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兒玉 遥・本格始動! 初舞台出演への意気込み、女優への夢とこれからの目標を語る。

2019.09.13
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インタビュー
今年6月にHKT48を卒業し、女優としての活動を本格スタートした兒玉 遥さん。その初舞台となる「私に会いに来て」の東京・大阪公演がいよいよ間近に迫ってきました。実際の事件を元にした韓国の大ヒット演劇作品で、2003年には「殺人の追憶」のタイトルで映画化され、こちらも大ヒットしました。今回、兒玉さんが演じるのは事件を追う女性新聞記者。稽古真っ最中の8月下旬、彼女に舞台への意気込み、女優としての夢や目標などを伺いました!


割り箸をくわえて滑舌トレーニング!

──今は連日、舞台の稽古中なんですね。

兒玉 はい、8月に入ってから始まって、今は絶賛稽古中です(笑)。

──稽古は一回何時間ぐらいなんですか?

兒玉 6~7時間ですね。週1日は休みがあって、それ以外は毎日それぐらいです。

──けっこう長時間ですね! 大変ですか?

兒玉 でも楽しいので(笑)。毎回、やっていくにつれて出来上がりが見えてくるのが、すごく楽しいです。

──その中で、今の課題はどういうところですか?

兒玉 私が演じるパク・ヨンオク記者は強い女性の役なんですけど、普段の私のしゃべり方でやると優しい印象になってしまうみたいで、そこを直して全く違った印象にするのが難しいなと、今は思ってます。

──声の出し方とか?

兒玉 出し方についての指導はないですけど、「まだかわいい感じだから、もうちょっと大人っぽくして」とは言われます。私は滑舌があまりよくないので、それもあって。

──滑舌については以前からいろいろ言われてますよね(笑)。舞台だと余計に大変では?

兒玉 そうなんです! 普段の会話では聞き取りづらいと言われることはないんですけど、舞台となると遠くの人にも届けないといけないから、もっと強化対策しないとです。

──今やっていることはあるんですか?

兒玉 割り箸をくわえてしゃべるというトレーニングをしてます。すごくしゃべりづらいんですけど、割り箸を取るとすごくよくなるので。




──それって、1回につきどれぐらいの時間やるんですか?

兒玉 15分ぐらいですかね。けっこう疲れますよ(笑)。しゃべるって、けっこうエネルギーを使うんだなって思いました。

──女性記者役ですが、今言われたようにけっこう強い性格の女性なんですよね。

兒玉 そうですね、自分をしっかり持ってて、ハキハキとした印象の女性です。殺人事件についての警察の捜査を追っている記者なので。

──女性に限らず、新聞記者って普段そんなに接することのない職業だと思うんですが、どういうイメージがありますか?

兒玉 スーツをカッコよく着こなして、聞きにくい質問もズバズバ聞いていくという感じですかね。仕事のためなら何でもするみたいな。

──それって、自分と比べると……?

兒玉 どうだろう? でも私が演じる役は、仕事のキャリアも積みたいけど、ちゃんと女性としての幸せもほしいなと思ってる貪欲な人なんです。今回の作品はラブサスペンスになっていて恋愛要素もあるので、そういう点では自分と共通する部分もあって、演じてて面白いなと思います。

──その部分って、この舞台の映画版「殺人の追憶」とは全く違うところなんですよね。

兒玉 そうですね、映画版には恋愛要素が全くなくて、この女性記者自体が出てこないんですよ。映画は事件にフォーカスしてたんですけど、舞台では登場人物一人ひとりの人間性がもっと出ているので、より共感しやすくなってるんじゃないかなと思います。



稽古2日目で折れた心を回復してくれたものは?


──長時間の稽古の中では休憩時間もあると思うんですが、気分転換のために何をしてますか?

兒玉 差し入れのお菓子を食べてます(笑)。甘い物を食べると癒やされますね。今日は何かな~って。

──その中でも好きなのは?

兒玉 この前はラスクがあって、すごくおいしかったです(笑)。あと和菓子が好きなので、和菓子が来るとすごくうれしいです。おまんじゅうとかどら焼きとか。

──休憩時間に、他のキャストの人とお話しされたりとかは?

兒玉 しますね。「あそこのシーンはもっとこうしよう」とか、「ここはこういう気持ちだからこうなるよね」とかって話し合ったりします。



──ご自分の役の中での見どころというか、「このシーンは自信ある!」というところは?

兒玉 私の役はずーっと切羽詰まってて、怒ってるシーンがけっこう多いんですよ。普段の私はそんな風に感情を爆発させて怒鳴ったりすることはないので、そこは普段とすごくギャップがあるんじゃないかなと思います。

──もともとの兒玉さんを知っている人だと、より楽しめそうですね(笑)。演技そのものに関してなんですが、以前にHKTの舞台も経験してますよね。あの経験は今回、役に立っていますか?

兒玉 あの時とは気持ちの入れようがまた全然違いますね。以前は、周りのメンバーがいたことで安心感がありましたし、自分がどれぐらいできているのかという判断がなかなかできなかったんです。でも今回はグループを卒業してからの初舞台になるし、実力のある役者さんたちと一緒に稽古していると、すごく力不足を感じるので、「頑張らなきゃ!」っていう気持ちをすごく奮い立たせられます。

──しかも、そこで演じるのが素の自分とは正反対とも言える役柄だから……

兒玉 はい! メッチャ頑張らないといけないんです。稽古2日目で心が折れちゃって、部屋に戻って泣きました。でも後から考えたら、「まだ2日目なのに、何で落ち込んでたんだろう?」って思いますけどね(笑)。

──心が折れた時は立ち直りが大変ではなかったんですか?

兒玉 すぐ友達に電話したら「大丈夫だよ!」って励ましてもらえたので、けっこうすぐに立ち直れました。メッチャ甘やかしてくれる友達がいて、よかったです(笑)。

──和菓子とか友達とか、いろんな力を借りてるんですね(笑)。

兒玉 そうですね。頼れるものには頼りまくって、本番を迎えたいです(笑)。


私なりのよさを感じてもらえる女優さんになりたい!


──演技をすることには、幼稚園時代から憧れていたそうですね。

兒玉 はい。人前に立って披露するみたいなことがすごく好きで、楽しいなと思ってたし、憧れモアいりました。幼稚園とか小学校で劇をする時に「主役やりたい人!」って言われたら自分から手を上げて立候補する子供でしたね(笑)。脇役でいいや、とは絶対ならなかったですね。



──主役をやった中でも思い出深いのは?

兒玉 幼稚園の時の「人魚姫」ですね。金髪のカツラをかぶりました(笑)。うまくできたかどうかはもう覚えてないんですけど、衣装がかわいかったのはよく覚えてます。お洋服はけっこう大事です。

──今回はスーツなんですよね。

兒玉 ほとんどの場面がスーツですね。スーツにも憧れがあったので、今回はうれしいです。

──これまで、好きな女優さん、憧れの女優さんはいましたか?

兒玉 沢尻エリカさんがすごく好きで、作品はほとんど見てます。見てて美しいなと思うし、エキゾチックで存在感もすごくあって。生き方もすごくカッコいいなと思いますね。「大人の女性」って感じで、すごく憧れがあります。

──沢尻さんみたいな女優さんになりたい?

兒玉 ……なれないと思います(笑)。憧れの人ではあるんですけど、私とはイメージが全然違うので、私は私らしく、私なりのよさを知ってもらえるようになりたいと思います。

──なるほど。

兒玉 私はいろんな人のよさを見出しちゃうタイプなので、好きな女優さんはけっこうたくさんいるんですよ。

──いずれやってみたい役柄は?

兒玉 お医者さんですね。「コード・ブルー」がすごくカッコいいなと思っていて、ああいう、みんなで団結して困難に向かうみたいなストーリーも好きなんです。すごい人数の人が出てくるじゃないですか。「撮影現場は大変なんだろうな」と思いながら、いつも見てます。

──あれも緊迫感のあるドラマですよね。

兒玉 はい。「私が失敗したら全員、時間が止まっちゃう!」という緊張感ですよね。今回の舞台もそうなんですけど、自分の日常とは全然違うような、非現実的な役をやってみたいなと思ってます。

──今回は舞台ですが、ドラマもあれば映画もありますよね。この先、どうしていきたいですか?

兒玉 今はお芝居を上達させたいという思いが強いので、この舞台もしっかりやって、映画とかドラマにも挑戦していきたいなって思ってます。




アイドル時代の経験で今に生きていることは……


──兒玉さんはアイドルグループを卒業して、この女優の道に進んだわけですよね。人前に出て何かを見せるという意味では似ていますが、また違う世界でもあると思います。そこに踏み出すことに不安はなかった?

兒玉 経験がないから、一からスキルアップしていかないといけないので、そういった部分で不安はありました。でも、楽しみな部分も多かったです。先が見えないという部分では確かに不安だったんですけど、思い返せばアイドルの時も、どうなるのか分からずに進んできたなと思うんですよね。

──アイドル時代との違いを一番感じる部分はどこですか?

兒玉 歌って踊って表現する方法とお芝居では、表現の仕方がやっぱり全然違うなと思います。歌の振りつけを覚えるのも難しかったですけど、お芝居はすごく自由な世界で、自分と向き合いながら作っていかないといけないので、そこがすごく難しいなと感じてます。

──逆に、アイドル時代の経験が役に立っている部分は?

兒玉 いろんなステージに立たせていただいたので、お芝居に対する不安とか緊張はあるんですけど、ステージに立つことに対してはそこまで不安要素はなくて。舞台慣れというか、そういった部分では心構えができてるから、すごく役に立ってるなって思います。

──アイドル時代の経験で、今振り返って一番大きかったことはどういうものですか?

兒玉 すごく短いスケジュールの中で覚えないといけなかったり、直前での変更とかもあって臨機応変に対応する力がないとやっていけなかったんです。直前に変わった演出をすぐ覚えてやるとか、そういう部分はみんなにすごくビックリされます。舞台だと、今回は1ヵ月ぐらいの稽古ですけど、コツコツと時間を作り上げていくんですよね。そういうことは、以前はあまりなかったんですけど、あの頃の経験がすごく生きてるなって思いました。




──修羅場慣れというか。

兒玉 そうですね、たいていのことは何とかなるって思います(笑)。

──この先、女優以外にやってみたいことは?

兒玉 歌をやってみたいです。あと、SNSをもっと有効活用したいなと思っていて、今、考え中です。

──というと?

兒玉 今はインスタグラムとツイッターをやっているんですけど、YouTubeとか、他のもできたらいいなと思ってて。あとライブ配信をもっとやっていって、昔から応援してくださってる人とか、新しい方にも感謝の気持ちを伝えたり、より身近な存在に感じてもらえる女優になれたらなって思ってます。

──今も稽古の後とかにインスタライブをやられてますよね。稽古が6~7時間と聞くと、「その後にやってたんだ!」と驚きも新たという感じなんですが(笑)。

兒玉 そうですよ(笑)。でも、気持ちがあったかくなるんです。部屋に戻って一人でご飯を食べて誰とも話さないでいるよりは、ライブ配信で15分ぐらいでもゆるりとおしゃべりできるのは、自分にとってもすごくリラックスできる時間になってます。もともと、おしゃべりするのが好きなので。

──反応もあるし。

兒玉 とっさにやっても見に来てくださるので、うれしいですね。コメントをくれたりするのも、すごく支えになってます。

──例えば、今から20年経ったら、もうかなりのキャリアになっているはずじゃないですか。その時、どんな存在になっていたいと思いますか?

兒玉 全く想像できないです(笑)。想像できるのは3年後ぐらいまでですね。その頃には女優さんとして活躍していたいなという思いが一番強いです。連続ドラマに出たりしていたいですね。

──「これに出たい!」みたいなものはありますか?

兒玉 いっぱいあります。朝ドラも目標だし、映画にも出たいし、あとは……映画の役で賞をいただけたら、自分にとっても自信になるなあって思います。

──映画もいろいろありますよね。極端なところではホラーとか……

兒玉 あ、ホラーはやってみたいです! 怖い映画はあんまり見られないんですけど、演じるのは楽しそうだなって(笑)。そこでは、私はお芝居で見ている人を怖がらせる側ですからね。それは楽しそうだなって思います。とにかくいろんな役を演じてみたくて、これからがすごく楽しみです。

──では最後に、読者の方、ファンの方にメッセージをお願いします。

兒玉 今回の女優としての初舞台で、女優への挑戦に対する私の覚悟を皆さんに感じてもらえるお芝居ができるように、日々、稽古に励んでいるので、ぜひ見に来てください!

──ありがとうございました!
撮影 長谷 英史

 
【兒玉 遥 オフィシャルサイト】 https://kodama-haruka.com/
【兒玉 遥 Twitter】 https://twitter.com/haruka_kdm919
【兒玉 遥 Instagram】 https://www.instagram.com/haruka_kodama919/


舞台『私に会いに来て』
出演:藤田 玲/中村優一 兒玉 遥 西葉瑞希/栗原英雄 ほか
原作:キム・グァンリ
演出・映像:ヨリコ ジュン
上演台本訳:後藤温子

【日時・会場】
2019年9月13日(金)~ 16日(月祝) 東京・新国立劇場 小劇場
2019年9月19日(木)・20日(金) 大阪・サンケイホールブリーゼ

【公式HP】
https://www.watashiniainikite.com/
高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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