今、世の中に放つという意味もあります。エンターテイナーのエンターでもあるので、素敵な5文字だなと思いました。そういう意味でもこのアルバムを象徴する「New Direction」は新しい世界に入る、自分を信じて貫くっていう曲だなと思います。
──今回のアルバムではできなかったけど、挑戦してみたい曲はありますか?
高野 今まではあるものの中から曲を選んできましたけど、例えば僕からこういう曲がいいですとオーダーするのもよし、誰かにコラボをお願いするのもありだと思います。あとは季節感のある曲とか、ガッツリラップとか。それに、今後は自分で作曲にも挑戦したいです。今は趣味程度に作曲をしてるんですけど、いつか自分で作った曲を紹介できたらいいなと思います。まだまだ挑戦できることはいっぱいありますね。
俳優として、アーティストとしての大きな目標とは?
──今回のアルバムの出来には満足ですか?
高野 満足ですね。どの曲もいろんな人の手によってアレンジされたり、こだわっていただいてできたものなんですけど、どれもしっかり仕上がって、完成された料理になっていて、それがコース料理として提供されているようなアルバムになったと思います。だから僕も満足してますし、みなさんにもきっと満足していただける内容になったんじゃないかなと思います。特に限定盤はサンプルが出来上がってすぐ見させていただいたんですけど、パッケージが箱なんですよ! 自分の関わった作品がこんな立派な箱になるっていうのもそもそもうれしいですし、特典としてトートバックとビッグカードブックレットも付いてるんです。特にブックレットの写真は素敵な場所で撮っていただいて、すごくいい写真になりました。分厚いCDは自分の作品としては初めてだったんですけど、ちっちゃい頃から分厚いCDのアルバムは目にしてきたし、自分もやっとここまで来たかっていう感じがしました。ただ音を出力して聴くだけじゃなくて、ブックレットの写真を目で触れて、箱を触って、みなさんの思い出に残るような作品になっていると思います。
──ジャケットの写真もいいですよね。クラシカルな雰囲気だけど、動きもあって。
高野 躍動感が表現できる衣装を持ってきてくださったんですよね。服はフォーマルだけどスニーカー履いてますし。ジャケットやシャツのヒラヒラも、僕の動きを表現してくれて、体の一部として一緒に表現できた感じはうれしかったですね。
──このアルバムをひっさげてのライブツアーも予定されています。どんなライブになりそうですか? 楽しみにしていることは?
高野 これまでアーティスト活動だけじゃなくいろんな舞台もやってきて、ステージ上に立っている時間が結構長かったので、その経験を生かす機会として、これまでの活動を全部「ENTER」させる瞬間、僕にとっての集大成だと思っています。集大成という意味ではこのアルバムもそうなんですけど、ライブツアーではこれまでやってきたことを生かして、最高のエンターテインメントを作れるようにがんばっていきたいです。アルバムの収録曲はライブに向けて選んだ曲もあるんですよ。たとえば「COLOR CLAPS」とか。まだライブで声を出すことはできないかもしれないけど、「Way-Oh!!」は一緒に振り付けをやったら楽しそうだし、みなさんと一緒に楽しむことがライブの醍醐味だと思うので、楽しみにしていただきたいです。
──アーティスト活動を始める前に観客としてライブを観た経験はありますか?
高野 初めてライブに行ったのは矢沢永吉さんですね。父がファンなんですよ。まだ自分が小さい頃で、ライブ途中でトイレに行きたいと言ったら、親に「何でやねん、今めちゃくちゃ楽しみにしとったのに! この曲ば聴きに来たのに」って(笑)。
──そういうご両親のもとで育ったんですね。じゃあ今回のライブも楽しみにしていらっしゃるのでは?
高野 そうですね。両親は車での移動が多いので、今では車の中でいつも僕のCDを流してくれてるみたいです。もちろん、役者としての活動も応援してくれていますけど、アーティスト活動は本当に幸せみたいで、まさかこんな車の中で息子の声が聴けるとは思ってなかったと言ってくれて、これからもっともっとがんばりたいと思うし、やりがいに繋がりますね。
──俳優として、アーティストとして、それぞれ今後やりたいことはありますか?
高野 どちらも目標は決まっています。役者としては朝ドラと大河に出演すること、アーティスト活動では紅白歌合戦に出場することですね。紅白歌合戦は今まで2回、出場させてもらっているんですけど、どちらも企画コーナーでの出場で、高野洸としては出たことがないので、次はアーティスト・高野洸として出演したいなという気持ちがあります。これまで2回出させていただいたからこそ、より強くそう感じるようになりましたね。役者とアーティストの目標を掲げましたけど、どっちが先に叶っても幸せだし、だからこそどっちも両立できたらいいなと思っています。それがおそらくどっちのレベルアップにも繋がると思いますし。「New Direction」の歌詞にもありますけど、あっという間に時間は過ぎていくし、時間は巻き戻せないので、自分がやれることを丁寧にやって、チャンスを掴みたいです。
──最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。
高野 アルバム『ENTER』で僕の歌手としての活動を一旦まとめることができたので、次の目標に向かって、次に『ENTER』する瞬間に向かって、もっともっと気を引き締めて、いい作品を作っていかなきゃなと思っています。アルバムも聴いていただいて、ライブにもぜひ遊びにきていただきたいです。これからも応援をお願いします!
『ENTER』
2021.3.24 ON SALE
AL+DVD2枚組+グッズ ¥13,900 (税抜) AVZD-96657/B~C
AL+Blu-ray Disc2枚組+グッズ ¥13,900 (税抜) AVZD-96658/B~C
AL+DVD ¥5,000 (税抜) AVCD-96659/B
AL ¥3,000 (税抜) AVCD-96660
『高野洸 1st Live Tour “ENTER”』
2021年4月25日(日) <変更後>仙台銀行ホール イズミティ21(仙台市泉文化創造センター)大ホール 開場14:30/開演15:00
2021年4月25日(日) <変更後>仙台銀行ホール イズミティ21(仙台市泉文化創造センター)大ホール 開場18:00/開演18:30
2021年5月1日(土) メルパルクホール東京 開場14:00/開演14:45
2021年5月1日(土) メルパルクホール東京 開場17:45/開演18:30
2021年5月3日(月・祝) ももちパレス 開場14:00/開演14:30
2021年5月3日(月・祝) ももちパレス 開場17:30/開演18:00
2021年5月5日(水・祝) 松下IMPホール 開場14:00/開演14:30
2021年5月5日(水・祝) 松下IMPホール 開場17:30/開演18:00
2021年5月8日(土) <変更後>大宮ソニックシティ 大ホール 開場 13:30/開演 14:30
2021年5月8日(土) <変更後>大宮ソニックシティ 大ホール 開場 17:30/開演 18:30
※開場・開演時間は変更になる可能性がございます。予めご了承ください。
【高野洸 OFFICIAL SITE】
https://takano-akira.net/
【高野洸 Twitter】
https://twitter.com/AKIRAT_official
【高野洸 Instagram】
https://www.instagram.com/akira_takano_official/
【高野洸 Instagram (Staff)】
https://www.instagram.com/akira_takano_staff/
自分自身で選んだ、集大成の楽曲たち!
──これまで4枚のシングルをリリースされている高野さんですが、このたび満を持してフル・アルバム『ENTER』をリリースします。今のお気持ちは?
高野 「いつかはアルバムを出したい!」という思いはずっとあったので、それがやっと叶ったという気持ちと、1年前ぐらいからアルバムの曲決めが始まっていて、結構時間をかけて作ってきたので、それがようやく届けられるという達成感の両方を感じてます。1stシングルを出した時はまだこれから先のビジョンが明確になってなかったんですけど、2ndシングルぐらいからこれから先の目標としてアルバムとライブツアーというのをずっと掲げていて、そこに向けてがんばってきたので、うれしいです。
──シングルからも1曲ずつ収録されていますが、アルバムとして一つの作品になったことで感じたこと、新たに気づいた曲の魅力などはありますか?
高野 アルバム全曲を通して似たような曲調のものはなくて、ジャンルも曲調もバラエティ豊かになってると思います。アルバムを最初から通して聴いた時、1曲目の「Can't Keep it Cool」から「TOO GOOD」に行く流れが好きです。「TOO GOOD」は踊れるナンバーでありながら少し洋楽っぽさもあって、バスドラが効いた重低音の曲だし、その次の「Untouchable love」はここでアコギが入ってくるのか、というエロさみたいなのが感じられると思うし、4曲目の「In the shade」も特徴的な曲ですよね。そういう流れがあるので、1曲目から順番通りに聴いても素敵だなと思います。曲に関してはいろんな楽曲がある中で僕自身が選んで、活動してきた思い入れがあるので、今までの集大成としても面白い並びになっているんじゃないかなと思いますね。
──今おっしゃったように、本当にいろんな曲が詰まったアルバムになっていますよね。
高野 「It's my bad」も入れたかったなと思うし、「Our Happiness」も好きだと言ってくれる人が多い曲ですし、個人的には「You've Broken My Heart」もすごく好きだったので、アルバムに入れられなかったのは残念ですね。でも曲が増えて、どの曲をアルバムに入れるか悩むという状況そのものが贅沢だなというか、昔の自分からすると想像できなかったことだなと思います。
──1年前からアルバムの曲決めを始めたとおっしゃっていましたが、どの曲を入れる、入れないはどうやってセレクトしたんですか?
高野 「Can't Keep it Cool」はデビュー曲で、MVもひと足先に公開していて、僕の活動の原点、スタートというイメージ。一番、広がりが大きかった曲だと思うので、間違いなくアルバムに入れなきゃいけない曲だし、僕の代表曲という意味もあってアルバムの1曲目を飾ってもらいました。シングルからは他に「Untouchable love」と「TOO GOOD」を選んでるんですけど、「TOO GOOD」は面白い楽曲というか、攻めた曲なんですよね。「「WARNING」はダンスビデオの再生回数も多いし、好きだと言ってくれる方が多い曲だと思うんですけど、今回新たに歌った「BURNING UP」がジャンル的に「WARNING」と同じだったので、「Untouchable love」を選びました。Can't Keep it Cool」から「TOO GOOD」、「Untouchable love」の流れは、アルバムが完成した今、あらためて聴いてもやっぱりこの並びでよかったなと思います。
──このアルバムで初披露となる曲も多数収録されています。その中から高野さんが特におすすめしたい曲は何ですか?
高野 「New Direction」と「モノクロページ」ですね。2曲ともミュージックビデオ(MV)を作ったので、そちらもぜひ観ていただきたいです。実はアルバムを作る段階でデモ曲を200曲ぐらい集めていただいて、その中からアルバム用の曲を選んだんですけど、「New Direction」を初めて聴いた日の夜はイントロがずっと脳内リピートしてて、僕はこの曲のメロディー本当に好きなんだなと思いましたし、ぜひやりたいと思ってやらせてもらいました。いつでも聴きたくなるような爽快感があって、テンションを上げてくれる曲だと思うので、いろんな人に聴いてほしいです。
「モノクロページ」は僕が作詞した曲なんですけど、実は4thシングルで作詞した「In the shade」と「Shining warm」より先に誕生したのがこの「モノクロページ」なんです。「モノクロページ」は「In the shade」と「Shining warm」の完結編というか、「モノクロページ」を軸にして作ったストーリー性のある3曲で、僕が考えに考えて作った曲です。なので、いい曲になってるんじゃないかなと思います。1番と2番で女性と男性目線が変わるんですけど、今まで隣にいた人が急にいなくなって、今までの思い出がモノクロになってしまう。そしてやっぱり自分にはあの人が必要なんだと気づかされ、自分の悪かったところも気づくという、別れた話だけじゃなくて前向きなメッセージも込められています。
「In the shade」と「Shining warm」、「モノクロページ」で3部作になったのは、最初にこの3曲を作詞しようということになった時、ストーリー性があったほうが僕らしさを出しやすいかなと思ったからなんですね。今までのシングルもそういう作り方をしてきたので、今回もそんなふうに繋がるストーリーがあっても面白いかなと思って、3曲まとめてストーリーを考えることにしました。物語を作って人物像を描いた後に作詞したほうが、自分の恋愛観や人生だけに頼るよりも歌詞を作りやすいかなと思ったというのもあります。一応、ストーリーの設定とか時系列の出来事とかも書きつつ、作詞したんですよ。誰かの人生を歌うことによって、より多くの人が共感しやすくなるかなというのも考えてました。
周りを励ましたいタイプ? それとも励まされたい?
──YouTubeでは先行公開された「New Direction」のMVは公開から2週間ですでに4万回試聴されています。
高野 「New Direction」は曲自体が爽やかで、メロディーラインも強調されているので、逆にただの明るい曲になってしまうのは避けたかったんです。なので、うつむいている状態でい続けてはだめだよ、自分を信じて前を見て、新しい道に進んでいこうというポジティブな意味を込めた曲にしたくて、僕がテーマを決めさせてもらいました。MVに関しても、どこで踊るかって結構重要だと思うんですけど、僕のイメージでは荒れたところで踊ってるイメージがあったので、そういう場所で撮りたいですと伝えて。監督さんからはそれプラス、合成で爽やかさを足していきましょうということで、幻想的な世界観を作ってくれました。屋外での撮影だったのですごくいい色が出ましたし、衣装も明るい紫を基調としたグラデーションでかわいくて、明るい気持ちにさせてくれますよね。
──「New Direction」のMV撮影中、何かエピソードはありますか?
高野 コンテナがあるのを見てわかるとおり、撮影は埠頭でやったんですけど、実は撮影中、その埠頭に船が入ってきちゃったんですよ。ダンスシーンを撮っていたら急にむこうから大きな船が現れて、でも制作スタッフさんは「ここはちゃんと許可を取っているから大丈夫です」と言っているし…。なのに結局、その場所に船が停泊してしまったので、違う場所に移動したんですよ。すごく大きな船だったので近づいてくるのはちょっと怖かったですね(苦笑)。「New Direction」は大きく動く振り付けも多くて、指をさす振り付けもあって、全体的にポップだと思います。でもただポップっていうだけじゃなくて、気持ちいい振り付けをしていただいたので、すごく踊りやすい曲ですね。
──ポップで爽やかなだけじゃなく、意味を込めた曲にしたいという話がありましたが、高野さんとしてはこの曲をどんな風に受け止めて欲しいですか?
高野 悩み抱えたり、立ち止まりそうなことって人生でたくさんあると思うんですけど、そういう時に聴いてほしいですね。次に進もうとしている道が、どこに行っても不幸ってわけでは絶対にないと思うので。新しい方向に向けてダイレクトしてもらって、突き進んだ方がいいと思いますし、一回リフレッシュしないと悩みも解決しないと思うので、こういう曲をいっぱい取り入れてもらって、新しい道に進んでもらえたらうれしいと思います。
──前向きですごく明るさをもらえる曲だと思いました。高野さんご自身の性格的にはみんなを励ますタイプですか? 励まされたいタイプですか?
高野 基本的には励ましてあげたいですし、励ましてもらいたい時もあります。でも正直、ちっちゃい時から心配されることはあんまり好きではなかったので、励まされる機会は今まであんまりなかったですね。そもそも励ましの定義がいまいちよくわかってないんですけど、もし僕を励ましてくれるなら、ただ隣にいてもらえるだけでうれしいです。話を聞いてほしいわけでもない気がするので…。たぶんもともと誰かに助けを求めるタイプではないのかも。強いのか弱いのかわからないですけど(苦笑)。誰かにぶつけた方が早く解決できることもあると思うんですけど、それにまだ慣れてないというか、逆に弱いというか。悩みを相談することもないですし…。僕が相談したことで相手にとっても得るものがあるのであれば言いますけど、嫌な気持ちにさせても悪いなと思うし…。ちっちゃい相談とかはしますけど、悩んでるのを悟られること自体、あんまり好きではないですね。だから相談できない弱さはあると思います。周りの人が落ち込んでたらとりあえず話を聞いてあげたいし、頼られるのはうれしいけど、僕が頼るのは相手がどう思うんだろうって、つい考えちゃうんですよね。
(マネージャー)洸は人に心配かけさせるのが嫌なんだと思いますよ。人の愚痴も言わないし、人に心配かけないように気を遣うし。それを自ら語る性格でもないし。だけど大事な人が苦しんでいる時は迷わず真っ先に助けに行くタイプですね。なので、どちらかというと励ますタイプなのかと思います。
──周りのスタッフが全員、今の言葉に大きくうなずいてますね(笑)。「New Direction」と「モノクロページ」の2曲はアルバムリリースに先駆けて先行配信されましたが、反響は届いてますか?
高野 この前、舞台『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stageの現場で共演した仲間に感想をもらったり、MV見たよと言ってもらったりしました。「New Direction」は爽やかでよかったよ、とか。「モノクロページ」は曲調が大好きと言ってくれた人がいましたね。
アルバムタイトル『ENTER』に込められた思いとは……。
──今回のアルバムはラップが目立つ曲がいくつかありますよね。どの曲もラップがすごく自然でが、舞台でラップをした経験が影響していると思いますか?
高野 ありますね。もともとヒップポップのダンススクールに通ってる時から海外のラップを聴いていましたし、そういう乗り方が根本的に好きだったんですけど、舞台を通じてそこにさらに深く踏み込む機会がやってきた、という感じです。舞台『ヒプノシスマイク』では自分がラッパーとして役を演じるわけなんですけど、自分がやってるラップだけじゃなくて、他の人がやってるラップも舞台中、ずっと耳に入ってくるので、そういうカルチャーを体に染み込ませることができたっていうのが大きかったなと思います。もともとラップが好きなんでしょうね。うまいなとは思わないし、そこまでテクニカルな部分はわからないけど、韻を探すのは好きですし、このリズムではこうやった方が気持ちいいよなっていうのが自分の中にある程度あるので、好きなんだろうなとは思いました。
──初回限定盤アルバム(映像付き)にはDVD/Blu-rayが同梱します。こちらにではMVやダンスビデオなどの映像で高野さんを堪能できるということですが、あらためてこの映像を観て思い出したことはありますか?
高野 「Can't Keep it Cool」はMVを見るのが辛くなるぐらいキツかった思い出がありますね。ずっと踊ってたので(苦笑)。画角を変えてもう一回、画角を変えてもう一回っていうのを何度も繰り返して、延々フルで踊り続けたので。あそこの光景を思い出すと、あの時の苦労が蘇ってきますね。「Can't Keep it Cool」だけじゃなく、1stシングルは3曲すべてMVを撮ることになって、しかも全部ダンスビデオみたいな感じだったので、その撮影の連続はしんどかったですねえ…。「Untouchable love」のMVはすごく好きで、2つのセットで撮ってるから背景もコロコロ変わるし、衣装も変わるんですけど、チョコレートみたいで可愛いんですよ、赤と白で(笑)。曲と合ってるなと思いますし、ラップの時の照明のコントラストがすごくいいんですよね。
「モノクロページ」もいいですね。自分が踊ってないMVっていうのは僕としては結構、挑戦的だったんですけど、1番と2番で女性目線から男性目線に変わるっていうのをうまく伝えるために、MVも女性が踊ったあと男性が踊るというふうにしたらどうだろうという案が出て、そうしました。僕はストーリーテラーというか、語り手のような感じで歌っています。でも、歩いている道は2人がよくショッピングしていた街町だったり、2人の思い出の場所なんですよ。MVの見方はそれぞれだと思いますけど、あの曲は自分のダンスで表現しないという、ある意味チャレンジングなMVですね。
「BURNING UPLOVE」は夜、野外での撮影だったんですけど、でっかいコンテナがあったり、ちょっとストリートっぽい雰囲気に仕上がっていて、炎にまさに曲の熱さが出てる気がして、いい感じでしたね。衣装も半袖ですし。この人の心は熱く燃えているんだろうな、ということが伝わればうれしいです。「New Direction」はダンスビデオもあるので、ぜひ一緒に踊ってみてもらいたいですね。サビの最後のところ、「思いのまま進めNew Direction」っていう「Direction」からフリ2つ、1回手を上と下に掲げてもらって、その後右手を下げて、左を下ろして右手で左から新たな扉を開いて新しい世界に入るような振り付けがあるんですけど、ここは真似しやすいかも。でもライブツアーではペンライトを振ってもらえれば大丈夫です!
──今回のアルバムの中で歌詞、歌唱、タイトル、MVすべて含めて一番気に入ってる曲はどれですか?
高野 やっぱり「New Direction」ですね。僕が今やれること、勇気づけられることを詰め込んだ曲だと思います。舞台で共演している仲間からも、この曲は僕っぽいと言われました。周りが僕をどう思ってるかって実はあんまりよくわかってないんですけど(笑)、この曲は歌詞に全部共感できるし、ずっと自分が大事にしていたこと、ポリシーが表現されてると思います。たとえば「どうしたって時間は巻き戻せないんだから」というフレーズも、一度きりの人生だからこそ楽しんでいこうよって思うし、「自分自身を信じてよ」という歌詞も自分が大事にしている言葉だし、そういう前向きなところは自分っぽいのかも、と思いますね。
──アルバムのタイトル『ENTER』はどんな意味を込めてつけたんですか?
高野 僕にとって初めてのアルバムなので、第一歩という意味の言葉をたくさん探したりした中で、「ENTER」という言葉に行き着きました。すごくしっくりきましたね。「ENTER」という5文字の並びがすごくキレイだし、印象にも残りやすいし。入力した文字を確定する「ENTER」と同じように、これまで僕が培ってきたものや出してきた曲を全部入力して、今、世の中に放つという意味もあります。エンターテイナーのエンターでもあるので、素敵な5文字だなと思いました。そういう意味でもこのアルバムを象徴する「New Direction」は新しい世界に入る、自分を信じて貫くっていう曲だなと思います。
──今回のアルバムではできなかったけど、挑戦してみたい曲はありますか?
高野 今まではあるものの中から曲を選んできましたけど、例えば僕からこういう曲がいいですとオーダーするのもよし、誰かにコラボをお願いするのもありだと思います。あとは季節感のある曲とか、ガッツリラップとか。それに、今後は自分で作曲にも挑戦したいです。今は趣味程度に作曲をしてるんですけど、いつか自分で作った曲を紹介できたらいいなと思います。まだまだ挑戦できることはいっぱいありますね。
俳優として、アーティストとしての大きな目標とは?
──今回のアルバムの出来には満足ですか?
高野 満足ですね。どの曲もいろんな人の手によってアレンジされたり、こだわっていただいてできたものなんですけど、どれもしっかり仕上がって、完成された料理になっていて、それがコース料理として提供されているようなアルバムになったと思います。だから僕も満足してますし、みなさんにもきっと満足していただける内容になったんじゃないかなと思います。特に限定盤はサンプルが出来上がってすぐ見させていただいたんですけど、パッケージが箱なんですよ! 自分の関わった作品がこんな立派な箱になるっていうのもそもそもうれしいですし、特典としてトートバックとビッグカードブックレットも付いてるんです。特にブックレットの写真は素敵な場所で撮っていただいて、すごくいい写真になりました。分厚いCDは自分の作品としては初めてだったんですけど、ちっちゃい頃から分厚いCDのアルバムは目にしてきたし、自分もやっとここまで来たかっていう感じがしました。ただ音を出力して聴くだけじゃなくて、ブックレットの写真を目で触れて、箱を触って、みなさんの思い出に残るような作品になっていると思います。
──ジャケットの写真もいいですよね。クラシカルな雰囲気だけど、動きもあって。
高野 躍動感が表現できる衣装を持ってきてくださったんですよね。服はフォーマルだけどスニーカー履いてますし。ジャケットやシャツのヒラヒラも、僕の動きを表現してくれて、体の一部として一緒に表現できた感じはうれしかったですね。
──このアルバムをひっさげてのライブツアーも予定されています。どんなライブになりそうですか? 楽しみにしていることは?
高野 これまでアーティスト活動だけじゃなくいろんな舞台もやってきて、ステージ上に立っている時間が結構長かったので、その経験を生かす機会として、これまでの活動を全部「ENTER」させる瞬間、僕にとっての集大成だと思っています。集大成という意味ではこのアルバムもそうなんですけど、ライブツアーではこれまでやってきたことを生かして、最高のエンターテインメントを作れるようにがんばっていきたいです。アルバムの収録曲はライブに向けて選んだ曲もあるんですよ。たとえば「COLOR CLAPS」とか。まだライブで声を出すことはできないかもしれないけど、「Way-Oh!!」は一緒に振り付けをやったら楽しそうだし、みなさんと一緒に楽しむことがライブの醍醐味だと思うので、楽しみにしていただきたいです。
──アーティスト活動を始める前に観客としてライブを観た経験はありますか?
高野 初めてライブに行ったのは矢沢永吉さんですね。父がファンなんですよ。まだ自分が小さい頃で、ライブ途中でトイレに行きたいと言ったら、親に「何でやねん、今めちゃくちゃ楽しみにしとったのに! この曲ば聴きに来たのに」って(笑)。
──そういうご両親のもとで育ったんですね。じゃあ今回のライブも楽しみにしていらっしゃるのでは?
高野 そうですね。両親は車での移動が多いので、今では車の中でいつも僕のCDを流してくれてるみたいです。もちろん、役者としての活動も応援してくれていますけど、アーティスト活動は本当に幸せみたいで、まさかこんな車の中で息子の声が聴けるとは思ってなかったと言ってくれて、これからもっともっとがんばりたいと思うし、やりがいに繋がりますね。
──俳優として、アーティストとして、それぞれ今後やりたいことはありますか?
高野 どちらも目標は決まっています。役者としては朝ドラと大河に出演すること、アーティスト活動では紅白歌合戦に出場することですね。紅白歌合戦は今まで2回、出場させてもらっているんですけど、どちらも企画コーナーでの出場で、高野洸としては出たことがないので、次はアーティスト・高野洸として出演したいなという気持ちがあります。これまで2回出させていただいたからこそ、より強くそう感じるようになりましたね。役者とアーティストの目標を掲げましたけど、どっちが先に叶っても幸せだし、だからこそどっちも両立できたらいいなと思っています。それがおそらくどっちのレベルアップにも繋がると思いますし。「New Direction」の歌詞にもありますけど、あっという間に時間は過ぎていくし、時間は巻き戻せないので、自分がやれることを丁寧にやって、チャンスを掴みたいです。
──最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。
高野 アルバム『ENTER』で僕の歌手としての活動を一旦まとめることができたので、次の目標に向かって、次に『ENTER』する瞬間に向かって、もっともっと気を引き締めて、いい作品を作っていかなきゃなと思っています。アルバムも聴いていただいて、ライブにもぜひ遊びにきていただきたいです。これからも応援をお願いします!
撮影 長谷英史
『ENTER』
2021.3.24 ON SALE
AL+DVD2枚組+グッズ ¥13,900 (税抜) AVZD-96657/B~C
AL+Blu-ray Disc2枚組+グッズ ¥13,900 (税抜) AVZD-96658/B~C
AL+DVD ¥5,000 (税抜) AVCD-96659/B
AL ¥3,000 (税抜) AVCD-96660
『高野洸 1st Live Tour “ENTER”』
2021年4月25日(日) <変更後>仙台銀行ホール イズミティ21(仙台市泉文化創造センター)大ホール 開場14:30/開演15:00
2021年4月25日(日) <変更後>仙台銀行ホール イズミティ21(仙台市泉文化創造センター)大ホール 開場18:00/開演18:30
2021年5月1日(土) メルパルクホール東京 開場14:00/開演14:45
2021年5月1日(土) メルパルクホール東京 開場17:45/開演18:30
2021年5月3日(月・祝) ももちパレス 開場14:00/開演14:30
2021年5月3日(月・祝) ももちパレス 開場17:30/開演18:00
2021年5月5日(水・祝) 松下IMPホール 開場14:00/開演14:30
2021年5月5日(水・祝) 松下IMPホール 開場17:30/開演18:00
2021年5月8日(土) <変更後>大宮ソニックシティ 大ホール 開場 13:30/開演 14:30
2021年5月8日(土) <変更後>大宮ソニックシティ 大ホール 開場 17:30/開演 18:30
※開場・開演時間は変更になる可能性がございます。予めご了承ください。
【高野洸 OFFICIAL SITE】
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- WRITTEN BY尹秀姫(ゆんすひ)
- 出版社勤務を経て、現在はフリーの編集・ライター。
たまに韓国語の通訳・翻訳も。K- POPを中心にさまざまなアーティスト・ 俳優にインタビューしています。