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“和楽器バンド”『軌跡 BEST COLLECTION+』発売記念!ファッションクリエイター“有伽”がかける服の魔法

2017.11.29
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和楽器とロックバンドを融合させた新感覚バンドとして、絶大的な人気を誇る“和楽器バンド”。そんな彼らにとって初となるベストコレクションアルバム『軌跡 BEST COLLECTION+』が11/29(水)に発売されます。YouTubeの再生回数が6,700万回を突破した「千本桜」をはじめ、最新曲「雨のち感情論」までの14曲、そして今作のために書き下ろされた新曲3曲を含む全17曲を収録した豪華なアルバムとなっています。


今回はそのアルバムに収録されている「シンクロニシティ」のMVにて、彼らの衣装を担当したファッションクリエイターの“有伽(ゆか)”に、“和楽器バンド”の魅力や衣装のポイントなどを聞いてみました。



信頼が創りあげる和洋折衷のデザイン



―今回の衣装は、普段の“和楽器バンド”のイメージからすると雰囲気が違うものに仕上がってますよね。どのようなコンセプトで作成されたのでしょうか?
 
有伽)  依頼を受けてデザインから完成までの時間が1ヶ月しか無く、時間もかなり限られていたので、自分の中で彼らに着てほしいと構想していたものがあったのでそれをご提案したところ、OKを頂きました。今までは着物感の強いデザインに刺し色とかが多かったんですけど、今回はベストアルバムですし、あえてモノトーンによってディテールに和を利かせて仕上げてます。
 

―時代的なイメージだといつですか?
 
有伽) 現代ですね。ジャケットっていうところを1つの縛りにしていて、そこは現代の正装っぽいかなと。ファンの方からは明治維新や大正期っぽいと言われていて、私としては新しい発見でした。
 

―以前の衣装も一任されて制作されたんですか?
 
有伽) 「こういう雰囲気でやりたい」っていう話やメンバー全員の要望があったりします。1年前くらいに他のデザイナーさんと共同でつくった「雪よ舞い散れ其方に向けて」では雪モチーフということで白黒を基調にしていたり、「オキノタユウ」は大正ロマンがコンセプトになっています。



―“和楽器バンド”の方々が、有伽さんを信頼されている感じが伝わってきますね。
 
有伽) 私の作風を知ってくださっているから、先方にとって安心感はあるかもしれません。
 

―デュエットソングのような曲なので、ゆう子さん(Vo.)と町屋さん(Gt.)がリンクコーデに見えました(笑)。
 
有伽) ベースのスタイルとしては同じなので、そう見えるかもしれませんね。ちょっとパンチの利いたスーツですからね。


その人にしか似合わない1着をめざして



―先ほど1ヶ月で8人分の衣装を制作されたというお話がありましたが、実際とてもハードじゃないですか?
 
有伽)  任せられるアイテムは縫製の外注に出したり、お手伝いに来てもらったりもしますが、そうですね(笑)。自分の中では、もっとこうしたかったっていうのが正直ありましたけど、時間があったらあったでこだわっちゃうんですよね、きっと。限られた時間の中で最良を目指しています。
 

――これからメンバーの方に着せてみたいデザインってありますか?
 
有伽) 1回やってみたいと思っているのは、メンバー全員に正統派な着物を着てもらうことですね。8人でやったらかっこいいんだろうなって。
あとは真逆に、和服の要素がまったくないデザイン。スタイリストさんが入って洋服をコーディネートしたことはあるんですけど、私は1からデザインしてみたい。いざやるとなったら、すごく悩みそうですけどね(笑)。
 

――彼らのデザインをしている中で悩むのは、どういうことですか?
 
有伽) “和洋折衷のどこに和を混ぜるか”には、いつも悩みますね。“着物”というと型が限られているので、和を感じるポイントってかなり絞られてくるんです。少し手を広げれば甲冑や法衣にも手を伸ばせるんですけど、シュッとしたIラインで襟や帯、袖があるっていうところに“着物らしさ”をわかりやすく感じさせるデザインというのは、限定されがちなんです。なので、どうしてもネタ切れに陥りやすい。デザインの使いまわしみたいなのは回数を重ねてくると出てきてしまうところはあるので、それをいかに古っぽく見せないかですね。「今回も新しい」ってみなさんに思ってもらえるようにしてます。


思わず真似したくなる“和楽器バンド”の衣装



―ファンの方の中には、衣装を再現される方もいるようですね。
 
有伽) そうなんです!
衣装ができると「こんなのつくったよ」ってブログに載せるんですけど、それを参考にして頑張って真似て作っていらっしゃるようです。自分のブログがこんな風に活用されるとは思ってもみませんでした。アーティストへの愛がなきゃできないことですよね。本当にすごいなぁって。
 

――中途半端な気持ちじゃできないですね。ちなみに、“和楽器バンド”をコスプレするコツってありますか?
 
有伽) それっぽく見せるには、色遣いとシルエットを重要視することですかね。形をできるだけ近づけるのがいいかもしれません。一見着物に見えるものでも、一度全部解体して形を変えているので、細かく追及するのはかなり大変だとは思います!
 

――お手軽に再現できるオススメの方法はありますか?
 
有伽) 着物袖の衣装が多いので、似たような着物を買ってきて同じ挿し色を使うことかな。そうすると簡単にそれっぽい感じになると思います!


ディテール1つ1つに想いを込めて ~和楽器バンド”の衣装ワンポイント解説~



―では、最後に今回の衣装のこだわりを1人ずつお伺いしてもいいですか?


■鈴華ゆう子(Vo.)



ご本人の希望を採用してストライプ柄を使用しています。配色や色の入れ方は芸者さんをイメージしました。他のメンバーはワイシャツなのですが、ゆう子さんはシャツワンピっぽいディテールにしています。

■いぶくろ聖志(箏)



羽織の羽織紐を模したデザインになっています。ベストのように見せるけれど、陣羽織のイメージですね。同じ黒でも数種類の素材を使い分けていることもポイントです。


■神永大輔(尺八)



ベストっぽいけどベストじゃないつくりになっています。いっぱい着ているように見えて1枚なのは面白いですよね。ジャケットの襟が着物衿のように立っているのもポイントです。そしてこれは全員に共通なのですが、おそろいの「和楽器バンド紋」をつけています。


■蜷川べに(津軽三味線)



へそ出しスタイルなのに、礼装の白半襟がついているデザインがこだわりです。帯締めをベルトのように使い、和洋折衷のちぐはぐ感を楽しむデザインにしました。


■黒流(和太鼓)



着物の形のようなシャツにしています。襟の端っこや、上着についている金属の部分はお寺の扉などの建築からのイメージで付けています。


■町屋(Gt.)



襟元の重なり部分に関して、シャツが「襦袢」、ベストが「着物」、ジャケットが「羽織」というイメージで、全体でいわゆる“紋付の羽織袴”を表しています


■亜沙(Ba.)



袴風に作られたキュロットがポイント。生地自体も本物の袴から取りました。レースが好きな方なので、ディテールにあしらっています。


■山葵(Dr.)



股上の高さは山葵さんのこだわり。手作りの“みょうが結び”がアクセントになっています。


―有伽さんが着てらっしゃる衣装も、メンバーとお揃いなんですよね。こちらのこだわりも教えていただけますか?


有伽) 和楽器バンドを彷彿とさせる和装で、とのリクエストがあったため、今回の衣装を模した着物のコーディネートをしました。似せたのは、下にシャツを着ている着こなし方と、あと和洋折衷感。ちなみに襟のストライプは、余り生地で作ってゆう子さんとおそろいにしてみました。あと裏生地に描かれているバラは、亜沙さんが履いているレギンスの柄スパッツともリンクしています。これはさっき気づいた偶然なんですけどね!(笑)。
 

―今日はたくさんのこだわりを教えていただき、ありがとうございました!
 

さて、“和楽器バンド”の衣装のこだわりが分かったところで、朗報です。
2018/1/27には、横浜アリーナにて「和楽器バンド大新年会2018」の開催が決定しました。当日は演奏だけでなく、彼らの洗練された衣装にも注目してみてください。
 

Best Album
『軌跡 BEST COLLECTION+』

■MUSIC VIDEO盤
[CD+DVD+スマプラムービー&スマプラミュージック]
¥4,000+税 AVCD-93773/B~C
[CD+Blu-ray+スマプラムービー&スマプラミュージック]
¥4,800+税 AVCD-93774/B
※初回特典:三方背仕様/トレーディングカード18種類中1種類ランダム封入/応募シリアルナンバー
 
■LIVE映像盤
[CD+DVD+スマプラムービー&スマプラミュージック]
¥6,000+税 AVCD-93775/B
[CD+Blu-ray+スマプラムービー&スマプラミュージック]
¥6,800+税 AVCD-93776/B
※初回特典:三方背仕様/トレーディングカード18種類中1種類ランダム封入/応募シリアルナンバー
 
■CD ONLY
[CD+スマプラミュージック]
¥2,800+税 AVCD-93777
※初回特典:三方背仕様/トレーディングカード18種類中1種類ランダム封入/応募シリアルナンバー
 
【和楽器バンド Official site】
http://wagakkiband.jp/
 
【有伽 Official website】
http://www.yuka-ouka.com/
 
坂井彩花
WRITTEN BY坂井彩花
元楽器屋の経験を持つライター。音楽系の記事を中心に執筆中。
人生は盛大なネタです。音楽とお酒と人がすき。
Twitter :@ https://mobile.twitter.com/ayach___
公式サイト: http://note.mu/color_music
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